事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
国内鉄鋼事業 | 159,723 | 49.5 | 24,062 | 108.2 | 15.1 |
海外鉄鋼事業 | 150,075 | 46.5 | -2,827 | -12.7 | -1.9 |
環境リサイクル事業 | 7,007 | 2.2 | 933 | 4.2 | 13.3 |
その他 | 5,626 | 1.7 | 80 | 0.4 | 1.4 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社16社、持分法適用関連会社3社により構成されており、国内鉄鋼事業、海外鉄鋼事業、環境リサイクル事業を主たる事業としています。
当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
(1)国内鉄鋼事業…………国内鉄鋼事業におきましては、電気炉を使用して鉄スクラップを溶融し、精錬・圧延成形を施して土木・建設用鋼材を中心とした鉄鋼製品を製造し、販売しています。主要な製品は異形棒鋼、構造用棒鋼、平鋼、山形鋼、I形鋼、ネジ節鉄筋(タフネジバー®)、ビレット(半製品)、鉄筋加工製品等です。また、鉄鋼製品の仕入販売および鉄鋼製品の運搬事業も行っています。
① 鉄鋼製品の製造販売事業…………… 枚方事業所および関東事業所にて異形棒鋼の製造販売、名古屋事業所にて異形棒鋼、ネジ節鉄筋(タフネジバー®)の製造販売、山口事業所にて異形棒鋼、構造用棒鋼、平鋼、山形鋼、I形鋼の製造販売、枚方事業所、山口事業所および名古屋事業所にてビレット(半製品)の製造販売を行っています。
② 鉄鋼製品の仕入販売事業…………… 連結子会社である共英産業株式会社および共英加工販売株式会社にて鉄鋼製品の仕入販売および鉄筋加工製品の製造販売を行っています。
③ 鉄鋼製品の運搬事業………………… 連結子会社である共英産業株式会社にて鉄鋼製品の運搬事業を行っています。
<主要な会社>
当社、共英産業株式会社、共英加工販売株式会社
(2)海外鉄鋼事業…………海外鉄鋼事業におきましては、自社電気炉にて鉄スクラップを溶融・精錬した半製品、または外部より購入した半製品に圧延成形を施して土木・建設・鉱石粉砕用鋼材を中心とした鉄鋼製品を製造し、販売しています。主要な製品は異形棒鋼、ネジ節鉄筋、線材、鉱石粉砕用丸鋼、鉱石粉砕鉄球用丸鋼、ビレット(半製品)です。
① 鉄鋼製品の製造販売事業…………… ビナ・キョウエイ・スチール社にて異形棒鋼、ネジ節鉄筋、線材の製造販売、キョウエイ・スチール・ベトナム社およびベトナム・イタリー・スチール社にて異形棒鋼、線材の製造販売、ビントン・スチール社にて異形棒鋼、鉱石粉砕鉄球用丸鋼の製造販売、アルタ・スチール社にて異形棒鋼、鉱石粉砕用丸鋼、鉱石粉砕鉄球用丸鋼の製造販売、ベトナム・イタリー・スチール社にてビレット(半製品)の製造販売を行っています。
<主要な会社>
ビナ・キョウエイ・スチール社、キョウエイ・スチール・ベトナム社、ビントン・スチール社
ビントン・メタル・プロセッシング社、米国共英製鋼会社、ベトナム・イタリー・スチール社
アルタ・スチール社、メイプル・リーフ・メタル社
(3)環境リサイクル事業…主な事業は医療廃棄物、産業廃棄物の中間および最終処理、再生砕石事業等です。
① 医療廃棄物の中間および最終処理事業… 山口事業所、連結子会社である株式会社共英メソナにて医療廃棄物の中間および最終処理事業を行っています。契約医療機関に専用容器を設置し、回収後電気炉にて無害化溶融処理を行う「メスキュードシステム」を確立しています。(メスキュード®)
② 産業廃棄物の中間および最終処理事業… 枚方事業所、山口事業所、名古屋事業所、関東事業所、連結子会社である株式会社共英メソナおよび共英リサイクル株式会社にて産業廃棄物の中間および最終処理事業を行っています。
共英リサイクル株式会社では、ガス化溶融炉を用いて産業廃棄物の中間処理を行うと同時に燃料ガスを製造しています。この燃料ガスは山口事業所の圧延工程にて利用しています。
③ 再生砕石事業…………………………… 連結子会社である共英産業株式会社にて再生砕石事業を行っています。
<主要な会社>
当社、共英産業株式会社、株式会社共英メソナ、共英リサイクル株式会社
(4)その他…………主な事業は土木資材販売業、港湾事業、鋳物事業および保険代理店業等です。
① 土木資材販売業……………………… 連結子会社である共英産業株式会社で土木資材の販売を行っています。
② 港湾事業……………………………… 連結子会社であるチー・バイ・インターナショナル・ポート社で港湾事業を行っています。
③ 鋳物事業……………………………… 連結子会社である共英産業株式会社、株式会社吉年およびビナ・ジャパン・エンジニアリング社で鋳物事業を行っています。
④ 保険代理店業………………………… 連結子会社である共英産業株式会社で保険代理店業を行っています。
<主要な会社>
共英産業株式会社、チー・バイ・インターナショナル・ポート社、株式会社吉年、ビナ・ジャパン・エンジニアリング社
<事業系統図>
