人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数109名(単体) 736名(連結)
-
平均年齢39.1歳(単体)
-
平均勤続年数10.4年(単体)
-
平均年収6,628,384円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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(2024年3月31日現在) |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
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デバイス事業 |
357 |
(34) |
ソリューション事業 |
270 |
(57) |
全社(共通) |
109 |
(15) |
計 |
736 |
(106) |
(注)1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、嘱託社員)は、期末人員を( )外数で記載しております。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2)提出会社の状況
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(2024年3月31日現在) |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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109 |
(15) |
39.1 |
10.4 |
6,628,384 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
全社(共通) |
109 |
(15) |
計 |
109 |
(15) |
(注)1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、嘱託社員)は、期末人員を( )外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
当社グループは労働組合を結成しておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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当事業年度 |
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会社名 (注)1 |
管理職に占める 女性労働者の割合(%)(注)2 |
男性労働者の 育児休業取得率(%)(注)3 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2,4 |
||
全労働者 |
正規 雇用労働者 |
臨時雇用者 |
|||
萩原電気ホールディングス株式会社 (提出会社) |
15.4 |
100.0 |
80.1 |
71.4 |
61.4 |
萩原エレクトロニクス株式会社 |
1.3 |
100.0 |
52.9 |
63.2 |
28.5 |
萩原テクノソリューションズ株式会社 |
0.0 |
100.0 |
55.9 |
66.9 |
35.8 |
上記3社 (提出会社・主要連結子会社) |
3.4 |
100.0 |
60.8 |
67.9 |
36.0 |
(注)1 連結全体のマネジメントと開示を目指しますが、先行して「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、情報公開が義務化されている提出会社(当社)及び主要な連結子会社を記載しております。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4 男女の賃金格差については、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均の割合で示した数値(それぞれ小数第2位を四捨五入し少数第1位まで表記)を記載しております。
なお、同一労働の賃金に差は無く、職群(コース)及び等級別人員構成の差により一人当たりの賃金に差が生じておりますが、賃金制度・昇給基準において性別による処遇差はございません。
また、臨時雇用者は、パートタイマ―と嘱託社員(定年再雇用者を含む)、契約社員を対象としております。業務内容や雇用形態の違いにより一人当たりの賃金差が生じておりますが、性別による処遇差はございません。
(多様性に関する指標についての補足説明)
