2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 4,991 100.0 827 100.0 16.6

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社3社(株式会社ペットメディカルセンター・エイル、株式会社モデナ動物病院及び株式会社ペット・ベット)及び持分法適用関連会社1社(飛鳥メディカル株式会社)で構成されており、動物病院及びペットサロンの運営、動物病院向けソフトウエアの提供、獣医療教育セミナーの配信及び医療用機械器具の製造・販売を主な事業として取り組んでおります。

 当社グループが属する動物医療業界においては、人口減少や動物愛護法の規制強化などを背景に、犬・猫の飼育頭数が減少傾向にある一方で、ペット寿命の長期化や「ペット=家族」という価値観の醸成により、ペットに対する医療費支出は増加傾向にあります(出典:ペットビジネスマーケティング総覧2022年版(矢野経済研究所))。“動物たちにもより良い治療を受けさせたい”という社会的ニーズの高まりを受け、当社グループでは、身近なケアからCTやMRIを用いた高度医療まで、幅広いニーズに応えることができる動物医療を提供してまいりました。いつでも安心して通える動物病院グループを目指し、動物医療の発展に寄与することで、これからも広く社会に貢献してまいります。

 なお、当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、事業・サービス内容を機能別に記載しております。

事業・サービスの名称

事業・サービスの主な内容

主な会社名

① 動物病院運営

動物病院における獣医療の提供

当社

株式会社ペットメディカルセンター・エイル

株式会社モデナ動物病院

② ペットサロン運営

トリミングサービスの提供、ペットホテルの運営

当社

③ 動物病院向けソフトウエアの提供

動物病院向け顧客管理システム「わん太郎」の開発・販売

当社

④ 獣医療教育セミナーの配信

獣医師向け情報サイト「VMN」の運営、セミナーコンテンツの制作

株式会社ペット・ベット

⑤ 医療用機械器具の製造・販売

医療用機械器具、医療用具の研究、開発、製造、販売、リース及び輸出入

飛鳥メディカル株式会社

 

 

 

 各事業・サービスの連結売上高に占める割合は以下のとおりであります。

事業・サービス

第4期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

第6期連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

売上高(千円)

構成比(%)

売上高(千円)

構成比(%)

動物病院運営

3,579,394

83.3

3,991,259

85.8

4,296,704

86.1

ペットサロン運営

447,181

10.4

441,713

9.5

463,033

9.3

動物病院向けソフトウエアの提供

16,801

0.4

17,154

0.4

18,893

0.4

獣医療教育セミナーの配信

108,001

2.5

89,654

1.9

97,557

2.0

その他

143,653

3.3

111,286

2.4

114,450

2.3

 合計

4,295,031

100.0

4,651,067

100.0

4,990,639

100.0

 

 当社グループの各事業・サービスの具体的な内容は次のとおりです。

 

① 動物病院運営

 当社が運営する動物病院において、診察、検査、手術等の診療サービスを提供し、その対価として診療費を受領しております。当該事業は、当社グループ売上の80%以上を占めております。

 現在、関西エリア、関東エリア、九州・沖縄エリアの3エリアにおいて、CTやMRIなどの高度医療機器を備え、専門分野を持った獣医師が診療を行う『センター病院』と、かかりつけ病院として、診療や簡易的な手術等を行う『サテライト病院』をドミナントで複数配置しており、2024年6月30日現在における年間診療件数は355,003件と豊富な診療実績を誇っております。

 

 各エリアにおける2024年6月末時点における病院数及び獣医師数は以下のとおりです。

 

関西エリア

関東エリア

九州・沖縄エリア

全社合計

 センター病院(拠点)

5

2

4

11

サテライト病院(拠点)

8

9

5

22

   合計(拠点)

13

11

9

33

    獣医師数(人)

42

28

21

91

 

 

 一般的な動物病院では、かかりつけ診療と高度診療は別病院での対応となっており、高度診療は紹介によりペットの受け入れを行っているのが通例ですが、当社グループの各動物病院は、センター病院を中心に相互ネットワークを形成しており、爪切り等の身近なケアから脳神経外科等の高度医療まで、シームレスに提供することを可能としている点に大きな特徴があります。

 豊富な診療実績からノウハウを蓄積し、経験豊富な獣医師を育成するとともに、全拠点と共有することで、質の高い動物医療サービスを提供できる体制を構築しております。

 

