2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

化学品事業 各種塩事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
化学品事業 16,780 83.5 2,418 92.2 14.4
各種塩事業 3,322 16.5 204 7.8 6.1

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは1906年の創業以来、化学品メーカーとして歩み続けてきました。現在は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」を企業理念に掲げ、様々な製品の基礎原料として使われる苛性ソーダや殺菌、消毒に使われる次亜塩素酸ソーダをはじめとする「基礎化学品事業」、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)、グルコサミンをはじめとする「機能化学品事業」、土壌殺菌剤として使われる農薬クロルピクリンをはじめとする「アグリ事業」、廃硫酸のリサイクルを中心とする「環境リサイクル事業」、及び塩の加工・販売に関する「各種塩事業」の5事業を展開しております。また、当社及び当社の関係会社は、当社及び国内外の連結子会社5社並びに持分法適用関連会社2社により構成されております。

当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは次のとおりであり、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

セグメントの名称

 主な事業内容

会社名

化学品事業

 

(基礎化学品)

苛性ソーダ、合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどのクロール・アルカリ製品、水の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤、工場排水や下水排水に利用される水処理凝集剤の製造・販売業務

南海化学㈱(当社)

如皋市四友合成化工有限公司

(連結子会社)

如皋南海水処理剤有限公司

(連結子会社)

ATNグラファイト・テクノロジー㈱ (持分法適用関連会社)

(機能化学品)

食品添加物や健康食品の製造・販売、医薬・農薬・電子材料等の中間体の受託製造・販売及び当社のコア技術である粉体化、スルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務

南海化学㈱(当社)

(アグリ)

クロルピクリン及びクロルピクリン錠剤の製造・販売業務

南海化学㈱(当社)

 

(環境リサイクル)

硫酸リサイクル並びに当該技術を応用したリサイクル業務

エヌシー環境㈱(連結子会社)

サンワ南海リサイクル㈱

(持分法適用関連会社)

  各種塩事業

各種塩の製造・販売業務

㈱エヌエムソルト(連結子会社)

 

(注)報告セグメントについては、「化学品事業」と「各種塩事業」に区分しておりますが、「化学品事業」における取扱品目が多岐にわたることから、以下の説明においては、「化学品事業」を基礎化学品・機能化学品・アグリ・環境リサイクルに分類しております。

 

上記に掲げている報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。

 

[化学品事業]

(基礎化学品)

当事業は当社和歌山工場のほか、連結子会社である如皋市四友合成化工有限公司、如皋南海水処理剤有限公司、持分法適用関連会社であるATNグラファイト・テクノロジー㈱にて行っております。

当事業では、塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ(※1)を中心に、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っております。具体的には、当社が長年取扱っている水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌、中和用に利用されるクロール・アルカリ製品(※2)(合成塩酸(※3)、次亜塩素酸ソーダ(※4)など)、浄化槽やプール水及び魚肉の解体場、食品工場等の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤(高度さらし粉など)、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤などのほかに、新たなラインナップとして、重亜硫酸ソーダ(※5)、含鉄バンド(※6)の取扱拡大を図っており、商社経由あるいはメーカー直販の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。製品の特性や輸送コストの観点から、遠隔地への供給には適していないものが多く、関西地方を中心に供給を行っております。

 

(機能化学品)

当事業は、当社において、各種食品の日持ち向上剤として使用される酢酸ナトリウムなどの食品添加物やグルコサミンなどの健康食品の製造・販売と、長年に亘り培われた技術やノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせたきめ細やかなオーダーメイド対応が可能な医薬・農薬・電子材料等の中間体の受託製造・販売及び当社のコア技術である粉体化、スルホン化(※7)やクロル化(※8)技術を活用した受託製造業務を行っております。富士アミドケミカル㈱では、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造並びに受託製造業務を行っております。

当社は当該製品の販売業務について、商社経由あるいはメーカー直接の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。

(アグリ)

