2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

モビリティ&テレマティクスサービス分野 セーフティ&セキュリティ分野 エンタテインメント ソリューションズ分野 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
モビリティ&テレマティクスサービス分野 199,435 55.5 3,871 19.6 1.9
セーフティ&セキュリティ分野 93,755 26.1 16,485 83.6 17.6
エンタテインメント ソリューションズ分野 55,978 15.6 -257 -1.3 -0.5
その他 10,289 2.9 -389 -2.0 -3.8

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び当社の子会社67社(国内15社、海外52社)、並びに関連会社6社(国内4社、海外2社)により構成され、モビリティ&テレマティクスサービス分野関連、セーフティ&セキュリティ分野関連、エンタテインメント ソリューションズ分野関連の製造・販売を主要な事業とし、かつ、これに付帯する事業を営んでいます。

当社グループの事業区分及び主要製品並びにそれに係わる主要な関係会社の位置付けは以下のとおりであり、事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載されているセグメントの区分と同一です。なお、当社は企業価値最大化へ向けて当社の強みが活かせる収益性の高い市場への事業ポートフォリオ変革に際し、当社の目指す事業戦略を明確にするため、2023年4月1日付で、従来の「パブリックサービス分野」を「セーフティ&セキュリティ分野」へ、「メディアサービス分野」を「エンタテインメント ソリューションズ分野」へそれぞれ名称変更しています。

 

(2024年3月31日現在)

事業区分

主要製品

主要会社名

モビリティ&テレマティクスサービス分野

カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、車載用デバイス、テレマティクスソリューション

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド

株式会社JVCケンウッド長野

株式会社JVCケンウッド長岡

PT JVCKENWOOD Electronics Indonesia

JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD U.K. Limited

JVCKENWOOD Deutschland GmbH

JVCKENWOOD Singapore Pte. Ltd.

 

(開発・生産及び販売会社)

Shinwa Industries (China) Limited

ASK Industries S.p.A.

セーフティ&セキュリティ分野

業務用無線機器、アマチュア無線機器、業務用映像監視機器、業務用オーディオ機器、医用画像表示モニター

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド山形

株式会社JVCケンウッド長岡

JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

株式会社JVCケンウッド・公共産業システム

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD Canada Inc.

JVCKENWOOD U.K. Limited

 

(開発・生産及び販売会社)

EF Johnson Technologies, Inc.

Radio Activity S.r.l.

Rein Medical GmbH

 

 

 

 

事業区分

主要製品

主要会社名

エンタテインメント

ソリューションズ分野

プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、ポータブル電源、業務用ビデオカメラ、CD/DVD(パッケージソフト)等の受託ビジネス、CD/DVD(パッケージソフト)の製造、オーディオ・ビデオソフト・配信等のコンテンツ等

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド

株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア

JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD U.K. Limited

 

(企画・制作及び販売会社)

株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

 

その他

サービスパーツ他

(その他の会社)

株式会社JVCケンウッド・サービス

 

 

(注)株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントは、2024年4月1日付で会社名をビクターエンタテインメント株式会社に変更しています。

 

 

事業の系統図は以下のとおりです。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

1)経営成績

当社は企業価値最大化へ向けて当社の強みが活かせる収益性の高い市場への事業ポートフォリオ変革に際し、当社の目指す事業戦略を明確にするため、2023年4月1日付で、「パブリックサービス分野」を「セーフティ&セキュリティ分野」へ、「メディアサービス分野」を「エンタテインメント ソリューションズ分野」へそれぞれ名称変更いたしました。

当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから前年同期比で増収となり、全社事業利益は増益となりました。全社営業利益については前年同期比で減益となりましたが、前期の第3四半期連結会計期間に計上した固定資産譲渡益(約97億円)の影響を除けば、前年同期比で大幅な増益となりました。

なお、当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

前年同期比

増減率

売上収益

336,910

359,459

+22,548

+6.7%

事業利益

15,836

19,710

+3,874

+24.5%

営業利益

21,634

18,226

△3,407

△15.8%

税引前利益

21,161

18,245

△2,915

△13.8%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

16,229

13,016

△3,212

△19.8%

※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。なお2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しています。

 

また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

損益為替レート

米ドル

約137円

約145円

約148円

約149円

 

ユーロ

約150円

約157円

約159円

約161円

前期(参考)

米ドル

約130円

約138円

約141円

約132円

 

ユーロ

約138円

約139円

約144円

約142円

 

