事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 5,847 | 100.0 | 2,110 | 100.0 | 36.1 |
事業内容
3 【事業の内容】
(ASNET事業)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と非連結子会社であるAUTOSERVER VIETNAM CO.,LTD.の2社で構成されております。
当社は、国内の中古車取扱事業者を対象としたインターネット中古車流通サイト「ASNET」を運営する事業を行っております。子会社であるAUTOSERVER VIETNAM CO.,LTD.は、ASNETサービス全般に関する開発業務を行っていますが、業務の範囲はASNETの一部のシステム開発に限定されており、その規模及び重要性の観点から以下の記載については当社のみを対象としております。
ASNETでは、国内の中古車取扱事業者を対象に、主要サービスである「オークション代行サービス」、「ASワンプラサービス」(同2サービスによる2023年12月期における売上高割合93.5%)と、付帯サービスとして「陸送手配サービス」、「中古車販売支援サービス」、「カスタマーコミュニケーション支援サービス」、「中古パーツ通販サービス」、「カー用品通販サービス」の、合計7つのサービスを提供しています。
ASNET全般の特徴として、会員の費用面においては、入会時に入会金や保証金等といった費用的負担を必要としていないことが挙げられます。また入会後も、月会費といった固定的な費用を不要とし、ASNETの主要サービスである「オークション代行サービス」と「業者間中古車売買仲介サービス」を利用することができます。他方、サービス面においては、ASNETに掲載している中古車情報(全国各地のオートオークション会場に出品されている車両及び中古車販売店に展示されている業販可能な在庫車両)を、ASNET上で横断的に検索・落札ができることが特徴に挙げられます。同業他社と比較した場合、「オークション代行サービス」においては、参加が可能なオートオークション会場数は国内145会場(サテライト会場含む)と最多(注1)であり、ASNETだけで国内96%(注2)のオートオークション会場の出品車両を検索することができます。また「ASワンプラサービス」においても、2023年12月期の実績において17.7万台(2023年1月から12月平均)の掲載実績があり、これら掲載台数の多さがASNETの強みとなっております。
このように、初期費用や固定的な会費を不要とする営業方針と、多くの掲載台数を確保している実績により、ASNETには、年に数台程度しか中古車を売買しない中小規模の中古車事業者、新たに中古車販売業に参入する整備事業者やガソリンスタンド事業者、様々な業販市場に販路を求める中古車販売事業者等、業種や規模に関わりなく中古車を取り扱うあらゆる事業者に加入していただいており、法人・個人を合わせ、会員数は77,361(2023年12月期末時点)となっております。
(注1)「オークションガイド2023」(日刊自動車新聞社発行)による
(注2)「オークションガイド2023」(日刊自動車新聞社発行)による2022年の中古車(バイク含む)のオークション及び入札会の出品台数は7,412,132台であり、当社が2022年にASNETにおけるオークション代行サービスのうちAA入札サービスにおいて掲載した台数は7,082,547台であったことによります。
a.オークション代行サービス「オークション代行」
当サービスは、国内145(2023年12月末現在、サテライト会場含む)のオークション会場の運営事業者と業務提携契約を結び、ASNETを通じて提携先オートオークションに参加することを可能とするサービスです。
一般的に、オートオークションへ参加するためには、当該オークション会場に会員として入会しなければならず、そのためにはオークション会場毎もしくはオークション運営事業者毎に、入会時においては入会金の支払い、保証金の預託、複数人の保証人の設定等が必要となります。また中古車販売店舗の設置、古物商許可証を取得してから一定期間(1年以上等)の経過といった要件が求められることもあります。さらに、入会後も、オークションの利用有無に関わらず月会費の支払いを要します。しかし当社が提供する本サービスにおいては、こういった入会金や保証金、月会費等を要さず、ASNETが接続している全てのオートオークションに参加できるようになります。
当サービスでは、具体的なサービス内容として、落札を代行する「AA入札」「ASリアル」及び「AAワンプラ」と、出品を代行する「AA代行出品」を提供しております。当社はASNET会員より、サービス利用の都度、ASNET利用規約に基づき車両の取引オークション会場毎に定めた落札手数料や成約手数料等(一部の例外を除き車両取引価格に関わらず一定額)を受領しております。
詳細なサービス内容毎の特徴は以下のとおりです。
① 「AA入札」は、業務提携を結んでいる国内145(2023年12月末現在、サテライト会場含む)のオークション会場に出品されている車両に対し、入札の予約ができるサービスです。ASNET会員は事前に入札金額を設定し、セリに立ち会う必要なくオークションに参加することができます。当社は設定された入札金額に基づき、オートオークションに入札信号を送信し、セリに参加して車両の落札を代行します。
