リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 少子化
当社グループは、主に0歳児から5歳児を対象とした保育サービスを提供することで、保育事業(公的保育及び受託保育)を展開しております。少子化が急速に進行し市場が著しく縮小した場合には、運営する施設への入所児童数の減少により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 人材の確保
当社グループが提供する各種サービスにおきましては、保育士、調理師、看護師、介護士等の専門的人材が不可欠であります。これら人材を確保するために、人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 保育現場等での事故に関するリスク
当社グループは、保育施設等の運営にあたり、児童及び利用者の安全を第一に考え、万全の配慮をいたしております。しかしながら、重大な事故が発生した場合、当局から営業停止の命令を受けることで、多くの児童及び利用者が退園もしくは退所することも考えられます。この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ 法的規制等
当社グループの保育事業において運営しております保育施設につきましては、児童福祉法に基づき許認可等を受けております。保育所の種類は認可保育所等いくつかの種類に分類されますが、いずれの形態の保育所も保育所ごとに許認可権限を持つ行政機関へ保育所設置の申請を行い、審査を経たうえで許認可が付与されます。
本書提出日現在において、当社グループの保育事業において運営している保育所に許認可等取消し事由は発生しておりませんが、何らかの要因により行政機関からの許認可が取消された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループのその他において、労働者派遣事業及び有料職業紹介事業を、厚生労働大臣の許可等を受け行っておりますが、一定の欠格事由に該当した場合は行政処分を受けることがあります。本書提出日現在において、当社グループのその他において当該認可等の取消し、又は事業の停止等となる事由は発生しておりませんが、何らかの要因で当該事業許可等の取消し、又は事業の停止等を命じられるようなことがあれば、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの名称 |
法令名 |
許認可等 の名称 |
監督官庁 |
主な取消事由 |
保育事業 (公的保育) |
児童福祉法 |
認可 |
厚生労働省、都道府県及び市町村 |
・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき ・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき |
保育事業 (受託保育) |
児童福祉法 (受託事業者として間接的に適用を受けるものです) |
― |
厚生労働省、都道府県及び市町村 |
・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき ・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき |
セグメントの名称 |
法令名 |
許認可等 の名称 |
監督官庁 |
主な取消事由 |
保育事業 (その他保育) |
児童福祉法 |
企業主導型保育事業に係る助成 |
厚生労働省、内閣府 |
・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき ・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき |
介護事業 |
介護保険法 |
指定(許可) |
厚生労働省、都道府県及び市町村 |
・関係法令の規定水準に達しない場合や介護報酬の請求に関し不正があったとき ・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき |
その他 |
労働者派遣法 |
労働者派遣事業許可 |
厚生労働省 |
・許可の欠格事由に該当するとき(労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合等) ・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律もしくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき |
職業安定法 |
職業紹介事業許可 |
厚生労働省 |
・許可の欠格事由に該当するとき(職業安定法第32条に定められている条項に抵触した場合等) ・職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき |
⑤ 食の安全性
当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理並びに衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全性に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 感染症の流行
当社グループでは、多くの利用者に安全な保育サービス等を提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、保育所の運営が困難となる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 大規模な災害
当社グループは、九州全域また首都圏内において多数の保育所を運営しておりますが、地震、火災、台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、保育所の建物等が被害を受けた場合には保育所の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑧ 少額短期保険の引受について
当社グループの少額短期保険事業においては、台風等の自然災害に関わるリスクなど様々なリスクを引き受けております。保険料設定時に想定している経済情勢や保険事故発生率等が、その想定に反して変動した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。このような場合に備えて、保険業法の定めにより異常危険準備金等を積み立てておりますが、この準備金等が実際の保険金支払に対して十分でない可能性もあります。このような予測を超える頻度や規模で自然災害が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。
⑨ 個人情報の管理
当社グループの保育施設では、数多くの利用者の個人情報を保持しております。これらの個人情報の取扱いは、厳重に管理しておりますが、漏えいするようなことがあった場合、利用者からだけではなく、社会的な信用を失います。その結果、保育所等の新規開設に影響が出る等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑩ 従業員のコンプライアンス
当社グループは、「私たちは、コンプライアンスを推進します。」を経営理念に掲げ、誠実な企業グループを目指しております。「リスク・コンプライアンス管理規程」をはじめとする規程を定め、リスクを認識し対応を行っております。また、規程に基づいた様々なリスクを統括的に管理するために、毎月「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、リスクへの対策や未然防止に取り組んでおります。しかしながら、法令違反などコンプライアンス上の問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 季節変動
当社グループにおける保育所等は年度初め4月に新規開設されるものが多くなる傾向があります。そのため、第2四半期連結会計期間(4月~6月)において、多額の新規開設費用(売上原価内の経費:主に保育備品や什器設備等、販売費及び一般管理費内の経費:人材紹介料を含む採用費)、補助金収入(特別利益へ計上)、固定資産圧縮損(特別損失へ計上)が計上される傾向にあります。
⑫ 資金調達
当社グループの当連結会計年度末の借入金残高は4,763百万円、総資産額に占める比率は50.0%となっております。
当社グループの保育事業及び介護事業におきましては、新規開設に関する設備資金等は金融機関からの借入等により調達することとしておりますが、外部借入への依存度が高く、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって計画どおり資金調達ができなかった場合には、新規開設が制約されるなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑬ 固定資産の減損に関するリスク
当社グループの保育事業の業績が今後著しく悪化し、保育設備における有形固定資産の減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、M&Aにより事業拡大を図ることを成長戦略の一つとして推進しております。M&Aにおいては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討しておりますが、将来、計画どおりに収益を確保できない場合にはのれんに係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑭ 繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っています。しかし、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないし全部が回収できないと判断された場合は、繰延税金資産を減額することで、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 創業者への依存
当社グループの創業者は代表取締役社長である池内比呂子であります。同氏は、当社設立以来の最高経営責任者であり、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進及び営業施策とその推進において重要な役割を果たしております。
当社グループでは、各業務担当取締役及び部門長を配置し、各々が参加する定期的な会議体にて、意見等の吸い上げや情報共有などを積極的に進めております。また、適宜権限の委譲も行い、同氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、又は、同氏が退任するような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と財務体質強化のため必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。期末配当の基準日は毎年12月31日であり、中間配当の基準日は毎年6月30日であります。
剰余金の配当につきましては、期末配当の決定機関は株主総会であり、また中間配当は、当社定款に「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として中間配当をすることができる」と定めております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき2024年3月22日開催の定時株主総会決議により1株につき9円00銭と決定いたしました。
内部留保資金につきましては、新規施設開設の建築資金等事業拡大に必要な投資に充当し、企業価値向上に努めてまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年3月22日 |
41 |
9.00 |
定時株主総会決議 |