2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

ソフトウェア開発事業 システム販売事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ソフトウェア開発事業 19,159 96.3 2,366 97.6 12.4
システム販売事業 741 3.7 58 2.4 7.9

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、独立系の情報サービス企業として当社及び連結子会社6社により構成されており、ソフトウェア開発事業及びシステム販売事業を営んでおります。

(1)ソフトウェア開発事業

①ビジネスソリューション事業

イ.業務システム開発事業

 業務システム開発事業は、金融業、医薬業、通信業、流通業、運輸業、製造業、公共等の幅広い各分野において、エンドユーザーや情報システム子会社からの受託開発を中心に行っております。その他、大手SIベンダーからの受託開発も行っております。具体的には各分野で培った技術により、Web系や基幹系、フロント業務からバックオフィス業務、新規システム開発や保守開発を行い、各分野の大手企業との信頼関係を築き上げ、安定した受注を確保しております。

ロ.運用サポート事業

 運用サポート事業は、顧客の業務システムの運用をサポートする事業であり、顧客の社内ユーザーからの問い合わせに対応するサポートデスク業務、インフラ(サーバ、ネットワーク等)の構築・維持管理運用を行っております。大手顧客の事業ドメインに沿った形での継続的なビジネスであるため、安定した収益を見込むことができております。

②エンベデッドソリューション事業

イ.組込みシステム開発事業

 組込みシステム開発事業は、車載機器、モバイル機器、情報家電機器及び通信機器のソフトウェア開発を行っております。この内、車載機器、モバイル機器、情報家電機器においては機器のファームウェア、デバイス機器の制御、アプリケーション等、システム全体にわたるソフトウェア受託開発を行っております。特に、今後成長が見込める車載関連のCASE(*)の中のConnected(通信機能)とAutonomous(自動運転)に注力しております。また、IoTによる家電機器等への新たなサービス提供にも注力しています。

(*)CASE:自動車産業の今後の動向を示す重要なキー

C(Connected:コネクテッド)、A(Autonomous:自動運転)、S(Shared&Services),

E(Electric:電気自動車)

ロ.組込みシステム検証事業

 組込みシステム検証事業は、製品に対する品質や性能の検証業務の受託及び検証業務を通じて機能や製品の改善について提案を行っております。

 専門的な機器を使用し動作や性能を検証するラボ試験や、国内・海外(北米、アジア、ヨーロッパ等)の実際の環境で検証するフィールド試験から、最終的な品質検証として第三者の観点で実施するシステム総合試験まで、様々な検証業務を行っております。

 海外で実施するフィールド試験については、必要に応じて子会社のDIT America,LLC.に委託する事により、迅速なサービス提供と現地スタッフの感性も踏まえたユーザビリティの検証を行っております。対象機器としては、車載機器、医療機器、通信機器、モバイル機器等であります。

③自社商品事業

イ.サイバーセキュリティ商品

 ウェブサイト改ざんの瞬間検知・瞬間復旧ソリューション「WebARGUS」、フィッシングメール対策ソリューション「APMG」を主製品としています。更に、外部サイバーセキュリティ企業との協業により、DITセキュリティのブランド名でトータルセキュリティサービスを提供しております。

ロ.業務効率化商品

 Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」は、Excel業務を自動化することで劇的に業務の効率化を可能にするとともに、各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を兼ね備えた商品など市場のニーズに応じたサービスを積極的に提供しております。

ハ.その他

 子会社の株式会社ジャングルが、法人向け商材のクラウドマイグレーションツール「Data Migration Box」、データ消去ソフト「DiskDeleter」等及び個人向け商材「筆ぐるめ」等を販売しております。

 

(2)システム販売事業

 システム販売事業は主として、当社及び子会社のDITマーケティングサービス株式会社が中小企業向け経営支援基幹システム「楽一」の販売を行っております。

 

事業の系統図は次のとおりです。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当期の経営成績の概況

 当連結会計年度(2023年7月1日~2024年6月30日)における経営環境は、足踏みもみられましたが、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、円安、資源高等に起因する原材料価格およびエネルギー価格の上昇による物価高もあり、個人消費動向や企業収益における不確実性も高く、引き続き先行きが不透明な状況となりました。

 

 当社が属する情報サービス産業においては、堅調なソフトウエア投資が続いており、2024年7月1日に公表された日銀短観(6月調査)による2024年度ソフトウエア投資計画(全産業・全規模合計)は、2023年度と比較し、14.0%増と引き続き拡大傾向を示しました。

 

