リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの業績、株価及び財務状況等に関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある項目を以下に記載します。ただし、これらのリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載した項目以外にも予見しがたいリスクが存在し、当社グループの業績、株価及び財務状況等に悪影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、現段階においてリスクが高いと思われる項目を優先的に記載しております。
(1)自動車業界の動向と価格競争に関するリスク
当社グループでは、自動車業界向け製品が売上高の9割以上を占めており、当社グループの事業活動や業績は自動車生産量の変動等自動車業界の動向に左右される一面があります。また、世界的に自動車の販売競争が激化するなかで、当社グループを含む部品メーカーにおいても原価低減への対応等が求められております。当社グループでは不断の努力によりQCD(品質・コスト・納期)トータルで競争力の維持向上を図っておりますが、価格低減要請への対応、または価格面で有効に競争できない場合の収益性悪化が、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外事業展開に潜在するリスク
グローバル化の進展とともに各地域市場に即した現地事業活動の重要性は年々高まっており、当社グループでは日本のほか、タイ、インドネシア、中国、米国、メキシコ、インド、ドイツで生産及び販売等の事業活動を行っております。対象となる市場地域においては、当社グループにとって不利益となる政策の変化、景気変動、為替変動、法規の改正やそれに伴うコンプライアンス違反、文化や慣習の違いから生じる訴訟問題、感染症のまん延、地震や洪水等の自然災害、戦争やテロ等のリスクが内在しております。これらの予期せぬ事象が発生した場合、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞を余儀なくされ、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)製品品質に関するリスク
当社グループは、国内外の生産拠点において国際品質マネジメント規格や自動車業界の顧客が求める基準に従い、製品の品質管理を行っております。しかしながら、品質上の欠陥が生じた場合や、それによるリコールが起きた場合は、多額のコストが発生するだけでなく信用の失墜を招き将来的な売上高が減少する等、当社グループの業績や事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4)調達に関するリスク
当社グループは、原材料や部品を複数の供給者から調達しており、供給者とは基本取引契約のもと、品質・コスト・納期面で当社グループとの相互努力による安定取引を推進しております。しかしながら、需要の増加等による供給不足、市況の変化による価格高騰、供給者の被災及び事故等による供給停止等が生じた場合、当社グループの生産体制及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)新製品及び新技術開発に関するリスク
自動車用バックミラーの次世代技術開発をはじめとして、新製品及び新技術の開発に積極的な投資を行っております。しかしながら、市場ニーズに対してタイムリーに新製品を提供できなかった場合、新製品が市場ニーズに適合しなかった場合、自動車のEV化に伴う電機メーカーなど異業種メーカーの参入によるサプライチェーンの再編や予期せぬ新技術の台頭があった場合等は、収益性や成長性が低下する等当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6)知財に関するリスク
当社グループは、技術的差別化による収益貢献を目的として技術特許の取得と活用に努めておりますが、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されず、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない場合があります。一方で、当社グループが第三者の知的財産権を侵害していると主張される可能性もあり、和解交渉のための費用、損害賠償やロイヤリティーの支払いのための多額の費用が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、顧客の技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を取り扱っており、これらの情報の外部流出を防止するため、情報セキュリティ体制を強化し情報システムの安全な運用に努めております。しかしながら、コンピューターウイルスやサイバー攻撃、不正アクセス等により情報漏洩等のセキュリティ事故が発生した場合、その影響を受けた顧客その他関係者への賠償金の支払い、法的罰則、当社グループの社会的評価の低下等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)事業買収や資本提携等に関するリスク
当社グループでは、事業拡充や技術開発の促進等のため事業買収や資本提携等を行うことがありますが、買収した事業等を当社グループの事業戦略に効果的に組み込めない場合、当社グループの事業活動に影響を与えるほか、のれんの減損や事業売却損の費用発生等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自然災害等に関するリスク
当社グループでは、日本国内に5拠点、海外6か国で工場が稼働しており、生産及び調達活動を分散するとともに、地震等災害に備えた事業継続体制(BCP)を整備し事業継続性の確保に努めております。しかしながら、本社及びグループの中核工場は静岡県の中部地域に集中して立地していることから、この地域で大規模地震等の災害が発生した場合、本社機能を含め、生産・調達・販売・開発の企業活動が停止する可能性があります。
(10)気候変動に関するリスク
物理的なリスクとして、異常気象による台風や洪水などの大規模災害が発生した場合、当社グループや取引先の従業員、工場設備、サプライチェーンが被害を受け、生産・販売活動が停止し、当社グループの資産にも損害を及ぼす可能性があります。
低炭素社会への移行リスクとして、温室効果ガスの排出規制強化や市場ニーズの変化に適合するため大幅にコストが増加する可能性があり、適合に遅れが生じた場合には製品の販売や受注に支障が出る可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。利益配分につきましては、安定的な配当の継続を基本としながら、当社グループを取り巻く経営環境や業績動向および配当性向等を総合的に勘案して決定しております。
また、中間配当及び期末配当の年2回にて剰余金の配当を行うことを基本とし、配当金の決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会としております。
今後も内部留保は長期的な視点で新規分野への事業展開、および既存事業のグローバル展開、設備投資や研究開発投資等に充当し、収益性強化と持続的成長に努めていく所存であります。
上記方針を踏まえ、当事業年度2024年3月期の期末配当につきましては1株当たり90円とし、中間配当の70円と合わせて年間160円といたします。
次期の配当は、中間配当として1株当たり90円、期末配当として90円、年間180円を予定しております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月8日 |
834 |
70.00 |
取締役会決議 |
||
2024年6月25日 |
1,040 |
90.00 |
定時株主総会決議 |