2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    282名(単体) 374名(連結)
  • 平均年齢
    32.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    3.9年(単体)
  • 平均年収
    5,022,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

事業部門の名称

従業員数(名)

プロパティマネジメント事業及びその付随業務

374

〔42〕

(注)1.従業員数は、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の最近1年間の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

282

〔12〕

32.2

3.9

5,022

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の最近1年間の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。

 

(3) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異
 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)
(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)
(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1

全労働者

うち正規雇用
労働者

うちパート・有期
労働者

2.44

63.6

63.4

104.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 以下の文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ経営について

 当社グループのパーパスである「住む論理の追求」とは、社会課題と向き合い、持続可能な賃貸経営を追求することを意味しております。スクラップ&ビルドを繰り返すのではなく、オーナーの所有する既存の物件をリユースすることがサステナビリティの実現に寄与するものと考えております。また、その前提として気候変動が引き起こす自然災害を最小限の被害にとどまらせることもサステナビリティの実現に向けて重要となってきます。

 当社グループは、2020年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の最終報告書(TCFD提言)に賛同しました。また、2022年10月、代表取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、優先して取り組む重要課題(以下「マテリアリティ」という。)を特定しております。

 

当社グループのマテリアリティ

マテリアリティ

概要

主要な取り組み

関連するSDGs

リユースエコノミーの推進

持続可能な賃貸経営を実現することでリユースエコノミーを推進する

既存物件の借上げにより、不要な新築抑制。それによって、サステナビリティ実現、CO2排出の抑制に貢献

リニューアル、リフォーム、リノベーションにより入居者ニーズに合った住居を提供

人口動態

中高年齢層の人口・世帯増による、賃貸住宅におけるニーズの変化に合わせた住居の提供を行う

高齢者向け住宅のサブリースの事業を強化し、高齢化社会へ対応

ミドルエイジの単身世帯向けニーズに適した住環境の提供

外国人労働者への住まい提供、家具家電のレンタルサービスなど

AIを活用した借上賃料の査定などにより、人口動態や地価を適時に把握し反映させる体制を整備し対応

気候変動

リユースエコノミーの推進により脱炭素社会を目指すことに寄与する

既存物件の再生や、その後の持続可能な運用を行う「スーパーリユース」の促進

TCFDに対応した情報開示

保険事業では再保険を活用したリスクの分散や異常危険準備金の積み立てなど大規模損害に対し保険金の支払に備えた運用

地方創生

地方における課題を住環境の整備により解決を目指す

適正賃料でありながら、クリーンかつ快適な住居を提供することでテナントリテンションを高める

社会課題である労働人口の減少に対して、外国人就労者へ快適な住環境を提供

多様な人材の活躍

労働人口の減少によって引き起こされる社会課題を多様な個性をもった人財がその能力を発揮できる環境を提供し続けることで持続的な成長を目指す

女性人材が活躍できる体制の整備

人事制度の充実

各種資格取得支援、資格手当

安心・安全・快適な住宅の提供

既存の躯体を活かしながら、安心・安全・快適な住宅を提供する

借上げ時及び、定期的な建物診断を無償で実施

欠陥が見つかった場合は、オーナーに共有した上で必要に合わせた修復工事(防水工事、外壁工事、雨漏り工事等)を行う

ガバナンス

取締役会の実効性の向上や、株主や機関投資家や株主との積極的な対話の頻度を上げ、企業価値の向上を図ることで、すべてのステークホルダーの利益を循環的に拡大する

ガバナンス体制の強化

 

① ガバナンス

 当社グループではサステナビリティ経営を推進するにあたり、グループCEOである代表取締役社長執行役員が委員長として中心となり「サステナビリティ委員会」において環境課題について協議し対応方針を明確にしたうえで全社グループへ共有を図っております。協議された内容等については適宜取締役会にて報告を行っております。

 

② 戦略

 当社グループでは気候変動に伴う様々なリスクと機会について、その重要性に応じて短期・中期・長期に分類して特定しております。(表A)リスクと機会の特定においてはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表している2100年までの世界平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるための温室効果ガス排出量の削減目標とするシナリオと、現状の石油・石炭(資源)に依存した経済活動を継続し、気候変動に対して必要な施策や追加の対策が何も講じられない場合の4℃以上気温が上昇するシナリオをもとに、2050年度にネットゼロを目標としてScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指します。

 

 気候変動リスク・機会の特定と発現時期

気候関連

リスク・機会の種類

リスクの

発現時期

JPMCグループの

気候関連リスク・ 機会の概要

評価

リスク・機会への対応策

4℃

シナリオ

1.5℃(2度未満)