* 売上収益

当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の販売が、前期に引き続き非常に好調に推移したことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業、エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業の販売が堅調に推移したことなどから、全社では前年同期比で約225億円増(6.7%増収)となる3,594億59百万円となりました。

 

*事業利益

当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。

当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり増収となったことなどから、前年同期比で約39億円増(24.5%増益)となる197億10百万円となりました。

 

*営業利益

当連結会計年度における営業利益は、事業利益は増益となったものの、前期は第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したことなどから、前年同期比で約34億円減(15.8%減益)となる182億26百万円となりました。

 

 

* 税引前利益

当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約29億円減(13.8%減益)となる182億45百万円となりました。

 

* 親会社の所有者に帰属する当期利益

当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約32億円減(19.8%減益)となる130億16百万円となりました。

 

2)財政状態

*資産

資産合計は、棚卸資産は減少しましたが、営業債権及びその他の債権や有形固定資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる3,168億19百万円となりました。

 

*負債

負債合計は、借入金は減少しましたが、営業債務及びその他の債務や未払費用などその他の流動負債が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約25百万円減となる1,955億98百万円となりました。

 

*資本

資本合計は、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が約112億円増加したことに加え、主要通貨に対して円安が進んだことにより、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる1,212億20百万円となりました。

 

なお、親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分合計が増加したことから、前連結会計年度末比で3.2ポイント増加し36.2%となりました。

 

② セグメントごとの売上収益及び損益

セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。

(百万円)

 

 

 

 

 

セグメントの名称

2023年3月期

2024年3月期

前連結会計年度比

 

 

 

 

 

モビリティ&テレマティクス

売上収益

197,564

199,435

+1,871

サービス分野

事業利益

4,396

3,871

△524

セーフティ&セキュリティ分野

売上収益

74,652

93,755

+19,102

 

事業利益

10,675

16,485

+5,810

エンタテインメント

売上収益

57,265

55,978

△1,286

ソリューションズ分野

事業利益

798

△257

△1,055

その他

売上収益

7,427

10,289

+2,861

 

事業利益

△33

△389

△355

合計

売上収益

336,910

359,459

+22,548

 

事業利益

15,836

19,710

+3,874

 

* モビリティ&テレマティクスサービス分野

当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約19億円増(0.9%増収)となる1,994億35百万円、事業利益は同約5億円減(11.9%減益)となる38億71百万円となりました。

なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約32億円が含まれており、この為替ヘッジによる影響を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっています。

(売上収益)

OEM事業は、当第4四半期連結会計期間に国内自動車メーカーの生産・販売減による影響を受けたものの、欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が、前期に引き続き好調に推移したことなどから、前年同期比で増収となりました。

アフターマーケット事業は、主に米国の大手量販店の在庫調整にともなう販売減の影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。

テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーなどのテレマティクスソリューション関連商品の販売が減少したことから、前年同期比で減収となりました。

 

 

(事業利益)

為替ヘッジによるマイナス影響に加え、アフターマーケット事業及びテレマティクスサービス事業が減収の影響を受けたことから、OEM事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で減益となりました。

 

* セーフティ&セキュリティ分野

当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約191億円増(25.6%増収)となる937億55百万円、事業利益は同約58億円増(54.4%増益)となる164億85百万円となりました。

(売上収益)

無線システム事業は、米国を始めとする海外市場において販売が非常に好調に推移したことなどから、前年同期比で約179億円の増収となりました。

業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムで、鉄道など社会インフラ市場が回復傾向となったことなどから、前年同期比で約12億円の増収となりました。

(事業利益)

無線システム事業が大幅増収により大幅増益となり、業務用システム事業も増収により損益が改善したことから、セーフティ&セキュリティ分野全体でも、前年同期比で大幅増益となりました。

 

* エンタテインメント ソリューションズ分野

当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約13億円減(2.2%減収)となる559億78百万円、事業利益は同約11億円減(132.2%減益)となる2億57百万円の損失となりました。

なお、メディア事業の業務用カメラ事業は、2024年3月期の市況などを考慮して業容を縮小することとし、これにともない第3四半期連結会計期間に構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上いたしました。事業利益にはこの損失引当約8億円が含まれています。

(売上収益)

メディア事業はヘッドホン・イヤホンの販売は堅調に推移したものの、ポータブル電源や業務用カメラなどの販売が減少したことなどから前年同期比で約34億円の減収となりました。

エンタテインメント事業は、コンテンツビジネスの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約21億円の増収となりました。