 当社グループにとりましても、DXの実現を加速するAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、既存システムのクラウドシステムへの移行、システム開発のスピードアップを実現するローコード開発等の進展により、ビジネス参入機会の増加と事業領域の拡大に繋がりました。

 また、企業のデータを暗号化し、復旧のために身代金を要求して業務に支障をきたすランサムウェア被害が顕著に拡大したことにより「サイバーセキュリティの対策強化」の要望が高まったこと及び物価の高騰に伴う人件費の上昇による「業務効率化」のニーズが更に増加したことから、これらの課題に対して有効なソリューションを提供する当社グループにとって追い風となりました。

 

■2024年6月期業績概要

 当連結会計年度の売上・利益は、ともに旺盛な需要に対応し、過去最高の業績となりました。

 特に利益については、前期に発生した不採算案件収束のための引継ぎを行った第1四半期は前期比で減益でしたが、不採算案件の収束作業が完了した第2四半期からは増益基調に転じ、当連結会計年度において、過去最高となりました。一方、昇給等の社員処遇改善に伴う費用及び事業規模拡大に伴う費用(関東地区・関西地区・愛媛事業所での増床費用、函館事業所の開設費用、M&A2社に伴う支払手数料)が期初想定以上に増加し、利益は期初想定内に留まりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高19,888,244千円(前期比9.6%増)、営業利益2,424,916千円(同18.9%増)、経常利益2,409,421千円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,686,924千円(同16.5%増)となり、14期連続の増収増益を達成しました。

 

 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 なお、以下の事業別売上高、セグメント利益(営業利益)は、セグメント間の内部取引相殺前の数値であります。

 

①ソフトウエア開発事業

 ビジネスソリューション事業分野(業務システム開発、運用サポート)は、前年度の不採算案件の損失処理の反動から、売上・利益ともに大幅に前年を上回りました。

 業務システム開発では、上期は不採算案件の収束作業後に技術者のローテーションに時間を要したこととERP案件が受注サイクルの谷間にあたり待機工数が発生したことから低調でしたが、下期は旺盛な需要に対応できる体制を整えることができ、好調に推移しました。また、事業ポートフォリオの見直しにより、金融案件への回帰戦略が成果を示し、公共、通信の案件及びローコード開発案件が増加しました。

 運用サポートでは、事業領域の拡張と前期グループ入りしたシンプリズム社の増収により、前年の最高業績を更に上回ることができました。

 

 エンベデッドソリューション事業分野(組込みシステム開発、組込みシステム検証)は、車載関連への戦略的シフトを一層強化し、売上・利益を順調に伸ばすことができました。

 組込みシステム開発では、半導体系が前年並みに留まりましたが、車載系の研究開発、家電系のIoT関連が想定以上に伸長しました。また、受注の期ズレが発生していた車載系の量産開発が第3四半期からスタートし、業績に貢献しました。その結果、売上・利益ともに前年を順調に上回りました。

 組込みシステム検証においては、車載系の検証業務が伸び、売上・利益ともに前年を着実に上回りました。

 

 自社商品等販売事業分野は、自社商品のライセンスの積上げによる売上増及び電子契約サービス関連のライセンス売上及び周辺開発の売上増及び本年2月にM&Aにより当社グループに加入した株式会社ジャングルの連結により、売上・利益ともに順調に伸ばすことができました。

 サイバーセキュリティビジネスについては、WebARGUS(*1)の既存顧客のスケールアップによりライセンス売上が着実に増加し、売上・利益ともに前年を上回りました。また、脆弱性診断専門会社などと協業するなど、WebARGUSを核としたトータルセキュリティサービス(DIT Security)の拡販を進めるとともに、情報セキュリティで最大の脅威となっているランサムウェア攻撃等から重要データを確実に保護するセキュリティ製品「WebARGUS(ウェブアルゴス) for Ransomware(ランサムウェア)」について顧客となるターゲットを絞り込んだ営業を進めました。

 業務効率化ビジネスについては、xoBlos(*2)の既存顧客の他部署への横展開を推進するとともに前期から積み上げていたリード顧客の案件の取り込みに努め、売上・利益ともに前年を上回りました。

 コロナ禍のニューノーマルな社会でニーズが拡大した電子契約のアウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」(ディ・ディ・コネクト)は、導入期から成長期に移行し、売上が増加し、利益に寄与し始めました。

 また、当社グループに加入した株式会社ジャングルの業績を第4四半期から反映いたしました。ジャングルは、市場ニーズの高い以下の製品を開拓して販売しております。

・「Data Migration Box」は、法人向けの商材として、オンプレミスからクラウド、クラウドから他のクラウドへの高速データ移行ツールで、ジャングルが独占販売権を所持しております。

