リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢の変動に関するリスク
当社グループは、セールスプロモーションを中心としたマーケティングサービスを提供しておりますが、景気や社会経済情勢によって販促費予算を増減させる顧客が多いため、景気変動や感染症の拡大、地政学上のリスクの顕在化等の社会経済情勢の変化の影響を受けやすい傾向があります。当社グループの販売先は、飲料・食品メーカー、流通・小売、自動車など多岐にわたっておりますが、景気後退や消費低迷等により、顧客の販促費予算が削減された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 顧客のセールスプロモーション手法等の変更に関するリスク
当社グループは 、顧客のニーズに合わせて様々な形のセールスプロモーションや顧客の営業上の課題に対応できる環境を整備しております。しかしながら、消費者動向や法令・規制・制度の導入や強化、法令の解釈の変更等を含む様々な要因により顧客のニーズが変化することで、顧客のセールスプロモーション活動や手法等が変更する可能性があります。当社グループがかかる顧客ニーズの変化に対して適切に対応できない場合、または顧客のセールスプロモーション活動や手法が変更する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新規サービス及び技術革新への対応に関するリスク
当社グループは、 リアルとデジタルの融合するサービスの提供に力を入れておりますが、デジタル領域をとりまく環境は、その重要性が高まると同時に、技術革新及び顧客のニーズの変化に応じて急速に進化を続けております。当社グループは、かかる変化に対応して、新たなアライアンスパートナーの確保や新規商材やサービスの開発・展開など、積極的な取り組みを行っております。しかしながら、当社グループがかかる顧客ニーズの変化等に適切に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 協力会社の確保に関するリスク
当社グループは、顧客の営業上の課題に基づいたセールスプロモーションの企画及び提案を行っており、プロダクト供給に終始しないサービスの付加価値を高めるためには、メーカーと小売業の協業をサポートするCRM(顧客管理)事業、売り場づくり、店頭プロモーション支援事業、店頭における商品陳列管理支援のフィールド事業など、複合的なノウハウが必要となります。当社グループは、業務遂行上必要に応じて協力会社に業務の一部を委託しております。なお、協力会社の活用に際しては、協力会社の集約を実施し、ビジネスパートナーとしての位置づけを明確に行った上で、長期・安定的な取引の構築を図るとともに、納品物の品質向上を指導し実現しております。しかしながら、協力会社の活用は、当社グループのみならず、競合他社においても行われており、必ずしも高度な技術レベルの協力会社を一定数以上確保できるとは限りません。当社の機能ポートフォリオの切り替えに適切に対応するにあたり、優良な協力会社を安定的また継続的に確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) セールスプロモーショングッズ等の商品の調達に関するリスク
当社グループにおいて取り扱うセールスプロモーショングッズの生産に関しては国内外の当社の協力会社に対して委託し、当社が商品として仕入れるというファブレスの形態となっております。当社グループにおいて、協力会社との取引をするにあたっては、過去の取引実績や品質管理、財務状況を確認するとともに、協力会社の生産状況の確認をした上で委託することとしております。また、複数の協力会社を確保しているため、代替商品の調達も可能なようにしております。しかしながら、当社グループとこれら協力会社との取引関係に変化が生じた場合や委託した協力会社が倒産その他の理由により業務停止に至った場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、一部の商品を中国やASEAN諸国から直接購買を行うことで、価格競争力を強化し、顧客の低コスト要求に対応しております。しかし、現在の著しい経済環境の変化の中で、今後、中国・ASEAN諸国内の経済環境の混乱・悪化、人件費の著しい高騰などが現実化した場合、当社の商品調達がスムーズに行えなくなる可能性や、仕入価格の上昇や為替変動などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 不良品の発生に関するリスク
当社グループが販売しているセールスプロモーショングッズの調達については、協力会社における過去の取引実績や品質管理体制等を確認した上で取引を行っていることに加えて、当社グループにおいても検品体制を整備するなど、不良品の発生を防ぐよう品質管理に注意しております。しかしながら、万が一不良品が発生した場合は、当社グループに対する顧客からの信用及び社会的信用の失墜等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、協力会社との間では品質基準書を取り交わし、当社グループの要求する品質基準について記載することで、不良発生時の責任の所在を明確にするようにしておりますが、責任所在を明確にすることが困難な場合には、案件ごとに協議して、協力会社負担で行うか当社グループ負担で行うか決定しております。不良品の発生により、万が一値引きや商品の再生産等の負担を当社グループが負うこととなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 顧客との取引に関するリスク
