事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 24,985 | 100.0 | 2,614 | 100.0 | 10.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社(株式会社ジェイ・イー・ティ)及び連結子会社5社により構成されており、半導体製造の前工程で使用される半導体洗浄装置の開発、設計、製造、販売を主な事業として取り組んでおります。
当社は、リーマン・ショック後の半導体不況時に破産手続きを開始したエス・イー・エス株式会社を前身としております。当時のエス・イー・エス株式会社が開発した半導体洗浄装置は、バッチ式洗浄装置において、顧客の要求仕様に合わせて洗浄槽の構成や設置数の変更といったカスタマイズが可能でありました。半導体の集積度の向上により、顧客のニーズは、より高粘度・高比重の薬液への対応を求められており、その顧客ニーズに対応する洗浄槽では処理時間が長くなります。エス・イー・エス株式会社が開発した洗浄装置では、装置前面に搬入機器、装置後面に搬出機器を配置することでシリコンウエハ(以下、「ウエハ」といいます。)の流れ方向を1方向にすること等により、処理時間の長い洗浄槽を並列して複数配置することができ、単位時間あたりのウエハ処理枚数を増加させることが可能でありました。また、エス・イー・エス株式会社はバッチ式洗浄装置では10%強の世界市場シェアと優良顧客を持っていたため、当社はエス・イー・エス株式会社の半導体事業を引き継ぎました。
半導体製造工程においてはウエハに回路を形成するまでの「前工程」と、回路が形成されたウエハを半導体チップに切り出して製品化する「後工程」とに分かれております。「前工程」では、成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・不純物注入・レジスト剥離といったプロセスが繰り返し行われており、各プロセスの間にはウエハに付着した微細な汚れやゴミを取り除くため洗浄工程が必要となります。 「後工程」では、回路形成済みのウエハからチップ切り出し・ダイシング・パッケージング・検査といったプロセスが一連の流れとして行われており、各プロセスにて比較的大きな汚れやゴミを取り除くため洗浄工程が必要となります。当社はより洗浄能力を求められる前工程の各プロセスでの処理前後において実施される洗浄工程における装置の開発、製造、販売を行っております。なお、洗浄工程は各プロセスで実施されるため、半導体製造の前工程の30~40%が洗浄工程となり、前工程における重要な役割を担っております。
半導体洗浄装置については、多数(25~50枚)のウエハを同時に各処理槽にて処理を行う「バッチ式洗浄装置」と、ウエハを1枚ずつチャンバー(処理槽)内で処理する「枚葉式洗浄装置」があります。一般的にバッチ式洗浄装置の長所は生産性が高いこと、短所はウエハの塵を拾いやすいことが挙げられます。また枚葉式洗浄装置の長所はウエハを1枚ずつ精密に制御して洗浄が可能なこと、短所はバッチ式洗浄装置に比べて生産性が低いことが挙げられます。また、半導体洗浄装置市場においては、一時期、バッチ式洗浄装置から枚葉式洗浄装置への置き換わりが進んでおりましたが、近年では半導体製造技術の進歩につれて、より微細化や高積層化が進み、長時間かつ高温を要する洗浄プロセスが増えており、生産性の優位性やその特徴からバッチ式洗浄装置は2022年度においても世界の洗浄装置市場全体の約24%程度の構成比を堅持しております。
当社グループの半導体洗浄装置は、バッチ式洗浄装置(BW3700、BW3000、BW2000)においては、標準的な装置前面に搬入搬出機器を配置したタイプ(I-Type)と当社独自の装置前面に搬入機器、装置後面に搬出機器を配置したタイプ(F-Type)の2種のタイプがあります。ともに顧客の要求仕様に合わせたカスタマイズ性を有しておりますが、特に当社独自のタイプ(F-Type)では、洗浄槽の設置数を変更することにより時間当たりのウエハ処理枚数を最大化する等、より顧客ニーズに沿ったカスタマイズが可能であります。枚葉式洗浄装置(HTS-300)においては、ヒーターにてウエハ上の薬液を高温にするといった特殊な機能を搭載することにより、処理性能及び処理能力の向上、使用薬液の削減といった顧客のメリットに繋がる機能を有しております。半導体洗浄装置は、主に韓国、中国、台湾の半導体メーカーへ販売しております。また、半導体洗浄装置に関連するフィールドサービスとして、装置の改造、部品の販売、顧客の工場における保守サービス等の対応を行っております。
当社の主要な製品は以下のとおりであります。
当社及び子会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(半導体事業)
当社グループの半導体洗浄装置の開発・設計、製造、販売については、当社にて行っております。なお、装置の一部につきまして、顧客への販売支援業務や顧客工場での装置立上業務等を連結子会社のJ.E.T. Semi-Con. International Taiwan, Inc.(協裕国際科技股份有限公司)とOribright Shanghai Co., Ltd. (欧利白科技(上海)有限公司)の2社及び当社の親会社でありますZEUS Co., Ltd.に業務委託しております。部品販売及び保守サービスにつきましては、当社でも行っておりますが、上記連結子会社2社及び親会社でも部品販売及び保守サービスを行っております。また、部品の一部について、ZEUS Co., Ltd.経由で韓国のメーカーから仕入れを行っております。