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて10,300百万円(4.9%)増加し、220,891百万円となりました。これは、売掛金が5,157百万円、電子記録債権が6,988百万円、流動資産その他が1,009百万円増加し、現金及び預金が108百万円、商品及び製品が223百万円、原材料及び貯蔵品が2,287百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて6,204百万円(4.9%)増加し、133,326百万円となりました。これは、土地が676百万円、建設仮勘定が3,729百万円、投資有価証券が3,994百万円、退職給付に係る資産が1,149百万円、繰延税金資産が1,917百万円、投資その他の資産その他が166百万円増加し、建物及び構築物が3,214百万円、機械装置及び運搬具が1,749百万円、無形固定資産その他が188百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて16,504百万円(4.9%)増加し、354,217百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて8,290百万円(8.3%)増加し、107,925百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が5,908百万円、電子記録債務が318百万円、1年内返済予定の長期借入金が541百万円、未払法人税等が5,424百万円増加し、短期借入金が2,991百万円、流動負債その他が897百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて3,043百万円(6.4%)減少し、44,862百万円となりました。これは、繰延税金負債が628百万円、退職給付に係る負債が730百万円増加し、長期借入金が4,347百万円減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5,248百万円(3.6%)増加し、152,787百万円となりました。なお、グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から6,797百万円減少して82,740百万円となり、純有利子負債自己資本比率(ネットDEレシオ)は0.18倍となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて11,256百万円(5.9%)増加し、201,430百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を13,826百万円計上し、その他有価証券評価差額金が1,804百万円、為替換算調整勘定が2,603百万円、退職給付に係る調整累計額が271百万円増加した一方で、非支配株主持分が3,697百万円、利益剰余金の配当により3,477百万円減少したこと等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて344円07銭増加し、4,478円71銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の53.2%から54.9%となりました。
b. 経営成績
連結売上高は前期対比34,733百万円(9.8%)減収の320,982百万円、連結営業利益は同6,236百万円(42.1%)増益の21,055百万円、連結経常利益は同6,363百万円(43.4%)増益の21,034百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同718百万円(5.5%)増益の13,826百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、建設資材価格の高騰による建設コストの上昇や人員不足による建設工事の遅れなどによって需要は弱基調で推移しましたが、当社グループの製品出荷量は前期対比3.7万トン増の158.2万トンとなりました。利益面では、製品の値上げが浸透し製品価格が前期対比3.8千円(3.8%)上昇した一方、原材料である鉄スクラップの価格は、中国をはじめとする海外需要の減退により同2.1千円(3.8%)下落したため、売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)は5.9千円(12.3%)拡大しました。
以上の結果、売上高は前期対比6,141百万円(4.0%)増収の159,722百万円、営業利益は同9,345百万円(63.5%)増益の24,062百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門については、ベトナムおよび北米(米国・カナダ)にて鉄鋼事業を展開しており、いずれも決算期は12月です。
ベトナムにおいては、不動産不況が長期化する中、南北拠点ともに通期で赤字を計上しました。北部地域では政府主導のインフラ投資等もあり、第4四半期連結会計期間には回復の兆しも見えましたが、競合とのシェア争いもあり、厳しい業績となりました。南部地域においては、個人住宅需要が依然として低迷し、住宅向けを主力としていた南部拠点では、コスト削減やプロジェクト案件獲得など改善に努めたものの、大幅な赤字を計上しました。
北米においては、米国では政府による各種支援策により景気は大きく失速することなく、企業の設備投資や個人消費も堅調に推移しました。こうした中で底堅い鉄鋼需要が継続しましたが、米国拠点では第3四半期連結会計期間に発生した火災事故や設備老朽化による製造トラブルなどによって十分な生産・販売ができず、赤字を計上することとなりました。一方カナダ拠点では、堅調な需要の下、第3四半期連結会計期間以降は製造コストの削減施策が奏功し、また、製品価格も高水準で推移したことで売買価格差が拡大したことから、業績は好調に推移しました。
以上の結果、売上高は前期対比39,527百万円(20.8%)減収の150,075百万円、営業損益は2,827百万円(前期は674百万円の営業損失)の損失となりました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い医療廃棄物処理案件が大幅に減少したことや、当社グループ最大の処理拠点である山口事業所の大規模な定修工事に伴う一時的な荷止めの影響等により、売上高は前期対比1,162百万円(15.2%)減収の6,483百万円、営業利益は同705百万円(43.1%)減益の933百万円となりました。
その他