当事業は当社土佐工場にて行っております。当事業では、農薬の一種である土壌殺菌剤として使用されているクロルピクリン(※9)の製造・販売を行っております。クロルピクリンは液剤と錠剤があり、液剤は高濃度品(濃度99.5%)と低濃度品(濃度80%)、錠剤は液剤を特殊な方法で固型化した新しいタイプの商品となっております。クロルピクリンは液剤タイプが主流ではありますが、農業従事者の皆様により安全に安心してご使用いただくため、錠剤タイプの普及活動に重点を置き、営業活動を行っております。

クロルピクリンは、畑地をクリーンにする農薬の一つとして、1948年にたばこ向けに実用化されて以降、用途は野菜、花き等に広がっております。一般にクロルピクリンは、気化することにより目や喉の痛みや刺激臭を伴い、その使用には制約がありましたが、クロルピクリン液剤については、安全に使用される技術も確立されているほか、クロルピクリン錠剤については、錠剤化することにより使用時の気化を抑制することが可能となり、簡単に処理しやすい農薬として、農業従事者の皆様から好評をいただいております。

 

化学品事業における基礎化学品、機能化学品、アグリの事業系統図は、次のとおりであります。

 

             [基礎化学品、機能化学品]          [アグリ]


 

(注)基礎化学品、機能化学品の販売先メーカーは主に化学工業、鉄鋼・製紙、化粧品・洗剤等の業界になります。

 

(環境リサイクル)

当事業は連結子会社であるエヌシー環境㈱及び持分法適用関連会社であるサンワ南海リサイクル㈱が行っております。当事業では、石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引取り、硫酸を精製し各種メーカーへ販売しております。

 

化学品事業における環境リサイクルの事業系統図は、次のとおりであります。

 


 

[各種塩事業]

当事業は連結子会社である㈱エヌエムソルトが行っております。当事業では、オーストラリアやメキシコから輸入した原塩(天日塩)を、洗滌(せんでき)などの加工工程を経て、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造し、国内有数の梅干しの原産地である和歌山県南部地区の梅干加工業者や全国の食品メーカーをはじめとした各種メーカーに販売しております。また、融雪塩として、道路を維持管理する団体などに販売しております。

 

各種塩事業の事業系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

[参考]用語の解説

用 語

解 説

※1

苛性ソーダ

 

化学名は「水酸化ナトリウム(NaOH)」といい、その水溶液は強いアルカリ性を示す、代表的な強アルカリ物質です。苛性ソーダは、この強アルカリ性という化学的性質を利用して、様々な酸と反応(中和)させたり、普通では溶けない物質を溶解させたり、他の金属元素や化合物と反応させたりして、別の化学合成物質や化学薬品を作り出すのに使われています。

例えば、産業・生活用物質を製造する上で必要な化学的処理において、金属の溶解、精製、不純物の除去、漂白、中和、軟化等のための基礎素材として用いられています。

苛性ソーダは、アルミニウムや化学繊維、石けん・洗剤の原料として使用され、パルプの溶解や漂白、また、様々な工業製品の製造に使われています。さらに、上下水道や各種産業の排水処理、還元剤として使用されるなど、非常に幅広い分野で使われています。

苛性ソーダそのものが最終製品に直接含まれている例は多くないものの、中間原料となる各種の化学薬品などの製造に使われ、幅広い産業分野において基礎素材として使われております。

※2

クロール・アルカリ製品

塩水の電気分解より製造した化学製品の総称であり、苛性ソーダや合成塩酸及びその派生により生成される製品を指します。

※3

合成塩酸

 

塩酸は、塩化水素の水溶液で、代表的な酸性物質です。酸類の中では比較的扱いやすく、中和・pH調整、各種工業薬品・食品の原料、金属表面処理等幅広く使用されております。

合成塩酸は、塩水の電気分解より製造した塩素と水素を原料とした塩酸であり、不純物の含有が少なく、品質が安定している特徴があります。

※4

次亜塩素酸ソーダ

 