本サービスは、前述のように会員にとっては加入コストや会費等の固定費が不要であるという費用面の強みに加え、提携会場数が多いという強みがあります。特に後者については、オートオークションにおいて最多(注)の出品台数を持つオークション事業者である株式会社ユー・エス・エスと提携するオークション代行サービスとなっていることが挙げられます。
(注)「オークションガイド2023」(日刊自動車新聞社発行)による
② 「ASリアル」は、パソコンにインストールした専用ソフトを通じて、オートオークションのセリの状況をリアルタイムに表示し、かつ、セリに参加することができるサービスであり、業務提携を結んでいるオークション会場のうち、国内51(2023年12月末現在、サテライト会場含まず)のオークション会場で利用が可能です。ASNET会員はセリの状況を見ながら臨機に専用ソフトを操作してオークションに参加する(これを「応札」と呼びます)ことができるため、AA入札に比べ高確度で落札することができます。当社は会員が専用ソフトに入力した応札信号をオートオークションに送信し、セリに参加して車両の落札を代行します。
③ 「AAワンプラ」は、業務提携を結んでいるオークション会場のうち国内96(2023年12月末現在、サテライト会場含まず)のオークション会場において、オートオークションで落札されなかった車両に業販価格が付され、次回のオークション開催までの期間(凡そ1週間)、時間優先の原則にしたがって即時に落札できるサービスであり、当社はASNET会員による車両の落札を代行します。
本サービスは、提携会場数が多いという強みがあり、特に「AA入札」と同様、最大手のオークション運営事業者である株式会社ユー・エス・エスと提携するオークション代行サービスとなっております。
④ 「AA代行出品」は、オートオークションへの車両出品を代行するサービスであり、国内88(2023年12月末現在、サテライト会場含む)の会場で利用が可能となっております。
b.業者間中古車売買仲介サービス「ASワンプラ」
当サービスは、店頭在庫車両を持つASNET会員より、業販価格を付した車両情報をASNETへ掲載していただき、車両を落札したいASNET会員との売買を当社が仲介するサービスです。当社はASNET会員から直接、出品車両情報の掲載を募るだけでなく、株式会社リクルートカーセンサー、株式会社プロトコーポレーション、株式会社ファブリカコミュニケーションズ等の中古車小売媒体事業者や中古車買取事業者と提携し、出品情報のシステム連携による掲載を行っております。このほかにも同業他社と業務提携を行っており、ASNETへの豊富な出品車両情報の掲載を実現しております。さらに、販売情報の掲載と購入意思の伝達にとどまらず、車両の輸送手配取り次ぎや、売買後の車両不具合等のサポートにも対応する等、売り手と買い手双方が安心して取引できる体制を整えております。
店頭在庫車両を持つASNET会員にとっては、店舗での小売販売と並行しながらASNETにおいて業販を行うことができるため、販売機会を拡大することができます。他方、落札したいASNET会員においては、時間優先の原則にしたがい、一定金額で仕入れを行うことができます。そのため、中古車の無在庫販売や在庫圧縮を志向する中古車販売事業者にとっても親和性の高いサービスとなっております。
当サービスでは、出品車両情報の掲載時点では手数料は不要とし、売買が成立した際に、ASNET利用規約に基づきASNET会員である売り手及び買い手の双方から、又は買い手からのみ手数料(一部の例外を除き車両取引価格に関わらず一定額)をいただいております。
当サービスはASNET会員からASNETへ直接(システム連携によるものを含む)に車両情報を掲載(出品)していただいている台数が8.2万台(2023年1月から12月平均)、同業他社との業務提携による車両情報の掲載(注)が9.5万台(2023年1月から12月平均)、合計17.7万台の掲載台数を有しており、かつ会員数が多く、多数の取引参加者が存在することが強みとなっております。
(注)当社は、ASワンプラサービスと同種のサービスを行っている他社と業務提携契約を締結し、これら他社から当該他社の利用者が掲載した中古車の出品情報を受信し、これをASNETへ掲載しております。なお、ASNET会員が当該車両を落札した場合、当社は買い手からのみ手数料を受領することとなります。
c.陸送手配サービス
ASNET会員の落札車両・出品車両の輸送(陸送)の手配を当社が取り次ぐサービスです。ASNET会員は車両の売買時に、当社と提携する10社(2023年12月末現在)の陸送会社から任意の陸送会社を選択して車両輸送の手配を依頼することができます。当社は、ASNET会員からの依頼に基づき、指定された陸送会社へ手配の取り次ぎを行っております。ASNET会員は当サービスを利用することで、車両の売買と同時に陸送を手配することができ、かつ、陸送費用を車両代金等とまとめて当社に支払って一括精算することができる等、陸送手配にかかる各種手続きを簡略化することができます。
当サービスの利用にあたり、当社はASNET会員から手数料を受領しておりませんが、当サービスを通じて陸送の受注があった陸送会社から陸送料金の一定割合を手数料として得ております。なおASワンプラサービスにおいては、車両を落札した際の輸送手配として当サービスの利用を条件としております。
d.中古車販売支援サービス
当サービスは、ASNET上に掲載されている出品車両情報を利用して、ASNET会員の中古車販売業務を支援するサービスです。