シナリオ

リスク

行リスク

政策規制

中・長期

気候変動規制への対応による事業コストの増加

カーボンプライシング、炭素税等の導入によるコストの増加

事業所や、当社関連物件における再生可能エネルギーの導入や創エネルギー設備の設置

技術・

市場

短~長期

再生可能エネルギーや脱炭素エネルギー等への対応による機器・設備の導入コストの増加

再生可能エネルギー(自然由来、バイオマス等)や省エネルギー、脱炭素エネルギー(水素等)の活用によるコストの増加

燃料代の高騰による営業活動に係る費用高騰

自社関連物件への設備の投資等、創エネルギーシステムの導入による再生可能エネルギーの自家消費 ・送電元の電力会社と、プランの見直し

情勢に合わせたハイブリッド車両から電気自動車への切り替え

評判

短・中期

環境課題に対する対応の遅れによるレピュテーションの低下

投資家からの環境情報開示要求への対応不備によるレピュテーションの低下

ステークホルダーからのレピュテーション低下による新規獲得件数の低下や、新規採用および従業員エンゲージメントへの悪影響

積極的な気候変動対策に対する進捗や目標の開示

物理リスク

急性

短・中期

気候変動に起因する自然災害による収益の減少

自然災害による被害に対する支払保険料の増加

当社所有物件への保険加入

慢性

中・長期

平均気温上昇に起因する熱中症等による死亡リスクの増加

高齢者向け住宅におけるZEH推進

断熱効果の高い断熱材や窓ガラスの採用

創エネルギーシステム・設備の導入

 

気候関連

リスク・機会の種類

リスクの

発現時期

JPMCグループの

気候関連リスク・ 機会の概要

評価

リスク・機会への対応策

4℃

シナリオ

1.5℃(2度未満)

シナリオ

機会

資源効率

短~長期

既存物件の借上げ促進による無駄な新築賃貸物件の建築抑制

間接的な温室効果ガス排出抑制

エネルギー源

短~長期

再生可能エネルギーの供給増によるコスト低下

創エネルギー機器の供給増によるコストの低下によるコスト低下

省エネ・熱効率の高いシステムの供給増

自社関連物件(特に高齢者向け住宅)において創エネルギーシステム・設備を用いることで、不慮の停電等に対応

熱効率の高い換気システムの導入

製品および

サービス、市場

中・長期

不要な新築を建てないことで既存物件のリユースを促進し、促進することで温室効果ガスの排出抑制に寄与

既存物件の再生需要の高まりによる、当社スーパーリユースのニーズの増加(※スーパーリユースとは、リニューアル・リフォーム・リノベーションにより既存物件の躯体を活かして再生し、快適な住居をリユースすること)

新築に拘らない世代の増加

高い空室率

リユース事業の需要が増加

リニューアル・リフォーム・リノベーション物件の入居率が上がる

 

③ リスク管理

 当社グループではリスクを全社的に管理することの重要性を認識しており、経営戦略と連動した、重大なリスクへ対応するための必要な措置を講じております。戦略的なリスクマネジメントを推進することで、結果としてリスク管理の強化につながり、グループの価値を高めることに寄与しているものと考えております。

 サステナビリティ委員会は、グループ全体のリスクとして認識されたマテリアリティについて、グループ全体の対応策を策定するとともに、リスクへの対応状況を適宜モニタリングしております。

 当社グループの気候関連のリスクと機会は、シナリオ分析により評価しています。気候変動に関するリスクは重大なリスクの一つと位置付けており、物理的リスク、法規制・市場等の移行リスクについて、公表されている報告書等をもとに影響度の評価を行っております。サステナビリティ委員会の検討・対応内容は、年に1回以上取締役会に報告しております。

 

④ 指標及び目標

2022年度を基準年としグループ全体で2030年度に50%削減、2050年度にカーボンゼロを目指します。

 

2022年度実績(基準年)

2023年度実績

2030年度目標

2050年度目標

排出量(tCO2)

排出量(tCO2)

2022年度比

Scope1

116.13

128.21

△50%(※)

ゼロ

Scope2

335.59

197.99

Scope3

4,826.35

6,503.34

 ※Scope1・2合わせた排出量の削減

 

 

(2) 人的資本に対する取り組み

① ガバナンス

 大きな有形の資産・設備を保有しない業態である当社にとって、最も重要な経営資源である人的資本を有効に活用し、かつ人材が長く安心して活躍できるようにすることは、経営にとって非常に重要な課題となります。当社は業務執行の審議・決定機関である執行役員会と、CxOをコアメンバーとして定期的に開催するプレジデント会議において、この課題を共有するとともに、施策の検討と決定を行っております。

 

② 戦略

 当社は「持続可能な賃貸経営を。」をスローガンとして、企業のパーパス(目的)である「住む論理の追求」、ミッションである「オーナー資産の最大化」を実現するべく経営努力を続けておりますが、その原動力は人材であることはいうまでもありません。人的資源が最大限のパフォーマンスを発揮していくためには、女性活用、外国人採用、キャリア採用といった狭義のダイバーシティに留まらず、多様な発想、能力をもった人材が集い、自社とステークホルダーの共生にむけて、活発な議論を交わす企業風土が必要不可欠となります。また、お互いを尊重し助け合うことで、活き活きと働ける組織を育むことが重要です。