化学名は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と言い、苛性ソーダ水溶液に塩素ガスを吸収させて製造します。製品としては、有効塩素が12%の液体で、製品中の食塩含有量が10~12%の一般品と、4%以下の低食塩品の2種類があります。

用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、パルプの漂白、食品工業、水処理、廃水処理等、塩酸同様、幅広い分野に亘っています。

※5

重亜硫酸ソーダ

化学式NaHSO3と表される無機化合物であり、亜硫酸水素ナトリウムともいい、食品添加物(保存料)や還元剤などとして用いられております。

※6

含鉄バンド

水分中の不純物の凝集作用のある「ポリ硫酸第二鉄(化学式(Fe2(OH)n(SO4)3-n/2)m)」と「硫酸バンド(化学式Al2(SO4)3•16H2O)」の混合物であり、高処理能力を有する水の浄化剤(凝集剤)として注目されております。

※7

スルホン化

有機化合物の水素原子をスルホン基 -SO3Hに置換する反応であり、たとえば芳香族化合物に硫酸を作用させて芳香環の水素をスルホン基で置換し、芳香族スルホン酸とするときに用いられます。スルホン化剤としては硫酸以外に発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、塩化スルフリルなどがあり、染料や中性洗剤などの工業的製造において重要な反応です。

※8

クロル化

塩素化ともいい、化合物に塩素原子を導入する化学反応のことを指します。

※9

クロルピクリン

化学式CCl3NO2で表される、メタンの水素3個が塩素に、1個がニトロ基に置き換わった構造を持つ有機化合物であり、わが国では農薬登録されており、土壌中の病原菌、害虫、センチュウなどを防除する効果を有します。常温ではいくぶん粘性のある無色の液体であり、水には難溶で、蒸気は空気より重く、衝撃又は熱を加えると爆発する可能性があることや、光や熱で分解して塩化水素や窒素酸化物など有毒な気体を生じることから、取り扱いには注意を要します。また、液体のままでは非常に強い刺激臭を有しており、当社グループではゲル化の技術を用いて、刺激臭が抑制され取り扱いが容易なクロルピクリン錠剤の製造も行っております。

 

 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へと移行し、社会・経済活動の正常化が進展したことに伴い、穏やかな回復傾向が見られました。一方でロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域の地政学的リスクの高まり、中国経済の減速、急速な円安の進行に伴う物価上昇による個人消費への影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような経済情勢のもと、当社グループは中期経営計画「Fly Higher Nankai」の最終年度として、引き続き経営指針である、「想定力の向上で守りの成長と攻めの成長を実現する」の達成に向け、コア事業の基盤強化、適正な価格設定、効率経営による生産性向上、成長分野への経営資源(ヒト・モノ・カネ)の重点配分の諸施策を適切に実施いたしました。また、当連結会計年度において補助金収入を営業外収益に計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は19,987百万円(前期比2.0%増)となり、損益面につきましては、営業利益は1,564百万円(前期比96.4%増)、経常利益は1,780百万円(前期比101.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158百万円(前期比129.9%増)となりました。

なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<化学品事業>

基礎化学品につきましては、地域に根ざした販売体制のさらなる強化と、シェア拡大による殺菌剤の増加、電解製品(苛性ソーダ誘導品、塩素誘導品)の価格是正の浸透や、輸出商材の販売国多角化、価格是正、円安効果等により、売上高は前連結会計年度実績を上回りました。

機能化学品につきましては、連結子会社である富士アミドケミカル㈱操業停止の影響により、売上高は前連結会計年度実績を下回りました。

アグリにつきましては、安定供給体制の構築に向けて、サプライチェーンの整備の継続に努めましたが、売上高は前連結会計年度実績を下回りました。

環境リサイクルにつきましては、廃硫酸リサイクルの新規顧客獲得推進に努めましたが、売上高は前連結会計年度実績を下回りました。

以上の結果、化学品事業における当連結会計年度の売上高は16,779百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は2,418百万円(前期比53.3%増)となりました。

