リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)単一事業のリスク
当社グループではストレッチブロー成形機、専用金型、付属機器及び部品の製造販売において単一事業を営んでおります。PETボトルをはじめとするプラスチック容器の地域的拡大と、応用分野面での需要伸長を背景とし、かつ、PETボトルは、近時ではCO2削減などの環境志向から容器素材がガラスに比して極めて軽量である点も評価され、成長が見込める市場です。しかしながら、内外の景気動向その他の要因により、これらの容器の需要が低迷し、生産設備への投資意欲の低下をきたした場合、又は、PETボトルに代わる新たな包装容器等が開発されるような技術革新が起こった場合、単一事業を営む当社の業績に対して大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新素材や新分野に関する容器開発を推進するなど先進的な研究開発を継続的に実施し、外部環境の変化や市場ニーズに対応する取り組みを強化しており、恒久的な事業の存続を追求しております。
(2)海外政治/経済情勢変化
当社グループは世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、海外売上高比率は87.0%に達します。一方で、日本に加えインドにおける生産も拡大基調にあり、事業の海外への総合的な依存率は高じている現状があります。海外の市場・地域ごとの政治・経済、社会情勢の変化、移転価格税制等の国際税務、各種規制の動向によって、製品の需給状態など当社グループの事業環境は大きく変動する可能性があります。
当社グループは、特定地域の売上高に依存しておらず、海外政治・経済情勢の変化が事業全体に与える影響を最小限にする体制を敷いております。
(3)為替変動
当社グループの海外売上高は、前述のとおり高いウエイトを占めていることから、その主要な取引には為替相場の変動によるリスクを有するものがあります。一般的に、当社グループの業績は、外国通貨に対し円高になればマイナスの影響を被り、円安になればプラスの効果を享受します。また、為替相場の変動は同一市場において、当社グループと外国企業が販売する製品の相対的な価格や、製品を製造するのに使用する材料コスト等にも影響を与えます。当社グループは短期の為替の影響を軽減ないしは減殺するための方策の一つとしても、海外生産比率の向上を推し進めているほか、必要に応じて先物為替予約等の活用も行っておりますが、予定した為替レート水準を超えた円高の場合には、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替状況に応じて価格設定を調整するなど、為替変動を考慮しながら経営管理を行っております。
(4)市場競合状況
当社グループは事業を展開する多くの市場において、激しい競争に直面しております。当社グループは高品質、かつ魅力的な製品を市場へ投入できる、市場におけるリーダーカンパニーの一角と自負しておりますが、価格面など、必ずしも競争優位に展開できる環境ではない市場や製品分野もあります。このため、厳しい価格競争を強いられた結果、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業界のリーディングカンパニーとして、新素材、新製品、新分野の開拓など積極的な研究開発を実施するとともに、インド工場及び国内工場の生産体制の充実を図り、生産性の向上と製造原価の低減を推進し、市場における競争力を強化しております。
(5)材料価格
原油・素材価格の騰勢が続いた場合、当社グループ製品の材料費のコストアップ要因となりえます。このコストアップに対しては、海外生産強化や他の原価低減、及び製品価格への転嫁によってカバーしていく意向にありますが、更に騰勢が継続、長期化することになれば、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。また、原油を材料とするPETなどの樹脂素材の高騰は、樹脂を原材料として使用する顧客の設備投資意欲を減退させ、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産体制の強化により製造原価を低減するなど、コスト優位性を確保し、材料価格等の変化に対しても対応する体制を構築しております。また、当社の独自技術を採用することにより、顧客が使用するPET樹脂素材を減少させるなど、顧客にメリットをもたらす技術革新を行っております。
(6)特定の生産拠点への集中、依存
当社グループは、本社工場(長野県小諸市)の生産機能に加え、より一層の製造コストの低減化を推進し、製品競争力及び利益体質の強化を図るため、生産の要であるインド工場(インドアンベルナス市)の生産設備の拡充、利用度の拡大を積極的に進めております。更に、2018年には長野県佐久市に千曲川工場を設置し、国内生産能力の増強を図っております。多くの生産機能を本社工場及び千曲川工場、インド工場の3拠点に集中しているため、自然災害等の万一の事態が発生し、生産工程に支障をきたすような場合には、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2021年に取得した工場用地を有効活用し、グローバルな規模での生産体制の最適化を図ることにより、特定の生産拠点への集中、依存を解消いたします。
(7)在庫品に関するリスク
当社グループの主力製品の一部については、インド工場で計画生産し、世界各国のユーザーに納入しております。また、当社グループでは、短納期出荷、メンテナンス部品の供給などの顧客ニーズに迅速に対応するとともに、用途開発や販売促進のため、一定数量の在庫品を保有しております。これらの事情により保有している在庫品に関して、万が一、市場の著しい変化等が生じ、過剰在庫が発生し、在庫品の評価損、処分損等を計上することになった場合、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、在庫品の状況を注視し、適正な在庫管理を行うなど、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、配当政策を最重要経営課題の一つとして認識しております。また、配当金額は当社並びにグループ企業の経営環境や業績動向を考慮して、収益及び財務状況に応じて適正に決定されるべきものと考えておりますが、これと同時に安定的な配当の継続維持も念頭においております。
以上を踏まえ、当事業年度の利益配分につきましては、当期の業況並びに将来の事業展開や収益・財務状況などを総合的に勘案し、2023年11月10日開催の取締役会において、前期と比べ1株当たりの普通配当を20円増配し、1株につき120円とすることを決議いたしました。
内部留保資金につきましては、生産体制の整備、新製品・新技術の開発など、今後の事業拡大や企業価値の向上に向けた活用を考えております。
なお、当社は、中間配当と期末配当の年2回配当を行うことができますが、従来より通期の決算状況を踏まえ、期末配当のみを行う方針としております。また、当社は、2007年12月20日開催の第29期定時株主総会決議により、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定め、株主総会の決議によらないものとする。」旨を定款に定め、配当についての決定機関を取締役会としております。
当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額 |
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2023年11月10日 |
取締役会決議 |
1,798 |
120円 |