・「DiskDeleter」は、USBメモリ型のデータ消去ソフトで、ジャングルが著作権を所持しており、導入実績は10,000社超になります。

・「PDF –Xchange Editor」は、個人向けの商材として、PDFファイルを自由に編集できる多機能型PDF統合ソフトで、ジャングルがGOLD Resellerとして販売しています。

・「筆ぐるめ」は、富士ソフト株式会社が開発・販売する年賀状やハガキ作成ソフトで、購入は 全国の量販店やジャングルの運営する「筆ぐるめ公式ストア」からとなっています。

 

 これらの結果、ソフトウェア開発事業の売上高は19,159,465千円(前期比9.7%増)、セグメント利益は2,366,443千円(同21.1%増)となりました。

 

(*1)Webセキュリティソリューション「WebARGUS:ウェブアルゴス」は、ウェブサイ卜等の改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる新しい方式のセキュリティソリューションです。改ざんの瞬間検知・瞬間復旧により、悪質な未知のサイバー攻撃の被害から企業のウェブサイト等を守ると同時に、改ざんされたサイトを通じたウイルス感染などの被害拡大を防ぎます。

(*2)Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos:ゾブロス」は、Excelベースの非効率な業務を自動化します。これにより短期間で劇的に業務を効率化することができます。(Excel®は、米国Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。)

 

②システム販売事業

 カシオ計算機株式会社製中小企業向け業務・経営支援システム「楽一」を主力とする販売ビジネスについては、2024年1月から義務化された「電子帳簿保存法改正に伴う電子データ取引データ保管」に向けた営業を強化するとともに、インボイス制度導入の駆け込み需要により第2四半期までに売上高は大幅に増加しました。しかしながら、第3四半期に入り法令改正対応が一服し、法令改正対応後の新規顧客開拓のための営業要員の増員等で費用が増加したことから、利益は減少することとなりました。

 

 これらの結果、システム販売事業の売上高は741,295千円(前期比4.6%増)、セグメント利益は58,472千円(同31.2%減)となりました。

 

(2)当期の財政状態の概況

当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。

①流動資産

前連結会計年度末に比べ1,158,193千円増加し、8,536,443千円となりました。これは、主に現金及び預金が430,683千円、受取手形及び売掛金が650,051千円並びに商品が18,656千円それぞれ増加し、契約資産が23,581千円減少したことによるものです。

②固定資産

前連結会計年度末に比べ882,469千円増加し、1,680,844千円となりました。これは、主に投資有価証券が40,507千円、のれんが651,580千円、敷金及び保証金が37,291千円、繰延税金資産が39,518千円それぞれ増加したことによるものです。

③流動負債

前連結会計年度末に比べ693,708千円増加し、2,673,950千円となりました。これは、主に買掛金が118,116千円、未払金が68,029千円、未払消費税等が144,347千円それぞれ増加し、受注損失引当金が14,708千円減少したことによるものです。

④固定負債

前連結会計年度末に比べ295,016千円増加し、485,026千円となりました。これは、主に長期借入金が179,580千円、株式給付引当金が33,072千円、その他が55,348千円それぞれ増加したことによるものです。

⑤純資産

前連結会計年度末に比べ1,051,938千円増加し、7,058,310千円となりました。これは、主に利益剰余金が1,041,025千円、自己株式が137,108千円それぞれ増加したことによるものです。

 

(3)当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ332,016千円増加し、4,506,944千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。

 

 ①営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(2,409,421千円)、売上債権及び契約資産の増加による支出(475,397千円)、未払金及び未払費用の増加による収入(147,717千円)、その他の負債の増加による収入(177,653千円)、法人税等の支払額による支出(686,229千円)などにより1,741,683千円の収入(前連結会計年度は1,427,316千円の収入)となりました。

 

 ②投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(521,483千円)、敷金及び保証金の回収による収入(16,536千円)、敷金及び保証金の差入による支出(61,659千円)などにより595,613千円の支出(前連結会計年度は66,838千円の支出)となりました。

 

 ③財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額による支出(618,319千円)、自己株式の取得による支出(137,108千円)などにより804,712千円の支出(前連結会計年度は1,031,358千円の支出)となりました。

 

(4)生産、受注及び販売の実額

 ①生産実績

 当社グループの事業には生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。

 

  ②受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発事業

20,187,467

116.8

4,781,629

126.6

システム販売事業

710,943

99.0

88,371

83.2

合計

20,898,410

116.1

4,870,000

125.4

 

