事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 2,808 | 100.0 | 176 | 100.0 | 6.3 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の子会社)は、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」というミッションの実現に向け、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」というビジョンを掲げ、不動産業並びに不動産市場におけるさまざまな課題を解決するシステム・アプリケーションを企画・開発し、継続課金モデル・サブスクリプションで料金をお支払いいただくクラウド・SaaS(Software as a Service)として提供することで、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業を展開しております。
(事業系統図)
クラウドソリューション事業の系統図は以下のとおりです。
(1)クラウドソリューション事業の構成区分
① サブスクリプションサービス
不動産市場に必要とされる業務支援システム・アプリケーションをクラウド・SaaSで提供するサービスであり、当社グループの主力サービスであります。当該サービスは、ソフトウェアをユーザーにパッケージとして納品するのではなく、インターネットを通じてアプリケーションを提供するクラウド・SaaSの提供形式をとっており、主要な顧客である不動産企業からは主にサービスの月額利用料(サブスクリプション)の形で対価を得ております。
上記のようなビジネスモデルにより、顧客にとっては次のようなメリットがあります。
・業務支援システムの導入/維持/管理等に係るコスト削減
・オンラインで提供されるアップデートプログラムによりシステムが常時進化
・法令改正等への対応にはスピーディにアップデートプログラムが提供されリスク低減
・自社でハードウェア設備等を保有する必要がなく、初期投資が僅少
・インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティが確保され、リモートワーク等に最適
サブスクリプションサービスにおける主なサービスのラインアップは下記のとおりです。なおBPaaS(Business Process as a Service)について、当社SaaSの導入後、継続的な運用支援の契約に基づき発生する売上高についてはサブスクリプションに含んでおります。
カテゴリ |
顧客ニーズ |
当社のソリューション |
サービス名称 |
物件管理・ |
入居者・物件オーナーとの精算・決済の電子化 |
スマートフォンアプリによる電子決済・口座振替 |
いい生活Pay |
入居者・物件オーナー |
スマートフォンアプリによるチャット・コミュニケーション |
いい生活Home |
|
不動産物件データ・ |
賃貸管理・ |
いい生活賃貸管理クラウド |
|
業者間(BtoB) |
入居申込の電子化 |
スマートフォンアプリでの |
いい生活Square |
企業間取引対応 |
不動産会社間の |
いい生活Square |
|
デジタルデータ |
自社ホームページ構築・ |
インターネットでの |
いい生活ウェブサイト |
入居者向けの付帯 |
電力・ガス等各種 |
いい生活Square(付帯取次) |
|
データマルチユース |
各種不動産ポータル |
いい生活賃貸クラウド 物件広告 |
|
入居者募集・ |
重要事項説明のIT化 |
WEB接客・IT重説対応 |
ビデオトーク |
不動産物件データ・ |
営業支援機能 |
いい生活賃貸クラウド 営業支援 いい生活売買クラウド 営業支援 |
② ソリューションサービス
「ソリューションサービス」の区分には、主に次のようなサービスが含まれます。
・当社SaaSの初期設定
・システム・アプリケーションの受託開発
・他社サービスの販売代理・取次
「当社SaaSの初期設定」につきまして、これは当社SaaSを新規に導入した顧客に対して、当該顧客用のログイン可能な環境を設定し、顧客が利用を開始した初月に課金されるスポットの利用料金であります。
「システム・アプリケーションの受託開発」につきまして、これはいわゆる一般的なソフトウェアの受託開発ではなく、当社のクラウド上での提供を前提としたものであり、顧客側の他のシステムとの連携機能等、当社SaaSをより効果的にご活用いただくための付加的サービスとして提供しております。
「他社サービスの販売代理・取次」は、主に他社SaaSの販売手数料・紹介手数料等であります。電子契約ソリューション等の業界特化型でないBtoBクラウド・SaaSベンダーが主たる提携の相手先であり、顧客にとっては当社の不動産市場特化型SaaSとの併用が効果的であります。そのためこれら提携先の提供するサービス群についても多くの商談機会が継続的に発生しており、販売手数料・紹介手数料等が当社グループの収益に安定的に寄与しております。
以上のとおり、「ソリューションサービス」に区分される各サービスにつきましては、当社グループの収益の柱である不動産市場特化型SaaSのラインアップを補完するとともに、より幅広い顧客ニーズに応えていくためのサービス群であります。
