人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数367名(単体)
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平均年齢41.1歳(単体)
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平均勤続年数9.0年(単体)
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平均年収6,110,751円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
367 |
41.1 |
9.0 |
6,110,751 |
事業部門の名称 |
従業員数(名) |
製造部門 |
293 |
販売部門 |
42 |
全社(共通) |
32 |
合計 |
367 |
(注)1.従業員数は、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2.従業員数には、使用人兼務取締役、顧問および請負作業者は含まれておりません。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)は、総務部及び企画管理部等の管理部門の従業員であります。
5.当社は単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
6.2017年4月、三菱重工マリンマシナリ株式会社(旧三菱重工舶用機械エンジン株式会社)から吸収分割契約により、舶用ディーゼルエンジン事業を継承しております。平均勤続年数の算出にあたり、本事業の継承に伴って増加した従業員は、当社での勤務を開始した日を、勤続年数の起点としております。
(2)労働組合の状況
組合員数は180人で、労使関係は信頼関係を基礎として極めて良好であります。
「ジェイ・エイ・エム ジャパンエンジン労働組合」 |
180人 |
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率(注)及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
(注)男性労働者の育児休業取得率については、「第2 事業の概況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)指標及び目標」をご参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
当社は、経営理念の一つに「環境対応と経済性を両立した技術と品質向上への飽くなき挑戦で、社会、海運・造船業界の発展に貢献する」と定めており、気候変動を始めとする環境問題に対応し、環境と調和した事業活動と地球環境に配慮した製品・サービスの提供を通じて、「脱炭素社会の実現」などの環境問題に積極的に取組み、社会の持続的な発展に寄与していく方針です。
① ガバナンス
当社は、環境方針として、環境活動に関する基本理念と基本方針を定め、本方針に基づく環境保全活動計画を策定すると共に、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、全ての事業領域において、全従業員参加のPDCAサイクルを回し、環境活動を推進しています。
毎月開催される環境保全委員会において、環境保全活動計画に対する進捗状況の確認を行い、年2回のマネジメントレビューでは、その活動内容を報告し、経営トップコミットメントによる環境経営を推進しています。
また、GX戦略推進室とも連携を図り、脱炭素推進活動について討議・推進しております。
② リスク管理
環境マネジメントシステム(EMS)に基づき、当社を取り巻く状況に関して、外部・内部の課題及び、ステークホルダー及び環境側面、順守義務を含むニーズと期待を広く理解し、各部門にて取り組む必要があるリスク及び機会を決定し、環境保全計画書を策定しています。
また、サプライチェーンにおける人権尊重についても、継続して状況確認しています。
③ 戦略
当社は、「社員の力を結集し、開発・設計・製造・販売・サービスの一貫体制で、世界に伍していける企業を目指す」という経営理念のもと、事業を通じて海運・造船業の発展に貢献し、永続的に新たな価値を社会に提供できるよう、また、社員が健康で活き活きとして、働き続けられる企業に発展するよう、弛まぬ努力と挑戦を続けていくことをESG経営のコンセプトとして掲げています。
また、ESG経営を進めるためには、多様な人材を活用し、個人の能力開発の支援にも力を入れ、一人ひとりの能力を最大限に引き出すことと、安心して働き続けられる職場環境の整備が必要であると考えており、当社の基本方針のひとつとして、「人的資本への投資拡大、健康経営の推進」を掲げ、自律的に成長できる人材の育成と、ライフステージに応じた職場環境を整備することで雇用を維持し、企業の持続的な成長につなげることを目指します。
<人材育成方針>
イ.多様な人材が持つ知識、技能、経験、能力から成る人的資本と、エンジン開発にて蓄積した知的財産を当社の重要な経営資源と捉え、投資を拡大。
ロ.教育制度の拡充・リスキリングの徹底で人財を育成、あわせて社員評価制度を闊達に運用し組織風土の改革。
ハ.従業員の労働環境改善に資する健康投資拡大で、持続的な健康経営を実現。
