2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,701名(単体) 4,507名(連結)
  • 平均年齢
    48.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    22.3年(単体)
  • 平均年収
    7,491,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

  2024年3月31日現在

部門区分

従業員数(人)

製造部門

3,739

(747)

非製造部門

768

(36)

合計

4,507

(783)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループはディスプレイ事業の単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

  2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,701

(272)

48.9

22.3

7,491

 

(注) 1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3.当社はディスプレイ事業の単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社において労働組合(ジャパンディスプレイ労働組合)が結成されており労使関係は円満に推移しております

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

1.9

86

69.5

69.7

62.9

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社グループの企業理念「今までにない発想と、限りない技術の追求をもって、人々が躍動する世界を創造し続ける。」を実現するための前提となる、人、社会、地球の健全性確保に向けて「サステナビリティ基本方針」の3つの柱を掲げています。

 

① 企業倫理の遵守

当社は、人、社会、地球が健全であるために、企業倫理を遵守した経営を実施していくことを目的として、全ての役員及び従業員が遵守すべき具体的指針となる「JDI倫理規範(JDI Ethics)」を制定し、活動の基盤としています。JDI倫理規範は、人権の尊重や職場環境整備、地球環境保全への取組み、地域社会との良好な関係維持や社会通念に反する不適切な行為を行わないこと、誠実に社会的良識に従い行動すること等を謳っています。

 

② ステークホルダーとの共生と共創

当社は、「社会」「お客様及び取引先」「競合会社」「株主・投資家の皆様」「従業員」等のステークホルダーとの関係を良好に保つとともに、社会的価値の共創に努めます。

 

③ 持続可能な成長

当社では、上記の施策を基に、豊かなグローバル社会の実現への貢献、サプライチェーン全体の環境負荷低減、地域社会をはじめとする社会への幅広い貢献等に取り組むとともに、ガバナンス経営による効率化と健全性を実現し、企業として持続可能な成長を目指してまいります。

 

(2) サステナビリティへの取組

① ガバナンス

当社は、環境マネジメントシステムやコンプライアンス委員会等、環境・社会・ガバナンスに関する委員会やマネジメントシステムを設置し、サステナビリティ関連課題に取り組んでおります。グループ全体のサステナビリティ活動は、これを推進する主管部署としてCFO管掌下に設置したサステナビリティ推進部にて、各委員会やマネジメントシステムにおけるESG課題への取組みを俯瞰したうえで取組みを推進しています。また、サステナビリティ推進部は、各委員会・マネジメントシステムと連携し、サステナビリティ活動に関する基本計画の策定、教育・啓発の実施、リスクと機会の評価等を行い、その内容を取締役会へ報告しています。

取締役会は、サステナビリティ推進部、各委員会・マネジメントシステムの運営組織からの報告を受け、重要な課題や対応策についての議論と監督、及び重要な決定事項について承認を行います。また、監査委員会及び内部監査部は、サステナビリティ推進部が行うリスクマネジメントの有効性・妥当性についての監査を実施し、サステナビリティ関連の非財務情報開示活動における支援を行い、必要に応じて改善の提案をしています。

上記体制に加え、各事業部・機能部門では、事業活動を通じて社会課題を解決するための独自技術の開発、新規事業の創出に取り組んでいるほか、生産技術統括部内に設置されたサステナビリティ技術部では、各生産拠点の省エネルギー推進や再生可能エネルギーの利用拡大に向けた検討を行っています。

ガバナンスの詳細については、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照下さい

 

 

② 戦略

「企業の存在意義は社会貢献にある」との信念を基に、社会と人の課題解決を目指すサステナビリティ経営を経営戦略の中心に据えています。事業を通じた取組みを進めることで、持続的な成長と企業価値向上を実現します。また、当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、それぞれに対する取組みを通じて顧客価値と社会価値を創造し、社会の発展に貢献する企業としての地位を確立します。

当社グループのマテリアリティは、以下のとおりです。

 

分野

マテリアリティ

重点取組事項

価値創造/事業を通じた社会課題の解決

社会と人の課題を解決する独自技術の開発・提供

・「世界初、世界一」の技術力を活かし顧客価値を創造します。

・透明インターフェイス「Rælclear(レルクリア)」等、社会課題の解決に貢献する製品・技術を開発し、新規事業として展開します。

・環境性能に優れた次世代OLED「eLEAP」、超低消費電力バックプレーン技術「HMO」、利用エネルギー削減に貢献する自由照明「LumiFree」等のGreenTechの市場拡大により環境負荷の低減を目指します。