当社の差異の要因の一つは職群(コース)及び等級別人員構成に差があることです。男女の平均勤続年数の差は年々縮小しておりますが、2024年3月期にて女性10.2年、男性15.7年と約5.5年の差があるため、管理職の候補となる層が男性に比べて女性の方が少ない状況は継続しております。
また他の要因としては、時短勤務などの利用が挙げられます。
詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本・多様性に関する取組」に記載しておりますので、ご参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針と取組
当社グループは、「創造と挑戦」という理念のもと、中長期視点での事業活動の推進と社会適応力の向上によるサステナビリティ経営を推進し、SDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)の意識を高めながら、新たな価値の創造に努め、優れた商品・製品やサービスを社会に提供し、企業成長の実現と社会の持続的成長に貢献し、社会から必要とされる存在であるよう努めています。
当社グループは、事業環境及びステークホルダーの双方の観点から様々な社会課題の重要度を調査・検討し、2021年度に4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。このたび、取り巻く環境の変化や中長期の経営戦略なども踏まえてマテリアリティの見直しを行い、2024年6月取締役会にて決議し、改めて4つのマテリアリティを設定しました。今後は、これまでの取組における活動基盤や活動成果を活かしつつ、新たなマテリアリティに紐づく主要テーマを設定し、中期経営計画の施策とも連携させながら、サステナビリティ活動の深化にチャレンジしてまいります。
活動体制については、2022年7月にサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長、経営会議メンバーを中心に構成)を設置し、コーポレート・ガバナンスやサステナビリティに関する取組の進捗状況や課題等についての議論を通じて実効性を高めています。サステナビリティ委員会は、3ヶ月に1回のペースで開催し、内容は取締役会に報告されます。下部組織には、リスク管理委員会、内部統制委員会、サステナビリティ推進委員会を置き、「コンプライアンスや内部管理体制の適切性・有効性の検証、問題点の改善・是正」「リスクマネジメントの強化」「SDGsやESGのさまざまな課題解決」等の活動のモニタリングや指導を担います。これらの主要な委員会を中心に関連する各委員会も含めて、相互連携することでより実効性のある体制を構築し、サステナビリティへの対応の質を高め、当社グループの中長期的な企業価値の向上を目指します。
サステナビリティ推進委員会には、4つのワーキング(環境推進、ソーシャル、財務・IR、事業)を設置、各テーマの主要部門からメンバーを構成し、各ワーキングリーダーにはそれぞれ職責者を任命し、各部門の年度計画や重点施策とSDGsやESGとの関連付けを行いながら、実行性のある目標やKPIを設定しています。
サステナビリティ推進部を設置し、円滑な委員会運営やワーキング活動支援、サステナビリティに関する社内外の情報収集や案件創出、社員への活動の普及等、活動の幅や深みを広げていくための主管部署としております。
(2)気候変動に対する取組(TCFD提言に基づく気候変動関連の情報開示)
気候変動が社会に与える影響は大きく、当社グループとしても気候変動を取り組むべき重要な経営課題の1つとして認識し、TCFD提言へ賛同する企業や関連団体と協働しながら、TCFD提言のフレームに基づいた情報開示(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)を行っています。2023年4月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同とTCFDコンソーシアムへの参加を行いました。株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーとの良好なコミュニケーションが図れるように、TCFDのフレームに基づいた情報開示の充実を進めるとともに、気候変動問題から生じ得る事業環境への影響を分析しながら、当社グループの企業活動と事業活動において進められる取組を検討し、パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に貢献できるように活動してまいります。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ推進委員会を3ヶ月に1回開催し、SDGsやESG推進に関する方針策定、重要課題に対する施策の議論や決定、その進捗モニタリングを行います。気候変動対応は、本委員会の重要テーマの一つに位置付けており、活動方針や推進施策の妥当性と進捗状況を評価しています。サステナビリティ推進委員会の指示・決定に基づき、環境推進ワーキンググループが中心となり、気候関連問題や環境課題に関する具体的な取組を当社グループ各社の関係部門や環境マネジメントシステム(EMS)の仕組みへ展開し、活動の促進を図ります。サステナビリティ推進委員会における主たる活動状況や重要事項は、定期的なサステナビリティ委員会や取締役会への報告や、重要度に応じた取締役会での協議・決議が行われるプロセスとし、取締役会による適切な監督や指導が図られる運用体制としております。