ニ.従業員エンゲージメント向上に資する各種施策の展開で、社員の満足度を向上させ、顧客満足度の向上や、当社業績の伸長に繋げる好循環を実現。
<社内環境整備方針>
当社は、ウェルビーイング向上により、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされ、活き活きと働ける職場環境において、多様な人材が成長し、活躍し続けることが企業価値の向上に繋がるものと考え、下記の取り組みを行っています。
イ.多様な人材の活躍を支援
新卒・中途採用に加え、派遣から正社員への登用も積極的に進めています。また、外国籍社員、障がい者、高齢者雇用についても、スキルと経験を活かした雇用の機会を提供し、安心・安定した働き方を支援する制度を導入しています。さらに、若手社員の経験拡大と離職防止を目的とした「キャリアパス面談制度」、女性活躍推進のための「キャリアリターン制度」(配偶者の都合などで退職した社員を再雇用する制度)を導入しています。
ロ.自律的に成長できる人材の育成
「社員階層別研修制度」により、全社員を対象に、一人一人のポジションや役割に応じて必要となるスキルの習得を図っています。また、自己啓発支援制度も導入・拡充し、積極的にスキルアップに取り組む社員をサポートしています。さらに、目標管理制度やフィードバック面談などを含む社員評価制度の闊達な運用により、社員の自律的な成長を支援しています。
ハ.社員エンゲージメントの向上
各部門において顕著に活躍し、他の社員にも業務姿勢などで模範となる社員に対しては、社長名での年間MVP表彰を行っています。また、従業員向けに「社員意識調査」を実施し、人事制度や会社施策に対する社員の本音を聞き取り、会社施策や職場改善に反映することで、社員エンゲージメントの持続的な向上を目指しています。
ニ.ウェルビーイング向上を実現する職場環境
当社では、残業時間の削減と年次有給休暇の取得推進に取り組んでいます。残業時間の削減には、週2回の「定時退社日」を設け、効率的な業務遂行と働き方の改善を推進しています。また、年次有給休暇の取得を推進するために、年間計画休暇日(会社全体で同時に有給休暇を取得する日)を年に5日間設定し、プライベートの時間を充実させる取り組みを行っています。さらに、フレックスタイム制度、育児・介護休暇制度、時短勤務制度など、様々な働き方の選択肢を設けることで、それぞれの社員に合わせた柔軟な働き方を実現しています。これにより、社員一人一人がやりがいや充実感を持ちながら働ける環境を提供しています。
ホ.安全・安心して働ける職場環境と健康経営の推進
安全風土の構築と全社員の安全意識の向上によって、完全無災害職場の達成を目標としており、あらゆる人が安心して働ける職場環境の整備に取り組んでいます。
さらに、従業員の健康管理も重要な経営課題と捉え、人間ドック受診費用補助拡大、禁煙や生活習慣病等に関するセミナーや福利厚生イベントを開催するなど様々な健康に関する取組みを実施しており、これらの取組みが評価され、2024年3月には、経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において、3年連続で「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されました。さらに、「健康経営優良法人の中でも優れた企業」かつ「地域において、健康経営の発信を行っている企業」として優良な上位500法人に対して表彰される「ブライト500」に2年連続で認定されました。
ヘ.知的財産権の尊重
長年のエンジン開発にて取得した特許は、知的財産権として適切に管理しており、当社社員の職務上の発明については、職務発明規程によって、会社としての取扱いを明確に定めています。また、知的財産権に関する教育も実施しており、他社の権利を尊重し、不正な使用を行わず、使用する場合は、正当な手続きを遵守すること、また、自社の権利については、権利が侵害された場合の適切な手続きや法的手段を理解することで、技術革新を促進、公正な競争環境を確保します。
④ 指標及び目標
上記「③ 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
新卒採用人数 |
10人 |
6人(女性比率33.3%) |
中途採用人数 |
- |
8人(女性比率38%) |
上記のうち、派遣社員からの登用 |
- |
3人(女性比率67%) |
女性社員比率 |
20% |
13.4% |
外国籍社員比率 |
10% |
5.7% |
障がい者雇用 |
法定雇用率2.3% |
1.73% |
月平均残業時間 |
20H/月・人以下 |
22.5H/月・人 |
年次有給休暇取得日数(有給休暇取得率) |
- |
15.1日(74.8%) |
育児休業取得者数(割合) |
- |
7人(男5人、女2人) 取得率:63%(男55%、女100%) |
休業労災発生件数 |
0件 |
1件 |
(2)気候変動に関する取組み
当社は、2050年カーボンニュートラル達成に向け、次世代脱炭素燃料エンジンの開発などを推進し、需要家からの温室効果ガス(GHG)排出量を削減するとともに、事業活動におけるGHG削減についても進めております。
① ガバナンス
脱炭素経営を推進するためのガバナンス体制として、取締役会、経営会議の管理監督下のもと、担当役員及びエネルギー管理統括者を設置し、社内各部門に配置する推進者を統率しています。
