リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) フランチャイズ加盟店の展開について
当社グループは、8番らーめんのフランチャイズチェーン本部としての事業を中核事業としております。国内においては北陸地方を中心として中国地方・中部地方、海外においてはタイ・ベトナムといった東南アジアを対象地域として、国内外を通して広く事業展開をしております。
当社グループのフランチャイズ加盟店の募集が計画どおり確保できない場合、加盟店における不祥事等によりブランドイメージに影響を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 直営出店について
当社グループの直営出店については、出店条件に合致する物件がなく計画どおりに新規出店が進まない場合や出店後の立地環境の変化や競合他社との競争激化等で計画された店舗収益が確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、店舗の土地建物は賃借する方式を基本としております。賃貸人の倒産または諸事情により賃貸借契約期間中の解約や契約更新を拒絶され余儀なく退店する際に、差入保証金(敷金・保証金・建設協力金)の回収不能や減損損失等が発生する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その他、直営出店では新規業態の開発・構築のための出店も行いますが、新規業態が必ずしもお客様にご支持いただけるとは限らず、店舗の閉店や業態の撤退により減損損失や賃貸借契約等の中途解約違約金等を計上する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 商標権について
当社グループは多店舗展開が見込まれる新業態については、外部の専門家を通じて第三者の商標権を侵害していないかどうかを確認の上、商標権を取得することを原則としております。また、海外においては、フランチャイズ契約の締結に際して契約地域・国において商標権を取得するほか、今後の海外展開に備えて必要と判断した国においても予め商標権を取得しておくことで、当社グループのブランドを保護する方針であります。
しかしながら、同業他社等による類似した商標の使用により当社グループのブランドが毀損された場合、あるいは第三者から当社グループの商標登録の無効審判、損害賠償、商標使用停止等の請求があり、仮にこれらの請求が認められた場合、また、何らかの理由により当社グループが使用している商標が第三者の登録済みの商標権を侵害していることが判明し、商標の使用差止、損害賠償等の支払いが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合について
当社グループは、外食事業において主としてラーメン業態の飲食店チェーンを展開しており、お客様から優先的に選択される業態競争力の確立に努めておりますが、ラーメン店等を営む同業者との競合のみならず、和・洋・中華レストランおよびファーストフードチェーン等のほか、コンビニエンスストア、持ち帰り弁当・宅配(デリバリー)事業等の食品小売業との間においても、商品・価格・利便性・品質・サービス内容等をめぐり、激しい競合状態にあります。特に最近では、良好な新規の出店場所や優秀な人財の獲得においても競合が発生しております。当社グループは、これらの競合に対処すべく、「より多くの人々に、より良い商品をより安く、より良い環境の中でお届けし続けるよう努力します」を経営理念の第一に掲げ、顧客満足度を高めるとともに、地域密着型で新規顧客の獲得と既存顧客のリピート率の向上に努めております。
しかしながら、より付加価値の高い商品・サービス内容を提供する競合店が出現し、当社グループの優位性が脅かされ売上の減少が発生した場合、これらの競争激化に伴う品質の向上およびサービスレベルの改善等に伴うコストの増加が起きた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 食品の生産体制等について
当社グループでは、外食事業の中核である8番らーめんフランチャイズチェーンならびに外販事業の主要製品である、麺・タレ・餃子を本社工場1ヵ所で製造しております。さらにラーメン用冷凍スープは、一定の在庫量を保持することとして、タイの関連会社の工場1ヵ所から仕入れております。また、フランチャイズ加盟店ならびに直営店への食材・営業用消耗品類の供給等に関する物流は、運送業者1社に集約して委託しております。これまでは、生産面および物流面での支障はありませんが、それぞれに大規模な地震や洪水、豪雪、台風等の自然災害の発生による被害、新型感染症の流行等による従業員の就業制限等不測の事態等が生じ、生産能力の低下や物流の混乱等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食品の安全性について
当社グループでは、安全な食品を提供するため、自主的な食品衛生検査に加え、本社工場において食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000:2018」を取り入れ、これに基づく食品安全対策を実施しております。そして、当社グループが取り扱うすべての食材は、安全衛生室が規格書による事前確認をすることで、安全な食品を提供するよう、努力をいたしております。
また、当社グループのフランチャイズ加盟店ならびに直営店で実施している HACCP(危害分析重要管理点)による食品安全を更に向上させるためにモデル店舗として、8番らーめん泉ヶ丘店(直営店)で ISO22000:2018 認証を取得しております。