 

<各種塩事業>

各種塩事業には、塩の製造や加工、販売が含まれております。暖冬の影響により、冬季の融雪塩の出荷量は減少しましたが、価格是正の浸透により、売上高は3,207百万円(前期比3.4%増)、セグメント利益204百万円(前期比91.1%増)となりました。

 

(2) 財政状態及び経営成績の状況

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は20,258百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,912百万円増加しました。流動資産につきましては、現金及び預金が408百万円、商品及び製品が136百万円、原材料及び貯蔵品が139百万円増加しましたが、売掛金が385百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ245百万円増加9,096百万円となりました。また固定資産につきましては、建物及び構築物が550百万円、機械装置及び運搬具が262百万円、建設仮勘定が839百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,668百万円増加11,144百万円となりました。

繰延資産につきましては、16百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は12,756百万円となり、前連結会計年度末に比べ398百万円減少しました。流動負債につきましては、買掛金が573百万円、未払法人税等が331百万円増加しましたが、短期借入金が376百万円、未払金が381百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ40百万円増加7,990百万円となりました。また固定負債につきましては、リース債務が348百万円増加しましたが、長期借入金が751百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ439百万円減少4,766百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は7,501百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,310百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,048百万円増加したことや、株式上場による自己株式の処分等1,258百万円によるものであります。

 

② 経営成績の状況

当社グループの売上高、売上総利益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は以下のとおりとなりました。

 

(売上高)

当連結会計年度の売上高は19,987百万円(前期比2.0%増)となりました。シェア拡大による殺菌剤の増加、電解製品(苛性ソーダ誘導品、塩素誘導品)の価格是正の浸透や、輸出商材の販売国多角化等により、増収となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は14,482百万円(前期比4.1%減)、売上総利益は5,504百万円(前期比22.2%増)となりました。価格是正の浸透、輸出品の増加等により、売上原価は減少しました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,940百万円(前期比6.3%増)、営業利益は1,564百万円(前期比96.4%増)となりました。主に賞与引当金繰入額等の増加による人件費が増加しました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の経常利益は1,780百万円(前期比101.0%増)となりました。営業外損益におきましては、営業外収益は補助金収入229百万円の計上などにより前期比184百万円の増加、営業外費用は連結子会社である富士アミドケミカル㈱操業停止に関わる費用を休止固定資産費用として85百万円計上したことなどにより前期比57百万円の増加となりました。

 

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,662百万円(前期比150.5%増)となりました。特別損益におきましては、特別利益は投資有価証券売却益76百万円の計上などにより前期比81百万円の増加、特別損失は固定資産除却損が増加したものの、減損損失やその他に含まれている事業整理損の減少等により、前期比22百万円の減少となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,158百万円(前期比129.9%増)となりました。法人税、住民税及び事業税429百万円、法人税等調整額55百万円の計上により法人税等合計は前期比331百万円増加しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,710百万円となり、前連結会計年度末と比較して408百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は2,654百万円(前年同期は1,769百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,662百万円、減価償却費1,022百万円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は1,944百万円(前年同期は371百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,067百万円、投資有価証券の売却による収入102百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は327百万円(前年同期は1,404百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の処分よる収入1,918百万円、短期借入金の純増減額の減少376百万円、長期借入金の返済による支出851百万円などによるものであります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

化学品事業

9,791

97.6

各種塩事業

1,338

112.4

報告セグメント計

11,129

99.2

合計

11,129

99.2

 