当サービスはASNETに出品されている車両情報に、個々のASNET会員があらかじめ設定した条件に基づいて自動で小売価格を計算する機能を有しており、ASNET会員の店舗に来店された消費者が、小売価格で中古車を検索・閲覧することができます。また、車両販売に付随する諸費用、各種税金、リサイクル預託金に加え、ローン計算も含めた見積書作成機能も備えております。ASNET会員は、当サービスを利用することによりASNETに出品されている車両情報を用いて、在庫を持つことなく消費者のニーズにあった車両の販売を提案することが可能となります。
当社は、当サービスを「オークション代行」及び「ASワンプラ」両サービスを促進する機能と位置づけ、ASNET会員に対し無償で提供しております。
e.カスタマーコミュニケーション支援サービス
当サービスは、スマートフォンアプリ「みるクル」を用いて、ASNET会員の中古車販売業務及びカスタマーコミュニケーション業務を支援するサービスです。
ASNET会員からの勧誘に基づき、スマートフォンアプリ「みるクル」をインストールした消費者は、当該アプリを通じてASNET上に掲載されている出品車両情報を検索することができます。また、ASNET会員は消費者との間で、見積、商談、査定、その他問合せ等のコミュニケーションをとることができます。また、ダイレクトメッセージ機能を通じて、定期点検や用品類の販促広報、店舗での各種イベントの案内等のお知らせを送ることも可能です。
当社は、当サービスを「オークション代行」及び「ASワンプラ」両サービスを促進する機能と位置づけ、ASNET会員に対し初期登録費用とダイレクトメッセージ機能の利用に係る費用以外は無償で提供しております。
f.中古パーツ通販サービス
当サービスは、当社が株式会社JARA(以下「JARA社」といいます。)と業務提携を結び、JARA社が運営する自動車リサイクル部品(リパーツ商品)の検索・通販サービスを、ASNETを通じて利用を可能とするサービスです。本サービスでは購入を希望する中古パーツが自らの車両に適合するのか否かのチェックサービスも提供しており、安心して中古部品を購入することができます。
当社は、当サービスにおいて流通した部品取扱高の一定割合をJARA社から手数料として得ております。
g.カー用品通販サービス
当サービスは、中古車販売事業を営むASNET会員が、中古車販売において販売機会を持つ各種用品や装備品(タイヤ、ホイール、カーナビゲーション、ドライブレコーダー、オイル等)及び店舗運営に必要な各種販促品(のぼり、車検証入れ等)を、ASNET上で購入することができるサービスです。当社はこれら用品の販売元であるベンダーと商品委託販売契約を締結し、売上の一部を手数料として得ております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況の概要
当事業年度における日本経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中で、緩やかな回復の動きがみられました。その一方で、世界的な金融引締めに伴う海外景気の下振れリスク、中東情勢や金融資本市場の変動の影響等、依然として先行きに留意が必要な状況が続きました。
当社をとりまく経営環境としては、我が国の中古車業界について、(一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会の発表統計によりますと、2023年の登録車及び軽自動車の新車販売台数合計は前年同期比13.7%増の477.9万台、軽自動車を含む中古自動車登録(届出)台数は前年同期比2.1%増の643.5万台となり、いずれも前年を上回る水準で推移しました。また、(一財)自動車検査登録情報協会によりますと、2023年3月末時点で軽自動車を含む自動車保有台数は、8,245万台(前年同期比27.6万台増)と引き続き増加傾向で推移しました。
上記のように新車販売台数、中古車販売台数はともに増加に転じておりますが、電力や石油といったエネルギー価格に加え、多くの消費財における物価が高騰状態にあることから、今後も自動車業界を取り巻く社会情勢には注視が必要と思われます。
このような状況のもと、当社は我が国の中古車流通市場において確固たる地位を築くべく、積極的な営業施策の展開による顧客拡大とASNET各種機能のリニューアル、新機能の追加、一部機能のスマホアプリ化等によるASNETサービスの利便性の向上を図りました。
営業施策としては、引き続きASNET会員の獲得に努め、会員総数77,361会員、うち新規入会件数3,672件、前年同期末比2,610会員の増加、(ただし、当該入会会員がASNETで取引を行わないこともあるため、会員数の増加が業績の拡大に繋がるとは限りません。)となったほか、オークション代行サービスにおいて新たにネットオークション事業者との接続や、提携するオートオークション会場の拡大を行いました。またASワンプラサービスにおいては輸出事業者との新たな提携を開始いたしました。
これらの結果、オークション代行サービスにおいては接続会場数が145会場(前年同期末比4会場増)となり、ASNETへ掲載した年間取扱情報台数は約1,179万台(前年同期比175万台増)となりました。
(注)ASワンプラサービスの掲載台数は、当社及び当社が業務提携契約を締結して受信したASワンプラサービスと同種のサービスを行っている他社の掲載台数の、1月から12月各月の平均出品台数(毎日の出品台数の平均値)の合計値です。
ASNET機能の開発・改良については、増大するASNETへのトランザクションへの対応やBCP対策の一環としてデータセンターに設置するシステム機器の更新・拡張を行ったほか、情報セキュリティ強化の一環として次世代型セキュリティシステムの導入を行いました。さらに2023年10月から始まったインボイス制度への対応及びASNET事業のうち小売支援サービスにおいて中古車小売における総額表示規制への対応等も行いました。