  ③販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発事業(千円)

19,159,465

109.7

システム販売事業(千円)

728,778

105.8

合計(千円)

19,888,244

109.6

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析]

 

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うに当たり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

(2)経営成績の分析

①売上高、売上原価(売上総利益)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,738,683千円増加し、19,888,244千円となりました。また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ626,097千円増加し、4,945,033千円となりました。

これは主に以下の理由によるものです。

イ.ビジネスソリューション事業(業務システム開発)

上期は不採算案件の収束や技術者のローテーションに時間がかかったこと、さらにERP案件が受注サイクルの谷間にあったことから低調でしたが、下期は需要に対応する体制が整い、事業ポートフォリオの見直しによる金融案件の回帰、公共、通信、ローコード開発案件の増加もあって好調に推移しました。

ロ.ビジネスソリューション事業(運用サポート事業)

事業領域の拡張と前期グループ入りしたシンプリズム社の増収により、前年の最高業績を更に上回ることができました。

ハ.エンベデッドソリューション事業(組込みシステム開発)

半導体系は前年並みでしたが、車載系の研究開発や家電系のIoT関連が想定以上に伸び、遅延していた車載系の量産開発も第3四半期から開始されたことにより、売上と利益は前年を順調に上回りました。

ニ.エンベデッドソリューション事業(組込みシステム検証)

車載系の検証業務が伸び、売上・利益ともに前年を着実に上回りました。

ホ.自社商品事業

自社商品のライセンス増加や電子契約サービス関連のライセンス売上、周辺開発の売上増加、さらに2月にM&Aで当社グループに加わった株式会社ジャングルの連結により、売上と利益ともに順調に伸びました。

ヘ.システム販売事業

2024年1月から義務化された電子帳簿保存法改正に伴う営業強化とインボイス制度の駆け込み需要で、第2四半期まで売上高は大幅に増加しました。しかし、第3四半期には法令改正対応が落ち着き、営業要員の増員などで費用が増加したため、利益は減少しました。

 

②販売費及び一般管理費(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ240,913千円増加し、2,520,117千円となりました。これは主に、人材の採用に伴う人件費、研修費、採用関連費の増加とM&A2社に係る支払手数料等によるものです。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ385,183千円増加し、2,424,916千円となりました。

 

③営業外損益(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は受取利息及び配当金、助成金収入等の計上により23,699千円となり、営業外費用は支払手数料、事務所移転費用等の計上により39,194千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は2,409,421千円となりました。

 

④特別損益(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度において、特別損益はなく、税金等調整前当期純利益は2,409,421千円となりました。

 

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を併せ722,497千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ239,219千円増加し、1,686,924千円となりました。

 

(3)財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)当期の財政状態の概況に記載のとおりであります。

なお、利益剰余金の増加により純資産額は増加しましたが、従業員向けのインセンティブプラン『株式給付信託(J-ESOP)』に伴い、将来の支出に備えて株式給付引当金を計上したことや、M&Aによる子会社の買収が影響し、自己資本比率は68.1%まで低下しました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](3)当期のキャッシュ・フローの概況に記載のとおりであります。

なお、当社は営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、運転資金は基本的には手元資金でまかなえると考えおります。

また、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、事業所の増床等による敷金及び保証金の差入による支出、株式会社ジャングル、システム・プロダクト株式会社をM&Aしたことによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等がありました。

財務活動によるキャッシュ・フローの主なものは、自己株式の取得による支出、配当金の支払額で配当性向40%以上(来期より50%以上)を目標としております。

当座借越契約及び当期に契約したリボルビング・クレジット・ファシリティ契約により、急な運転資金増加にも対応できると考えておりますが、M&A、大幅な人員の増加、設備投資等が必要になった際には、改めて借入実行等を適宜判断してまいります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年6月期

2021年6月期

2022年6月期

2023年6月期

2024年6月期

自己資本比率(%)

68.2

70.9

72.3

73.5

68.1

時価ベースの

自己資本比率(%)

403.9

465.4

271.2

293.6

272.4

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.0

0.0

0.0

0.0

0.1

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

1,627.6

3,081.9

3,124.9

2,322.0

1300.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 

(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の発展を通じて企業価値の継続的向上を目指しており、売上高成長率、営業利益率、経常利益率、1株当たりの当期純利益およびROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置付け、その向上及び高水準での維持に努めてまいります。

2024年6月期につきましては、売上高は当初計画を上回りましたが、利益については、M&A2社に伴う支払手数料等から計画を下回りました。また、ROE(自己資本利益率)については、20%を大きく超過して達成することが出来ました。