当事業部門については、ベトナムでの港湾事業や国内およびベトナムでの鋳物事業などを行っています。売上高は前期対比185百万円(3.8%)減収の4,702百万円となり、営業損益は80百万円(前期は72百万円の営業損失)の利益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6,327百万円減少し、26,094百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、24,290百万円の収入となりました。収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益15,316百万円、減価償却費9,861百万円、減損損失4,980百万円、当連結会計年度末において売上債権が増加したこと等による運転資金負担増129百万円、利息の支払額3,504百万円等によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、17,048百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、定期預金等の預入による支出55,695百万円、定期預金等の払戻による収入49,868百万円、既存国内鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、海外の生産拠点の維持更新や合理化投資のための有形固定資産の取得による支出10,435百万円等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,173百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、短期借入金の純減額6,150百万円、長期借入金の返済による支出4,305百万円、配当金の支払額3,476百万円等によります。
③生産、受注および販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
前年同期比(%) |
国内鉄鋼事業(百万円) |
124,373 |
98.7 |
海外鉄鋼事業(百万円) |
117,116 |
75.3 |
環境リサイクル事業(百万円) |
5,005 |
81.7 |
その他(百万円) |
3,754 |
91.9 |
合計(百万円) |
250,247 |
85.8 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価によっています。
b.受注実績
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
前年同期比(%) |
国内鉄鋼事業(百万円) |
159,722 |
104.0 |
海外鉄鋼事業(百万円) |
150,075 |
79.2 |
環境リサイクル事業(百万円) |
6,483 |
84.8 |
その他(百万円) |
4,702 |
96.2 |
合計(百万円) |
320,982 |
90.2 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
阪和興業株式会社 |
31,426 |
8.8 |
36,475 |
11.4 |
主要な原材料価格および販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループは、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする中期経営計画「NeXuS 2023」において、最終年度である2023年度の売上高2,900億円、経常利益180億円、製品出荷量400万トン、売上高経常利益率(ROS)6%以上、自己資本利益率(ROE)7%以上などを目標として掲げ、その達成に向けてグループ一丸となって取り組んできました。最終年度の3年目となる当連結会計年度においては、製品出荷量は307万トンと目標未達となったものの、それ以外の項目については、概ね達成することができました。
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
実績 |
実績 |
最終年度目標 |
実績 |
|
売上高 |
2,927億円 |
3,557億円 |
2,900億円 |
3,210億円 |
経常利益 |
105億円 |
147億円 |
180億円 |
210億円 |
製品出荷量 |
332万トン |
328万トン |
400万トン |
307万トン |
(国内) |
158万トン |
154万トン |
170万トン |
158万トン |
(海外) |
174万トン |
174万トン |
230万トン |
149万トン |
ROS |
3.6% |
4.1% |
6%以上 |
6.6% |
ROE |
4.0% |
7.7% |
7%以上 |
7.4% |
配当性向 |
27.5% |
26.5% |
30%程度 |
28.3% |
国内鉄鋼事業については、建設資材価格の高騰による建設コストの上昇や人員不足による建設工事の遅れなどによって建設需要はやや弱基調で推移しましたが、当社グループの製品出荷量はデリバリー体制の強化などにより、前期対比2.4%増加しました。原材料の鉄スクラップの価格は中国経済の停滞などから世界市況が下がり、前期対比3.8%下落しましたが、当社グループは、製造コストの上昇も受けて製品価格の引き上げを進め、これが浸透したことや、高強度鉄筋など高付加価値製品の販売量増加もあり、製品価格は前期対比3.8%上昇しました。この結果、利益の源泉となる売買価格差が拡大し、前期対比大幅増益となりました。