しかしながら、当社グループ固有の衛生問題が発生した場合、あるいは、同業他社の衛生管理問題等による連鎖的風評被害、原料メーカー等における無認可添加物の使用やアレルゲン物質の混入等による食品製造工程に対する不信、BSE(狂牛病)・口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ・豚熱(豚コレラ)・輸入野菜の残留農薬等、各種の衛生上の問題や食品の安全に関する問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 食材の調達について
当社グループは、食の安全・安心を第一とし、良質な食材の安定的な確保に努めております。
しかしながら、BSE(狂牛病)・口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ・豚熱(豚コレラ)等の疫病の発生や、新型感染症の感染拡大、異常気象・冷夏等の天候不順の影響による農作物等の不作等により、需給バランスが崩れることによる仕入価格の高騰や、食材そのものの調達が困難になる可能性があります。このような場合は、仕入先と連携する等により産地や仕入ルートの変更等による食材の確保や仕入価格の上昇を最小限にするよう対処しておりますが、これらの要因で必要量の食材確保に困難な状態が生じる場合や仕入価格が著しく高騰する等の事態に至った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制等について
①食品衛生法について
当社グループの主な法的規制として、工場、セントラルキッチンおよび店舗での営業全般に関して、食品衛生法の規制を受けております。当社グループでは、食品衛生法に基づき、所轄保健所から営業許可を取得し、工場、セントラルキッチンおよびフランチャイズ加盟店を含む全店舗に食品衛生責任者を配置しております。また、食品安全衛生管理マニュアルに基づく従業員や施設の衛生管理を徹底し、さらには専門機関による定期的な衛生検査を実施しております。
しかしながら、当社グループの衛生管理諸施策実施にもかかわらず、当社グループの工場、セントラルキッチンおよび店舗において、万一、食中毒等の事故が起きた場合、食品衛生法の規定に基づき、食品等の廃棄処分、一定期間の営業許可の停止、営業許可の取り消し等の行政処分を受けるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②商品の表示について
当社グループでは、規格、食物アレルギーならびに栄養成分等の原材料情報をもとに、食品表示関連法規に準拠し、商品内容について厳しいチェックを行い、第三者機関による確認も得ながら、適正な表示に努めております。
しかしながら、表示内容に重大な誤り等が発生した場合、信用低下や商品回収等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報の取り扱いについて
当社グループは、顧客、株主、取引先担当者、従業員、採用応募者、懸賞応募者等多くの個人情報を取り扱っております。個人情報の取り扱いについて諸規程を整備する等情報漏洩を防ぐ対策を講じておりますが、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④労働関連法規について
当社グループでは、労働時間管理、就業規則・労働契約その他法令遵守の周知を行うとともに、ハラスメント研修を職制別に実施しておりますが、万一、労務問題が発生した場合、被害者からの損害賠償請求や当社グループの社会的信用力の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤その他の法令について
当社グループは、フランチャイズ事業を中核としており「中小小売商業振興法」および「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」の規制を受けております。また、年間100トン以上の食品廃棄物を排出する事業者として「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」の規制、燃料資源の有効な利用の確保を目的とした「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」の規制、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」の規制を受けております。
法令に関する解釈等に相違があり、万一、法令違反に係る問題が生じ、社会的信用力の低下等により円滑な業務運営に支障が生じた場合や、今後法的規制が強化された場合における設備投資等の新たな費用の発生・増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人財の確保・育成について
当社グループは、直営店やフランチャイズ加盟店の店舗展開を図るために、人財の確保を積極的に行っていく必要があります。特にスーパーバイザーおよび店舗運営人財の確保および育成が重要であると考えております。当社グループにおきましては、求人・採用活動に積極的に取組み、採用後のOJTによる教育および研修制度等による従業員に対する教育の充実と人財の育成に取り組んでおります。
しかしながら、人財の確保育成が当社グループの計画どおりに進まない場合、店舗におけるサービスの質の維持や店舗展開が計画どおりできず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) カントリーリスクについて