ASNET取引台数について、当社は、中古車取扱事業者がインターネット上で中古車を売買することのできる会員制サービスプラットフォーム「ASNET」を運営する事業を営んでおり、経営上の目標達成状況を判断するための指標として「ASNET」における「取引台数」を用いております。その理由は、当社はASNET事業において顧客による車両の落札、出品もしくは成約の都度、手数料を受領しており、これが売上の大部分を構成しているためです。
ASNET取引台数の推移は、以下のとおりです。
ASNET会員数について、当社はASNET事業を成長させ収益力を強化するには 、「新規会員の獲得」と「既存会員の利用促進」が重要であると考えております。
当事業年度においても、新たな顧客開拓に注力し、新規会員の獲得においては、中古車取扱事業者のほか、自動車関連事業者を含めた幅広い事業者を対象に営業活動を展開しております。また、既存会員の利用促進のための定期的な営業活動や代理店施策の実施、ANSETの機能強化及び既存サービスの内容拡充を図っております。
ASNET会員の推移は、以下のとおりです。
(注)稼働会員とは、当該年においてASNETで1台以上の車両売買を行ったASNET会員をいいます。
これらを踏まえた結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は5,846,559千円(前年同期比9.0%増)、経常利益は2,084,412千円(前年同期比5.9%増)、当期純利益は1,301,745千円(前年同期比7.8%増)となりました。
なお、当社はASNET運営事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②財政状態の状況の概要
(資産)
当事業年度末における総資産は、16,738,179千円となり、前事業年度末に比べ2,426,063千円増加しました。これは主に現金及び預金が営業活動の結果等により2,380,323千円、オークション代行サービスに係る未収入金が226,674千円、ASNET機能強化や各種アプリ開発に伴いソフトウェアが54,805千円増加した一方で、のれん、顧客関連資産が償却によりそれぞれ236,314千円、30,571千円減少したことによります。
(負債)
当事業年度末における負債は5,946,835千円となり、前事業年度末に比べ376,207千円増加しました。これは主に未払金がオークション代行サービスに係る未払金が427,258千円、預り金が94,810千円、獲得利益の増加に伴う課税所得の増加等に未払法人税等が93,461千円増加した一方で、短期借入金が返済により300,000千円減少したことによります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は10,791,344千円となり、前事業年度末に比べ2,049,855千円増加しました。これは主に、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所メイン市場への上場、並びに、新株予約権の行使による株式の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ550,055千円増加したこと、利益剰余金が、当期純利益計上による1,301,745千円増加と、配当金352,000千円の支払による減少の結果、949,745千円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は11,965,123千円と前年同期と比べて2,380,323千円(24.8%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,144,789千円(前年同期は1,692,955千円の資金の獲得)となりました。これは主な減少要因として、未収入金の増加226,674千円等があった一方で、増加要因として、税引前当期純利益2,085,646千円、法人税等の支払額702,293千円、未払金の増加428,016千円、預り金の増加94,810千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は196,859千円(前年同期は195,133千円の資金の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出84,280千円、無形固定資産の取得による支出115,136千円等の結果によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は432,288千円(前年同期は400,314千円の資金の支出)となりました。これは返済による短期借入金の純増減額の減少300,000千円があった一方で、増加要因として、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所メイン市場へ上場したことによる株式の発行による収入967,365千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入117,237千円、配当金の支払額352,000千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績(千円)
第8期、第9期における販売実績は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