GreenTechによる環境問題への貢献

経営基盤の強化

サステナブルなサプライチェーンの構築

・品質、コスト、納期に加え、サプライヤー様の人権や環境等のサステナビリティへの取組みを評価し、協力関係のもと、サステナブルなサプライチェーンの実現を目指します。

コンプライアンスの徹底

・法規制の遵守のみならず、社会規範・企業倫理に則して行動します。

リスクマネジメントの強化

・事業活動における様々なリスクを適切に管理・評価し、優先度に応じた事前対策の実施を通して、重大な影響を及ぼすリスクが発現した場合の損失の最小化を図ります。

人的資本

優秀な人財の確保と育成

・新たな価値の創造に向けて「世界初、世界一」の技術を開発に挑戦を続けるエンジニアを含む、当社グループの成長に貢献する優秀な人財を確保・育成します。

・社員のエンゲージメントを高めるための施策を積極的に推進します。

多様性ある人財登用

・社員一人ひとりの人権を尊重し、多様な人財がその能力を最大限発揮できるよう様々な働き方を可能とする職場環境を整え、新たな発想、価値創造を追求します。

環境

気候変動への対応

・TCFD提言に基づいたシナリオ分析結果により特定したリスク・機会への対応を適切に実践します。詳細は「(3) 気候変動への対応」を参照下さい。

 

 

③ リスク管理

当社グループでは、全社的なリスク管理は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり「リスク管理規則」で定めるリスク管理フローに沿って実施しています。気候変動への対応を含むサステナビリティに係るリスクについては全社的なリスク管理において重要リスクとして特定し、サステナビリティ推進部が主担当部門としてこれを管理するとともに、マテリアリティとも関連付けた対応を行っています。サステナビリティに係るリスクは、前述の推進体制の下でモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、各マテリアリティに設定した取組方針や行動計画、指標・目標を定期的にモニタリングし、取組みの強化を図っています。以下は、各マテリアリティに対する2023年度の実績・成果及び今後の行動計画・目標です。

気候変動に関する指標及び目標は、「(3) 気候変動への対応」を参照下さい。

 

 

価値創造/事業を通じた社会課題の解決

マテリアリティ

2023年度実績・成果

行動計画・目標

社会と人の課題を解決する独自技術の開発・提供

・GreenTech eLEAPの量産開始に向け試作を開始

・セルフケア健康見守りサービスVirgoの事業化を決定。ドライバーの運転挙動と健康の相関性に関する共同研究開始

・コミュニケーションストレスの低減に貢献するRælclearが総務省「情報アクセシビリティ好事例2023」に選定

・eLEAPのグローバル展開による生産能力拡大及びエコシステムの構築

・スマートリングVirgoの100万人アクティブユーザー獲得(2029年)

・LumiFreeの光利用効率の改善(目標透過率 +10%)と照明器具の普及(目標CAGR20%≦)(2024~2027年度)

GreenTechによる環境問題への貢献

 

 

経営基盤の強化

マテリアリティ

指標

2023年度実績

2024年度目標

サステナブルなサプライチェーンの構築、

サプライヤーサステナビリティ自己監査実施率

100%

95%以上

サプライヤー自己監査

 80点以上のサプライヤーの割合

85%

80%以上

コンプライアンスの徹底

倫理規範教育受講率

100%

100%

人権・ハラスメント教育受講率

99%

100%

リスクマネジメントの強化

全リスク項目に対する軽減策フォロー率

100%

100%

リスク回避力強化の教育実施率

(2024年度より実施予定)

100%

 

 

人的資本

マテリアリティ

2023年度実績・成果

行動計画・目標

優秀な人財の確保と育成

・新卒13名、中途93名(注)を採用

・社内公募制度の常設化(実績15名)

・昇格者研修の実施、管理職昇格者向け研修のカリキュラム見直し、他

・自己啓発学習への支援内容の拡充

・技術教育を含む専門分野別教育の他、各階層別・選抜・グローバル教育等の充実

・管理職向けマネジメント研修の新規企画、実施

 

多様性ある人財登用

・男性の育児休暇取得について人権・ハラスメント教育で意識向上を啓蒙

・より柔軟な働き方を可能とするフレックスタイム制度の改定(実施2024年4月~)

・管理職に対するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)理解研修の実施

・女性リーダークラスの育成・支援施策の実施

 

(注)株式会社JOLEDから当社子会社JDI Design and Development合同会社への転籍を経て、当社に入社した社員を含みます。

マテリアリティ

指標

2023年度実績

目標

多様性ある人財登用

女性管理職比率

1.9%

3.8%

(2026年度)

採用した労働者(正社員)に占める女性の割合

12.8%

20%以上

(2021~2025年度の平均)

男性の育児休業取得率
(配偶者出産休暇を含む)

86%

80%以上

(2025年度)

 

(注)実績及び目標は、国内生産拠点が対象です。

 

(3) 気候変動への対応

当社は、気候変動への対応をマテリアリティの一つとして位置付け、2022年度からTCFD提言に基づいたシナリオ分析を開始し、気候変動に関する重要リスク・機会の特定、それらが及ぼす財務的影響の評価をいたしました。この分析結果に基づき、気候変動対応策の経営戦略への組み込みを図るとともに、ステークホルダーに対する情報開示にも積極的に取り組んでまいります。

