2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

映像製作・販売事業 版権事業 商品販売事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
映像製作・販売事業 34,828 39.1 6,832 24.6 19.6
版権事業 39,671 44.5 18,956 68.3 47.8
商品販売事業 10,681 12.0 1,825 6.6 17.1
その他 3,922 4.4 134 0.5 3.4

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社7社及び関連会社3社で構成され、主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等の企画・製作及び放映権等の販売を行う映像製作・販売事業、製作した作品の商品化権等に基づき当社作品のキャラクターの使用をライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業、キャラクター商品等を販売する商品販売事業を主な事業として取り組んでおります。

 

当社は、2024年3月31日現在でテレビアニメ作品237タイトル、劇場アニメ作品269タイトル、その他にTVSP等を合わせまして、総コンテンツ数にして約13,800本を保有しております。

当社テレビアニメ作品の代表作としては以下のものがあります。

放映開始時期

作品名

1960年代

「魔法使いサリー」「ゲゲゲの鬼太郎」「サイボーグ009」「ひみつのアッコちゃん」「タイガーマスク」

1970年代

「デビルマン」「マジンガーZ」「バビル2世」「キューティーハニー」「ゲッターロボ」「UFOロボ グレンダイザー」「一休さん」「宇宙海賊キャプテンハーロック」「銀河鉄道999」

1980年代

「Dr.スランプ アラレちゃん」「パタリロ!」「キン肉マン」「夢戦士ウイングマン」「北斗の拳」「メイプルタウン物語」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」「ビックリマン」「悪魔くん」

1990年代

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「美少女戦士セーラームーン」「スラムダンク」「ママレード・ボーイ」「地獄先生ぬ~べ~」「花より男子」「キューティーハニーF」「金田一少年の事件簿」「夢のクレヨン王国」「おジャ魔女どれみ」「デジモンアドベンチャー」「ワンピース」

2000年代

「明日のナージャ」「金色のガッシュベル!!」「ボボボーボ・ボーボボ」「ふたりはプリキュア」「冒険王ビィト」「出ましたっ!パワパフガールズZ」「モノノ怪」「墓場鬼太郎」「うちの3姉妹」「ドラゴンボール改」「怪談レストラン」

2010年代

「デジモンクロスウォーズ」「トリコ」「聖闘士星矢Ω」「探検ドリランド」「京騒戯画」「マジンボーン」「美少女戦士セーラームーンCrystal」「ワールドトリガー」「ドラゴンボール超」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「タイガーマスクW」「正解するカド」「ゲゲゲの鬼太郎」「おしりたんてい」「爆釣バーハンター」

2020年代

「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「デジモンゴーストゲーム」「ワールドトリガー 3rdシーズン」「わんだふるぷりきゅあ!」

 

 

 

当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、セグメントと同一の区分であります。

 

(1) 映像製作・販売事業

当社は、劇場・テレビ向け等の各種アニメ作品の企画・製作とともに、国内外への放映権の販売を行っております。また、ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のパッケージソフト化権の販売及びそれに伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信等の展開を行っております。

 

① 製作

実際のアニメ作品の製作工程は、基本的に以下のようになります。


 

1 企画

映像製作の基になる題材を様々な分野から掘り起こし、マーケット戦略に基づき、プロデューサーは、映像製作の立案、関係者の利害調整を経て、製作の決定を図ります。漫画雑誌を中心とした原作の映像化が主流となっています。

2 脚本

原案・原作等を基に、プロデューサー・脚本家・演出家間で打合わせをし、脚本家は映像作品を前提にした場面設定や話の展開及び台詞やアクションからなる脚本を作成します。

3 絵コンテ

脚本を絵に置き換えます。以降の全作業の指示書となります。
物語の展開を、文字から絵に置き換えます。文節・文・文章を映像の最小単位であるカットに置き換え、そのカットの積重ねで物語を見せることになりますが、演出家は絵コンテに1カット毎の絵の構図やその中での人物の演技・動作、森羅万象を描く指示を、絵と文字を付記して表します。

