リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営環境の変化によるリスク
EUV露光装置の登場等、半導体を筆頭とする電子部品業界で数年ごとに生じる製造プロセスの世代交代に伴い、半導体メモリー市場は、定期的に需給バランスが大きく崩れ、季節変動が激しくなるリスクがあります。
当社グループの営業収入は国内外のエレクトロニクス業界の需要動向と密接に関係があります。従いまして、当社グループの業績は、エレクトロニクス業界を取巻く市場における景気後退と回復、並びにそれに伴う需要の増減に影響され、財務状況にも影響が及ぶ可能性があります。この市場を避けたニッチ戦略を目指し対応を進めてまいります。
また、受託事業においては、委託先の生産量によって工場稼働率が左右してしまう可能性があります。お客様・装置・最終製品用途を一極集中することなく、分散させ工場稼働率安定化を図るような営業活動を行うなど、対応を進めてまいります。
(2) 海外情勢の変化によるリスク
ウクライナ情勢緊迫化による各国間の制裁措置で、原油と天然ガス、電気といったエネルギー価格の高騰と切迫が起こり、レアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)などの半導体に必要な部品の製造が滞る可能性があります。電子機器材料不足はエレクトロニクス業界のサプライチェーンに影響し、当社研磨フィルムの販売数の増減やマーケットエリアの大幅変更が考えられます。
(3) 代替技術の出現によるリスク
当社グループと密接な関係にあるエレクトロニクス業界の技術変化は、目覚ましいものがあります。従来から継続的に活用されている技術にとって代わる新技術が台頭する可能性があります。技術革新動向については、細心の注意を払っておりますが、予想だにしない代替の技術開発が世の中に提供された場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発力、技術革新によるリスク
技術情報漏洩、自社従業員、退職者、取引先、外部からの不正アクセス等、情報流出のリスクがあります。それに対して、法的保護、秘密管理体制の構築が必要となります。
当社が主に事業展開しているエレクトロニクス市場は需要動向の変動が激しい産業構造となっております。また、技術革新も目覚ましく当社で取り扱っているハードディスクビジネスにおいては新記録方式リリース時に使用部材変更の可能性の恐れがあります。また、最先端受託研磨ビジネスにおいては常に高品質化が求められており、技術革新により新たな競合が現れる可能性あります。技術革新動向については、外部環境含めて最新の注意を払っておりますが、自社開発スケジュールが著しく遅延した場合、競合他社に参入される恐れがあります。
(5) 商品在庫に関するリスク
当社グループは、お客様の多様な商品ニーズに対する即納体制の確立のために、多品種の在庫を有しています。そのため、市況の変化により過剰在庫を抱える可能性があり、また、商品評価損の計上により当社グループの業績及び財務状態に影響を与え、キャッシュ・フローが滞る可能性があります。
(6) 新規事業に関するリスク
当社グループは、今後も継続的な成長を維持するため、新規事業への取組みを行ってまいりますが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があり、また、安定的な収益を得るまでに一定期間が必要であることから、その期間の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替レートの変動によるリスク
当社グループの外国通貨建取引については、為替変動リスクを軽減するための施策を実行しておりますが、完全にリスクを排除できるとは限らず、為替相場の変動によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の現地通貨建ての報告数値を円換算しております。換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらない場合でも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(8) 災害によるリスク
当社グループには、国内及び海外に活動拠点があり、これらの拠点、特に工場では、予想を遥かに超える地震や火災等により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクについて、事業継続計画(BCP)や危機管理規程を策定し迅速な復旧対応ができるように体制を整備するなど防災体制づくりを進めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループでは、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保するとともに株主の皆様に対して安定配当を目指しつつ、業績を勘案して、適正な利益還元に努めております。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としております。なお、当社は、株主への機動的な利益還元のため、会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議により剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めております。
また、当社は、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。また、内部留保金につきましては、将来当社グループの柱となるべき新技術・新製品を生み出す開発投資や成長分野への継続的な事業展開のための投資に活用してまいります。
当社は、この基本方針に基づき、期末配当金につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が当初計画から大幅に下回ったことから、誠に遺憾ではございますが、配当の実施を見送らせていただきました。