②戦略
当社グループは、2050年までを考慮した定性定量のシナリオ分析を実施しています。当社グループの気候変動に関わる短・中・長期のリスクと事業機会を網羅的に分析し、シナリオに基づいて定量化した結果から影響度を大・中・小に振り分け、下記のとおり選定しました。
事業及び企業活動に与える影響が大きいと考える事項を重要事項として抽出した結果、移行リスクについては、炭素税導入等の各種法規制の変更によるコストへの影響や情報開示ニーズの未対応リスクなどを抽出しました。また、物理リスクでは、異常気象甚大化によるサプライチェーン寸断や平均気温上昇による影響等の売上減少のリスク等を抽出しました。今後は、これらを踏まえて、リスクと機会から生じ得る影響とその対応策の定義を行い、中長期的な経営戦略へ組み込んでまいります。
(主なリスクと機会)
|
種類 |
要因項目 |
事業インパクト |
時 間 軸 |
影 響 度 |
主 な リ ス ク |
政策・法規制 |
自動車関連顧客への生産・サービスへの命令及び規制 |
炭素税導入等の各種法規制の変更が、半導体製造やその他製造など、当社が商社機能として関わるサプライチェーンにおいて材料の供給や資材価格等へ悪影響を与えた場合、当社においても原価高騰による仕入れコストが増加 |
中 期 |
大 |
自動車業界への政策厳格化に伴う自動車関連顧客のEVシフトに伴い、ガソリン車関連の部品点数減少や部品構成変化による売上や利益の減少 |
中 期 |
中 |
|||
排出規制の強化 |
運賃や輸送費の値上がりによる物流・輸送コスト増加による利益圧迫 |
中 期 |
中 |
||
技術 |
既存製品の低炭素技術への入れ替え、新規技術への投資失敗等 |
太陽光発電設備等、自家発電インフラの増設による設備投資コストが増加 |
中 期 |
中 |
|
環境配慮型の自社製品(産業用コンピュータ、検査装置等)の開発への投資費用が増加 |
中 期 |
小 |
|||
評判 |
投資家、顧客の行動変化 |
環境情報開示ニーズ(ESG評価基準の厳格化、開示要請分野の拡大)への対応不十分によって当社への投資撤退や株価下落、人材獲得への影響、人材流出のリスクが発生 |
中 期 |
大 |
|
急性物理的リスク |
異常気象甚大化 |
台風や洪水など異常気象の重大性と頻度の上昇によって、 サプライチェーン寸断やインフラの長期停止が発生するリスクが上昇(発生した場合は売上減少) |
長 期 |
中 |
|
慢性物理的リスク |
平均気温上昇 |
気温上昇による自社オフィスの空調エネルギーのコスト増加、気温上昇へ対応するための建物の省エネ改修や環境性能の高い物件への移転による改修費や賃料等のコスト増加 |
長 期 |
小 |
|
気温上昇に伴い、仕入れ先のエネルギーコストが上昇し、 当社においても原価高騰による仕入れコストが増加 |
長 期 |
中 |
|||
主な機会 |
製品及びサービス |
電動車の普及拡大 |
電動車関連の部品構成の変化(モーター・インバーター・バッテリー等)に伴う提案機会拡大、ソフトウェアの検証と開発におけるビジネス機会増大 |
中 期 |
大 |
EVシフトや省エネ対策に伴うビジネス変化 |
電動車推進政策に伴い、EV市場におけるバッテリー監視、モーターやインバーター関連の生産設備のビジネス機会拡大 |
中 期 |
大 |
||
環境負荷、省資源に対する意識の高まりに伴い、お客様の製造プロセスの効率化や生産性、省エネ性能を高めるITソリューションビジネス(最先端IT、DX推進、クラウド化等)、産業機器ビジネス(機器、インフラ、IoT、制御/解析等)の機会拡大 |
中 期 |
大 |
|||
市場 |
市場、トレンド変化 |
カーボンニュートラル対応等の社会課題の解決に貢献するイノベーション創出、新規事業や領域拡大への参入機会の増加 |
中 ~ 長 期 |
中 |
|
種類 |
要因項目 |
事業インパクト |
時 間 軸 |
影 響 度 |
主な機会 |
レジリエンス |
省エネ対策の推進 |
自社内環境負荷低減活動の推進、備品等、環境配慮製品の使用率向上、社員の環境意識向上によって、企業評価の向上、資産の呼び込みへの好影響 |
中 期 |
小 |
(注)1 時間軸は、短期(2025年頃まで)・中期(2030年頃まで)・長期(2050年頃まで)を表しております。