なお、2019年7月に発表された日本政府による韓国向け輸出管理強化の影響から、半導体製造装置の国産化比率の向上を図る韓国政府の政策に対応するため韓国の顧客より韓国国内での装置製造の要請があり、顧客との関係強化を目的として、2020年9月にJ.E.T. Korea Co., Ltd.を韓国に設立して装置の製造を開始し、2023年度には8台の装置を製造いたしました。
その他、密閉後の電池ケースや外装材のピンホール等による電解液の漏れを検出する「電解液リーク検査装置(ELC-J1000)」、多層箔やフィルム等に対しても材料の熱変性や変形が少なく信頼性の高い超音波接合を可能にする「超音波接合システム(UWS-J1000)」などのリチウムイオン電池に関連する検査・製造装置を開発し、主として国内顧客に対して販売を行っております。
(その他の事業)
株式会社OSMIC(東京都中央区日本橋茅場町2-9-8 茅場町第2平和ビル6F、代表取締役 執行役員社長 中川英之)がFC展開するオスミック農産物生産事業を採用した、農産物の生産・販売等を行っております。
なお、アグリ事業において、独立した法人として個別採算管理を徹底すること、責任の明確化を図ることとともに、農地所有適格法人としての農地所有や各種制度融資などのメリットを活かし、本事業の収益力及び競争力を向上させるため、2021年10月に株式会社ジェイ・イー・ティ・アグリを設立いたしました。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注) 親会社であるZEUS Co., Ltd.は、当社の議決権の66.4%を保有しております。
(注) 農産物は、国内顧客のみに販売しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米の利上げやインフレは落ち着きつつあるものの、米中貿易摩擦は関係各国を巻き込みつつ新たな動きを模索し、また、ウクライナ紛争の長期化や、新たにイスラエルでの紛争勃発など国際情勢が不安定化し、地政学リスクは予断を許さない状況の中、依然先行き不透明な状況が継続しております。
その中で、当社グループが属しております半導体業界におきましては、エレクトロニクス製品を含む世界的な消費減速の影響によりメモリー価格の下落が続きましたが、DRAMにおいては、生成AI向けサーバーやGPUには多くのHBM(High Bandwidth Memory)が使用され、DRAMの価格は上昇に転じ、新たな設備投資も開始されております。また、成熟世代半導体向けの設備投資は、中国を中心として継続されておりますが、一部にて投資減速の傾向も見受けられます。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、韓国メモリーメーカー向け洗浄装置の立上遅延により多少の影響はありましたが、洗浄装置の販売は順調に推移し、中国ファウンドリ向け洗浄装置の販売も高水準で推移いたしました。また、利益につきましても、固定費の抑制及び現地法人の洗浄装置立上対応によるコスト削減等に取り組んだ結果、利益の増加に繋がりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高249億84百万円(前年同期比8.1%増加)、営業利益26億13百万円(前年同期比25.7%増加)、経常利益24億44百万円(前年同期比28.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益16億51百万円(前年同期比37.9%増加)となりました。
なお、当社グループにおける報告セグメントは半導体事業のみであり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は270億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億29百万円増加しました。これは主に「仕掛品」及び「原材料及び貯蔵品」の増加によるものであります。
有形固定資産は9億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億82百万円減少しました。
無形固定資産は56百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円減少しました。
これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4億83百万円増加し、287億74百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は114億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億38百万円減少しました。これは主に「短期借入金」の減少によるものであります。