② 戦略
イ.製品を通じたGHG排出量の削減
・当社製品である舶用エンジンからのGHG排出量を削減することで、需要家におけるGHG排出量の削減に貢献していきます。現行の重油燃料エンジンについては、性能改善を追求し、高効率・低燃費化を実現しています。また、燃料をMGO(Marine Gas Oil)とすることで、重油燃料エンジンよりも環境負荷を軽減するMGO専焼エンジンについても開発、製品化しています。
・これらに並行して、燃料転換によるGHG排出削減にも積極的に取組んでおり、ファーストムーバーとして世界に先駆けて、アンモニア及び水素を燃料とする次世代脱炭素燃料エンジンの開発を進捗させております。
ロ.当社生産活動におけるGHG排出量の削減
・当社生産プロセスからの排出は、直接排出(Scope1)と間接排出(Scope2)に分類され、直接は、エンジンの組立完了後、工場出荷前に実施する試運転で使用する燃料からの排出が主に該当します。また、間接は、工場・事務所等で使用する電気が主に該当します。当社は、自社における研究開発やDX推進の成果なども反映しながら、短期・中長期の時間軸で、直接・間接の双方ともに削減を進めています。
・直接排出(Scope1)については、短期的には、低燃費エンジンの開発、製品化によって、工場試運転時に使用する重油燃料の削減を進めていきます。また、中長期的には、研究開発の成果として、次世代脱炭素燃料エンジンを製品化することで、工場試運転時に使用する燃料を、脱炭素燃料へと転換していきます。
・間接排出(Scope2)については、短期的には、空調設備の更新や、工場・倉庫・事務所の照明をLED化することなどで電気使用量を削減していきます。DX推進の成果として、電力監視システムを活用し、社内各所での電気使用量を把握することで、使用量を効率化し、省エネ活動を推進していきます。また、中長期的には、太陽光発電システムを導入し、自社消費することで、工場使用電力を自然由来の再生可能エネルギーへと転換していきます。なお、太陽光発電システムについては、事務所棟・倉庫棟などの屋上に2023年に設置済です。さらに、消費する電力からのGHG排出量を更に削減する手段として、CO2フリー電気への切替えについても検討していきます。
ハ.サプライチェーン全体での環境負荷軽減
・当社トランジション戦略を、サプライチェーン全体で共有することで、GHG排出量削減に向けた取組みを、自社に留まらず、サプライチェーン全体に広げ、関係者が一丸となって推進していきます。さらに、直接材、間接材ともにグリーン調達を進め、サプライチェーン全体での環境負荷軽減を進めていきます。
・ビジネスパートナー(サプライヤー)様向け事業戦略説明会において、当社トランジション戦略を説明し、理念を共有する予定です。また、再生素材を利用したリターナル容器(通い箱)を導入しております。さらに、当社調達品の納品にあたりミルクラン方式の導入についても調整中です。
ニ.グリーンファイナンスによる資金調達
・当社のトランジション戦略を支える資金について、グリーンファイナンスによる調達手法を取り入れており、次世代脱炭素燃料エンジンの開発・製造に要する資金をグリーンローンにて調達を実施しております。(2023年3月から5年間)
ホ.グリーン市場の創出・拡大
・業界団体を通じた活動や、関係先とのコンソーシアム組成、共同出資の新会社設立、産学連携の共同研究などを通じて、イノベーションを共創し、グリーン市場を創出・拡大していきます。
・NEDOグリーンイノベーション基金事業として、下記の開発において、需要家や船級協会と連携したコンソーシアムを組成するとともに、大学と連携した研究開発も推進しております。
アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発(2021年度~2027年度)
舶用水素エンジン及びMHFSの開発(2021年度~2030年度)
・舶用水素エンジンの共同開発などを目的とし、共同出資の新会社HyEng株式会社を2021年に設立しております。
③ リスク管理
気候変動に関わるリスクについては、「(1)サステナビリティ全般 ②リスク管理」に記載のとおり、環境マネジメントシステム(EMS)に基づき、主要なリスクを評価・特定し、その低減活動を行っています。
④ 指標及び目標
・2050年カーボンニュートラル
※中間段階 2030年度時点で、2013年度対比▲39.2%を達成。
<削減目標の考え方>
・2015年にパリ協定が採択される中で、海事産業においては、IMO(国際海事機関)において、GHG削減目標を以下の通り定めており、わが国では、国際海運GHGゼロエミッションプロジェクトとして、2050年カーボンニュートラルを目指しております。
<IMO GHG削減戦略>
・2030年までに 2008年比で30%削減(最低20%削減)を目指す。
・2050年頃までにネット排出ゼロ
・また、日本のNDC(Nationally Determined Contribution)として、わが国は、2030年度において、GHGを2013年度から46%削減することを目指しており、当社が基盤を置く兵庫県においては、産業部門で、2030年度に、2013年度比で39.2%削減を目標としております。
よって、当社では、2050年にカーボンニュートラル達成を目標とし、その中間段階である2030年度においては、2013年度対比で39.2%削減を目標として取組みを進めていきます。