2 影響度は、定量化した結果を、売上・利益・運用コストの軸ごとで勘案し、大・中・小で評価しており
ます。
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ推進部が活動の主管部門となり、事業会社の主幹部門と連携しながら、TCFDの提言に基づいて気候変動にかかるリスクや機会の特定や分析を行っております。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)の外部シナリオ等を参考とし、シナリオ分析によるリスクの整理、また、各事業への影響度や業界動向も踏まえた特に重要度の高いリスクの特定により、それらのリスクへの適切な対応を進めてまいります。
特定したリスクと機会は、サステナビリティ推進委員会で十分に検討した後に、サステナビリティ委員会や取締役会に報告し、協議を経て決定されます。また、サステナビリティ推進委員会の委員長は、リスク管理委員会に参加し、気候関連問題の観点を当社グループの全社リスクや事業リスクに反映します。気候関連リスクを管理するプロセスの強化、気候関連に関するリスク管理と当社グループの総合的なリスク管理を統合する仕組みの強化を進めてまいります。
④指標及び目標
中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成に向けて、Scope1,2(2020年度以降)及び Scope3(2021年度以降)の算定を実施しています。結果を踏まえ、Scope1,2に対しては2027年度までの削減目標を設定し、削減に向けた具体的な取組を推進しております。
a.温室効果ガス(GHG)排出量実績
分類 |
排出量 [t-CO2](注)4,5 |
|||
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度(注)6 |
|
Scope1(燃料の使用) (注)1 |
335 |
296 |
288 |
299 |
Scope2(電気の使用) (注)2 |
1,237 |
872 |
969 |
750 |
Scope3(カテゴリ1~7)(注)3 |
- |
583,264 |
614,549 |
739,722 |
(注)1 燃料関係は、日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使
用しております。
2 電力関係は、日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」、地
球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電力事業者別の調整後排出係数を使用しております。海外拠点
については各年度における電力供給会社が提供する最新の係数を使用しております。Scope2の値
は、マーケット基準のScope2の値を記載しております。
3 日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使用しておりま
す。また、当社グループの事業活動に該当し、かつ把握可能なカテゴリの合計値を記載しております。
カテゴリ8,9,11,13,14,15は該当する活動がないと判断し、除外しています。カテゴリ10,12は軽微なた
め除外しております。
4 2021,2022年度の実績値の集計範囲については、主要な連結子会社及び一部の海外拠点を含み、一部の連
結子会社は集計範囲から除いております。詳しくは当社グループWEBサイトにて開示の第三者検証「温
室効果ガス排出量 検証報告書」をご確認ください。
5 2023年度の実績値について、Scope1,2における集計範囲は連結子会社全てを算定対象に含んでお
り、Scope3における集計範囲は主要な連結子会社及び一部の海外拠点を含み、一部の連結子会社は
集計範囲から除いております。
また、これに伴って、基準年である2020年度の集計範囲を2023年度と同様に見直しました。
6 2023年度のScope1,2,3の排出量は有価証券報告書提出時点での暫定値であり、確定値は算定が
完了次第、当社グループWEBサイトで開示する予定です。
b.温室効果ガス(GHG)削減に向けた取組
当社グループでは2022年度より温室効果ガスの排出量削減を目的とした活動を計画し、順次活動を開始しております。具体的な活動と進捗につきましては以下のとおりです。
ⅰ.Scope1
・社用車のハイブリッド車両への計画的な入れ替え、社用車台数の削減及びカーシェアリングの促進
社用車利用における燃料使用量を低減する活動に取り組んでいます。2023年度においては、パンデミックへの規制緩和や活動量の増加により、社用車の利用頻度やグループ会社全体での走行距離が増加しております。なお、上述の活動状況のなか、社用車利用に伴う燃料使用量は前年とほぼ同じ水準で推移しており、増加した走行距離以上に燃料使用量を抑えております。