4 原画・動画

原画はアニメーションのキーポイントとなる部分であり、動画は原画と原画の間の動きをつなぐ部分であります。
原画は絵コンテの指示に沿って、作画のプロである原画アニメーターが本番の絵を描いていきます。ここでは各カットの大まかな構図取りと、主要且つ動きのポイントとなる絵を原画として描きます。動きのタイミングや台詞のペース、カメラワークなどは、シートという1秒を24コマの時間軸で表した専用の表に表記します。人物や動きのある物は作画(原画・動画)部分、その背後の視界は背景と称し、分業となりますが、構図取りにあたっては両方含めての構図の構成となります。原画アニメーターによる原画作業の後、作画監督のチェックへと回り、人物の絵の統一を中心にした原画修正が加えられます。この時点でアニメーションのおおもとの絵が決まったことになります。動画については、動きのタイミングは原画と原画の間に何枚の動く途中の絵(中割)を入れるかで変わります。中割の枚数は原画アニメーターがシートに指定してありますので、それに従い中割の動作ポーズは動画アニメーターが考え作画します。そして原画とともにクリンアップという清書した絵に仕上げます。原画・動画はデジタル化が進み、パソコンでの作業が主流となっております。

5 彩色

パソコン上で動画に色を塗ります。

6 検査

色違い等をチェックします。

7 特殊効果

エアーブラシ効果を中心に、塗りでは不可能な表現を加味します。

8 背景

背景にあたる部分の絵を描きます。原図を基に背景画のプロである美術デザイナーが正確に構図を取り直し、背景画を描く上での下絵=背景原図を作成します。背景画を専門とする背景員は、この背景原図を基に本番の絵を描いていきます。

 

 

9 撮影

工程がデジタル化された現在では、撮影もパソコンを使って行われます。背景画をデジタル化した上で、デジタル合成します。演出家は作品の映像表現をより豊かにするために、様々な撮影効果を駆使します。
シートにはそれらの撮影用指定も付記されますので、撮影担当者はシートの情報をパソコンに入力し、合成にかけます。撮影という言葉はフィルム製作時代の名残で、現在はパソコン内でデータの計算が行われ絵が合成されます。アニメ製作の性格上、作画部分も背景もカット単位で物が流れるため両者が揃ったカットから順に合成作業が進んでいきます。合成が済んだカットはパソコンからビデオテープ(HDCAM)に出力・収録します。

10 編集

撮影したカットは、順不同でビデオテープに収録されていきますが、これを撮影上がりと言います。撮影上がりは、編集専用のパソコンに再び取り込み、編集もパソコンで行います。絵コンテの順にカットを並べた上で(棒つなぎ)、全体の長さを規定の長さ(編集尺)にします。通常、編集尺に対して1分前後の余裕をもって製作を進めますので、1カットずつアニメーションの動きを確認しながら、カットの繋がり具合などを念頭に置き、カットの長さを詰めていきます。編集された絵は、1秒=24コマからなる映像(アニメーション)に変わります。

11 アフレコ
  ・ダビング

映像に合わせ、声優の演技、効果音・BGMを録音します。
編集が終了し、各カットの長さが確定し全体が規定の長さになったら、今度はその映像に合わせ台詞や効果音・BGMを録音します。先にアフレコが行われ、声優は台詞が書かれているアフレコ台本を手に、映像を見ながら映像に合わせた声の演技をします。演出家は演技の確認や指導をし、録音スタッフが収録します。遅れて数日後、音響効果と選曲と呼ばれる専門職が、前もって演出家と打合せ準備した効果音やBGMを持ち合ってダビングが行われます。アフレコ同様に映像に合わせ音の録音をしますが、同時にアフレコで収録した声とのミックス録音を行い、音の部分が完成します。

 

 

② 販売

劇場向けでは年3~5本の公開作品を製作・販売しております。また、テレビ向けでは週3~5本のシリーズ作品を製作・販売しており、2024年3月31日現在放映中の作品は「ワンピース」、「わんだふるぷりきゅあ!」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」等であります。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の放映権を販売しております。

 

<関係会社>

(企画)

株式会社AMAZONLATERNA

映像作品の企画製作等を行っております。

 

(製作)

TOEI ANIMATION PHILS., INC.

当社作品の製作工程における動画・彩色・背景等の作業を請負っております。

東映アニメーション音楽出版
株式会社

当社作品の音楽製作を行っております。

株式会社タバック

当社作品の製作工程における録音編集作業を請負っております。

 

(販売)

東映株式会社

当社劇場作品の配給及びテレビ放送業者へのテレビシリーズ作品の放映権販売等を行っております。

株式会社テレビ朝日 ※

当社テレビシリーズ作品の放映等を行っております。

東映アニメーション音楽出版
株式会社

当社作品の音楽の販売等を行っております。

TOEI ANIMATION ENTERPRISES
LTD.

