事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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コレットチャック部門 | 1,105 | 69.0 | 421 | 89.0 | 38.2 |
切削工具部門 | 484 | 30.2 | 57 | 12.1 | 11.9 |
自動旋盤用カム部門 | 13 | 0.8 | -5 | -1.1 | -39.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の事業内容は、小型自動旋盤等で用いられるコレットチャック等を製造、販売するコレットチャック部門、各種切削工具の再研磨加工受託及び特殊切削工具の製造、販売を行う切削工具部門、小型自動旋盤用カムの設計、製造、販売を行う自動旋盤用カム部門、の三つのセグメントで構成されております。
a コレットチャック部門
当部門は、高精度、耐摩耗性、耐久性を要求される小型自動旋盤用超硬付コレットチャック等及び各種工作機械に使用される精密コレットチャック等の製造、販売を行っております。
コレットチャックは工作機械の一部品であり、素材、加工物または工具を保持する工具であります。コレットチャックの中には工具を保持するドリルチャック、ミーリングチャックと加工物を保持するスプリングコレットチャック等があります。当社で製作しているコレットチャックは加工物を保持するスプリングコレットチャックであります。小型自動旋盤で使用されるコレットチャックは素材供給装置により自動で1日(8時間)約2,000~3,000回のチャック開閉を行うため、素材とコレットチャックの接触面に摩耗が発生し、不良品発生の原因となります。コレットチャックの中でも小型精密自動旋盤用コレットチャックは高精度の製品を自動で継続して製作するため、高精度及び耐摩耗性、耐久性が要求される製品であります。超硬付コレットチャックは素材との接触面に超硬合金を装着しているため、破損や焼付等による欠損がある場合及びコレットチャック保持具との接触面の摩耗による劣化がある場合等を除いて、長期間にわたって精度を保つことができます。
b 切削工具部門
当部門は、マシニングセンター、フライス盤等の工作機械で機械部品や金型等を製造する時に使用する切削工具の再研磨による再生加工を受託しております。また、顧客の指定する形状に成形する特殊切削工具の製造販売も行っております。
当社が手掛ける切削工具の再生加工は、主にエンドミル、ドリル、各種カッター等であります。これらの切削工具は機械部品や金型を製造するときに金属を削る切削工具であります。金属を切削すると刃先が摩耗します。この摩耗部分を研磨加工で取り除いて、刃先を新品同様に再生するものであります。
特殊切削工具の製造は、複雑な形状を加工する場合に加工する形状に合わせて切削工具を製作することにより、加工の時間・工程等を短縮するものであります。
c 自動旋盤用カム部門
当部門は、精密機器、電機、時計、事務器の部品を製作する小型自動旋盤に使用されるカムの設計、製造、販売を行っております。
当社の事業のルーツであります小型自動旋盤用カム(以下「カム」という。)は、小型自動旋盤を作動させるソフトウェアといえるものであります。数枚のカムを組み合わせて機械に取り付け、刃物及び材料を制御することにより金属及びプラスチック等の丸棒及び四角、六角等の棒状の材料を種々の形状に旋削し、製品を製作します。
当社が製造する円板及びリング形状のカムは小型自動旋盤に取り付けられ、1回転するごとに一個の製品が完成されます。通常、小型自動旋盤は1日(8時間)に2,000~3,000個の製品を製作します。ゆえに1日で2,000~3,000回転するため、日を追うごとにカムの摩耗による製品の変形が発生し、不良品の発生の原因となります。当社のカムは高周波加熱装置により焼入処理をして摩耗を極力防いでいるため、概ね50万~100万回転までは精度を保つことができます。
当社の扱う機械工具は消耗品であるため、リピートオーダーにより継続的な受注が可能となります。当社の事業は基本的にリピートオーダー中心であり、切削工具部門を除いては積極的な営業活動は行っておらず、顧客からの受注を電話、FAX、メール等で受け付け、設計、製造、販売及び加工を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、世界経済の成長鈍化、低迷の影響を受けて低調に推移しました。
世界の状況を見ると、中国では不動産不況が深刻で政策金利引き下げなど実施しましたが、個人消費も低調で自動車販売も減少傾向にあり、在庫調整などで製造業も景気低迷しています。米国は金利上昇過程でも景気は堅調で推移しましたが、インフレがやや沈静化してきて、政策金利引き下げのタイミングを探る状態になっています。個人消費の勢いにかげりが出始め、製造業は弱含んできました。
日本国内では、円安傾向が続きエネルギー価格や輸入物価の上昇により、個人消費は低調に推移しました。製造業では、業種によりまちまちの状況となりました。自動車生産は、部品欠品などで生産調整を余儀なくされた影響を挽回するために、生産量を増やしてきていて、認証不正などもありましたが、堅調に推移しました。半導体も1年以上に及ぶ低迷からやや底を脱した状態で、多少動きが出てきました。AIや自動運転などの半導体は今後も増加すると思われ、今後の増産を見込んで製造装置も受注は増加傾向となりました。ここ1年ほど低調だった電子部品もやや持ち直しの兆しが出ています。工作機械、産業用機械などは、システム投資を除く企業の設備投資の様子見や中国景気の低迷の影響などで減少傾向となっています。設備関連部品も減少傾向となりました。
大手製造業は、円安傾向や値上げの浸透で輸出比率の高い企業を中心に、受注が横ばいでも業績を持ち直しているところもありますが、中小の下請け企業に回る仕事量は減少しており、国内の中小製造業業績は低調に推移しました。
このような状況のなか、当期の売上高は1,601,549千円(前年同期比8.8%減)、営業利益は164,557千円(前年同期比40.3%減)、経常利益は178,978千円(前年同期比36.5%減)、当期純利益は120,523千円(前年同期比37.2%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<コレットチャック部門>
コレットチャック部門では、自動車生産はある程度戻したものの、量産部品加工のその他の稼働率がいまひとつ高まらず、電子部品や工作機械なども低調な動きとなり、期の後半は当部門の受注も減少傾向となりました。
この結果、当セグメントの売上高は1,104,515千円(前年同期比8.6%減)、セグメント利益は421,405千円(前年同期比15.7%減)となりました。
<切削工具部門>