以下は、TCFD提言に沿った取組み事項です。

 

① ガバナンス

当社グループは、気候変動問題を経営重要課題の一つと認識し、環境・社会・ガバナンスに関する委員会やマネジメントシステムを複数設置し、ESG課題に取り組む中で、気候変動問題についても対応しております。気候変動問題に対する最高責任者はCEOです。

取締役会は、年に一度の気候変動問題を含むサステナビリティ関連報告及び適時適切なマネジメントシステムからの報告を受け、必要に応じた議論と課題についての監督、及び重要な決定事項についての承認を行います。

 

② 戦略

当社グループは、温室効果ガス排出量削減に向け、脱炭素社会を実現するための省エネの推進、再生可能エネルギー活用の検討等を行っています。気候変動による気温上昇が社会に及ぼす影響は甚大と認識し、2022年度から1.5℃、4℃シナリオを用いて、2050年までのシナリオ分析を実施しました。このシナリオ分析に基づいて特定された重要なリスクと機会を踏まえて、戦略的な気候変動対策の策定を目指してまいります。下表は当社のリスク・機会要因と事業へのインパクトに対する対応策の一例です。

 

当社のリスク・機会、事業インパクト及び対応策の一例

分類

リスクと機会

対応策

移行
リスク

新たな規制

炭素税上昇に伴う原材料コスト増加

・サプライチェーンサステナビリティ推進ガイドブックへの気候変動要素の追加(2024年予定)

・調達基本契約書の条項への気候変動項目の追加(2024年予定)

炭素税上昇に伴う製造委託費増加

・委託先の排出量や削減活動に関する調査の実施

・サステナビリティ推進ガイドブックに気候変動要素の追加(2024年予定)

炭素税による課税コスト増加

・再エネ導入の推進

・SBT設定と当該目標達成に向けた取組み推進

評判

気候変動問題への取組み姿勢が不十分とされ、顧客のサプライチェーンから外れることによる売上減少

・再エネ導入の推進

・TCFDフレームワークに基づく活動の推進

物理
リスク

急性リスク

自然災害の頻発化・甚大化によるサプライチェーン混乱からの売上減少

・主要サプライヤーへの製造/供給拠点のマルチ化要請

・サプライチェーン推進ガイドブックへのBCP項目の追加(2024年予定)

・販社での製品在庫の一定量確保

慢性リスク

自然災害の頻発化・甚大化によるBCP対応コスト増加

・危機管理委員会発足(2023年)による継続的なBCP見直し

機会

製品・サービス

温室効果ガス削減等に貢献するeLEAP及び大幅な消費電力低減を実現するHMO技術のライセンス提供による収入増加

・ライセンス提供による技術収入の拡大

・新規顧客層への販売拡大に向けた戦略立案

市場の変化

低消費電力を実現するeLEAPの需要増加

・他社へのeLEAP技術提供による供給網の拡大

・継続的な技術改良による市場優位性の確保

 

 

(シナリオ分析の結果)

2050年の1.5℃世界では、eLEAP、HMO等の低炭素社会への移行に有効な独自技術の活用により、大きな機会獲得が期待できることが分かり、これら技術を成長ドライバーとする成長戦略「METAGROWTH 2026」の推進が、長期的な機会をもたらすことを確認いたしました。

また、対応策の実行によるリスク低減を図り、当社の強みである独自技術によって、2050年1.5℃世界の実現を目指してまいります。

 

③ リスク管理

サステナビリティ推進部が主管部署となり、気候関連を含む全社リスクの識別・評価、管理プロセスについて、リスク管理規則に基づき適切な管理を実施しています。

各リスクの担当各部門では、事業活動に係わるリスク管理フローに沿って、想定される新たな規制、製品・サービス、市場に関する気候関連リスク及び機会の特定を行っています。

 

④ 指標と目標

環境負荷の指標であるScope1、Scope2に加え、Scope3排出量についても、該当カテゴリ全ての排出量を算定し開示しています。これらの温室効果ガス排出量データについては、2024年度に第三者保証の取得を目指しています。温室効果ガス排出量削減に向けては、2025年度の再生可能エネルギー比率の目標達成に取り組むとともに、バリューチェーン全体の中長期的な削減目標の設定に向けても検討を進めており、数年内のSBT認定取得を目指してまいります。

 

気候変動への対応

指標

2023年度実績

目標

エネルギー起源CO2排出削減量

2,035t-CO2

2024年度:897t-CO2

再生可能エネルギー比率

0.02%

2025年度:5.0%
(2022年度基準)

 

(注)実績及び目標は、国内生産拠点が対象です。

 

気候変動の詳細については、当社ホームページの「TCFD提言に基づく情報開示」にて開示しています。