リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の変動要素について
当社グループの主たる事業は自動車販売関連事業であり、2024年3月期における連結ベースでの自動車販売関連事業の売上高は、全売上高の99.0%を占めております。
自動車販売関連事業の売上高、自動車販売業界全体における消費者の四輪自動車に対する需要動向の影響を受け易く、景気の後退や金利の上昇等があった場合には、消費者の自動車購入意欲の低下に繋がる可能性があります。
さらに、自動車販売関連事業のうち新車の売上高は、本田技研工業株式会社が企画・開発・生産を行う新車の人気や評価に左右される傾向があります。したがって、新車販売市場全体に占める同社の新車販売シェアが低下した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、このような影響を受けにくい企業体質にすべく、自動車販売関連事業のうち中古車の販売並びに生命保険・損害保険代理店業関連事業の更なる強化に今後とも努める所存であります。
当社グループの最近5期間の業績は以下のとおりであります。
回次 |
第54期 |
第55期 |
第56期 |
第57期 |
第58期 |
||
決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
||
連結 |
売上高 |
(千円) |
7,263,817 |
7,079,951 |
7,379,840 |
7,264,958 |
8,539,352 |
経常利益 |
(千円) |
371,670 |
398,584 |
387,074 |
423,604 |
540,958 |
|
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
(千円) |
234,498 |
231,222 |
242,678 |
268,999 |
350,098 |
|
提出会社 |
売上高 |
(千円) |
212,532 |
212,592 |
213,032 |
213,122 |
213,062 |
経常利益 |
(千円) |
86,116 |
102,220 |
97,326 |
95,704 |
84,077 |
|
当期純利益 |
(千円) |
78,861 |
90,052 |
86,653 |
85,168 |
74,974 |
(2)本田技研工業株式会社からの仕入について
当社の連結子会社で自動車販売関連事業を営む株式会社ホンダカーズ東葛は、本田技研工業株式会社の販売系列に属しており、新車に関する仕入先は同社一社のみであります。同社からはその他部品・用品等の仕入もあり、仕入高の総額は2024年3月期において連結ベースの総仕入高の82.1%を占めております。
このように当社グループは、商品の仕入に関して本田技研工業株式会社からの仕入の比率が高いため、天災等により同社の生産体制に重大な支障が発生し、同社からの新車の仕入が滞った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
同社からの仕入実績は、以下のとおりであります。
仕入先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比率(%) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
比率(%) |
本田技研工業(株) |
4,173,855千円 |
82.9 |
4,972,120千円 |
82.1 |
(3)当社グループの販売地域について
当社の連結子会社で自動車販売関連事業を営む株式会社ホンダカーズ東葛は、新車販売に関して、本田技研工業株式会社との間に締結している取引基本契約書において、「主たる担当エリア(以下「担当エリア」)」を定めており、株式会社ホンダカーズ東葛の担当エリアは、松戸市、柏市、野田市、流山市、我孫子市、鎌ヶ谷市、印西市、及び白井市の全域並びに印旛郡の一部であります。ただし、顧客の意向に基づく限り担当エリア以外の顧客に対する販売を行うことも可能であります。
さらに、担当エリア内で、新たな販売拠点を設置する際は、本田技研工業株式会社の承諾が必要であり、担当エリア外での販売拠点の設置は認められておりません。
なお、中古車販売についても、主として本田技研工業株式会社の中古車を販売する拠点の設置に関しては契約上同社の同意を必要としますが、「担当エリア」もしくはこれに類する規定はなく、販売活動及び販売先について地域に関する制限は受けておりません。
(4)当社グループオリジナルローンについて
当社の連結子会社で自動車販売事業を営む株式会社ホンダカーズ東葛では、顧客の初期購入費用負担を軽減することを目的として、一部の顧客に対して、割賦販売による取引を行っております。