ⅱ.Scope2
・自社所有の工場や物流拠点における蛍光灯のLED化、電力契約の見直し(再生可能エネルギー100%プラン)
電力使用量の削減と再生可能エネルギー由来の電力メニュー導入によるCO2排出量の削減に取り組んでおります。2023年度においては照明のLED化により電力使用量を約17%削減(同拠点比)したほか、再生可能エネルギー100%の電力へ契約を切替えたことによってScope2の排出量を大幅に削減しております。特に、電力契約切替は当初予定よりも早期に進められたことで、削減目標値を上回る削減効果を得られております。
これらの取組を継続していくほか、Scope1,2削減に向けた新たな施策の検討やScope3の削減を進めるべく、算定方法の見直し(1次データへの置き換えによる精緻化)、サプライチェーンへのエンゲージメント活動等へ取組を進めていきたいと考えております。
c.Scope1,2削減目標
指標 |
基準年 |
目標年 |
目標水準 |
Scope1,2 |
2020年度 |
2027年度 |
▲25%以上 |
今後の継続活動における削減推移や新たな施策の検討等の状況を踏まえて、適切な目標水準の見直しも意識してまいります。
(3)人的資本・多様性に関する取組
①萩原電気グループらしい人的資本経営
当社グループが更なる企業価値向上を目指すには、自立性・自律性を発揮してビジネスモデル変革を進めることが重要であり、それには、ソリューション提供を強化する必要があると考えております。
ソリューションをこれまで以上に生み出すには、エンジニアリング力に加えて「新しいこととつながる・つなげること」、言い換えれば「イノベーション」が今後ますます重要になってまいります。
そこで当社グループの財産である社員の持てる力を最大化し、当社グループらしいヒトの強みと2つのジリツの精神を発揮してイノベーションに挑戦することを目指してまいります。そして、イノベーションを通じたそれぞれの社員のシンカ(新化・進化・深化)によって企業価値を向上させることが、当社グループが目指す「萩原電気グループらしい人的資本経営」の骨子です。
「2つのジリツ」とは、「自立」と「自律」を指します。「自立」とは、自ら環境の変化を感じ取って「つながる・つなげる」に取り組むこと、「自律」は、易きに流れずイノベーションに挑戦する、また、そのために職業倫理を高く保つことを指します。
つながる・つなげる対象は、ビジネス・会社、技術、ヒト、仕事のやり方等幅広く捉えております。それは、「技術系商社」として、社員がモビリティ関連技術・ものづくりへの広く深い知見を持ち、顧客・パートナーとの深く長期にわたる信頼関係を築き上げ、モビリティ産業・顧客のニーズへの深い理解を持つこと、それが、「萩原電気グループらしさ」でもあります。そして、仕事の内容や影響の大きさ、範囲や役職を問わず、全ての役員・社員がイノベーションを自分事と捉えて全員参加にて「Myイノベーション」に取り組むことを目指してまいります。
②人材戦略の方向性並びに人材育成・社内環境整備
人的資本経営による企業価値向上を目指す上で、当社グループの人材戦略は「挑戦・変革の促進」、「ワークデザイン改革」の2つであり、経営・事業戦略との結節点となるKGIとして「人的資本生産性」、社員がやりがいを持ってイノベーションに挑戦できるよう人的資本に投資し、また、社員のモチベーションが高い状態を保つという観点からサブKGIとして「人的資本投資」「従業員エンゲージメント」を位置付け、常に注視してまいります。
人材育成の観点では、タレントマネジメントにより社員の自律的なキャリア形成と人材育成を促し、DFIを通じた公正・公平でニーズに適した機会の提供、多様な視点や知見の融合等による共感協創、ひいてはイノベーションを促進してまいります。
また、社内環境整備では、社員自らが状況に応じた働き方を選べるABW、イノベーションに挑戦する基盤となる健康経営とコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。
(注)ワークデザイン改革とは、効率的で生産性が高まるような働き方、アイデアが創出される場所、社員が安心・満足・充実感を持って働けるような環境や風土作りを行うことです。
a.タレントマネジメント
新人事制度を皮切りに、社員の自律的なキャリア形成と人材育成を支援し、企業価値向上を目指してまいります。社員一人ひとりが多くの経験値や幅広い視点を養いながら成長していくことで組織が活性化し、イノベーションを起こしていくことができると考えております。
・採用
新卒採用とキャリア採用を共に強化する中で、2023年に共創イノベーション活動の拠点として開設したHagiwara Innovation center TOKYO(通称HIT)をイノベーション人材の採用に活用してまいります。2023年10月から、人材の採用手段の1つとしてリファラル採用を開始しており、今後も採用ルートの多様化を通じて当社グループが求める人材の採用をおこなってまいります。