当社作品の海外放映権販売を行っております。

TOEI ANIMATION INCORPORATED

当社作品の海外放映権販売を行っております。

TOEI ANIMATION EUROPE S.A.S.

当社作品の海外放映権販売を行っております。

 

 

 ※ 株式会社テレビ朝日ホールディングスの子会社

 

③ パッケージソフト収入等

ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のビデオ化権に伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信事業等を行っております。

 

<関係会社>

東映株式会社

当社劇場・テレビシリーズ作品のビデオ化権の販売を行っております。

東映ビデオ株式会社

当社劇場・テレビシリーズ作品のパッケージソフトの販売を行っております。

 

 

 

(2) 版権事業

当社は、当社アニメ作品に登場するキャラクターの使用許諾を、玩具・ゲームメーカーや文具メーカー、アパレルメーカー等のライセンシーに与えることにより版権収入を得ております。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の版権を販売しております。

 

<関係会社>

TOEI ANIMATION ENTERPRISES
LTD.

当社作品の海外版権販売を行っております。

東映アニメーション音楽出版
株式会社

当社作品の音楽に関する著作権の管理を受託しております。

TOEI ANIMATION INCORPORATED

当社作品の海外版権販売を行っております。

TOEI ANIMATION EUROPE S.A.S.

当社作品の海外版権販売を行っております。

 

 

(3) 商品販売事業

当社は、キャラクター商品等の販売を行っております。

 

(4) その他事業

当社は、着ぐるみショーやミュージカル等の各種イベントの企画運営を行っております。

 

<関係会社>

東映株式会社

当社作品の着ぐるみショーの運営を行っております。

 

 

※ 当社関係会社である株式会社東映京都スタジオは「東映太秦映画村」の運営を行っております。


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「スラムダンク」、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。特に商品販売事業、海外配信権販売に注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上高は886億54百万円(前連結会計年度比1.4%増)、営業利益は233億64百万円(同18.5%減)、経常利益は264億53百万円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は187億95百万円(同10.1%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。

なお、セグメント損益は、営業利益ベースの数値であります。

 

[映像製作・販売事業]

劇場アニメ部門では、4月に「聖闘士星矢 The Beginning」、6月に劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《前編》」、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《後編》」、9月に「映画プリキュアオールスターズF」、10月に「デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING」、11月に映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」、3月に「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ」を公開しました。前年から継続して公開しておりました映画「THE FIRST SLAM DUNK」や、当期公開の「映画プリキュアオールスターズF」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が好調に推移しましたが、前年同期に公開した映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、「ONE PIECE FILM RED」、映画「THE FIRST SLAM DUNK」程には至らず、大幅な減収となりました。

テレビアニメ部門では、「ワンピース」、「ひろがるスカイ!プリキュア」(2024年2月より「わんだふるぷりきゅあ!」)、「逃走中 グレートミッション」、「キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「おしりたんてい」、「いきものさん」の7作品を放映しました。前年同期と比較して放映作品数が減少したこと等から、若干の減収となりました。

コンテンツ部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」のブルーレイ・DVDが好調に推移し、大幅な増収となりました。

海外映像部門では、前年同期に好調に稼働した映画「ドラゴンボール超スーパーヒーロー」の海外上映権販売の反動があったものの、「ワンピース」の海外配信権販売、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売が好調に推移したことから、若干の増収となりました。

その他部門では、「金色のガッシュベル!! 永遠の絆の仲間たち」等の自社企画アプリゲーム事業が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。

この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は348億28百万円(前連結会計年度比6.5%減)、セグメント利益については、「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上したこと等により、68億32百万円(同36.0%減)と減収減益となりました。

 

 

[版権事業]

国内版権部門では、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したものの、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が前年同期の勢いには至らなかったこと等から、ほぼ横ばいとなりました。

海外版権部門では、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したものの、「デジモン」シリーズ、「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売が前年同期の勢いには至らなかったこと等から、減収となりました。

この結果、版権事業全体では、売上高は396億71百万円(前連結会計年度比5.7%減)、セグメント利益は189億56百万円(同9.5%減)と減収減益となりました。

 

 

[商品販売事業]

商品販売部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売や、「ワンピース」のショップ事業が好調に稼働したこと等から大幅な増収となりました。

この結果、売上高は106億81百万円(前連結会計年度比73.7%増)、セグメント利益は18億25百万円(同181.8%増)と増収増益となりました。

 