 

指標(2024年6月期)

当初計画

実績

当初計画比

売上高

 

19,500百万円

19,888百万円

388百万円増(2.0%増)

営業利益

営業利益率

2,500百万円

12.8%

2,424百万円

12.2%

75百万円減(3.0%減)

0.6ポイント減

経常利益

経常利益率

2,500百万円

12.8%

2,409百万円

12.1%

90百万円減(3.6%減)

0.7ポイント減

1株当たり当期純利益

 

116.00円

112.83円

3.17円減(0.3%減)

ROE(自己資本利益率)

 

20%以上

26.0%

6.0%増

 

(6)経営戦略の現状と見通し

当社の経営戦略につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、「5つの事業戦略」に基づいており、引き続き、「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸の事業推進により経営の安定と成長に力を入れてまいります。

なお、当社は2024年8月9日に新中期経営計画(2024年度~2026年度)を発表しました。

新中期経営計画では、当社の企業理念と存在意義の結びつきをPurposeとして『「進化」を続けるデジタル社会(変化)をITの力(対応力)で支え、人々の生活を豊かに。』と表現し、全社一丸となって成長していくことを掲げました。

 

 

また、引き続き、2030年ビジョンとして「信頼され、選ばれるDITブランド」の構築を掲げると共に「チャレンジ500」と銘打ち2030年6月期に向け売上高500億円に挑戦する経営目標を設定いたしました。

 

 

この2030年ビジョンの実現ステップとして、2022年6月期から2024年6月期を、次の成長を可能とする会社作り、仕組み作りを推進することにより事業力を蓄える「事業構造改革の推進」の期間としてきました、2025年6月期から2027年6月期までの期間では、事業構造改革の推進時に新たに認識された課題に対応すると共に、Purpose経営を推進し、事業スタイルを確立させ、事業全般を成長軌道に乗せる「成長軌道の実現」の期間とし、また、2028年6月期から2030年6月期の期間を、Purposeを定着させ、全てのステークホルダーから信頼され、選ばれる「DITブランドの確立」の期間としています。

 

 

2025年6月期は、「成長軌道の実現」の期間の初年度として上記取組みを推進してまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 従いまして、当社を中心とする「ソフトウェア開発事業」と子会社であるDITマーケティングサービス株式会社を中心とする「システム販売事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

各セグメントに属するサービスの内容は以下のとおりであります。

事業区分

属するサービスの内容

ソフトウェア開発事業

ビジネスソリューション事業(業務システム開発事業、運用サポート事業)、エンベデッドソリューション事業(組込み開発事業、組込み検証事業)、自社商品等販売事業

システム販売事業

経営支援基幹システム 楽一等の販売事業

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」と同一です。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。

セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結財務諸表計上額(注)2

 

ソフトウェア開発事業

システム販売

事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

17,460,563

688,997

18,149,560

18,149,560

セグメント間の内部売上高又は振替高

12,435

19,779

32,214

△32,214

17,472,998

708,777

18,181,775

△32,214

18,149,560

セグメント利益

1,954,780

84,947

2,039,727

5

2,039,732

セグメント資産

7,650,796

531,260

8,182,057

△5,432

8,176,624

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

32,770

1,934

34,704

△5

34,699

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

25,845

25,845

25,845

 (注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額5千円は、主にセグメント間取引消去であります。

    (2)セグメント資産の調整額△5,432千円は、主にセグメント間取引消去であります。

    (3)減価償却費の調整額は、セグメント間の未実現損益であります。

    2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結財務諸表計上額(注)2

 

ソフトウェア開発事業

システム販売

事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

19,159,465

728,778

19,888,244

19,888,244

セグメント間の内部売上高又は振替高

12,517

12,517

△12,517

19,159,465

741,295

19,900,761

△12,517

19,888,244

セグメント利益

2,366,443

58,472

2,424,916

2,424,916

セグメント資産

9,611,133

615,256

10,226,390

△9,102

10,217,287

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

58,284

5,224

63,509

63,509

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

816,955

19,270

836,225

836,225

 (注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント資産の調整額△9,102千円は、主にセグメント間取引消去であります。

    (2)減価償却費の調整額は、セグメント間の未実現損益であります。

    2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

ソフトウェア開発事業

システム販売

事業

全社・消去

合計

当期償却額

39,776

39,776

当期末残高

159,105

159,105

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

ソフトウェア開発事業

システム販売

事業

全社・消去

合計

当期償却額

59,272

59,272

当期末残高

810,685

810,685

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 該当事項はありません。