2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 367,242 100.0 38,066 100.0 10.4

事業内容

3 【事業の内容】

当社グループが営んでいる主な事業内容、各関係会社等の当該事業における位置付け及び事業部門等との関連は、次のとおりである。

当社グループは、当社(鉄鋼製品の製造及び販売業)1社で構成されている。また、当社は鉄鋼事業の単一セグメントである。

事業の系統図は次のとおりである。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当期においては、中国からの鋼材の輸出圧力が強まったことに加え、国内においては人手不足の影響を受けた建設投資の工期遅れが出たことなどが、鋼材市況の低下につながった。

このような状況のもと、当社においても製品出荷単価の低下や、いわゆる2024年問題を受けた物流コストの上昇などが顕著となった一方、脱炭素、資源循環の潮流を受けた電炉製品への需要の高まりを受け、製品出荷数量が前期比で3.7%増加して、売上高が過去最高となったことに加え、昨年まで上昇基調が続いていたエネルギー・諸資材の購入価格も一服したことから、営業利益は前期とほぼ同等の水準を確保できた。

売上高は、製品出荷数量の増加を受け、367,242百万円(前年実績361,245百万円)となった。営業利益は38,066百万円(前年実績38,063百万円)、経常利益は39,719百万円(前年実績39,257百万円)とそれぞれ前年を上回り、当期純利益は、27,958百万円(前年実績30,848百万円)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ27,145百万円増加し、当期末の資金残高は112,219百万円となった。なお、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリーキャッシュ・フローは、35,174百万円の収入である。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は53,376百万円(前期39,767百万円)となった。これは、主として税引前当期純利益が39,768百万円であったことと、減価償却費が5,934百万円であったこと等によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は18,202百万円(前期11,904百万円)となった。これは、有形固定資産の取得による支出が16,719百万円であったこと等によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8,140百万円(前期11,696百万円)となった。これは、配当金の支払額が4,979百万円であったこと及び自己株式の取得による支出が2,764百万円であったこと等によるものである。

 

資本の財源及び資金の流動性について、装置産業と市況産業に属する当社は、業績が景気変動に大きく左右されるなかで、最新の生産技術を保持し生産性と競争力を向上させるための設備投資を、自己資金を活用し、自己の判断で的確なタイミングで実施することを原則としている。

また、株主還元については、将来に資する設備投資を推進し、生産性と競争力を一層向上させることで、高い利益水準を達成しつつ、これをもって、配当や自己株式取得による株主還元を実施してきたが、この方針をより明確にすることとし、当社の今後の利益配分については、原則として、総還元性向を25%~30%とすることを目指していく。

このような方針のもと、将来に向けたより強固な経営基盤の構築のため、当社では、キャッシュ・フローへの貢献度を個々の事業推進のための経営判断の指標としている。

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

品目

生産数量(トン)

前期比(%)

製品

鋼材

3,337,014

106.6

半製品

鋼片

3,608,694

105.9

 

 

(2) 受注実績

輸出は受注生産を行っており、その受注実績は次のとおりである。

品目

受注高

受注残高

数量(トン)

前期比(%)

数量(トン)

前期比(%)

鋼材

752,076

109.1

77,431

75.8

鋼片その他

12,088

764,164

110.9

77,431

75.8

 

(注) 販売価格は、出荷時点で決定されるため、受注高及び受注残高とも金額による表示は困難であるので数量表示によっている。

 

(3) 販売実績

品目

販売高(百万円)

前期比(%)

鋼材

356,820

100.7

鋼片その他

10,422

147.8

367,242

101.7

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

阪和興業㈱

51,487

14.3

50,244

13.7

 

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。詳細については、本報告書「第5 経理の状況 2 財務諸表 注記事項 重要な会計方針 及び 重要な会計上の見積り」に記載している。

市況産業に属する当社の業績は、景気変動に大きく左右されることがある。当社としては、会計上の見積りにあたり、期末時点で入手可能な情報を基に、以下の検証を行っている。

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。

 

(2) 業績比較

当事業年度の売上高は、367,242百万円(前期361,245百万円)となった。一方、売上原価は、301,930百万円(前期298,344百万円)となった。

販売費及び一般管理費は、27,245百万円(前期24,836百万円)であり、営業利益は38,066百万円(前期38,063百万円)となった。

営業外収益は、為替差益591百万円等により1,734百万円(前期1,282百万円)となった。また、営業外費用は、81百万円(前期89百万円)となった。以上から、経常利益は39,719百万円(前期39,257百万円)となった。

特別利益は、1,059百万円(前期49百万円)となった。特別損失は、1,009百万円(前期650百万円)となった。これに、法人税、住民税及び事業税10,240百万円及び法人税等調整額1,569百万円を計上した結果、当期純利益は27,958百万円(前期30,848百万円)となった。

 

(3) 資金の流動性

営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で13,609百万円増加し、53,376百万円の収入となった。これは、主として税引前当期純利益が39,768百万円であったことと、減価償却費が5,934百万円であったこと等によるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で6,297百万円減少し、18,202百万円の支出となった。これは有形固定資産の取得による支出が16,719百万円であったこと等によるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で3,556百万円増加し、8,140百万円の支出となった。これは、主として配当金の支払額が4,979百万円であったこと及び自己株式の取得による支出が2,764百万円であったこと等によるものである。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度比で27,145百万円増加し、112,219百万円となった。

 

(4) 財政状態

当事業年度末の流動資産合計の残高は、前事業年度比で24,819百万円増加し、195,696百万円となった。また、固定資産合計の残高は、前事業年度比で14,809百万円増加し、114,907百万円となった。これは主として投資有価証券が前事業年度比で7,983百万円増加したこと等による。以上により、資産合計の残高は、前事業年度比で39,628百万円増加し、310,604百万円となった。

流動負債合計の残高は、前事業年度比で11,504百万円増加し、89,554百万円となった。これは主として、未払法人税等が前事業年度比で5,276百万円増加したこと等による。一方、固定負債合計の残高は、前事業年度比で3,472百万円増加し、17,142百万円となった。以上により負債合計の残高は、前事業年度比で14,976百万円増加し、106,696百万円となった。

純資産合計の残高は、前事業年度比で24,652百万円増加し、203,907百万円となった。これは、主として利益剰余金が、22,511百万円増加したこと等による。これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、65.6%となった。