[その他事業]

その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「プリキュア」シリーズの催事が好調に稼働したことから、大幅な増収となりました。

この結果、売上高は39億22百万円(前連結会計年度比77.0%増)、セグメント利益は1億34百万円(同30.8%増)と増収増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ72億17百万円増加し、521億2百万円となりました。

その要因は以下のとおりであります。

なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定790億7百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金269億68百万円等であります。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動の結果得られた資金は、162億84百万円(前連結会計年度は152億60百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益267億7百万円、棚卸資産の減少31億46百万円、売上債権の減少16億18百万円、資金の減少の主な内訳は、法人税等の支払額106億2百万円、仕入債務の減少32億34百万円であります。なお、減価償却費7億90百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動の結果使用した資金は、45億42百万円(前連結会計年度は29億54百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入224億91百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出263億43百万円であります。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動の結果使用した資金は、64億10百万円(前連結会計年度は45億41百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ 受注製作事業実績

当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。

 

a.製作実績

区分

製作高(百万円)

前期比(%)

劇場アニメ作品

1,405

55.3

テレビアニメ作品

6,400

119.0

合計

7,805

98.6

 

(注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。
(主な外注先:㈱青二プロダクション、㈱ぎゃろっぷ、㈱スタジオディーン)
なお、当連結会計年度における外注費は、5,466百万円であります。

 

b.受注実績

区分

本数

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

劇場アニメ作品

2

255

282.5

テレビアニメ作品

214

1,610

122.9

1,493

120.5

合計

216

1,865

133.2

1,493

85.6

 

 

ロ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

映像製作・販売事業

34,819

93.5

版権事業

39,419

93.9

商品販売事業

10,624

173.0

その他事業

3,791

180.7

合計

88,654

101.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱バンダイナムコエンターテインメント

18,533

21.2

18,095

20.4

東映㈱

9,788

11.2

6,580

7.4

 

3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東映グループ

475

0.5

2,515

2.8

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前期末比122億30百万円増1,627億39百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて8.8%増加し、1,204億55百万円となりました。これは、現金及び預金が120億98百万円、仕掛品が1億44百万円、流動資産のその他が19億25百万円それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が9億62百万円、商品及び製品が34億16百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

その結果、流動資産合計は前期末比97億53百万円増1,204億55百万円となりました。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて6.2%増加し、422億83百万円となりました。これは、ソフトウエアが1億36百万円、投資有価証券が34億円、投資その他の資産のその他が2億36百万円それぞれ増加し、建物及び構築物(純額)が1億75百万円、長期預金が10億円それぞれ減少したこと等によるものです。

その結果、固定資産合計は前期末比24億77百万円増422億83百万円となりました。

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前期末比49億80百万円減310億25百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて18.3%減少し、287億30百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が23億93百万円、未払法人税等が32億14百万円、契約負債が5億22百万円、流動負債のその他が2億87百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

その結果、流動負債合計は、前期末比64億19百万円減287億30百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて168.2%増加し、22億95百万円となりました。これは、固定負債のその他が13億45百万円増加したこと等によるものです。

その結果、固定負債合計は、前期末比14億39百万円増22億95百万円となりました。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比172億10百万円増1,317億13百万円となりました。

株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により63億43百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により187億95百万円増加いたしました。

その結果、株主資本は、前期末比125億4百万円増1,212億73百万円となりました。

その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が21億41百万円、為替換算調整勘定が25億60百万円それぞれ増加いたしました。

その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比47億5百万円増104億40百万円となりました。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、映像制作・販売事業、版権事業は減収であったが、一方で商品販売事業で増収であったため、前期比11億97百万円増886億54百万円となりました。

各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前期比47億14百万円増512億5百万円となりました。

増収に伴い売上原価も増加しましたが、原価率は聖闘士星矢 The Beginning」に関する棚卸資産の評価損を計上したこと等により57.8%となりました。

その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比35億16百万円減374億49百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、劇場、TVアニメ作品に係る広告宣伝費の増加や、人件費の増加等により、前期比17億88百万円増140億85百万円となりました。

その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比53億5百万円減233億64百万円となりました。

また、売上高営業利益率は32.8%から26.4%となりました。

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外損益は、為替差益が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比19億66百万円の増となりました。

その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比33億38百万円減264億53百万円となりました。

また、売上高経常利益率は34.1%から29.8%となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券売却益の計上があったことにより、特別損益の純額では、前期比2億53百万円の増となりました。