主力である当社SaaSについて引き続き機能開発・ラインアップ拡充を進め、より幅広い顧客に対して課題解決を訴求していく一方で、ソリューションサービスに区分される各サービスにつきましても、引き続き旺盛な市場の需要が存在しております。従いまして、今後も当該サービス群は当社の収益に安定的に寄与していくと考えております。なおBPaaS(Business Process as a Service)について、当社SaaSの導入時にスポットで発生する売上高はソリューションに含んでおります。
<補足:BPaaS(Business Process as a Service)について>
「BPaaS」につきまして、これは当社SaaSを導入した顧客に対して、SaaSの導入および運用を支援する各種のサービスを付加的に提供し、その導入効果を最大化するためのサービスであります。このBPaaSは顧客が当社SaaSを利用していることを前提としており、主に連結子会社である株式会社リアルテック・コンサルティングが、当該顧客にBPO(Business Process Outsourcing)やBPR(Business Process Re-engineering)等のサービスを提供しております。
株式会社リアルテック・コンサルティングに所属する、当社SaaSに精通したコンサルタント/オペレーターが、導入時のスムーズなデータ移行支援、稼働後のSaaSを活用した業務支援、関連したRPA/ローコードツール等の導入支援など、SaaSの付加価値を最大限に引き出す伴走型支援サービスを提供しています。
BPaaSは当社SaaSの利用を前提としていることから、クラウドを経由した時間/場所にとらわれないサービス提供、標準化されたオペレーションによる効率化、多くのユーザーの検証を経たベストプラクティスのノウハウ吸収など、単なるコンサルティング/オペレーション等の業務支援にとどまらない、高付加価値なサービス提供が可能になります。
こちらもコアとなるSaaSのユーザー数の増加に伴って、当社グループの第2の柱となる事業として引き続き旺盛なニーズが続いていくものと考えております。
(2)サービスの主な特徴
① 不動産市場に特化-市場特化型SaaSの提供
当社グループのサービスは不動産市場を主なターゲットとしており、不動産業務や業界に特有なデータ特性等の業務知識をノウハウとして蓄積し、参入障壁の高い市場特化型クラウドソリューション(バーティカルSaaS)を志向しております。開発・セールススタッフ共に不動産業界の業務ノウハウに精通することで、顧客企業と密接かつ継続的な関係を構築・維持し、受注率及び継続率の向上を図っております。また、経営資源を集中投下することで市場における知名度の確立及び競争力の維持・向上を目指しております。
当社グループが不動産市場に特化する主な理由は、以下のとおりであります。
・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい
・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、多額の投資を必要としない「使う」システムが最適
・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性
・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い
・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠
・インターネットを通じた自動機能アップデートにより、規制や法改正等への対応が容易
SaaSモデルは、これらの特性を持つ不動産市場にとって最適といえる仕組みであります。
② SaaSの安定性・堅牢性・可用性を支える優れたシステム基盤
当社グループは、企業ユーザー向けの保証・サポートのあるハードウェア・ソフトウェア製品を採用し、安定性・堅牢性・可用性の高いシステム基盤上でサービスを提供しております。顧客企業は、一社のみで実現するには高コストとなる優れたシステム基盤・プラットフォームを、SaaSの形態で共同で利用することができるため、自社保有の場合と比較して以下のような点でメリットがあります。
・短期間でのシステム導入
・導入に係る初期費用及び保守・運用の月次費用の低コスト化
・面倒なシステムメンテナンスから開放され、顧客本来のビジネスに集中できる
・自社で本当に必要とする機能のみを組み合わせて利用することが可能
・システムの導入・利用に柔軟性が持てるため、低コストで成果をあげることが期待できる
・大切なデータをクラウド上で保管することでBCP(事業継続計画)としても最適
一方、当社グループにとってもクラウド上で顧客企業向けシステム・アプリケーションを運用することで、継続的なシステム利用料収入が見込め、開発完了・納品で途切れることのない顧客との関係構築が容易になり、機能拡張や新機能の追加等、新たな顧客ニーズを掴むことが可能になります。
③ 不動産業務を網羅する、フルラインアップのサービスポートフォリオ
当社グループの提供するSaaSは、「物件探し~契約~入居~退去」という一般的な住まい探しのプロセスにおいて、あらゆる場面でシームレスに利用されるサービスとなることを目指しております。