のれんの評価については、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
なお、のれんの評価については、翌々事業年度以降も、償却が完了するまで毎期、減損の兆候の有無の検討を行います。減損の兆候の有無の検討にあたっては、のれん取得時に作成された事業計画(以下、「事業計画」といいます。)を用いておりますが、事業計画は経営環境、市場における競合状況等を織込んだ収益計画など不確実性や見積りの要素が内在しております。将来の経済状況の著しい変動等により、業績が大幅に悪化した場合、翌々事業年度以降の財務諸表におけるのれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は5,846,559千円(前年同期比9.0%増)となりました。サービス別では、オークション代行サービス2,999,463千円(前年同期比20.2%増)、ASワンプラサービス2,469,460千円(前年同期比1.9%減)となりました。これは、中古車登録台数の増加や積極的な営業施策の展開による顧客拡大等の結果、主にオークション代行サービスで車両取扱高が増加したことによります。
(売上総利益)
当事業年度における売上原価は1,671,076千円(前年同期比15.4%増)となりました。これは、主にオークション代行サービスの増加により、オークション会場に支払う落札手数料が増加したことによります。
これにより、売上総利益は、4,175,483千円(前年同期比6.6%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、2,065,481千円(前年同期比6.7%増)となりました。これは主に給与手当612,996千円(前年同期比0.0%減)、のれん償却額236,314千円(前年同期比増減なし)があったこと等によります。
これにより、営業利益は2,110,001千円(前年同期比6.6%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、7,451千円(前年同期比13.0%増)となりました。これは主に違約金収入6,316千円(前年同期比15.8%増)によるものであります。また、営業外費用は、33,040千円(前年同期比94.6%増)となりました。これは主に支払利息16,203千円(前年同期比2.1%減)、株式交付費15,841千円(前年同期は-千円)によるものであります。
これにより、経常利益は2,084,412千円(前年同期比5.9%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における法人税、住民税及び事業税は781,272千円、法人税等調整額は、2,628千円となりました。
これにより、当期純利益は1,301,745千円(前年同期比7.8%増)となりました。
(ⅱ)財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況の概要」をご参照ください。
(ⅲ)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(ⅳ)資本の財源及び資金の流動性
当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要の主な要因は、車両代金等の立替金の支払いであります。当社は、営業キャッシュ・フロー以外に必要な資金を金融機関からの借入を利用しています。
また、成長投資への支出については、営業キャッシュ・フローを財源として、主としてIT投資を行っています。配当についても、営業キャッシュ・フローを財源として、配当性向30%を目安に行っています。
エクイティファイナンスを行う場合には、成長投資への支出や運転資金への充当、借入金の返済等に使用いたします。
(ⅴ)経営成績に影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業活動、法規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識 しております。
そのため、当社は市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保及び育成し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(ⅵ)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(ⅶ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中古車取扱事業者がインターネット上で中古車を売買することのできる会員制サービスプラットフォーム「ASNET」を運営する事業を営んでおります。当社は経営上の目標達成状況を判断するための指標として「ASNET」における「取引台数」を用いております。その理由は、当社はASNET事業において顧客による車両の落札、出品若しくは成約の都度、手数料を受領しており、これが売上の大部分を構成しているためです。
(参考情報)
当社は、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後経常利益及び調整後当期純利益を重要な財務指標として位置づけております。当事業年度及び前事業年度の当社の調整後経常利益、調整後当期純利益は以下のとおりであります。
(注)1.調整後経常利益=経常利益+のれん償却額
2.調整後当期純利益=当期純利益+のれん償却額