<当社グループの動物医療体制>

 

 

 当社グループの動物病院数、診療件数及びそれぞれの関連指標の推移は以下のとおりであります。

 

(注)2019年12月期は当社が設立された期であり、比較に適さないため、グラフに含めておりません。2020年6月期の診療件数及び診療単価については、当該事業年度が2020年1月から6月の6ヶ月決算であり、動物病院における繁忙期である4月から6月を含む期間の年換算となっているため、各数値が相対的に高めに出ております。

 

 また、当社グループは豊富な診療機会や教育研修機会の提供を通じて、獣医師にとって好ましい環境づくりに努めた結果、グループ再編後の統合プロセスにおいて診療拠点の絞り込み(3施設の閉鎖)に伴う獣医師の減少はあったものの継続的に獣医師の確保に努めており、獣医師の人手不足が慢性化する中でも大学病院への営業強化などにより新卒採用を推進した結果、十分な獣医師を確保できているものと考えております。

 獣医師に対して十分な経験を積める機会を提供することは、獣医師の確保において有利に機能するだけでなく、診療の質の向上を通じて当社グループ動物病院の評判向上につながり、外来・紹介による来院者の増加が獣医師に更なる多様な診療機会を提供するという好循環を形成します。獣医師1人当たり診療件数、1病院当たり診療件数は次のとおり推移しており、十分な診療機会を確保できているものと考えております。当社グループは、当該好循環を継続・改善することが、当社グループの競争力向上に資するものと考えております。

 

 獣医師は経験・能力によって売上高に差が生じますが、増員を進めながらも、豊富な診療機会の提供、教育研修の推進などにより全体的な能力の底上げに努めており、その結果、獣医師1人当たり売上高の水準を一定程度に維持できているものと考えております。

 獣医師数及び獣医師1人当たり売上高の推移は次のとおりであります。

 

 

 こうした、かかりつけから高度医療までをシームレスに提供する診療体制の構築及び獣医師の確保・育成の取り組みにより、当社グループは十分な診療件数を確保しております。これにより、多数の動物病院を抱え、高価な医療機器を有しながらも保有資産が効率よく機能し、経営の高効率化を実現していることが当社グループの強みであります。

 

② ペットサロン運営

 当社グループが運営するペットサロンにおいて、トリミングやペットホテルなどのサービスを提供し、その対価としてサービス料を受領しております。

 動物病院に併設する形で運営することを基本としており、ペットの医療ニーズが顕在化していない潜在顧客との関係性構築に貢献しております。定期的なトリミングによってペットの体を清潔に保ち、ノミ・ダニの発生を抑制することや、皮膚などの健康チェックを行い、異常があれば併設する動物病院での診療を勧めることなど、ペットの健康管理にも重要な役割を果たしております。

 

③ 動物病院向けソフトウエアの提供

 2020年6月期に動物病院向け顧客管理システム「わん太郎」の開発及び販売会社であるわん太郎株式会社を買収し、利用ユーザーから初期費用や月額利用料を受領するサブスクリプション型の事業を行っております。

 「わん太郎」は、電子カルテや各種証明書の発行、顧客管理、会計管理など、動物病院を運営するうえで必要な機能を網羅的に有しており、2024年6月末時点で156の動物病院(当社グループ病院含む)で導入されております。オンプレミス型(サーバーやソフトウエアなどの情報システムを使用者が管理する設備内に設置し、運用する形態)のソフトウエアとして展開しておりますが、当社システム管理室を中心としたプロジェクトチームによりクラウド開発を進めており、かかりつけの小規模病院から高度医療に対応した大規模病院まで幅広く使いやすい形に改良を進めております。

 

 

④ 獣医療教育セミナーの配信

 小動物臨床獣医師向けに、さまざまな情報を提供するサイト「VMN(Veterinary Medical Network)」を運営しており、有料会員から会員種別に応じた月額利用料を受領するサブスクリプション型の事業であります。

 「世界標準を一次病院の獣医師へ」を理念として掲げ、若手獣医師の卒後教育を目的とした、実践的な情報を提供しており、2024年6月末時点で1,200名を超える有料会員に利用いただいております。