 こうした考えをもとに、人材の育成及び社内環境整備に関する方針として、当社ではダイバーシティの推進、健康経営の推進、エンゲージメントの向上、マインドとスキルの向上をキーワードとして掲げ、人事戦略を遂行しています。

 ダイバーシティについては、労働人口の減少が続くと見込まれるなか、女性の活躍は企業の存続にとって不可欠であるという認識のもと、採用場面においても女性の採用を積極的に進めており、現在の当社の女性比率は47.4%となっております。施策としては、育児休業を挟んだ子育て世代の女性社員も多く活躍して頂けるよう、フレックスタイムやテレワークの活用、残業減少を狙いとしたIT環境の整備に取り組んでおります。加えて2024年度からは、女性社員が多く働く営業事務の職場においては、総合職への転換によるスーパーバイザーを任命していくことにより、女性管理職候補の育成を開始することも進めており、その延長線として女性管理職、女性役員の比率の向上に繋げていきたいと考えております。また、障害者雇用率は法定を上回る2.4%を達成しているほか、国内市場のみの事業展開でありながら、外国籍の社員も在籍しており、多様性に富んだ人材ポートフォリオを実現しています。

 健康経営に関しては、一定年齢以上の従業員に対しては、法の要請を超えた検診項目を提供する人間ドックの受診を可能にしているほか、カウンセラーの定期的な訪問によるカウンセリング機会の提供を行っており、心身の健康の維持・向上に向けた体制を整えております。加えて、広域営業体制をとっている当社にとって不可欠な自動車の運転については、安全性を確保するため、新入社員教育の中に運転講習を組み込むなどして、労働災害の防止にも配慮しております。こうした取り組みを通じて、2023年度においては、経済産業省による健康経営優良法人認定制度にて、「健康経営優良法人2023」に認定されております。

 エンゲージメント向上の面については、2023年度より、全社員に対して半年ごとにモチベーションサーベイを実施し、経営・事業・職場・上司という多角的な側面から現状のエンゲージメントスコアの把握を行うとともに、各側面に対する従業員の期待度と満足度のギャップ分析を綿密に行い、離職率減少に向けた経営課題の抽出と、対策案の検討を継続的に行っております。加えて、当社では「全社員の経営参加」を経営の三大基本方針のひとつとして掲げ、全員を対象として年俸の一部を株式報酬として支給することや、従業員持株会参加者に対しては、世間水準を大きく上回る50%の奨励金の拠出を行っており、自社の業績の向上に対する貢献と、従業員自身の資産価値との連動性を強調し、経営への参加意識の向上と、やり甲斐・働き甲斐の向上に繋げています。また、2024年度からは、間接部門の社員に対する目標管理制度の再構築により、評価の納得性の向上を図るとともに、目標へのチャレンジによる能力開発・人材育成や職場貢献意識を高める機会作りとしております。さらに、新入社員のエンゲージメント維持に向けてのメンター制度を導入することや、キャリア採用入社者のフォローの強化を図る取り組みを強化しております。このような多角的な取り組みを通じて、エンゲージメントスコアの向上に繋げていく所存です。

 マインドとスキルの向上に関しては、すでに制定されている「JPMCクレド」のさらなる定着に向けて、毎朝Web経由でクレドの一節を配信する「Todays クレド」の取り組みを行うなど、継続した浸透策の展開を行っております。教育面については、新入社員研修、入社2年目研修、年4回の中途採用者研修を、人事部門とアカデミー事業室とでカリキュラムを分担し、さらに外部研修機関も活用するなどして、推進しております。Web会議を活用して全国の従業員の参加によるセミナーや説明会、社内Web掲示板を活用した情報発信により、世間トップクラスの賃貸経営ソリューション企業の従業員に相応しい専門知識やスキルの浸透を図る取り組みも行っています。加えて、当社として必要な資格の取得プロセスを通じて専門知識を知得してもらうことを狙いとして、各種の資格取得の補助や、祝い金、資格手当の充実にも努めております。その結果、当社グループにおける主な資格の保有者は、宅地建物取引士95名、賃貸不動産経営管理士資格101名となっております。

 

 

③ リスク管理

 職場の安全衛生及び従業員の健康に関しては、人事部門による状況把握と個別対応、安全衛生委員会における課題の共有化に加え、定例の執行役員会において、私傷病による休職者、長時間労働者等のデータを月例で報告しており、過重労働の防止や健康維持施策が有効に機能しているかについて経営として把握を行っております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループは、人的資本経営の強化に向けて、以下の目標を掲げ取り組んでまいります。

 

指 標

実 績(2023年度)

目 標

女性役員比率(執行役員含む)

15.4%

2030年度   30%

ストレスチェック受診率

90.0%

2024年度   100%

労働災害件数

 0 件

2024年度   0 件維持

エンゲージメントスコア

50.2

2025年度   60 以上

宅地建物取引士有資格者

 95名

2025年度  110名 以上

賃貸不動産経営管理士有資格者

101名

2025年度  130名 以上