通常、自動車の割賦販売は、顧客を信販会社に紹介し、割賦金債権を信販会社に譲渡することで一時に資金回収を図る「立替払方式」によって行われますが、当社グループでは、この方式でなく、信販会社との間で保証及び集金委託に関する契約を締結し、顧客に対する割賦金債権の保証及び顧客からの集金業務を信販会社に委託する「集金保証方式」(東葛ホールディングスグループオリジナルローン)を採用しております。
立替払方式と集金保証方式の仕組の概要は以下のとおりであります。
(立替払方式・・・・・通常の自動車ローン)
自動車の購入に際し、顧客が割賦支払いを希望した場合、自動車販売会社は加盟店契約している信販会社を紹介いたします。そこで、顧客と信販会社との間に立替払契約が成立すると、自動車販売会社は信販会社に当該割賦金債権を譲渡し、信販会社は自動車販売会社に顧客が支払うべき代金総額を顧客に代わって支払いします。これに対し、顧客は、支払代金総額に割賦手数料を加算した額を信販会社に分割して支払います。このような方式を「立替払方式」といいます。
(集金保証方式・・・・・当社グループが採用する自動車ローン)
自動車の購入に際し、顧客が割賦支払いを希望した場合、自動車販売会社は加盟店契約している信販会社を顧客に紹介いたします。そこで、信販会社と顧客との間に保証委託契約が成立すると、自動車販売会社は、顧客が支払うべき代金総額に割賦手数料を加算した額について顧客の分割払いに応じます。さらに自動車販売会社と信販会社との間で保証及び集金委託に関する契約を締結したうえで、信販会社は自動車販売会社に代わって、毎月定期的に、顧客からの集金を行い、集金した額から保証料及び集金手数料を差し引いた額を自動車販売会社に支払います。このような方式を「集金保証方式」といいます。
当社グループが採用する「集金保証方式」においては、割賦金債権の信販会社に対する譲渡は行われないため、自動車の販売代金を一時に回収することはできません。
(集金保証方式の特徴とリスク)
まず、顧客との割賦販売契約時において、月々の集金額が確定することにより、集金月単位の手形で集金完了月までの分を一括して、信販会社より受取っております。信販会社から当社グループに対する手形の振出は、信販会社の当社グループに対する保証及び集金委託に関する契約に基づく割賦代金引渡債務及び連帯保証債務を原因とするものであります。当社グループは、受取った手形を担保とし、金融機関より借入金にて資金調達を行い、仕入先への支払等に充当しております。
万一、信販会社に不測の事態等が生じた場合、金融機関に対して手形担保の差換えの必要が生じますが、割賦金債権が当社グループの債権であることから、これを充当することにより対応することが可能であります。ただし、その際、当該信販会社との保証及び集金委託に関する契約が解消されますので、当社グループが独自に集金するか、別の信販会社と同様の契約を締結するなどの必要があり、一時的に混乱をきたす可能性があります。また、当該信販会社が顧客から集金し、当社グループに引き渡していなかった割賦代金については、当社グループの当該信販会社に対する一般債権とされる可能性があり、全額の回収ができなくなることが考えられます。
また、「立替払方式」においては、信販会社の収入となる割賦手数料が、当社グループが採用する「集金保証方式」においては、当社グループの収入となります。一方で、当社グループは信販会社に対して、保証料及び集金委託手数料を支払うことになりますが、残った差額が当社の利益になっております。したがって、割賦販売売上の増減が当社グループの利益の増減に影響を与えることになります。
さらに、当社グループが採用する「集金保証方式」においては、信販会社がその支払いを保証した顧客の一部について、当社グループが再保証する場合があります。したがって、当社グループは、再保証した顧客の支払いが予定通りに行われなかった場合には、損害を受けるリスクがあります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益還元を経営の重点課題のひとつと考えております。安定的な経営基盤の確保と財務体質の強化に必要となる内部留保の充実に努めるとともに、収益状況に応じた株主に対する適切な配当の実施を基本方針としております。
当社は、年1回期末に剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また、剰余金の配当の決定機関は株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり15円の配当といたしました。この結果、配当性向は96.8%となりました。
内部留保いたしました資金につきましては、財務体質を一層強化するため、有効活用を心がけ中長期的な株主利益の向上を図る所存であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は下記のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年6月24日 |
72,574 |
15 |
定時株主総会決議 |