2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及び

キャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして必ずしもそのようなリスクには該当しない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グ

ループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努めてまいります。なお、以下の事項における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社グループで想定される範囲で記載したものです。また、以下の記載は当社グループ株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 

(1) 電力をめぐる状況の変化

 ① 電力業界の動向変化

 当社グループは、電力契約の種類変更や電気機器の運用方法の改善を提案することにより、顧客の電力基本料金の引き下げを行う電力基本料金削減コンサルティングを行っております。電力供給事業者が電力契約の内容を変更することで顧客にとって契約種類を変更するメリットが低下した場合、電力基本料金の仕組みが変更されることにより電力基本料金の引き下げのメリットが低下した場合、また、燃料価格の下落や原子力発電所の稼働などの影響で電力単価が大幅に下落し、当社グループの提案による顧客の電力料金削減効果が希薄化した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 ② 電力調達価格の変動

 当社グループは、事業者等に対して電力を供給する電力の小売を行っております。顧客へ販売する電力は、発電事業者との相対取引や常時バックアップにより、また、仲介事業者を通じて一般社団法人 日本卸電力取引所(JEPX)から購入しておりますが、燃料価格や為替相場の変動、天候の影響による電力需要の変動などによりJEPXから調達する電力の調達価格が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ③ インバランス料金

 小売電気事業者は、一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則に基づき、需要計画と実際の需要量を30分単位で一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っており、需要計画と需要実績に過不足(インバランス)が生じた場合、インバランス料金として一般送配電事業者との間で精算が必要になります。

 当社グループは、バランシンググループ(複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し、一般送配電事業者との間で1つの託送供給規約を結ぶ仕組み)に参加するとともに、需給管理を仲介事業者に委託することで需給バランスの最適化を図り、インバランスが生じるリスクを抑えておりますが、需給バランスの調整に差異が生じ、同時同量が達成できないことでインバランス料金が多額に生じる場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 ④ 競争激化に伴うリスク

 電力の小売は、経済産業省により小売電気事業者としての登録を受けることにより事業を開始することが可能となりますが、参入障壁は高くないため、新規参入は難しくありません。当社グループが行う小売電気事業は、エネルギーコストソリューション事業により開拓した低圧電力需要家の既存顧客を主な対象としているため実質的な競合は少ないものの、新規参入者の拡大により競合他社が増加した場合、新規契約の獲得ペースが低下することにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤ 電気事業法の改正

 当社グループは、電気事業法に基づいた事業を行っております。電気事業法の改正により想定外の制度変更等がある場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 信用リスクの変化

 当社グループは、事業者向けの販売については、業務提携しているリース会社に対し商品を販売しリース会社より顧客へ商品をリース供与する販売方法や、クレジット会社による顧客への信用供与と、現金販売による顧客への商品提供を行っております。一般家庭向けの販売については、クレジット会社による顧客への信用供与と、現金販売による顧客への商品提供を行っております。

 従って、当社グループが顧客の信用リスクにより直接影響を受ける度合いは限定されていますが、当該顧客の信用状態が悪化しリース及びクレジット債務支払いの延滞事例が増加してきた場合や、リース会社及びクレジット会社(以下リース会社等)に対する業法上の規制強化等がなされた場合には、リース会社等の顧客に対する与信承認率の低下を通じて、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 商品仕入に関するリスク

 当社グループは、商社・メーカー等から商品を仕入れて顧客に販売しております。仕入先については複数確保しておりますが、為替相場の変動や原材料の不足等により、仕入価格の上昇や、商品の調達に支障が生じた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 提携先の確保

 当社グループは、住宅メーカー等と業務提携を行い、提携先の顧客に住宅用太陽光発電システム・蓄電池等を販売しております。提携先は随時拡大しておりますが、提携先が確保できず、販売対象が減少した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 仕入先に関するリスク

 当社グループは、商社・メーカー等から商品を仕入れていますが、商品を独占的に販売する権利を有しておりません。そのため、仕入先又は仕入先が契約を締結した同業者との間で競合等が生じることで、当社グループの販売活動が困難となり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新規事業等の展開と推進について

 当社グループは、今後も継続的な成長を維持するため、新規事業等の展開と推進に取り組んでまいります。しかし、新規事業等を展開・推進する過程におきましては、急激な市場環境の変化や想定し得ないリスクが発生する可能性があり、これらにより当初計画を達成できない場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法的規制

 当社グループは、個人情報の保護に関する法律に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、そのため同法の適用があります。当社グループは、同法を遵守するために、社内規程として個人情報取扱規程を定め、厳格に運営し個人情報の保護体制には万全を期していますが、何らかの原因で当社グループが保有している個人情報が漏洩するなどした場合、適切な対応を行うためのコスト負担、当社グループの社会的信用の低下、当社グループに対する損害賠償請求等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは一般家庭を対象として住宅用太陽光発電システム等を販売していることから、特定商取引に関する法律、消費者契約法及び不当景品類及び不当表示防止法の適用を受けており、当該法令等に抵触した場合には、業務の改善指示、停止命令等の行政処分、優良誤認表示及び有利誤認表示に該当する可能性があります。

 当社グループは、これらの法的規制に対しコンプライアンス研修を実施すると同時に営業活動の厳格な管理を行うなど、従業員が法令に違反する行為を行わないよう指導しており、これまで業務改善指示、停止命令等の行政処分を受けたことはありませんが、今後何らかの理由で当社グループが行政処分を受けた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 太陽光発電に対する天候の影響

 当社グループは、再生可能エネルギーの開発として、太陽光発電設備による発電を行い、売電にて収益を計上します。天候不順などの影響により日射量や日照時間が少なくなった場合、発電量の低下により売電収入が減少し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 気候変動の影響

 気候変動による気温上昇が進んだ場合、電力需要の増大を通じた電力価格の上昇により、小売電気事業の電力調達価格の増大、冷房コストの増加等、当社グループの業績に様々な影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、事業基盤を強化し企業価値を高めるため内部留保を充実させること、会社業績の動向に応じて株主へ成果を配分していくこと、これらを総合的に勘案したうえで安定的に株主に利益還元することを利益配分に関する基本方針としております。

 当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度における配当につきましては、上記の基本方針のもと、中間配当については1株当たり15円を実施しており、期末配当については1株当たり32円の期末配当を実施することを決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は30.6%となりました。

 内部留保金につきましては、主として今後一層の事業の発展及び事業基盤の強化のために投資してまいりたいと考えております。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月14日

346,530

15

取締役会決議

2024年6月26日

739,264

32

定時株主総会決議