・賃貸物件の管理/付加価値向上(PM:プロパティ・マネジメント)
・不動産管理会社/賃貸仲介会社/家賃債務保証会社等、関連事業者間の物件情報/顧客情報の流通
・入居申し込み受付の電子化
・インターネットを活用したマーケティング(不動産ポータルへの広告掲載・自社ウェブサイト運営、等)
・入居者募集/営業活動(CRM:カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
・入居者/オーナーとのコミュニケーション(設備修繕・災害対応・保険対応・退去精算、等)
以上のとおり不動産業における業務領域は多岐にわたりますが、当社グループは全領域を網羅した統合型不動産業務支援SaaSを提供する唯一のベンダーとして、各業務領域で活用される物件情報データ・顧客情報データの「一元的管理」をその付加価値の源泉とし、業務のプロセスを全体として最適化しシームレスに統合するソリューションの提供を指向し、事業展開しております。
当社グループは、業務支援SaaSを媒介として、住まいとくらしにまつわるあらゆるデータが行き交うプラットフォームとなり、さらには、豊富なデータに基づき、多彩な取引・トランザクションが活発に展開されるマーケットプレイスとなることを目指してまいります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
連結業績概要 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年同期 |
|
(千円) |
(千円) |
差額 (千円) |
増減率 (%) |
|
売上高 |
2,696,814 |
2,808,027 |
111,212 |
4.1 |
EBITDA(営業利益+減価償却費) |
682,822 |
658,755 |
△24,067 |
△3.5 |
営業利益 |
234,567 |
176,223 |
△58,343 |
△24.9 |
経常利益 |
236,432 |
208,984 |
△27,447 |
△11.6 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
158,150 |
146,131 |
△12,018 |
△7.6 |
当社グループは、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」というミッションの実現に向け、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」というビジョンを掲げ、不動産業並びに不動産市場における様々な課題を解決するシステム・アプリケーションを企画・開発し、継続課金モデル・サブスクリプションで料金をお支払いいただくクラウド・SaaSとして提供することで、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業を展開しております。
当社がフォーカスする不動産業ならびに不動産市場においては、引き続き業務効率化と、より良い顧客サービスの提供を企図したDXの推進は大きな関心事項となっており、業務全般のシステム化と賃貸住宅管理業法への対応の中でSaaSが選好される流れは継続していると見ております。
当連結会計年度においては、エンタープライズ企業への当社SaaSの新規導入や、既存顧客へのアップセル/クロスセル等により、SaaSの月額利用料について平均顧客単価は引き続き上昇の傾向が継続し、SaaSの月額利用料収入を中心とするサブスクリプション売上は前年同期比7.6%増の2,435,104千円となりました。
ソリューション売上については、主に不動産賃貸管理業を中核とする比較的規模の大きなエンタープライズ企業への当社SaaSの導入に向け注力してきたことに伴い、ソリューション売上を構成する拡張開発・導入支援プロジェクトについて、顧客規模の大型化並びに案件規模の大型化、要件の複雑化、期間の長期化傾向がみられました。いくつかの進行中のプロジェクトについては部分的に納品・売上計上に至っているものの、当初見込みより遅れており、次年度以降に納品・計上がずれ込む案件が発生しております。そのためソリューション売上については前年同期比で13.8%減の372,922千円となりました。
以上の結果、売上高は2,808,027千円(前年同期比4.1%増)と、前年同期より111,212千円の増収となりました。
また、サブスクリプションの顧客数は当連結会計年度末時点で1,505法人(前年同月1,490法人)となり、平均月額単価(※1)については、3月実績約140,100円/法人(前年同月133,200円/法人)となりました。
(※1)「当月のサブスクリプション売上高」を「当月のサブスクリプション顧客数」で除した数字で、100円未満を切り捨てております。
(※2)SaaS導入後の運用支援契約に基づく経常的な売上高につきまして、2024年3月期から「ソリューション売上」ではなく「サブスクリプション売上」の区分として表示しております。それに伴い、過年度の平均月額単価に関しましても、同方針に基づいて再算出した数値を表示しております。
なお、売上高の内訳については下記のとおりであります。
品目詳細 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年同期 |