複雑な加工や特殊な形状加工に使用される別注切削工具の製作・再研磨は、顧客の要望する形状に柔軟に対応し短納期対応してきましたが、顧客企業の機械稼働率の低下の影響などあり、売上高は減少して144,133千円(前年同期比5.8%減)となりました。
市販切削工具の再研磨は、大手企業の夏季休暇に合わせて顧客企業の機械稼働率が低下し当部門の受注も下がりました。市販切削工具の再研磨は量産加工で使用されるものも多く期を通じて継続的に減少傾向となりました。売上高は、339,656千円(前年同期比10.9%減)となりました。
この結果、当セグメントの売上高は483,790千円(前年同期比9.5%減)、セグメント利益は57,423千円(前年同期比13.2%減)となりました。
<自動旋盤用カム部門>
自動旋盤用カム部門では、国内外のカム式自動旋盤で加工する量産部品が減少しました。自動旋盤用カム部門は、国内のカム式自動旋盤ユーザーへのカムの供給責任を果たす使命で事業継続しており、2024年1月よりカムの値上げを実施したため、当部門の売上は僅かながら増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は13,243千円(前年同期比5.8%増)、セグメント損失は5,220千円(前年同期は1千円の損失)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a. 生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 販売高で10%を超える主要な販売先はありません。
2 最近2期における輸出販売高及び輸出割合は次のとおりであります。なお、( )内は総販売実績に
対する輸出高の割合であります。
(2)財政状態の状況
当期における財政状態につきましては、総資産は前期末比259,933千円減少し、8,946,659千円となりました。
主な内訳は次のとおりであります。
(流動資産)
当期末における流動資産の残高は、6,569,229千円(前事業年度末は7,538,455千円)となり969,226千円の減少となりました。これは、仕掛品が18,029千円増加しましたが、現金及び預金が896,855千円、前払費用が48,714千円、売掛金が29,848千円、受取手形が11,627千円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当期末における固定資産の残高は、2,377,430千円(前事業年度末は1,668,136千円)となり709,294千円の増加となりました。これは、長期前払費用が39,057千円、機械及び装置が31,981千円、建物が29,251千円、繰延税金資産が12,590千円減少しましたが、投資有価証券が654,113千円、建設仮勘定が119,586千円、ソフトウェア仮勘定が47,745千円、工具、器具及び備品が2,866千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当期末における流動負債の残高は、210,657千円(前事業年度末は201,502千円)となり9,154千円の増加となりました。これは、未払法人税等が26,198千円、役員賞与引当金が2,520千円減少しましたが、未払金が31,831千円、預り金が6,138千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当期末における固定負債の残高は、547,549千円(前事業年度末は573,977千円)となり26,428千円の減少となりました。これは、長期未払金が126,053千円増加しましたが、役員退職慰労引当金が137,440千円、退職給付引当金が14,136千円、長期リース債務が904千円減少したことによるものであります。
この結果、当期末における負債合計は、758,206千円(前事業年度末は775,480千円)となりました。
(純資産)
当期末における純資産の残高は、8,188,452千円(前事業年度末は8,431,111千円)となり242,658千円の減少となりました。これは、自己株式が497,716千円減少し、その他有価証券評価差額金が107,725千円増加しましたが、別途積立金が500,000千円、繰越利益剰余金が223,478千円、自己株式処分差益が124,623千円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の純減少額600,090千円、税引前当期純利益176,439千円、減価償却費153,136千円、株式報酬費用126,071千円、売上債権の増減額41,476千円、利息及び配当金の受取額10,348千円がありましたが、投資有価証券の取得による支出500,000千円、配当金の支払額499,367千円、有形固定資産の取得による支出188,295千円、役員退職慰労引当金の増減額137,440千円、法人税等の支払額118,059千円、無形固定資産の取得による支出49,735千円を計上したこと等により、前期末に比べ296,764千円減少し、当期末は678,924千円(前期末比30.4%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動により増加した資金は、342,468千円(前期は、422,915千円の増加)となりました。これは、役員退職慰労引当金の増減額137,440千円、法人税等の支払額118,059千円、未払金の増減額16,368千円、棚卸資産の増減額15,664千円がありましたが、税引前当期純利益176,439千円、減価償却費153,136千円、株式報酬費用126,071千円、売上債権の増減額41,476千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動により減少した資金は、138,938千円(前期は、73,092千円の減少)となりました。これは、定期預金の純増減額600,090千円がありましたが、投資有価証券の取得による支出500,000千円、有形固定資産の取得による支出188,295千円、無形固定資産の取得による支出49,735千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動により減少した資金は、500,295千円(前期は、501,682千円の減少)となりました。これは、配当金の支払額499,367千円、リース債務の返済による支出904千円があったこと等によるものであります。
資本の財源及び資金の流動性に関する情報
資本の財源及び資金の流動性については、換金性の高い現預金等の内部留保を活用し、主に営業サイクルにおける資金と設備投資における資金を捻出しております。当面必要とされる事業資金、設備投資は、現状で充足できております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計方針のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。