2024年5月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態等に影響を与える可能性のあるリスク、および投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下のとおり記載いたします。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)株式会社小津商店との関係

 株式会社小津商店は、1653年創業の「紙商小津屋」を嚆矢としており、同社の紙事業分野が分離し発展してきたのが当社グループです。株式会社小津商店の当社持株比率は、低下してまいりましたが、現在、当社の議決権の28.9%を保有する主要株主となっております。

 当社グループは独立性、自主性に基づき企業運営を行っておりますが、株式会社小津商店の当社に対する基本方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは不織布、除菌製剤等を扱う事業会社、株式会社小津商店は不動産事業と和紙文化事業・和紙販売事業に特化した会社との棲み分けになっております。この棲み分けは、今後も継続する方針であります。

(2)販売先が属する業界の需要動向、市況による影響および業績の季節変動

 当社グループの不織布事業における主力製品は、エレクトロニクス・半導体業界、医療業界およびコスメティック業界向けであり、これらの業界の需要動向、市況などは業績に大きな影響を与えます。また、日本プラントシーダー株式会社において第2四半期である6月~8月の夏場に販売がピークになることから、不織布事業の営業利益は第2四半期に集中して計上される傾向があります。

(3)素材調達

 当社グループは、国内外の多くの取引先から不織布製品の素材を仕入れ、加工し製品化しております。

 取引先からの素材の仕入が、何らかの理由で滞った場合、製品やサービスを得意先に提供できないという事態が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)製品品質

 当社グループの不織布製品は、素材を国内外の多くの取引先から仕入れ、当社グループの加工関係会社3社および海外の協力工場で製品化しております。

 各加工場では充分な品質管理を行っておりますが、製品やサービスに関する不良欠陥により、大規模な製品クレームが発生した場合、製品回収や製造物責任賠償などに関する費用が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)災害による影響

 当社グループが保有する物流センターのほか、素材の仕入先、または当社グループの加工関係会社3社もしくは海外の協力工場が、大規模な地震などの災害により損害を被った場合、物流センターの稼働率が一時的に低下したり、加工場における製品の生産能力が減退することにより、売上高、利益が減少いたします。

 また、設備の修復のための費用の増加により、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 アグリ分野を担当する日本プラントシーダー株式会社においては、天候不順・自然災害が発生した場合には、売上高・利益が減少いたします。

(6)海外市場の動向

 不織布事業におけるエレクトロニクス用ワイパーは、国内の加工関係会社3社以外に海外の協力工場においても生産を行い、中国、台湾、その他の東南アジア地区などを中心に販売を行っております。

 従いまして、当社が販売を行っている各国において政治、経済、社会情勢の変化などの予期せぬ事象が発生し、販売活動に支障が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替相場の変動による影響

 当社グループは、大きな市場であるアジア地区における仕入および販売体制の確立と強化を図っており、今後も海外取引の比重は高まる傾向にあります。輸出または輸入取引の一部は外貨建で行っているため、為替相場の変動による影響を受けます。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主に対して長期的に安定した利益還元を行うことを基本方針としつつ、併せて当社グループの企業体質の強化と将来の事業展開に備えた内部留保の確保などを総合的に勘案し、配当を行うこととしております。

 加えて、株主への利益還元を充実するため、業績の多大な影響を与える事象の発生がないかぎり、減配は行わず、増配を目指して業績向上に努めます。

 なお、当社は、「取締役会の決議によって、11月30日を基準日として中間配当をすることができる」旨を定款に定めておりますが、当社の販売している商品は季節変動や市況に多分に左右される傾向にあるため、年間を通しての収益がある程度確定した段階で配当を決定することとしております。従いまして現時点におきましては、中間配当制度はあるものの、期末配当の年1回の配当を行うことを基本的な方針としております。期末配当および、中間配当とも「取締役会の決議によって定めることができる」旨を定款に定めておりますが、期末配当につきましては、株主総会決議によって行うことを予定しております。

 不安定な国際情勢や原材料価格の高騰等により国内経済の先行きは不透明なものとなっております。そのような中、当社グループといたしましても、生き残りを図るためだけでなく、一層の業容の拡大、収益力の向上を目指してM&Aや新規事業への参入なども選択肢として考えております。そのため、株主への安定的な配当を行いつつ、内部留保も充実させ強固な経営基盤の確立を図ってまいります。

 当期の期末配当につきましては、1株当たり25円となりました。なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たりの配当額

(円)

2024年8月28日

209,998

25

定時株主総会