|||
売上高(千円) |
構成割合(%) |
売上高(千円) |
構成割合(%) |
差額(千円) |
増減率(%) |
|
サブスクリプション(注)1 |
2,264,103 |
84.0 |
2,435,104 |
86.7 |
171,001 |
7.6 |
ソリューション(注)2 |
432,711 |
16.0 |
372,922 |
13.3 |
△59,788 |
△13.8 |
合計 |
2,696,814 |
100.0 |
2,808,027 |
100.0 |
111,212 |
4.1 |
(注)1. サブスクリプション:SaaSの月額利用料収入など、解約の申し出がない限り毎月継続的に発生する収益であり、当社のMRR(Monthly Recurring Revenue、月間経常収益)であります。
2. ソリューション :SaaSの初期設定、システム導入・運用支援、システムの受託開発、他社サービスの代理店販売・紹介料など、その他のサービスに係る収益であります。
3.SaaS導入後の運用支援契約に基づく経常的な売上高につきまして、2024年3月期から「ソリューション売上」ではなく「サブスクリプション売上」の区分として表示しております。それに伴い、過年度の売上高に関しましても、同方針に基づいて組み替えた数値を表示しております。
当社SaaSを運用するサービスインフラ基盤であるIaaS(Infrastructure as a Service)を提供するベンダーとは米ドル建てでの取引を行っており、昨今の円安の影響でその利用料等が増加いたしました。また、新卒採用を中心とした人的資本投資の拡大、ならびに導入支援プロジェクトの大型化に伴う協力会社への外注費の増加等により、売上原価は1,206,534千円(前年同期比10.0%増)となりました。
新卒を中心とした積極的な採用によるマーケティング・セールス・サポート体制の拡充により、人的資本への投資を進めた結果、販売活動にかかる人件費および求人関連費等が増加いたしました。その結果、販売費及び一般管理費は1,425,268千円(前年同期比4.4%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるEBITDAは658,755千円(前年同期比3.5%減)と前年同期より24,067千円の減益、営業利益は176,223千円(前年同期比24.9%減)と前年同期より58,343千円の減益となりました。
なお先述した米ドル建てでの取引に係る為替リスクの低減手段として為替予約を行っており、昨今の円安の影響で当該為替予約に係る為替差益が営業外収益として発生いたしました。その結果、経常利益は208,984千円(前年同期比11.6%減)と前年同期より27,447千円の減益となりました。
なお、当社グループの開示上の報告セグメントは「クラウドソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び客観的な指標の達成、進捗状況について
当社グループの経営成績は、様々な要因から影響を受けております。中でも経営成績に特に重要な影響を与える要因は、「顧客数」及び「平均月額単価」であります。「顧客数」及び「平均月額単価」が計画どおりに達成できない場合や新サービスの開始時期等が計画通りに進捗しなかった場合は、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「3.事業等のリスク」に記載している事項も、経営成績に影響を与えるものとして考えられると見ております。
また、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している中長期的な経営目標である指標としての「顧客数:5,000社」及び「顧客単価(月額):100,000円以上」の達成、進捗状況につきましては、前述の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての経営者の視点による分析・検討内容
①財政状態の分析
(ⅰ)資産
当連結会計年度末における資産合計は、2,540,599千円となり、前連結会計年度末から183,539千円の増加となりました。主な増加要因は、ソフトウエアの増加157,979千円、当社SaaSの拡張開発・導入支援について進行中のプロジェクトに係る仕掛品の増加47,304千円等であります。
(ⅱ)負債
当連結会計年度末における負債合計は593,879千円となり、前連結会計年度末から71,915千円の増加となりました。主な増加要因は、顧客から前払いで受領しているSaaS月額利用料の増加に伴う前受金の増加43,977千円、未払金の増加31,682千円等であります。
(ⅲ)純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は1,946,719千円となり、前連結会計年度末から111,624千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加146,131千円、及び配当金実施に伴う利益剰余金の減少34,507千円によるものであります。
②キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて67,600千円減少し、739,371千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、618,327千円の増加(前年同期635,758千円の増加)となりました。主な収入の要因は、減価償却費482,531千円及び税金等調整前当期純利益208,984千円等であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、656,485千円の減少(前年同期525,402千円の減少)となりました。主な支出の要因は、SaaSの新規開発・機能拡充等に係る無形固定資産の取得による支出637,556千円等であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、34,484千円の減少(前年同期34,481千円の減少)となりました。支出の要因は、配当金の支払額34,484千円であります。
(ⅳ)資本の財源、資金の流動性等その他キャッシュ・フロー関連分析
当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしましては、拡販サービスを始めとするクラウドサービスの開発に必要な資金であり、当該開発投資額につきましては原則として営業活動によるキャッシュ・フローから調達することを基本としており、これが資本の財源であります。
その他、資金の流動性等キャッシュ・フローに関連する指標は、次のとおりです。
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
自己資本比率(%) |
81.0 |
83.0 |
78.2 |
77.9 |
76.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
115.3 |
204.9 |
125.9 |
149.3 |
166.0 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.1 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
2,002.3 |
4,179.9 |
50,250.2 |
167,084.9 |
3,306,566.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)をベースに計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
(注)4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループのクラウドソリューション事業における、システム・アプリケーションの受託開発、当社クラウド・SaaS導入/運用の支援等につきましては、請負契約の形態をとっており、「生産」という概念には適合しないため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループのクラウドソリューション事業における、システム・アプリケーションの受託開発、当社クラウド・SaaS導入/運用の支援等につきましては、請負契約の形態をとっており、その受注実績は下記のとおりであります。
品目 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
システム・アプリケーションの受託開発、 当社クラウド・SaaS導入/運用の支援 等(千円) |
339,551 |
99.3 |
172,406 |
88.0 |
③ 販売実績
当連結会計年度のクラウドソリューション事業における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
サブスクリプション (千円) |
2,435,104 |
107.6 |
ソリューション (千円) |
372,922 |
86.2 |
合計(千円) |
2,808,027 |
104.1 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(注)2.SaaS導入後の運用支援契約に基づく経常的な売上高につきまして、2024年3月期から「ソリューション売上」ではなく「サブスクリプション売上」の区分として表示しております。それに伴い、前年同期比に関しましても、同方針に基づいて組み替えた数値を表示しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、当社は、主力であるクラウド・SaaSの提供にあたり、サービス提供用のシステムを開発しており、収益獲得効果が確実なものについて資産計上しておりますが、マーケット状況の急激な変化等によりその効果が実現しない可能性があります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
前連結会計年度(自2022年4月1日至2023年3月31日)及び当連結会計年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)
当社グループは、クラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。