当社グループの顧客との取引においては、セールスプロモーショングッズの受注から納品までの期間が短い案件が多いという事業の特性から、受注内容によっては、製作過程において受注金額の算定に必要な受注数量及び受注単価が変動することがあります。このため、当社グループにおきましては案件の進行管理のために、見積書や仕様確認書等で、金額や商品の仕様の確認を行いながら、それぞれの案件ごとに受注・進行管理を行う体制を構築しております。しかしながら、顧客との認識の相違により、当社グループにとって不利な条件による業務の進行を余儀なくされた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の確保及び育成に関するリスク
当社グループの事業においては、人材に多くを依存していることに加え、セールスプロモーション手法の多様化や複合化、技術革新の早さに対応するために、より高度な専門性が要求されることから、有能な人材の確保及び育成が不可欠となります。当社グループでは、採用及び教育を計画的に実施し、優秀な人材の確保及び人材育成に努めておりますが、人材の確保や育成ができない場合や人材の流出があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法的規制等に関するリスク
当社グループは、取り扱うセールスプロモーショングッズ及びサービスによっては、不当景品類及び不当表示防止法、食品衛生法、特定商取引法等の各種法令や監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けることがあります。当社グループでは、社内における調査など管理体制を整備するとともに、社員教育を実施するなどして、法的規制に抵触することがないよう努めておりますが、万が一これらに抵触する事態が生じた場合、当社グループに対する顧客からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報管理・セキュリティに関するリスク
当社グループは、デジタルマーケティングの重要性の高まりを背景に、顧客企業にとっての情報(個人情報を含む)を受領することがあります。当社グループは、個人情報保護法をはじめとする法令または諸規制を遵守するとともに、サービスの提供及び事業の管理に必要な情報システムのセキュリティの強化を推進しております。しかし、システムの瑕疵や障害、コンピューターネットワークへの不正侵入等により、重要データの漏洩、コンピュータープログラムの不正改ざん、システムダウン等が発生する可能性があります。もしそのような事態が発生した場合、当社グループに対する顧客からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権に関するリスク
当社グループは、セールスプロモーショングッズを取り扱うに当たり、第三者の知的所有権を侵害する可能性があるため、知的所有権の侵害の有無を確認する必要があります。当社グループでは、知的所有権等に係る調査を行うとともに、契約している特許業務法人に確認するなどして、販売するセールスプロモーショングッズが第三者の知的所有権を侵害することがないよう努めておりますが、セールスプロモーショングッズを販売した後に係争が発 生した場合、当社グループに対する顧客からの信用及び社会的信用の失墜等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 災害等に関するリスク
当社グループは、予期しない自然災害、感染症の流行などの緊急事態が発生した場合でも、業務の継続あるいは早期復旧を可能とするために、業務システムは全てクラウド化やリモートワーク等の柔軟な勤務体制を整備しており、どこにいても業務を行うことのできる環境を整えております。また、システム障害に対してもSLA(Service Level Agreement)を考慮した製品・サービス選定を行うこと、複数のサービスを利用することで障害耐性の強化をはかっております。しかしながら、当社グループが事業を遂行又は展開する地域において、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信の障害、大規模な事故、伝染病、テロ等が起こった場合には、当社グループ又は当社のグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(13) 訴訟等に関するリスク
現在、当社グループは、その業績に重大な影響を及ぼし得る訴訟等を抱えておりません。しかしながら、様々な要因により、常に顧客・協力会社等との間で何らかの訴訟等に関与することとなる可能性は否定できません。当社グループが訴訟等に関与した場合、その経過・結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、持続的な成長と企業価値向上のための積極的な事業展開や様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランスを考慮した上で、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針としております。また、業績に応じた利益配分を考慮する上で、配当額算定の指標として連結配当性向を採用し、中長期的視点で連結業績に応じた利益還元を重視し、連結配当性向30%を当面の目安としております。
剰余金の配当につきましては、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって剰余金の配当を行う旨を定款に定めております。当事業年度の期末配当につきましては、2024年2月8日付「剰余金の配当に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、1株あたり21円の配当を実施いたしました。なお、中間配当は実施しておりません。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
(注) 「配当金の総額」には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式(2023年12月31日基準日:26,600株)に対する配当金558千円が含まれております。