海外鉄鋼事業については、前期よりも赤字が拡大する厳しい業績となりました。ベトナムにおいては、前期から続く金利高や不動産市況の影響により、需要は引き続き低迷しました。特に住宅向け需要は回復が見られず、住宅向けを主力とする南部拠点は販売量を大きく落としました。リストラも含めた固定費の削減や販売戦略の見直しなどにより徐々に赤字幅を縮小しましたが、最終的には赤字を計上し、連結決算において減損損失を計上する結果となりました。北部では、政府による不動産市況回復に向けたてこ入れ施策で下期以降、工事の再開が多数見られ、北部2拠点の製品出荷量は増加しましたが、通期黒字化には至りませんでした。北米においては、米国、カナダとも需要は引き続き堅調に推移しましたが、米国拠点においては、設備老朽化に起因する生産トラブルや、2023年8月に発生した火災事故に伴う減産の影響により、前期から一転して赤字を計上しました。一方、カナダ拠点では、堅調な需要の下で増産増販となり、好業績を上げました。海外鉄鋼事業全体では、ベトナム、米国の業績悪化により、前期よりも赤字幅が拡大する結果となりました。
環境リサイクル事業については、新型コロナウイルス関連の医療廃棄物処理案件の大幅減少と、当社グループ最大の処理拠点である山口事業所における設備改修工事の一時的な荷止めの影響で処理量が減少したほか、燃料費の上昇による処理コストの増加などにより減益となりました。
2024年度は、新中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」の初年度となります。海外鉄鋼事業の立て直しと強化を軸に、取り組みを進めてまいります。
国内鉄鋼事業については、住宅部門、非住宅部門とも建設コストの上昇を受けながらも需要環境は当期とほぼ同水準と予想されますが、建設業の2024年問題による工期遅れが前期より既に発生していることなどから、市場環境としては弱含みで推移するものと想定されます。そうした中、当社はデリバリー体制の強化などにより、当期実績とほぼ同水準の製品出荷量を想定しています。しかしながら、鉄スクラップ価格の高止まり、エネルギー費や諸資材価格の上昇、物流2024年問題への対応などによりコストの増加が見込まれることから、国内鉄鋼事業は当期対比減益となる見通しです。
海外鉄鋼事業については、特にベトナム事業の再構築が最優先課題と認識しています。同国の鉄鋼需要が不動産不況の影響で停滞する中、競合環境も激しいことから南北エリア共に苦戦が予想されますが、同国内の3拠点では、引き続き営業体制の強化やコスト削減、原材料調達の多様化などに努め、南部拠点においては生産量を抑えた低在庫操業で業績の変動リスクを軽減させることにより、再構築を図ります。また北米について、米国拠点では、設備老朽化や周辺の競合状況の変化などにより厳しい事業環境が予想されますが、設備投資による老朽化対応と堅調な需要を背景に業績の改善を図ります。一方、カナダ拠点は引き続き堅調な需要の下、拡販による出荷量増、コスト減などにより増益を見込んでいます。これらにより、海外鉄鋼事業全体の業績は、当期実績を上回る見通しです。
環境リサイクル事業については、処理量の回復と収益性の改善に向け、グループ間連携の強化などにより営業力を高め、増収増益を目指します。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しています。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
自己資本比率 |
54.9% |
54.7% |
51.9% |
53.2% |
54.9% |
時価ベースの自己資本比率 |
20.1% |
25.6% |
18.5% |
20.7% |
29.6% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
217.8% |
521.8% |
- |
523.9% |
387.0% |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
17.3倍 |
11.2倍 |
- |
8.1倍 |
6.9倍 |
(注)1.各指標の算出は以下の算式を使用しています。
- 自己資本比率:自己資本/総資産
- 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
- キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
- インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.2022年3月期については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載していません。
b. 資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用です。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、M&Aによる株式取得等によるものです。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入および社債の発行を基本としています。
また、経営基盤である財務の健全性や経営の透明性を高めるとともに、資金調達の多様化や安定化を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資金調達を可能にするため、当社は株式会社日本格付研究所から格付けを取得しており、本報告書提出時点において、格付は「A-(見通し:安定的)」となっています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。