・配置
キャリア申告制度やキャリアビジョン研修を通じて自律的なキャリア形成を促すと共に、人事異動等による幅広い知見とスキルや、様々な経験をもった人材が流動する好循環の流れをつくってまいります。
また、新人事制度で新設したプロフェッショナルコースやエルダーコースの社員が活躍できる基盤を整え、経験値の底上げを狙いとした配置、適材適所、適所適材の実現を目指してまいります。
・評価
新しい中期経営計画が目指すところである企業価値向上と、社員の取組が強く連動することを目指して、2024年4月から一定層以上の社員に成果評価を導入し、より個人の成果を賞与にて反映する仕組みとしました。今後は、より明確な判断基準で客観的かつ公正・公平な評価と、処遇への反映を目指し、会社毎の業績評価の導入を検討してまいります。
・育成
新たな選択型教育の充実や、グローバル人材・幅広い知見とスキルを持ち合わせた経営人材の育成、ミドルマネジメントへの教育機会の拡充を強化し、イノベーションを加速させてまいります。またこれらの取組は、中核人材としての素養の醸成・育成に寄与することで、経営リーダーへと繋がる人材プールの構築にも寄与するものと考えております。若手社員においても階層別研修の取組の一環として、グループ会社問わず社員同士が対話する機会を設け、イノベーティブな人材の育成を強化してまいります。
b.ダイバーシティ・フェアネス・インクルージョン(DFI)
当社グループではこれまでダイバーシティ・インクルージョンの推進を進めてまいりましたが、フェアネス(公正・公平・ニーズ)の考え方を加えたDFI(注)をさらに推進してまいります。すべての社員のニーズに適した公正・公平な機会を提供し、多様な視点や知見を出し合い、ぶつけ合い、融合することがイノベーションの源泉と考え、個人と組織が思いきり力を発揮して新しい価値が創発できる環境づくりに努めてまいります。
・多様な視点
多様な知を摺合わせてイノベーションを創出する土壌の形成を進める観点より、女性活躍推進とキャリア採用強化に注力しております。女性活躍推進においては、採用戦略の見直しや、本人のキャリア希望等も考慮した計画的育成による総合職コースへの転換により、2023年3月期から2024年3月期において全女性労働者に占める総合職の割合が28%→41%に上昇しております。また、キャリア採用者が従来にない考え方・視点等を組織内にて発言・共有し、それを取り入れる人材・機会が増えることにも期待しており、管理職に占めるキャリア採用者の比率は上記同様に40%→42%となっております。今後も継続して新卒・キャリア採用における女性総合職を積極的に採用すると同時に、管理職候補者研修の実施やコース転換制度の推進をしてまいります。
・ニーズに適した公正・公平な機会
当社グループDFI方針において、公正・公平でニーズに適した機会の提供(フェアネス)を位置付けております。性別等を問わず誰もが当たり前に活躍できる環境づくりを進めております。また、年に1度実施しているキャリア申告制度を利用し、チャレンジを志す社員や適材適所を求める社員に対するオープンな機会提供を目指してまいります。
・組織・個人が共に成長
Hagiwara Innovation center TOKYO等の活用をはじめとした、多様な知を出し合い、対話しながら共有・共振する場を提供し、組織と個人が共に成長できる機会を設けていくことで、イノベーションの加速を促してまいります。また、対話重視型の社員座談会やタウンホールミーティングを通じて役員等とも対話するなど、会社や組織の垣根を超えた価値観共有の場を提供してまいります。
(注)萩原電気グループにおけるDFI方針
c.アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)
社員自らが状況に応じた自立的・自律的な働き方が行えるような取組を実施し、人的資本生産性の向上を目指してまいります。
・自立した仕事の仕方
フルフレックスタイム制度、テレワーク、フリーアドレス化、コワーキングスペースの活用、TPOに応じた服装の自由化など、時間・場所・アピアランス等さまざまな角度から「この業務にとって最適な働き方」を常に社員一人ひとりが考え、実践することを促してまいります。
様々なライフイベントを経験しながら仕事と向き合う従業員のサポートも含め、社員一人ひとりが個々の能力や多様性を十分に発揮し、継続的にワークライフバランスを充実させながら働くことができるより良い職場環境と企業風土を実現してまいります。
d.健康経営
社員が財産である当社グループにとって、社員の健康なくしてイノベーションもないと考えております。2022年6月に「萩原電気グループ健康宣言」を表明し、代表取締役社長を責任者に据えた健康経営推進体制を構築、社員及びその家族を含めた健康の維持・増進に取り組んでおります。取組の評価として2年連続で経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人」に認定されました。
