リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 景気の動向
世界並びに日本経済の動向により、当社グループの主要需要業界であるタイヤ業界や建設業界などの活動水準が影響を受けた場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2) 原材料などの供給リスク
当社グループは主材料である線材や亜鉛・心綱等を購入しておりますが、いずれの材料も数社の仕入先に依存し材料供給リスクに備えております。しかしながら、仕入先の業績不振、操業停止等に起因する原材料の供給停止や遅延、また世界的な需給逼迫による仕入量の制約、鉄鉱石や原料炭の価格高騰に起因する鋼材価格の上昇が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外拠点におけるリスク
当社グループは、アメリカ、ベトナム等に海外事業拠点を有しておりますが、当該国における政治・経済的混乱、疫病・テロといった社会的混乱、法的規制などにより、当社グループの事業活動が制約される可能性があります。これらの混乱や規制等に関する動向は、現地及び国内の情報網を利用し、早々に情報を入手し対応するよう努めております。
(4) 株価の下落
当社グループは、取引先との中長期的な経営戦略を共有するために株式を保有しており、その時価が下落した場合、当該株式について、減損処理が必要となる可能性があります。また、従業員の退職給付に関して、株価の下落により年金資産が目減りし、退職給付費用が増加する可能性があります。
(5) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、多額の固定資産を所有しており、経営環境の変化などに伴う収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額し損失を計上することになるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 取引先の信用リスク
当社グループは、取引先に対して様々な形で信用供与を行っており、債権の回収が不可能になる等の信用リスクを負っております。これらのリスクを回避するため、当社グループでは取引先の信用状態に応じて、信用限度額の設定や必要な担保・保証の取得等の対応策を講じております。しかし、取引先の信用状態の予期せぬ悪化や経営破綻等により債権が回収不能となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合のリスク
当社グループの国内・海外における生産・販売活動における競争環境は厳しさを増しております。当社グループでは、継続的なコスト削減と同時に新製品の開発、新規事業の展開を推進しておりますが、市場価格の低下が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 為替変動リスクについて
当社は、製品等の輸出入及び原材料の輸入において外貨建取引を行っていること並びに外貨建の資産を保有していることから、急激な為替変動に伴う為替リスクを有しており、そのヘッジのため適宜先物為替予約を行っております。しかしながら、為替予約でのリスクヘッジには限界があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9) 災害・事故・感染症等の発生
当社グループの生産拠点等において、地震・火災等の大規模な災害、設備事故や大規模な感染症等が発生した場合、生産活動に支障をきたすことになり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 環境、気候変動のリスク
当社グループは、事業活動により発生する廃棄物や有害物質等について、環境関連法令の適用を受けておりますが、製品の開発・設計・製造・販売・施工が地球環境に密接に関わり合っている事を認識し、自然環境との調和と地域社会との共生を目指し、また、事業活動を通じたSDGs達成への取組みを全従業員で実践していくことを環境方針の基本理念としております。
また、当社グループはTCFD提言への賛同を表明しており、気候変動が当グループの事業活動に与える影響に関し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」のカテゴリを踏まえ、機会とリスクの両面から対応、開示を進めております。当該取組状況、取組方針の概要は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動」に記載のとおりです。
(11) 知的財産権
当社グループは、新製品開発を通じて多くの新技術やノウハウを生み出しており、これらの知的財産を特許出願し、権利保護と経営資源としての活用を図っております。しかし、当社グループの知的財産権への無効請求、第三者からの知的財産権侵害等が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 法的規制などに関するリスク
当社グループは、国内外での事業において各国の法的規制を受けており、コンプライアンス、財務報告の適正性確保をはじめ、適切な内部統制システムを構築・運用しておりますが、将来法令違反等が発生する可能性は皆無ではなく、また法規制等の変更により、法令遵守のための費用が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 訴訟などのリスク
当社グループでは、コンプライアンスの徹底に努めておりますが、法令違反等の有無に関わらず、万が一当社グループに対する重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題と位置づけております。利益配当については、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、各期の連結業績に応じた利益の分配を基本として、新規事業展開・新製品開発、生産販売体制の整備等といった将来的な企業価値向上に要する内部資金需要の状況や、当社の業績、財務状況等、更には安定・継続的な株主還元の実現等を総合的に考慮して取締役会において決定することとしております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、前事業年度より5.00円の増配となる1株当たり40.00円とさせていただきます。
なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。