その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比30億84百万円減267億7百万円となりました。

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は、前期比9億79百万円減79億11百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.6%となりました。

その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比21億4百万円減187億95百万円となりました。

 

当連結会計年度も、事業内容では、売上高、利益に占める国内外のアプリゲーム化権、中国向けの大口映像配信権の割合が引続き大きい状況にあり、作品でも、売上高、利益に占める「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」の2タイトルの割合が大きい状況が続いています。

こうした中、当社グループは、海外における展開地域や事業の拡大、新規IPの創出とIPライフサイクルの長期化、映像製作能力の進化等により、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すべく、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取り組んでまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの分析)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは117億42百万円(前連結会計年度は123億5百万円)となりました。

これは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したこと及び定期預金の払戻による収入並びに定期預金の預入による支出が減少したことが主な要因です。

なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はございません。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。

そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。

また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。

 
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、製品、仕掛品の評価、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、映像製作・販売事業、版権事業、商品販売事業及びその他事業の各事業単位で国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

従って、当社グループは、「映像製作・販売事業」、「版権事業」及び「商品販売事業」の3つを報告セグメントとしております。

「映像製作・販売事業」は、主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等を企画・製作し、作品の放映権やビデオ化権の販売、パソコン・携帯端末向けの映像配信サービス等を行っております。「版権事業」は、製作した作品に登場するキャラクターの商品化権許諾を行っております。「商品販売事業」は、キャラクター商品の開発や販売等を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

資産については、複数の事業セグメントに共有されるため、各事業セグメントに配分しておりませんが、減価償却費は、関係する事業セグメントの利用面積等に基づき配分しております。

報告セグメントの利益は、営業利益又は損失ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

映像製作・
販売事業

版権事業

商品販売
事業

その他事業

(注)1

調整額

(注)2

合計

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

日本

15,467

16,331

5,732

1,668

39,199

39,199

北米

6,840

10,187

17,027

17,027

中南米

1,827

1,059

2,886

2,886

欧州

2,425

5,601

44

430

8,502

8,502

アジア

10,697

8,780

361

0

19,840

19,840

顧客との契約から

生じる収益

37,258

41,959

6,139

2,098

87,457

87,457

  外部顧客への売上高

37,258

41,959

6,139

2,098

87,457

87,457

  セグメント間の内部売上高又は振替高

8

100

10

117

237

△237

37,267

42,060

6,149

2,216

87,694

△237

87,457

セグメント利益

10,680

20,945

648

103

32,377

△3,707

28,669

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

  減価償却費

360

31

13

19

425

178

603

 

(注) 1.「その他事業」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであるイベント事業であります。

2.セグメント利益の調整額△3,707百万円には、セグメント間取引消去12百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△3,719百万円が含まれております。全社費用は、主に当社の総務・経理部門等の管理部門に係る費用であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

映像製作・
販売事業

版権事業

商品販売
事業

その他事業

(注)1

調整額

(注)2

合計

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

日本

12,389

15,602

9,588

2,906

40,487

40,487

北米

7,345

9,029

16,374

16,374

中南米

898

1,232

2,131

2,131

欧州

2,761

6,351

0

882

9,996

9,996

アジア

11,423

7,203

1,035

2

19,665

19,665

顧客との契約から

生じる収益

34,819

39,419

10,624

3,791

88,654

88,654

  外部顧客への売上高

34,819

39,419

10,624

3,791

88,654

88,654

  セグメント間の内部売上高又は振替高

8

252

56

131

449

△449

34,828

39,671

10,681

3,922

89,104

△449

88,654

セグメント利益

6,832

18,956

1,825

134

27,749

△4,385

23,364

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

  減価償却費

404

168

14

16

603

187

790

 

(注) 1.「その他事業」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであるイベント事業であります。

2.セグメント利益の調整額△4,385百万円には、セグメント間取引消去11百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△4,396百万円が含まれております。全社費用は、主に当社の総務・経理部門等の管理部門に係る費用であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の額が、連結貸借対照表の有形固定資産の90%超であるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

バンダイナムコグループ

28,034

版権事業、商品販売事業

東映グループ

10,263

映像製作・販売事業

 

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の額が、連結貸借対照表の有形固定資産の90%超であるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

バンダイナムコグループ

27,794

版権事業、商品販売事業

東映グループ

9,095

映像製作・販売事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。