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

② 受注実績

当社グループは見込生産を行っていることから、当該記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

化学品事業

16,779

101.7

各種塩事業

3,207

103.4

報告セグメント計

19,987

102.0

合計

19,987

102.0

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、化学工業薬品の製造・販売業務を営んでおり、原材料の仕入れから製造工程を経て販売に至るまでにおいて支払と売上代金回収の間には一定期間タイムラグが生じることから、運転資金が必要となっております。また、製造においては設備投資が発生するため設備資金が必要となっており、これらの所要資金については、銀行からの借入を基本としております。

運転資金については、毎月月末に資金繰りを勘案した上で当座貸越により調達しております。また設備資金については、大規模な設備投資が発生した場合に設備投資の支払時期に長期借入金にて調達することを基本としております。

上記記載のとおり、当社グループの事業運営を円滑に遂行するための資金調達チャネルは十分に確保されており、適正な水準の資金の流動性を維持・確保できているものと認識しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計、繰延税金資産の回収可能性の判断、環境対策引当金等の検討や見積りについては、過去の実績や合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、前提条件や事業環境の変化により見積りと将来の実績が異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

  ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針

当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処することが必要であると認識しております。

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、製品やサービスの特性や製造方法、製造過程に基づき、「化学品事業」及び「各種塩事業」を報告セグメントとしております。

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「化学品事業」では、苛性ソーダ、合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどの水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌用に利用されるクロール・アルカリ製品をはじめ、浄水場やプール水の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤、リサイクル技術によって生成され、様々な製造処理工程にて用いられる硫酸など、多種多様な無機工業製品を幅広く取り扱っております。有機ファインケミカルの分野においては、長年に亘り培われた技術やノウハウを活かし、医薬・農薬・電子材料等の中間体の受託製造・販売及び当社のコア技術である粉体化、スルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務を行っており、お客様のニーズに合わせたきめ細やかなオーダーメイド対応を行っております。健康食品や食品添加物の分野では、「健康と食の安心・安全」をテーマに、多種多様なアイテムの提供を推進しております。また、農薬の製造・販売分野では、土壌殺菌剤(くん蒸剤)として畑地をクリーンにする環境にやさしい農薬の一つとして、農作物の広い分野で使用され、特にクロルピクリン液剤は、安全に使用される技術も確立されています。またクロルピクリン錠剤は、簡単に処理しやすいといった付加価値のある農薬として安定的な供給に努めつつ、裾野の拡大に取り組んでおります。

「各種塩事業」では、食品をはじめとして生活や産業の様々な分野で利用されている「塩」の中でも高品質でコストパフォーマンスに優れた「天日塩」の製造・加工・販売を行っており、各種需要に応じた安定的な供給に努めております。

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載とおおむね同一であります。また、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場実勢価格に基づいております。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結財務諸表

計上額

(注)2

化学品事業

各種塩事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

16,499

3,101

19,601

19,601

セグメント間の内部売上高又は振替高

0

81

81

△81

16,499

3,182

19,682

△81

19,601

セグメント利益

1,577

107

1,685

△888

796

セグメント資産

12,781

1,508

14,289

4,056

18,346

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

704

140

845

159

1,005

持分法適用会社への

投資額

207

207

207

有形固定資産及び無形

固定資産の増加額

1,476

209

1,685

555

2,240

 

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2) セグメント資産の調整額、その他の項目の減価償却費の調整額、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結財務諸表

計上額

(注)2

化学品事業

各種塩事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

16,779

3,207

19,987

19,987

セグメント間の内部売上高又は振替高

0

115

115

△115

16,780

3,322

20,102

△115

19,987

セグメント利益

2,418

204

2,623

△1,059

1,564

セグメント資産

12,476

1,771

14,248

6,010

20,258

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

612

152

764

257

1,022

持分法適用会社への

投資額

236

236

236

有形固定資産及び無形

固定資産の増加額

1,715

97

1,813

310

2,123

 

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2) セグメント資産の調整額、その他の項目の減価償却費の調整額、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

化学品事業

各種塩事業

調整額

合計

減損損失

52

52

 

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

化学品事業

各種塩事業

調整額

合計

減損損失

40

40

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。