2023年9月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 また、当社グループは、(1)~(5)のリスクを対処すべき特に重要なリスクと認識し、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載する取り組みを通じて、潜在的なリスクの軽減に努めております。

 

(1)研究開発・商材開発に関するリスク

 当社グループでは、成長戦略の実現に向けたR&D戦略として、提供するサービスの品質向上、新商材の開発のために、研究開発活動を行っております。研究開発・商材開発の実施に関しては、開発環境の充実、開発に携わる人財の確保・育成、研究計画の内容についての様々な観点からの検討を行っております。

 しかし、投資対効果の判断や競合製品の出現等により開発を断念する場合や開発した商材の上市ができなかった場合などにより、開発コストの回収ができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、研究開発活動スキームに則り運用するとともに、経営企画会議での定期的な進捗管理を行っております。

 

(2)提携・買収等に関わるリスク

 当社グループでは、成長戦略として第三者との間で様々な戦略的アライアンス・M&Aを行っております。これらアライアンス・M&Aの実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っております。

 しかし、必ずしも予期したとおりの成果が得られるという保証はなく、事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化や初期の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、子会社株式評価損、のれんに係る減損損失などが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、アライアンス・M&Aに向けた調査体制を強化するとともにグループシナジーのさらなる創出に努めてまいります。

 

(3)特定の取引先への高い依存

 当社グループでは、成長戦略の実現に向けた市場戦略として、既存の主力市場に加えて注力市場へビジネスを展開することで、新たなビジネスの柱づくりに努めております。

 しかし、当社グループの売上高のうち、主要なお客さま企業であるトヨタ自動車株式会社に対する売上高の割合は、2022年9月期において36.1%、2023年9月期において35.6%となっており、同社への売上・利益依存度は高い水準となっております。このため、何らかの事情により同社との取引が打ち切られた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、引き続き、注力市場への拡大を加速してまいります。

 

(4)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループでは、成長戦略の実現に向け情報管理の重要性の高まりに応じたISO27001に基づいた各種ルールづくり、個人情報の保護方針の設定など、情報セキュリティについて注意を払っております。

 しかし、インフラ障害、サイバー攻撃、コンピュータウイルスへの感染などによって、各種業務活動の停止、データの喪失及び流出、商品・サービスの機能の停止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、データのバックアップ体制の整備及び、不正アクセス防止のセキュリティ対策をさらに強化しております。また、セキュリティ監査によりその実施状況を継続的に確認しております。

 

(5)優秀な人財の確保・育成

 当社グループでは、中長期的な成長戦略を実現するために、優秀な人財の確保・育成が重要課題の一つであると認識しております。当社グループでは、採用活動の強化及び能力開発体制の構築など、優秀な人財の獲得、育成に努めております。

 しかし、当社グループが求める人財を計画どおり確保・育成できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、グループ横断での人財確保・育成を担う専門部署を新設し、人財採用を強化するとともに、キャリア形成やスキル取得等に関する研修を充実する等、モチベーション高く働くことができる環境整備に取り組んでおります。

 

(6)景気変動によるリスク

 当社グループの事業領域は、景気変動にともなうお客さま企業の内製化や予算縮小の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、サービス内容の高度化・多様化や、グローバル市場への進出など、景気の影響を受けにくい事業構造の形成に努めております。

 しかし、当社グループの国内売上高は、全売上高の83.6%(2023年9月期)を占めているため、国内の景気変動に伴う国内の主要なお客さま企業の動向により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)取引に伴うリスク

 当社グループでは、お客さま企業との基本契約の締結や業務委託先企業との業務委託契約の締結などにより、取引上のトラブルを未然に回避できるように努めております。

 しかし、当社グループの事業領域では、様々な事情により計画や内容の変更が発生することが少なくありません。その結果、取引先企業との間で不測の事態や紛争が発生することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)納品物の品質にかかるリスク

 当社グループでは、納品物のチェック体制の充実などにより、不具合防止に努めております。

 しかし、何らかの事情により納品物の不具合が発生し、お客さま企業への損害金額が大きい場合、信用が失墜し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)競合によるリスク

 当社グループでは、事業領域が拡大するにつれ、拡大先の領域を担う既存企業や生成AIなどの新技術を活用した新興企業など新たな競合が増加しております。当社グループとしては、これらの状況に対応すべく、時代に対応した技術の徹底活用、新商材の開発などに努めております。

 しかし、ノウハウの構築、新商材の開発、既存ビジネスの業務効率化などの対応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)法規制に関するリスク

 当社グループの事業領域は、技術マニュアルをはじめとするお客さま企業の情報・データの編集や各種戦略支援の企画・編集・制作・システム開発など多岐にわたります。当社グループとしては、知的財産権など、事業運営に関連する法規などについて理解・把握に努め、適切な対応が取れるように努めております。

 しかし、当社グループの事業領域や提供するサービスなどに新たに影響を及ぼす法令、各種規制が採用もしくは強化された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)訴訟等について

 2023年9月30日現在、当社グループは業績に重大な影響を与える訴訟には関与しておりません。当社としては、ガバナンス体制の強化、各種取引に関する従業員教育などにより訴訟発生の回避に努めております。

 しかし、取引内容の変更や納品物の不具合、知的財産権の侵害などにより、取引先、各種団体、消費者らにより提起される訴訟に、直接または間接的に関与することとなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)自然災害、人災等について

 当社グループでは、自然災害、人災などに対して、BCP(事業継続計画)の整備などによる対策を講じております。

 しかし、突発的に発生する災害などで事業設備などが損害を受けた場合や原材料などの供給不足が生じた場合、社会インフラの機能が低下した場合などが発生することで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)感染症等の流行について

 当社グループでは、パンデミック(感染症・伝染病の世界的な大流行)によるお客さま企業の事業計画の変更にともない、当社の受注が変動した場合、当社グループの業績、事業計画及び人財採用計画に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は株主の皆さまに対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと認識しており、業績動向・財務体質、将来のための投資に必要な内部留保等を総合的に勘案し、配当金額の継続的な増額をめざしていくことを基本的な考え方としております。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年3月31日を基準日として中間配当をすることができる」旨を定款に定めておりますが、現状、期末配当として年1回の配当を実施しております。なお、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会としております。

 以上の考え方に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり38円といたしました。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2023年12月22日

503,821

38

定時株主総会決議