当社グループは、海外進出国において8番らーめんフランチャイズチェーンの展開、食料品および調味料の輸出入ならびに販売を行うほか、現地合弁会社でラーメン用のスープ等の製造や食材開発、原材料の購入業務を行っております。各国特有のカントリーリスク(世情、政治体制、経済、法規制、ビジネス慣習等)が顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 減損会計の適用について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。店舗損益の悪化等により新たな減損損失の認識をすべきであると判定した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 為替相場の変動について
当社グループでは、海外のフランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入や海外合弁会社からの受取配当金を現地通貨により送金を受けているため、極端な為替の変動が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、受取配当金については、海外合弁会社において株主総会付議議案が機関決定された時点で為替予約を行うことで、為替変動リスクの影響を回避しております。
(13) 風評被害について
当社グループは、一般消費者を対象とする商品やサービスを提供していることから、インターネット上の掲示板やSNS等への、当社グループおよびその関係者に関連した不適切な書き込みや画像等の公開により、風評被害が発生・拡散した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループのブランドイメージ、社会的信用および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループおよびその関係者に関連しない風評被害であっても、外食市場全体のイメージや社会的評価・評判に影響するものであれば、当社グループのブランドイメージ、社会的信用および業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(14) 自然災害について
大規模な地震や洪水、豪雪、台風等の自然災害が発生し、店舗・工場設備の損壊、社会インフラ・物流の遮断・制限等により、当社グループのフランチャイズ加盟店や直営店の営業、工場生産、仕入取引先の正常な営業活動が妨げられた場合、また、災害被害の程度によって修繕費等の多額の費用が発生する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 情報システムへの依存について
当社グループは、店舗やフランチャイズチェーン本部の運営、食材等の仕入、工場・セントラルキッチンでの製造、店舗からの食材注文や店舗への食材配送等様々な業務をコンピュータシステムおよびそのネットワークによる情報システムに依存しております。システムトラブルの発生予防、発生時の回復対策を講じていますが、その対策にもかかわらず、自然災害やプログラムの不具合、コンピュータ・ウイルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに回復困難な障害が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 外販事業の取引先について
外販事業における商品は、主として国内各地の生活協同組合および小売・量販店へ直接あるいは卸売業者を通じて販売され、消費者にご購入いただいております。当社グループと卸売業者等との取引関係は良好ではありますが、予期せぬ理由により一部の取引先との取引が継続できなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新型感染症の感染拡大について
広域にわたって影響を及ぼす新型感染症が発生し、その流行拡大によって消費者の消費意欲の減衰や消費動向の変化が起きた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型感染症の拡大抑制のため、従業員の就業制限等による当社グループのフランチャイズ加盟店や直営店の営業、工場生産、仕入取引先や配送業者の正常な営業活動等が妨げられた場合、多額の感染症対策費用が発生する可能性がある場合、行政による営業制限が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社の利益配分の基本方針は、事業基盤の確立を図りながら、安定的な利益還元を行うこととしております。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、店舗への投資、生産設備の充実等、企業基盤を強化するために、有効投資してまいりたいと考えております。
当社の剰余金の配当は、中間と期末配当の年2回を基本方針としており、これらの決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会であります。
当事業年度の配当金につきましては、中間配当金として1株当たり10円を実施しており、期末配当金については、当期の業績、当社グループを取巻く経営環境、今後の事業展開ならびに安定配当の維持等を総合的に勘案して、1株当たり10円を実施することを決定しました。この結果、当事業年度の配当金は1株当たり20円となりました。
当社は、取締役会の決議により、毎年9月20日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月31日 |
29 |
10.00 |
取締役会決議 |
||
2024年6月13日 |
29 |
10.00 |
定時株主総会決議 |