(事業利益)

エンタテインメント事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、メディア事業において減収の影響に加えて、業務用カメラ事業の構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上したことなどから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体では前年同期比で減益となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

* 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において営業活動により増加した資金は331億72百万円となり、前年同期比で約66億円収入が増加しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権の増加はあったものの、棚卸資産が減少したことによる運転資金の減少などによるものです。

 

* 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において投資活動により減少した資金は160億62百万円となり、前年同期比で約87億円支出が増加しました。主な要因は、新社屋の建設などにともない有形固定資産の取得による支出が増加したこと及び有形固定資産の売却による収入が大きく減少したことなどによるものです。

 

* 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において財務活動により減少した資金は193億53百万円となり、前年同期比で約53億円支出が増加しました。主な要因は、増配及び自己株式の取得による支出の増加などによるものです。

 

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約17億円増となる578億74百万円となりました。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

* 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

モビリティ&テレマティクスサービス分野

193,965

△7.04

セーフティ&セキュリティ分野

98,610

20.97

エンタテインメント ソリューションズ分野

54,246

△7.70

その他

10,289

38.91

合計

357,111

0.21

(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。

 

* 受注実績

当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野・セーフティ&セキュリティ分野・エンタテインメント ソリューションズ分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。

 

* 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、2024年3月期の期初における連結業績予想及び2024年4月22日付の修正業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2023年10月31日及び2024年4月22日付で2024年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。

(百万円)

 

(参考)

2024年3月期
通期連結業績予想
(2023年4月27日付
期初業績予想)

2024年3月期
通期連結業績予想

(2024年4月22日付
修正業績予想)

2024年3月期
通期連結実績

(参考)

2024年3月期

通期連結業績予想比

(2023年4月27日付
期初業績予想)

2024年3月期
通期連結業績予想比

(2024年4月22日付

修正業績予想比)

売上収益

350,000

359,000

359,459

102.7%

100.1%

営業利益

13,400

18,100

18,226

136.0%

100.7%

税引前利益

12,400

18,100

18,245

147.1%

100.8%

親会社の所有者に帰属する
当期利益

8,000

12,900

13,016

162.7%

100.9%

 

当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから、売上収益は3,594億59百万円、営業利益は182億26百万円、税引前利益は182億45百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は130億16百万円となりました。

 

 

2) 財政状態

財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。

 

3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

*キャッシュ・フロー

当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額を平準化することで借り換えリスクの低減を図っています。

また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。

なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。

 

また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。

(百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

営業活動によるキャッシュ・フロー

26,607

33,172

投資活動によるキャッシュ・フロー

△7,329

△16,062

フリーキャッシュ・フロー

19,278

17,110

 

*資金需要

当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。

 

*財務政策

当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。

この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。

(百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

株主還元

980

8,963

投融資

16,115

22,402

有利子負債の返済

12,331

10,283

※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。

※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。

 

4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

セグメント情報

6.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社グループは、各分野に分野責任者を置き、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。

当社グループは、製品を製造し販売する従来型の「製造販売業」から、顧客の課題を解決するためのソリューションを提供する「顧客価値創造企業」への進化を図るため、「モビリティ&テレマティクスサービス分野」「セーフティ&セキュリティ分野」「エンタテインメント ソリューションズ分野」の3つの顧客業界分野別組織で事業活動を展開しており、報告セグメントの区分もこのとおりです。

当連結会計年度より、従来の「パブリックサービス分野」を「セーフティ&セキュリティ分野」に、「メディアサービス分野」を「エンタテインメント ソリューションズ分野」に名称変更しています。

各報告セグメント区分の主な製品・サービス又は事業内容は、以下のとおりです

モビリティ&テレマティクスサービス分野

カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、車載用デバイス等の製造・販売、テレマティクスソリューション

セーフティ&セキュリティ分野

業務用無線機器、アマチュア無線機器、業務用映像監視機器、業務用オーディオ機器及び医用画像表示モニター等の製造・販売

エンタテインメント

ソリューションズ分野

プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、ポータブル電源、業務用ビデオカメラ等の製造・販売、CD/DVD(パッケージソフト)等の受託ビジネス、CD/DVD(パッケージソフト)の製造、オーディオ・ビデオソフト・配信等のコンテンツ等

その他

サービスパーツ他

 

(2)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産及びその他の項目

報告セグメントの会計方針は、注記3.「重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同じです。

 

 

当社グループの報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産及びその他の項目は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

