リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要な影響を与えると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 法的規制による影響
当社は、建設業法、建築基準法、建築士法、下請法、貨物利用運送事業法等、さまざまな法規制下にあります。そのため、内部統制システムの整備・維持を図り各種法令等の遵守に努めておりますが、当社がこれらの法的規制に違反した場合には、罰金、業務停止その他の制裁が課され、当社グループの社会的評価、信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。今後、さらに規制が強化された場合には、事業活動が制限される可能性があります。
また、当社は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しております。当社が廃棄物処理法における(委託処理に係る契約書未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、こちらについても、当社グループの風評、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
なお、当社の事業活動に際して、建設業法に定める建設業の許可を得ております。現在、当該許可が取消しとなる事由はありません。しかしながら、当社が何らかの事情により許可の取消し等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品・施工の欠陥にともなうリスク
当社は、付加価値の高いサービスを提供できるよう努めておりますが、協力会社から納品された製品の欠陥や施工不良により第三者が損害を被った場合、当該製品や施工不良の対応に多大な費用負担を余儀なくされ、契約不適合責任(瑕疵担保責任)に基づく民事賠償責任を負う可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、社会的評価が低下するなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) オフィス需要の動向
当社グループは、オフィスの移転や新規事業所の開設を行う見込みの企業等に対して営業活動を行っているため、経済環境の悪化及び企業業績の低迷等による移転や新規事業所の開設の減少、既存顧客からのリピートの減少等により、当社グループの業績が悪化する可能性があります。
(4) 売上計上時期の期ずれについて
当社は、工事契約について、取引開始から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合には、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。そのため、当社に起因しない何らかの事情により、工事遅延等が発生した場合、当初予定の売上計上時期がずれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人員の確保と育成
当社グループは、顧客の問題・ニーズに合わせてワークプレイスの提案及びワークプレイスの設計・施工等を行っており、そのために専門性の高い熟練した従業員の確保と育成が必要であると認識しております。しかしながら、かかる従業員の確保と育成ができない場合や、新たに従業員を採用するための費用や人件費が当社の想定を超えて高騰した場合、また、人材の育成が想定通り進捗しない等の理由によりワークプレイスの受注獲得件数が当社の想定通りに伸びない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(6) 現経営陣への依存
当社経営陣は、ワークプレイスの提供に関する豊富な経験と知識を有しており、当社グループの経営方針・利益計画の策定及び執行に対する管理等につき、重要な役割を果たしております。このため、当社は、現経営陣に依存しない体制の構築に努めておりますが、予期せぬ事情により、現経営陣が退任した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 内部管理体制に関するリスク
当社は、企業価値の継続的な向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(8) 協力会社への外注
当社は、工事・施工を協力会社に外注しております。協力会社の管理を徹底するよう努めておりますが、万が一協力会社の管理が徹底できないことによる施工品質の低下や現場における事故、廃棄物処理法の違反等の協力会社による不正行為、工事案件の増加や外注費の高騰及び工期の延長等が発生した場合、当社の信用度の低下及び損害賠償責任の負担等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 類似他社との競合リスク
当社グループは、顧客のニーズに対応した付加価値の高いサービスを提供することに全力を挙げて取り組んでおります。類似業界としては内装工事業がありますが、類似他社に対して十分な競争力を確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10) システムに関するリスク
自然災害、停電等さまざまな原因により、当社のサーバーがシステムダウンを起こし、業務ができない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しておりますが、万が一想定を超えるシステム障害が発生した場合には、業務負荷に伴い当社サービスの低下等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11) 新株予約権の権利行使に伴う株式希薄化のリスク
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権の行使がされた場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(12) 大株主について
当社の代表取締役会長である中村勇人は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社クレドの所有株式数を含めると2024年3月31日現在で発行済株式総数の69.05%を所有しております。同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新規事業の立ち上げや子会社の設立が売上や利益の拡大につながらないリスク
当社は、事業の拡大及び経営の安定化のため、2021年1月にフレキシブルオフィスビル「The Place Osaka」を開業し、2022年4月に株式会社ワークデザインテクノロジーズ(現連結子会社)を設立いたしました。今後は、事業計画の進捗状況の継続的な把握に努め、必要に応じて計画を修正する社内体制を整えております。しかしながら、事業が計画通りに進捗せず当初期待した収益が得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、計画通り進んだとしても、事業が本格的に稼働し、安定的な収益を生むまでに相当程度の時間を要した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 不動産賃貸に関するリスク
当社は、フレキシブルオフィス「The Place」を運営するため、賃貸等不動産を保有しておりますが、景気動向や経済情勢等により賃料下落や空室区画の増加が発生する可能性があります。また、テナントの退去及び利用状況等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 減損リスク
当社がフレキシブルオフィス「The Place」を運営するために取得した不動産の時価の著しい低下や事業の収益性が悪化し、回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 災害等により保有物件の価値が毀損するリスク
当社は、フレキシブルオフィスビル「The Place Osaka」を運営するため、大阪府大阪市に固定資産を保有しており、今後は大阪府以外の地域においてもフレキシブルオフィス「The Place」を展開するための固定資産を取得する可能性があります。当該地域を中心に地震、台風、大雨、落雷等の自然災害が発生し、固定資産が毀損・劣化した場合には、復旧に相応の時間と費用等が必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、2023年11月10日付「配当方針の変更及び配当予想の修正に関するお知らせ」のとおり、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しており、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としております。利益配分につきましては、収益力を強化し、継続的かつ安定的に配当を行うため、配当性向20%から30%に基準を引き上げております。また、内部留保資金につきましては、業容拡大を目的とした中長期的な事業原資として有効に活用していく所存であります。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、決定機関は株主総会となっております。また、将来的な中間配当の実施に備え、会社法第454条第5項に基づき、毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議により、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。