固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しています。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高意思決定機関が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、取り扱う製品・サービスを基に、「国内鉄鋼事業」、「海外鉄鋼事業」および「環境リサイクル事業」の3つの事業体で組織が構成されており、各事業単位で、国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、当社グループは、「国内鉄鋼事業」、「海外鉄鋼事業」および「環境リサイクル事業」の3つの事業セグメントを報告セグメントとしています。
「国内鉄鋼事業」は、国内の土木・建設用鋼材を中心とした鉄鋼製品の製造・販売ならびに運搬事業を行っています。「海外鉄鋼事業」は海外の土木・建設用鋼材を中心とした鉄鋼製品の製造・販売を行っています。「環境リサイクル事業」は、医療廃棄物、産業廃棄物の中間および最終処理、再生砕石事業等を行っています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
セグメント間の内部売上高または振替高は市場価格等に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産その他の項目の金額に関する情報ならびに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
調整額 (注)2 ,3,4,5 |
連結 財務諸表 計上額 (注)6 |
|||
|
国内 鉄鋼事業 |
海外 鉄鋼事業 |
環境 リサイクル 事業 |
計 |
|||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
153,581 |
189,603 |
7,645 |
350,828 |
4,886 |
- |
355,715 |
外部顧客への売上高 |
153,581 |
189,603 |
7,645 |
350,828 |
4,886 |
- |
355,715 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
8 |
767 |
371 |
1,146 |
1,052 |
△2,198 |
- |
計 |
153,588 |
190,370 |
8,016 |
351,974 |
5,938 |
△2,198 |
355,715 |
セグメント利益又は損失(△) |
14,717 |
△674 |
1,638 |
15,681 |
△72 |
△791 |
14,819 |
セグメント資産 |
147,101 |
129,366 |
6,725 |
283,192 |
11,834 |
42,687 |
337,713 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
3,659 |
5,090 |
191 |
8,940 |
452 |
378 |
9,770 |
のれん償却額 |
- |
105 |
- |
105 |
- |
- |
105 |
減損損失 |
- |
1,068 |
- |
1,068 |
- |
- |
1,068 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
4,086 |
4,629 |
109 |
8,824 |
90 |
419 |
9,332 |
(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、港湾事業、鋳物事業、土木資材販売業、保険代理店業等です。
2 「セグメント利益又は損失(△)」の調整額△791百万円には、セグメント間取引消去38百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△829百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係る費用です。
3 「セグメント資産」の調整額42,687百万円は、提出会社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)および管理部門に係る資産等です。
4 「減価償却費」の調整額378百万円は、報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係るもの等です。
5 「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」の調整額419百万円は、報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係るものです。
6 「セグメント利益又は損失(△)」は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
調整額 (注)2 ,3,4,5 |
連結 財務諸表 計上額 (注)6 |
|||
|
国内 鉄鋼事業 |
海外 鉄鋼事業 |
環境 リサイクル 事業 |
計 |
|||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
159,722 |
150,075 |
6,483 |
316,280 |
4,702 |
- |
320,982 |
外部顧客への売上高 |
159,722 |
150,075 |
6,483 |
316,280 |
4,702 |
- |
320,982 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
1 |
- |
524 |
526 |
925 |
△1,450 |
- |
計 |
159,723 |
150,075 |
7,007 |
316,806 |
5,626 |
△1,450 |
320,982 |
セグメント利益又は損失(△) |
24,062 |
△2,827 |
933 |
22,168 |
80 |
△1,193 |
21,055 |
セグメント資産 |
163,462 |
127,747 |