(注1)

連結財務

諸表計上額

 

モビリティ&テレマティクスサービス分野

セーフティ&セキュリティ分野

エンタテインメント ソリューションズ分野

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への

売上収益

197,564

74,652

57,265

329,482

7,427

336,910

336,910

セグメント間の

内部売上収益

又は振替高

197,564

74,652

57,265

329,482

7,427

336,910

336,910

セグメント利益

(△損失)(注2)

4,396

10,675

798

15,870

△33

15,836

15,836

その他の収益

 

 

 

 

 

 

 

11,342

その他の費用

 

 

 

 

 

 

 

4,971

為替差損益(△は損失)

 

 

 

 

 

 

 

△573

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

21,634

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

454

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

1,221

持分法による投資損益(△は損失)

 

 

 

 

 

 

 

293

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

21,161

セグメント資産

163,388

57,685

45,065

266,139

5,963

272,102

27,252

299,355

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

及び償却費

12,318

2,644

2,500

17,463

151

17,615

17,615

減損損失

663

796

990

2,450

2,450

2,450

減損損失戻入益

有形固定資産及び

無形資産の増加額

13,412

4,179

2,001

19,593

168

19,761

19,761

(注)1.セグメント資産の調整額27,252百万円は、主に全社資産であり、主に現金預金及び長期投資資産(公正価値で測定する金融資産)です。

2.セグメント利益(△損失)は売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した事業利益で表示しています。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

(注1)

連結財務

諸表計上額

 

モビリティ&テレマティクスサービス分野

セーフティ&セキュリティ分野

エンタテインメント ソリューションズ分野

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への

売上収益

199,435

93,755

55,978

349,170

10,289

359,459

359,459

セグメント間の

内部売上収益

又は振替高

199,435

93,755

55,978

349,170

10,289

359,459

359,459

セグメント利益

(△損失)(注2)

3,871

16,485

△257

20,099

△389

19,710

19,710

その他の収益

 

 

 

 

 

 

 

4,762

その他の費用

 

 

 

 

 

 

 

6,158

為替差損益(△は損失)

 

 

 

 

 

 

 

△88

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

18,226

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

957

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

1,485

持分法による投資損益(△は損失)

 

 

 

 

 

 

 

547

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

18,245

セグメント資産

169,684

66,904

45,377

281,967

6,421

288,388

28,430

316,819

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

及び償却費

12,639

3,267

2,120

18,027

155

18,182

18,182

減損損失

1,295

607

1,084

2,987

6

2,993

2,993

減損損失戻入益

94

94

94

94

有形固定資産及び

無形資産の増加額

15,289

6,656

3,946

25,891

437

26,329

26,329

(注)1.セグメント資産の調整額28,430百万円は、主に全社資産であり、主に現金預金及び長期投資資産(公正価値で測定する金融資産)です。

2.セグメント利益(△損失)は売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した事業利益で表示しています。

 

(3)主要な製品及び役務からの収益

注記「28.顧客との契約から生じる収益」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

(4)地域別情報

地域別売上収益

外部顧客の所在地域別売上収益は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

外部顧客への売上収益

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

日本

128,556

125,756

米州

80,009

96,004

欧州

62,101

71,632

アジア

59,502

59,682

その他の地域

6,740

6,382

合計

336,910

359,459

(注)1.国又は地域の区分は、地理的近接度によっています。

2.各区分に属する主な国又は地域

(1)米州            アメリカ、カナダ、パナマ

(2)欧州            ドイツ、フランス、イギリス、イタリア

(3)アジア          中国、インドネシア、シンガポール、アラブ首長国連邦

(4)その他の地域    オーストラリア、アフリカ

3.地域別売上収益は、当社グループの本邦以外の国又は地域における売上収益(ただし、連結会社間の内部売上収益は除く)を、販売先の国又は地域ごとに区分し表示したものです。

4.前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本を除き、外部顧客向け売上収益が重要な単一の国及び地域はありません。

 

非流動資産

当社グループの所在地域別の非流動資産の帳簿価額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

所在地域別の非流動資産

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度
(2024年3月31日)

日本

45,056

49,748

米州

5,639

6,856

欧州

14,833

16,777

アジア

17,935

18,616

その他の地域

882

1,127

合計

84,347

93,125

非流動資産は、資産の所在地によっており、「その他の金融資産」、「繰延税金資産」及び「退職給付に係る資産」を含んでいません。

 

(5)主要な顧客に関する情報

単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しています。