リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが、判断したものであります。
(1) 環境課題への対応について
近年、地球温暖化の影響が深刻となっており、脱炭素社会の早期実現が世界共通の喫緊の課題となっております。また、世界的に資源供給のひっ迫が懸念され、循環型社会への転換が求められております。これら環境課題への対応が遅れた場合、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、当社グループは、環境課題を重要なサステナビリティ項目と位置付け、温室効果ガス排出削減による地球温暖化対策をはじめとする各種環境管理活動に取り組んでおります。
(2) 自然災害等に関する影響について
当社グループの生産・販売拠点は、国内外に分散しておりますが、自然災害の発生や感染症の蔓延等のリスクを抱え事業を展開しております。このため、大規模な自然災害等が発生し、物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等による生産活動の縮小・停止を余儀なくされた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらリスクに対して、安定した製品供給を維持するため、保有する設備や情報システムに対してのバックアップ体制等の対策を講じております。
(3) 海外展開について
当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産拠点及び販売拠点を海外に展開しており、今後も積極的に行う方針であります。このため、世界各国の経済動向及び政治・社会情勢の変化や為替変動が、当社グループの調達コストやサプライチェーンなどに影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、需要の変動に対する対応力を強化するとともに、生産の複数拠点化などによる安定生産を図り、業績向上の確保に努めております。また、為替変動リスクへの対応として、先物為替予約による為替ヘッジを行っております。
(4) 携帯機器市場について
当社グループの連結売上高の約3割は、携帯機器市場向け製品であります。携帯機器市場は需要の変動が激しく、スマートフォンに見られるような急激な需要の減少が顕在化した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、生産リードタイムの短縮や生産設備の効率化による需要変動への対応力強化に努めております。
(5) 競合環境と価格低下による影響について
当社グループは、事業を展開する市場において激しい競争にさらされており、コネクタ等の製品価格低下や急激な技術の変化が進んでいるため、当社グループ製品のシェア低下や利益率悪化等の変動要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、コスト削減、新製品投入による利益率の確保に努めております。
(6) 原材料等の調達について
当社グループの製品は、原材料や一部部材を外部業者より調達しております。主要な原材料の市況価格変動による仕入コストの増加、需要の急激な変化や物流の混乱等に伴う供給元からの調達難が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、海外調達先の開拓と調達品のコスト低減、2社購買などによる安定調達に努めております。
また、製造過程における生産設備の稼働等、相当の電力を消費するため、電力価格の高騰が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、省エネルギー化の推進や生産性向上などによる使用電力低減に努めております。
(7) 品質について
当社グループは、「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しており、社会的に有用で、安全に十分配慮した高い品質の商品とサービスを提供しておりますが、万一、当社製品に品質上、安全上の不具合が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、評価試験体制の強化・拡充、及び高いレベルでの品質管理体制の維持・向上に努めております。
(8) 知的財産権について
当社グループは、他社の特許権等の知的財産権を尊重しつつ、国内外において事業活動を行っておりますが、第三者から知的財産権に関する主張を受け、係争事件に発展した場合、又は、当社製品、技術が第三者によって模倣された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、第三者の知的財産権の侵害を回避するとともに、将来の事業活動に必要な知的財産権獲得のための研究開発活動の強化及び当社グループの知的財産権の保護に努めております。
(9) 生産設備等の処分について
当社グループの生産設備は、製品ライフサイクルの短命化に伴う陳腐化等による処分損失が発生する可能性があります。このリスクに対して、経済的耐用年数による減価償却の実施や他製品用として転用可能な設備の開発など、生産設備の徹底した有効活用を図っております。
(10) 人材確保について
当社グループでは、継続的な企業価値の向上を支える原動力は人材であり、優秀な従業員を獲得し維持する必要があると捉えております。少子高齢化や労働人口の減少など、必要な人材を継続的に確保するための競争は年々厳しさを増しており、十分な人材確保が困難となった場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、多様な人材が活躍できる職場環境の実現に向けた取り組みを推進するほか、人事制度の拡充など、人材育成や社内環境整備に努めております。
(11) 情報セキュリティについて
当社グループは、業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報等を多数保有しております。このため、サイバー攻撃、コンピュータ・ウィルスの感染、その他不測の事態により機密情報が消失、改ざん、漏洩した場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、情報セキュリティ統括室を設置し、情報セキュリティ方針・ガイドラインの強化及び監視を徹底するほか、管理体制の整備、情報セキュリティ人材強化、情報セキュリティシステムの構築等、リスク管理に努めております。
(12) コンプライアンスについて
当社グループは、国内外において、独占禁止法、製造物責任、贈収賄防止、データ保護、環境、人権、労務、租税等に係る法規制や輸出入規制、政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けて事業を行っております。これら公的規制の違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、損害賠償請求や信用失墜等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、当社グループは、法令・定款の遵守を徹底するため、航空電子グループ企業行動憲章・行動規範を制定するとともに、7月5日を「遵法の日」と定め、毎年社長が訓示を実施しております。また、法令・定款等に違反する行為や企業倫理等に関する不正行為を発見した場合の通報体制として内部通報制度を設置するなど、違反、不正行為の発生可能性を低減するよう努めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、業績向上を重視する中で、将来の持続的成長と収益の向上を図るための国内外での設備投資、研究開発投資を勘案した上で、中長期的な財務体質の強化を図り、株主の皆様に対する安定的な配当を行うことを基本としながら、事業の成長性、安定性、資本効率などの状況を総合的に勘案し、連結配当性向30%以上とすることを方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を原則としており、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
当事業年度の期末配当については、上記の基本方針に基づき、1株につき30円の配当を行いました。この結果、当期の年間配当金は、中間配当金(1株につき25円)とあわせて1株につき55円となりました。
(注)基準日が当期に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。