・経営、管理職、社員一体となった総労働時間の短縮
イノベーションへ使う思考・実践の時間創出も当社グループとして取り組むべき事項と位置付けております。時間当たりの生産性向上、並びにプレゼンティーイズム・アブセンティーイズム(注)の改善にも繋がるものであり、健康経営において最も重要な取組でもあります。
(注)プレゼンティーズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態、アブセンティーイズムは病欠・病気休業を意味します。(厚生労働省「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」)
・一人ひとりのからだやこころの健康増進
からだとこころは密接に結び付いているため、当社グループはその両面における健康増進を重要視しております。からだについては、定期健康診断におけるフォローを充実させ、特に「気づかぬうちに進行する生活習慣病」の予防に取り組んでおります。常駐の社内保健師が、よりスピーディに・的確に・継続的にアドバイスすることで、きめ細やかな改善フォローを行い、社員一人ひとりの健康レベル向上を目指してまいります。また、禁煙サポートプログラム等も取入れ「共生」の観点からも力を入れております。
こころの面では、社員のメンタル不調を防いで健康なこころの状態を確保するために、当社グループでは未然防止に注力しております。具体的には、新入社員と管理職向けの研修に加え、全ての新入社員に対する年2回のフォロー、社内相談窓口の設置(保健師、人事)等を行っております。
・社内のつながり・かかわり合いの活性化
イノベーションに向けた環境整備として、社員間のつながり・かかわり合いを通じた心理的安全性の向上も欠かせません。当社グループでは、各々の国の文化等に合わせて社内のクラブ活動や社内イベント開催、共済会による社員どうしの企画旅行への補助金支給等の施策に取り組んでおります。
e.コンプライアンス
挑戦や変革に取り組む前提として、当社グループのすべての社員が、社会の一員としての強い自覚を持ち、コンプライアンス遵守を徹底してまいります。
・方針・施策の周知と理解度向上の取組
倫理観、公序良俗等の社会的規範に従う必要があることについて、継続的な方針・施策の周知と理解度向上のための教育等の活動に取り組んでまいります。
・ビジネスと人権の取組
2024年度からは人権デュー・ディリジェンス(人権DD)への対応を始める予定であり、引続き企業価値の向上に努めてまいります。
・コンプライアンス遵守の方針・施策の策定
贈収賄や腐敗行為防止の取組等の未然防止施策を、必要に応じて見直し及び周知し、コンプライアンス遵守を徹底します。
・ハラスメントのない職場づくり
コンプライアンス教育と同時に、内部通報制度やハラスメント窓口の周知を行い、万が一の事態が起こった場合にも速やかな事実確認及び対応・対策がとれる環境づくりをおこなっております。
③指標及び目標
当社グループで定めている指標及び実績は以下のとおりです。
人的資本の重要性の認識のもと、各指標の推移をモニタリングしながら、人的資本生産性の向上、ひいては企業向上を目指して、適切な値になるように取り組んでまいります。
指標(単位) (注)1 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
エンゲージメントサーベイ総合スコア(平均点) (注)2 |
64.5 |
64.5 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) |
3.2 |
3.4 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
72.7 |
100.0 |
正規雇用労働者の男女の賃金差異(%) (注)3 |
67.3 |
67.9 |
障がい者雇用率(%) |
2.49 |
2.54 |
正規雇用労働者の外国籍雇用率(%) |
0.68 |
0.81 |
有給休暇取得率(臨時雇用者含む)(%) (注)4 |
70.6 |
72.0 |
(注)1 当社グループにおいて、施策の推進とともに、指標及び目標の拡大に取り組んでいる中で、現時点で
開示可能な提出会社(当社)及び主要な連結子会社2社(萩原エレクトロニクス株式会社、萩原テクノ
ソリューションズ株式会社)の集計値を記載しております。
2 エンゲージメントサーベイは年2回、ツール「Wevox」を利用して実施しており平均値を記載し
ております。
3 男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均の割合を記載しております。
4 期初(4月1日)付与対象者より算出しております。