リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業上のリスクと考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項であっても、投資判断上、あるいは当社を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及びその対応に努める方針ではありますが、投資判断は、記載事項及び本稿以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。
また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクすべてを網羅するものではありませんので、その点にご留意下さい。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業内容等に係わるリスクについて
① 外食業界への業績依存について
当社グループは、創業当初より飲食チェーン店舗のメンテナンスを手掛けており、外食業界に属する企業に対する売上高は、全体の69.5%を占めております(2024年2月期)。
当社グループは、物販、介護施設、ホテル、病院などの外食産業以外の業種への展開を急速に進めており、当社売上全体に占める外食産業比率の低下を確実に図っておりますが、他社との競合による価格競争の発生等の影響で、主力取引先である外食産業からのメンテナンス依頼が減少する等の影響により、当該業績が悪化する可能性があります。また、計画どおりに新規市場での顧客獲得ができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定取引先への業績依存について
当社グループは、売上高の48.8%、売上総利益の44.0%を外食業界、物販、介護施設の販売先上位10社に依存しております(2024年2月期)。当社グループは、当該販売先との良好な関係を構築しておりますが、当該販売先との取引の失注、契約終了等が生じた場合や、当該販売先のメンテナンス需要の動向等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候変動による業績への影響について
当社グループの主力取引先である外食産業では、冷凍・冷蔵機器及び空調設備は重要な設備機器であり、これらの設備機器への負荷が大きくなる夏場(6~8月)にかけて、緊急メンテナンスサービスの需要が高くなる傾向にあります。この夏場における気候の状況によっては、外食産業におけるメンテナンス需要が変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 主要顧客のメンテナンス内製化について
当社グループの事業は、顧客である店舗本部及び各店舗、各施設等からのメンテナンス依頼の受託であります。顧客が外注割合を高め、当社に対する発注を増やした場合には、当社の売上・利益は増加し、逆に顧客が店舗・施設のメンテナンスの内製化を強化し、当社グループに対する発注を減らした場合には、当社グループの売上・利益は減少することになります。したがって、顧客の店舗・施設メンテナンスに関する外注政策により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ メンテキーパーへの外注について
当社グループではメンテナンス業務のほとんどを外注先であるメンテキーパーに委託しております。メンテキーパーへ業務を委託するにあたり、資質、メンテナンススキル、機動性、資格の保有状況及び過去の実績等を総合的に調査の上で決定し、管理を行っております。
しかしながら、メンテキーパーのメンテナンス能力低下・経営状況の悪化、メンテキーパーの対応不良による得意先からのクレーム発生、現場での事故発生等による当社評判の低下及び損害賠償責任の負担、メンテキーパーの新規開拓の遅れ、当社グループによるメンテキーパーの維持管理状況の悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 競合関係に伴うリスクについて
当社グループが事業を遂行するメンテナンス市場は、厳しい競合状況に置かれています。当社グループは、国内の同業他社、店舗・施設の施工業者及びメンテナンスサービスを提供する業者と競合しておりますが、これらの競合会社のなかには、対応スピード、修繕等の技術、人材等、一部の面で、当社グループよりも優位性のある会社が存在する可能性があります。
メンテキーパーは、対応スピード、修繕技術等の競争力を有していると当社グループは認識しております。しかし、メンテキーパーの競争力が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 基幹システムのシステムダウンについて
人的過失、自然災害、停電など様々な原因により、メンテシステムがシステムダウンを起こし、メンテキーパー手配、請求業務等が利用できない等の障害が発生する可能性があります。当社グループでは、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しております。しかしながら、大規模災害等、想定を超えるシステム障害が発生した場合には、メンテキーパーへの手配遅延等による当社グループのサービスの低下等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの事業運営体制に係わるリスクについて
① 現経営陣への依存について
当社グループの経営陣は、創業者である内藤秀雄を始めとして、メンテナンス業務及び当該業務に付随する特有の管理業務に関する豊富な経験と知識を有しており、当社グループの経営方針・利益計画の策定及び執行、メンテキーパーに対する管理等につき、重要な役割を果たしております。
当社グループは、組織体制の整備を図り、特定の取締役に依存しない体制の構築に努めておりますが、予期せぬ事情により、当該取締役が離職した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 譲渡制限付株式報酬制度について
当社グループでは、株主の皆様と一層の価値共有を進め、中長期的な企業価値の向上を目的として、役員及び従業員への譲渡制限付株式の付与を実施しております。今後も業績向上等、当社グループの成長に貢献すると考えられる役員及び従業員には、譲渡制限付株式の付与を行っていく方針であります。そのため、譲渡制限付株式の付与が実施された場合は、当社の株式の流動性が低下する可能性があります。
(3)その他
激甚災害等について
当社グループ役職員の大半は、当社又は子会社の本社において業務を行っているため、地震・台風・津波等による激甚災害、テロ、強毒性インフルエンザ等の感染症等により、当社又は子会社の本社又は役職員が被害を受けた場合、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。また、大規模災害等によりメンテキーパー等が罹災し、サービスの提供が困難になった場合には、当社グループへの発注が減少する等、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとして、配当の原資確保のための収益力を強化し、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、年1回の期末配当を基本的な方針としております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、1株当たり27円としております。今後につきましては、業績の推移・財務状況を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら配当について検討する所存であります。
内部留保資金につきましては、将来の事業拡大への備えとして基幹システム(メンテシステム)等への投資を中心に活用していく方針です。
配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。なお、当社の取締役会の決議により、毎年8月31日を基準日とした会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当該事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年5月24日 |
269,920 |
27.00 |
定時株主総会決議 |