リスク
3 【事業等のリスク】
当社及び当社グループの事業運営上、想定される事業等のリスクは以下のとおりです。なお、以下の各項目は、投資判断上、或いは当社グループの事業活動をご理解いただく上で重要と考えられる事項を、積極的な情報開示の観点から記載しております。また、以下の各項目における将来に関する事項については、2024年6月25日時点において当社で想定される範囲で記載したものであり、当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
① 持株会社として連結子会社の事業等のリスクを包括的に抱えることのリスク
1) 原材料の調達について
当社グループの製造事業にとって十分な品質の原材料、部品等をタイムリー且つ必要数入手することは不可欠です。パソコン製造・販売子会社のBTO方式による販売においては、月単位でパソコンパーツの価格を改定し、製品販売価格へ反映することが可能であるため、パソコンパーツの価格変動に対する抵抗力をある程度有しておりますが、急激な原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には原価上昇リスクや部材確保未達による製品出荷の遅延リスクが、又、販売見込の錯誤又はパーツメーカーによる突発的な価格改定によって未消化在庫を抱える場合には、棚卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達に係るサプライチェーンに関しても、納期長期化に伴う製造及び出荷遅延のリスク、及び運賃の高騰による原価上昇リスクが存在し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2) 為替対策について
海外の仕入先から調達を行う子会社においては、外貨建金銭債権債務等の為替変動リスクのヘッジを目的とする為替予約取引、及び借入金等の金利変動リスクの回避を目的とするスワップ取引等を行っており、円高・円安を問わず、急激な為替変動によって契約金額と時価に大幅な乖離が生じた場合には、一定の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3) 取引先の経営破綻について
当社グループ製品の販売は特定の取引先に依存しておらず、各子会社においては、主要な取引先について信用状況を適宜確認するとともに、リスク回避のため必要に応じて取引信用保険に加入しておりますが、主要な取引先が予期せずして経営破綻した場合には、売上債権の全額又は一部を回収できなくなるおそれがあるほか、当該取引先に対する将来の売上が見込めなくなるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4) 取引先の業界再編について
パソコン製造・販売子会社においては、複数の家電量販店向けに独自仕様のOEM製品を納入しており、又パソコンパーツ販売子会社においても複数の家電量販店と取引を行っておりますが、家電量販店業界の再編加速により、他社製品を優遇する家電量販店へ支配権が移行した場合には、当社グループ製品の取扱いを中止されるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5) 店舗及びホテル施設展開について
複合カフェ・フィットネスジム運営子会社、ホテル運営子会社及びパソコン製造・販売子会社の一部においては、日本全国の都市部を中心に店舗及びホテル施設(以下、「店舗等」という)の展開をしております。店舗等の確保に伴う建物賃貸借契約において、賃貸人の財務状況の悪化等により、貸主としての義務を果たせなくなった場合には、保証金、敷金の全額又は一部を回収できなくなる可能性があります。また、店舗等の収益性が悪化した場合には、閉店に伴う損失や固定資産に関して減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、店舗の新規出店を行う場合、大規模小売店舗立地法に基づいて出店調整を受ける場合がありますが、現時点で法的規制は受けておらず、規制対象となる店舗の出店予定も現時点ではありません。
6) 基幹システムについて
パソコン製造・販売子会社におけるBTO方式による受注システムは、自社開発の基幹情報システムによって構築されております。販売数量の増加や販売事務の多様化に対応するために、適宜システムの改修を行っておりますが、改修の遅延や改修前又は改修後システムトラブルが発生する場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7) インターネットを使用した犯罪について
複合カフェ運営子会社は、各店舗においてインターネット環境の提供サービスを行っておりますが、インターネットは情報収集やコミュニケーションツールとして非常に優れた側面がある一方で、その匿名性を悪用した詐欺行為、個人・社会に対する誹謗中傷又は迷惑メール等の犯罪や不法行為が行われ、社会問題に発展する場合があります。万が一、各店舗におけるインターネットの使用が重大事件に発展することとなった場合には、通常営業に支障をきたし、また、更なる規制強化によって利用客が減少するおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
8) 顧客情報の管理について
当社グループは、顧客の個人情報の管理について、個人情報の保護に関する法律に従って情報管理体制の整備及び役職員への教育指導等を随時行い、情報漏洩防止に努めておりますが、情報漏洩の発生を完全に防止できない可能性があります。万一、情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信用力低下並びに損害賠償請求を受けるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9) 法的規制等について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、その製造・販売にあたり、製造物責任法、電気用品安全法、消費者契約法、特定商取引に関する法律その他法令の適用或いは規制を受けており、また、複合カフェを運営する子会社及びホテル事業を行う子会社においては、旅館業法、食品衛生法、風俗営業法、消防法、並びに各都道府県の条例等による規制を受けております。当社グループでは、各種法令の遵守体制には万全を期しておりますが、万一、発火・発煙・爆発・有毒ガス発生等の事故若しくは食中毒等を引き起こし、又は法令違反が重大な争訟問題に発展した場合には、営業許可の取消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられることがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが現に規制を受けている各種法令又は条例等が改正又は変更され、或いは新法や新条例の制定等により当社グループの事業活動がなんらかの制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