固定負債は48億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億48百万円減少しました。これは主に「長期借入金」の減少によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ35億87百万円減少し、163億62百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ40億71百万円増加し、124億11百万円となりました。これは主に当連結会計年度において東京証券取引所スタンダード市場に新規上場したことに伴う公募増資の払込みにより、「資本金」及び「資本剰余金」がそれぞれ12億77百万円増加したことに加え、「利益剰余金」が増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13億63百万円減少し、当連結会計年度末には27億42百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は11億81百万円(前年同期は35億97百万円の使用)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」の増加による資金の増加、「棚卸資産」の増加による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は1億6百万円(前年同期は2億10百万円の使用)となりました。これは主に「定期預金」の減少による資金の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億38百万円(前年同期は37億31百万円の獲得)となりました。これは主に「短期借入金」の減少による資金の減少、「新株の発行」による資金の増加によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
第15期連結会計年度における生産実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
b.受注実績
第15期連結会計年度における受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
第15期連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な地域別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
経営者の視点による当社における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、欧米の利上げやインフレは落ち着きつつあるものの、米中貿易摩擦は関係各国を巻き込みつつ新たな動きを模索し、また、ウクライナ紛争の長期化や、新たにイスラエルでの紛争勃発など国際情勢が不安定化し、地政学リスクは予断を許さない状況の中、依然先行き不透明な状況が継続しております。
その中で、当社グループが属しております半導体業界におきましては、エレクトロニクス製品を含む世界的な消費減速の影響によりメモリー価格の下落が続きましたが、DRAMにおいては、生成AI向けサーバーやGPUには多くのHBM(High Bandwidth Memory)が使用され、DRAMの価格は上昇に転じ、新たな設備投資も開始されております。また、成熟世代半導体向けの設備投資は、中国を中心として継続されておりますが、一部にて投資減速の傾向も見受けられます。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、韓国メモリーメーカー向け洗浄装置の立上遅延により多少の影響はありましたが、洗浄装置の販売は順調に推移し、中国ファウンドリ向け洗浄装置の販売も高水準で推移いたしました。また、利益につきましても、固定費の抑制及び現地法人の洗浄装置立上対応によるコスト削減等に取り組んだ結果、利益の増加に繋がりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、中国ファウンドリ向け装置の販売台数が前年と比べ増加したこと等により、売上高は249億84百万円(前期比8.1%増加)と増収になりました。また、新たに開発した付加価値の高いBW3700シリーズの市場投入、現地法人の装置立上対応によるコスト削減等により、売上増加による販管費率の減少等により、営業利益は26億13百万円(前期比25.7%増加)、経常利益24億44百万円(前期比28.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益16億51百万円(前期比37.9%増加)と増益となりました。
なお、財政状態の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの生産・受注・販売の実績、地域ごとの販売実績、主な相手別の販売実績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループにおける報告セグメントは、半導体事業のみであり、開示情報として重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(注)当連結会計年度より、当社グループが韓国で生産し、Samsung Electronics Co.,Ltd.へ販売する半導体洗浄装置については、ZEUS Co., Ltd.経由での販売に変更しております。
当連結会計年度の売上高には、ZEUS Co., Ltd.経由でのSamsungグループへの半導体洗浄装置の売上高2,411,795千円を含んでおります。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(注)当連結会計年度の売上高には、ZEUS Co., Ltd.経由でのSamsungグループへの半導体洗浄装置の売上高3,196,939千円を含んでおります。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
当社グループは、半導体事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。