2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原材料の価格変動

 当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内・国外の市況の変動の影響を受けます。

 油脂原料の購入価格については、植物系油脂原料価格は産地の天候に左右され、動物系油脂原料価格は疫病等による供給減の影響を受ける可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況に影響を受けます。原油価格は、国際的な需給関係に加え、中東等の産油国の情勢、先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。当社グループの化学製品事業の業績はこれらによって大きく影響を受けます。

 上記のような原料価格の変動に対しては、販売価格への転嫁等の対策をとっておりますが、変動が大きく対応しきれない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原材料の調達

 当社グループは主要原材料として油脂原料及び石化原料を国内・国外の幅広い原材料メーカーから調達しております。

 原材料の調達に関しては、取引先への継続的な安定供給を行うために、品質・コストを検討したうえで、複数調達先の確保などで、安定的な調達に努めておりますが、原材料メーカーの生産上のトラブルによる一時的な供給停止や品質不良の発生により、当社製品の安定生産が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)物流の確保

 当社グループは原材料の調達及び製品の出荷において、国内・国外の海運及び国内陸送等の幅広い物流手段を利用しており、コスト・時間・品質面での最適化に努めております。

 昨今の物流事情におきましては、世界的な人手不足、国際的な紛争発生等により、コスト増加が顕著となっており、適時・適切な物流ルート確保に支障をきたすこともあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)為替相場の変動

 輸入原料の増加等に伴い、当社グループの支払いに占める外貨決済額は増加しており、為替相場の変動が当社の業績に与える影響は増大しつつあります。

 この影響を最小化することを目的として、必要な範囲で為替予約等のヘッジ策を講じておりますが、急激な為替変動により、当社グループの業績及び財務状況にヘッジすることができない影響を及ぼす可能性があります。

 また、連結財務諸表の作成のために、在外連結子会社及び在外持分法適用会社の財務諸表は円換算されています。換算時の為替相場により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(5)製造物責任

 当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しておりますが、製品の予期しない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性があります。

 保険に加入し賠償に備えているものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権

 当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許等の知的財産権の確立を進めるほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めております。

 しかし、予期しない事情により当社グループと第三者との間で知的財産権に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)産業事故災害

 当社グループは事業活動全般において無事故・無災害に努めておりますが、当社グループの工場において万が一産業事故災害が発生した場合、自社の保有資産に対しては保険に加入することで備えているものの、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様への積極的かつ安定的な利益還元を実施するため、業績に対応した配当の実施による株主還元を基本方針としており、併せて経営基盤並びに企業体質の強化と中長期的な事業展開に備えるための内部留保の充実などを勘案して、配当を決定することとしております。

 なお、内部留保資金につきましては、将来の環境変化への対応や収益力向上のための研究開発投資、設備投資等に活用してまいります。

 また、当社は、剰余金の配当を中間配当と期末配当の年2回実施することを基本方針としており、中間配当の決定機関は取締役会であり、期末配当の決定機関は株主総会であります。

 当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。

 当事業年度の剰余金の配当につきましては、安定的な利益還元を実現するための経営基盤の確立には至っておらず、企業体質の強化が急がれること、また、新規事業立ち上げの設備投資に備えるため、誠に遺憾ながら無配とさせていただきました。

 業績の回復による早期の復配を果たすべくグループの総力を挙げ鋭意努力してまいります。