10) 製品の欠陥等、製造物責任について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、製品及び使用している部材等の予測不能な欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。また、製造物責任法に基づく損害賠償請求に対しては、一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、市場における顧客からの信頼を大きく損なった場合や、補償額を超える損害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
11) 知的財産権について
当社グループ各社が取扱うパソコン、モニタ、その他の精密機器には、最先端の技術を用いた部品が数多く採用されておりますが、知的財産権の適用範囲が多岐に渡っているため、当社グループの製品又は技術が結果的に他社の知的財産権を侵害している可能性があります。当社グループは、侵害行為による紛争が生じないよう細心の注意を払っておりますが、想定外の訴訟が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
12) 自然災害、感染症等に関するリスクについて
当社グループでは、地震等の自然災害等に関する各種対策を実施しておりますが、大規模災害や新型コロナウイルス感染症等の感染症、伝染病の流行等による不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
13) デジタル技術の革新について
当社グループではパソコンを中心としたデジタル機器の製造販売を行っておりますが、関連するAIやロボティクスを含むデジタル関連の技術革新は著しく顕著であり、ユーザーの行動変化やデジタル機器に対する指向の変化が急激におき、ユーザーにおけるパソコン及び周辺機器の位置づけや価値に大きな変化が生じた場合や既存のデジタル機器を置き換えるような革新的なデバイスや技術が登場した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 持株会社としてのリスク
1) 有能な人材の確保について
当社は、純粋持株会社としてグループ子会社の統括・運営を行っております。効率的かつ合理的な子会社の統括・運営にはマネジメントスキルに優れた管理要員が必須となりますが、グループ内における人材育成や外部からの人材登用等が計画通どおりに進まず、適正な人材配置が困難となった場合、あるいは業務依存度の高い人材を複数名流出させてしまった場合には、円滑なグループ経営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2) M&A等にかかるリスクについて
当社グループは事業環境に即応するためにM&A等による新規事業への進出、既存事業の強化、及び関連技術の獲得等を行っており、これらを経営の重要課題として位置付けております。M&A等の実施にあたっては、対象企業の成長性、財務内容、契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを検討した上で決定するよう細心の注意を払っておりますが、統合後の偶発債務発生や新たな潜在リスクの判明等、事前調査では把握し切れなかった問題が生じた場合、又は市場・競争環境の劇的な変化等、統合後の事業計画が想定どおりに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、統合により当社グループが従来関与していない新規事業が加わる場合には、その事業固有のリスク要因が、包括的に持株会社のリスクとなります。
3) カントリーリスクについて
当社グループが事業展開する、又は主要調達先を含む重要取引先の展開する国や地域において、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的要因及び経済的要因の悪化並びに法律又は規制の変更等、外的要因によるカントリーリスクが当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、戦争、紛争、テロ、デモ、ストライキの勃発や、政情不安、通貨危機、輸出入規制の変更、人件費、物価等の大幅な上昇、経済制裁の発動、伝染病の流行等により、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待どおりに展開できない、又は投資の回収が遅延する、若しくは不可能となる等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、株主の皆様への利益還元の充実を経営上の最も重要な課題の1つと考えており、経営成績に応じた業績成果配分型の配当を基本方針として、総還元性向の目安を30%から40%程度とし、うち配当性向に関しては親会社株主に帰属する当期純利益の30%以上を目標としており、DOEの水準については4.5%程度を掲げております。
配当については前述の通り経営成績に応じた業績成果配分を基本方針としておりますが、その経営成績が一時的であり尚且つ外部要因を主因として短期的に減益となるものの、当社グループの中長期での成長性や将来性に変化が無いと判断される場合は、前期比での増配の維持を優先し、配当性向30%以上、総還元性向30%から40%の範囲内において機動的に調整を行うことといたします。
自己株式の取得、資本準備金の額の減少、剰余金その他の処分については、当社の財務状況等を勘案の上、資本効率の向上を目指し、適宜、適切な対応を検討してまいります。
また、当社は、上記方針に基づき株主の皆様への利益還元を行いつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための成長投資についても積極的に行ってまいります。内部留保金については、事業環境(収益、M&A、設備投資の状況等)に応じて機動的かつ有効的にこれを活用し、中長期的な展望に立って企業体質と市場競争力の強化に取り組んでまいります。
なお、当社は「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款で定めておりますが、当面は中間配当を見送り、期末配当の年1回の剰余金の配当のみとする方針としております。期末配当の決定機関は株主総会であります。
当連結会計年度の配当につきましては、1993年4月のパソコン事業創業から30周年を迎えたことを記念し、1株当たり37円の普通配当に記念配当20円を加えて、1株につき57円(配当性向46.2%)といたしました。
(注) 当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。