6,994 |
298,203 |
11,864 |
44,150 |
354,217 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
3,702 |
5,038 |
240 |
8,980 |
500 |
380 |
9,861 |
のれん償却額 |
- |
108 |
- |
108 |
- |
- |
108 |
減損損失 |
35 |
4,945 |
1 |
4,980 |
- |
- |
4,980 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
4,993 |
5,486 |
536 |
11,016 |
179 |
305 |
11,499 |
(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、港湾事業、鋳物事業、土木資材販売業、保険代理店業等です。
2 「セグメント利益又は損失(△)」の調整額△1,193百万円には、セグメント間取引消去3百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,196百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係る費用です。
3 「セグメント資産」の調整額44,150百万円は、提出会社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)および管理部門に係る資産等です。
4 「減価償却費」の調整額380百万円は、報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係るもの等です。
5 「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」の調整額305百万円は、報告セグメントに帰属しない提出会社本社の総務部門等管理部門に係るものです。
6 「セグメント利益又は損失(△)」は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報
製品およびサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:百万円)
日本 |
海外 |
|
|
|
|
合計 |
ベトナム |
カナダ |
米国 |
その他 |
|||
160,447 |
195,268 |
114,753 |
32,909 |
35,048 |
12,558 |
355,715 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
(2)有形固定資産
(単位:百万円)
日本 |
ベトナム |
カナダ |
米国 |
合計 |
59,177 |
20,725 |
15,834 |
6,459 |
102,194 |
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載していません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報
製品およびサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:百万円)
日本 |
海外 |
|
|
|
|
合計 |
ベトナム |
カナダ |
米国 |
その他 |
|||
168,950 |
152,031 |
83,548 |
29,339 |
31,810 |
7,334 |
320,982 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
(2)有形固定資産
(単位:百万円)
日本 |
ベトナム |
カナダ |
米国 |
合計 |
60,708 |
16,544 |
16,854 |
7,343 |
101,448 |
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:百万円)
顧客の名称または氏名 |
売上高 |
関連するセグメント |
阪和興業株式会社 |
36,475 |
国内鉄鋼事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
国内鉄鋼事業 |
海外鉄鋼事業 |
環境リサイクル事業 |
その他 |
全社・消去 |
合計 |
減損損失 |
- |
1,068 |
- |
- |
- |
1,068 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
国内鉄鋼事業 |
海外鉄鋼事業 |
環境リサイクル事業 |
その他 |
全社・消去 |
合計 |
減損損失 |
35 |
4,945 |
1 |
- |
- |
4,980 |
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
国内鉄鋼事業 |
海外鉄鋼事業 |
環境リサイ クル事業 |
その他 |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
- |
105 |
- |
- |
- |
105 |
当期末残高 |
- |
829 |
- |
- |
- |
829 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
国内鉄鋼事業 |
海外鉄鋼事業 |
環境リサイ クル事業 |
その他 |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
- |
108 |
- |
- |
- |
108 |
当期末残高 |
- |
797 |
- |
- |
- |
797 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。