 オンデマンドによる動画配信、最新の獣医療情報(獣医療雑誌や文献)、各種コンサルティング、セミナーの開催、臨床現場の疑問をコンサルタントに質問できる「Vet to Vet Board」など、多様なコンテンツを有しております。

 

⑤ 医療用機械器具の製造・販売

 2023年6月期に医療用機械器具の製造・販売を手掛ける飛鳥メディカル株式会社に出資を行い、関連会社化しました。同社は、主にレーザー医療に特化した動物用の製品の製造、販売を手掛けております。なお、同社の業績は、持分法投資損益(営業外損益)として当社連結業績に反映されこととなりますが、同社は利益計上をしているものの、現在では債務超過の状態にあることから、のれん相当額の償却部分を持分法投資損失として計上しております。

 

《事業系統図》

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

① 経営成績等の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化や、外国人観光客数の急回復に伴うインバウンド需要の高まり、堅調な株式市場等を受けて、国内景気全般に明るい材料が見られた一方、緊迫した国際情勢を受けた経済全般への不透明感や、エネルギー・資源価格の高騰、円安傾向の長期化に起因する国内物価の高騰、国内労働力人口の構造的な減少等、企業を取り巻く外的経営環境の不確実性はますます高まりを見せつつあるものと認識しております。

 当社グループが属する動物医療業界におきましては、昨今のコロナ禍におけるペット関連市場の堅調さや、家計のペット向け支出の拡大傾向を受けて、ペットの家族化、高齢化を背景にした世帯あたりの動物病院への支出額の増加傾向の基調に変わりはなく、飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請はますます高まっているものと認識しております。

 このような情勢のもと、当社グループは、生き物の命を救い、守り続けることを唯一の目的とする「Animal is my life」を企業理念として掲げ、その具現化の一環として、サステナブルな動物病院経営の実現に向け、獣医師、愛玩動物看護師、トリミングスタッフ等の人材あってこその動物病院経営であるというヒューマンビジネスの原点に立ち返り、従業員の満足度を高めるための様々な内的な施策を実施した他、新卒、中堅社員等、それぞれの経歴に応じたOJTの実施による人材教育にも注力し、これらの基本的な施策を通して、顧客満足度の向上を企図した取り組みを行いました。

 また、九州エリアにおいて、当社グループの強みである通常診療から高度診療まで1社で対応できるシームレス体制を実現すべく、福岡県に高度医療・二次診療に対応した施設を開院いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。

a.財政状態の状況

 

第5期連結会計年度

(2023年6月30日)

(千円)

第6期連結会計年度

(2024年6月30日)

(千円)

前連結会計年度末比増減

金額(千円)

比率(%)

資産合計

5,452,324

5,784,472

332,148

6.1

負債合計

3,932,350

3,670,842

△261,507

△6.7

純資産合計

1,519,974

2,113,630

593,656

39.1

 

b.経営成績の状況

 

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

(千円)

第6期連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

(千円)

前連結会計年度比増減

金額(千円)

比率(%)

売上高

4,651,067

4,990,639

339,572

7.3

営業利益

803,312

827,469

24,156

3.0

経常利益

800,881

800,898

17

0.0

親会社株主に帰属する当期純利益

506,125

558,406

52,281

10.3

 

c.キャッシュ・フローの状況

 

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

(千円)

第6期連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

(千円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

951,319

857,526

投資活動によるキャッシュ・フロー

△644,294

△434,280

財務活動によるキャッシュ・フロー

△160,816

△193,932

現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)

146,208

229,314

現金及び現金同等物の期末残高

681,565

910,879

 

 なお、過年度の事業買収により生じたのれん等の影響を調整したEBITDAを含む経営成績の推移は以下のとおりであり、営業利益率はPMI期間を経て15%前後、EBITDAマージン(EBITDA÷売上高)は20%超で推移しております。

 

 

② 生産、受注及び販売の実績

a)生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b)受注実績

 当社グループが行う事業は、提供するサービスの性格上受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

動物病院事業

4,990,639

7.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループにおきましては、事業基盤の強化に向けて、高度医療・二次診療に対応したセンター病院の開設や飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請への対応力向上のための人材のリクルーティング等、諸施策を着実に実行してまいりました。また、昨今のコロナ禍の状況下におきましても、いわゆるエッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)の一員としての役割を果たすべく、各医療拠点において医療提供の維持発展に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は5,784,472千円となり、前連結会計年度末と比べて332,148千円増加いたしました。

 流動資産は1,297,246千円となり、前連結会計年度末と比べて257,179千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が220,736千円、売掛金が38,370千円増加したこと等によるものであります。

 固定資産は4,487,225千円となり、前連結会計年度末と比べて74,969千円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が132,127千円、土地が133,560千円増加した一方、のれんが146,999千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は3,670,842千円となり、前連結会計年度末と比べて261,507千円減少いたしました。

 流動負債は1,130,512千円となり、前連結会計年度末と比べて87,531千円減少いたしました。これは主に、未払金が23,306千円増加する一方、短期借入金が50,000千円、未払法人税等が21,641千円、未払消費税等が49,435千円減少したこと等によるものであります。

 固定負債は2,540,329千円となり、前連結会計年度末と比べて173,976千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が164,319千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は2,113,630千円となり、前連結会計年度末と比べて593,656千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により資本金が17,710千円、資本剰余金が17,710千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が558,406千円増加したこと等によるものであります。

 

b.経営成績

(売上高)

 売上高は、既存拠点の売上高は前年を上回り堅調に推移した他、前連結会計年度に子会社化した株式会社ペットメディカルセンター・エイル(沖縄県沖縄市)、株式会社モデナ動物病院(神戸市西区)が、1年を通して売上高に寄与いたしました。また、当連結会計年度において、新たに九州エリアにおいて、当社グループの強みである通常診療から高度診療まで1社で対応できるシームレス体制を実現すべく、福岡県に高度医療・二次診療に対応した施設の開院を行いました。診療件数については355,003件、獣医師1人当たり売上高は47,219千円となりました。

 以上から、売上高は4,990,639千円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

 売上原価は、売上高増加に伴う変動費の増加により、3,617,213千円(前年同期比7.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加の他、外形標準課税の適用による租税公課の増加等により、545,956千円(前年同期比13.2%増)となりました。

 以上から、営業利益は827,469千円(前年同期比3.0%増)となりました。

 

(経常利益)

 経常利益は、新規上場に伴う上場関連費用の計上に伴う営業外費用の増加等もあり、800,898千円(前年同期比0.0%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、収受した移転補償金の計上等により、558,406千円(前年同期比10.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、910,879千円となり、前連結会計年度末と比べて229,314千円増加いたしました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

a.連結キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、857,526千円(前連結会計年度は951,319千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益821,550千円、減価償却費175,768千円、のれん償却額146,999千円、法人税等の支払額242,749千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、434,280千円(前連結会計年度は644,294千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出442,781千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、193,932千円(前連結会計年度は160,816千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出461,494千円、長期借入れによる収入300,000千円等によるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金及び金融機関からの借入によっております。営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向を考慮の上、決定しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について

 当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しているとおり、「獣医師数」及び「診療件数」を重要な経営指標と位置付けております。「獣医師数」は当社グループが提供可能な医療サービスのキャパシティを反映する指標であり、事業規模を左右する指標であると考えております。また、「診療件数」は当社グループが提供した医療サービスを量的に把握する指標であり、これまでに行った診療サービスに対する飼い主の満足度が反映されるものと認識しております。

 また、運営効率を計る指標として「獣医師1人当たり売上高」も重視しております。

 最近2連結会計年度の推移は以下のとおりであります。

 

 

第4期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

第6期連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

獣医師数(人)

78

90

91

診療件数(件)

317,720

343,446

355,003

獣医師1人当たり

売上高(千円)

45,895

44,358

47,219

(注)獣医師数及び獣医師1人当たり売上高の算出方法は以下のとおりであります。

獣医師数:稼働ベース平均在籍人数

獣医師1人当たり売上高:動物病院運営にかかる年間売上高を稼働ベースの平均人員数で除して算出

 

 上表に記載のとおり、獣医師数は年々増加しております。これは、獣医師が不足傾向にある中、積極的に獣医師確保に努めたこと及びM&Aを活用した拠点数の増加によるものです。診療件数は、当該規模の増加に伴い増加しております。また、獣医師1人当たり売上高は増員傾向の中、安定的に推移しております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

 単一のサービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦以外の外部顧客の売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、記載事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

 単一のサービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦以外の外部顧客の売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、記載事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 該当事項はありません。