リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 主力事業への依存に関するリスク
当社グループの主力事業はイートインを主とする「ファミリーレストランジョイフル」業態であり、フランチャイズ店舗も含めた全店舗のうち「ファミリーレストランジョイフル」業態が占める店舗の割合は94.8%となっております。当社グループは「ファミリーレストランジョイフル」業態の強みであるローコスト・オペレーションに経営資源である「人」「物」「金」「情報」を集中させることにより、九州地区を中心にドミナントを形成してまいりました。
あわせて、このリスクを軽減するために新業態の開発、テイクアウト販売やデリバリー販売の開始及び自社工場製品の外部販売の強化などを進めております。
しかし万一、「ファミリーレストランジョイフル」業態が何らかの理由によりお客様から支持されなくなる様な事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 出店政策に関するリスク
当社グループでは、賃料、商圏人口、競合店の状況等を総合的に勘案して新規出店しておりますので、条件に合う物件等が少数の場合、当初の計画を達成できなくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 食材の安定調達と仕入価格の変動に関するリスク
当社グループは食肉の多くを、仕入業者を通じて海外から輸入しております。その価格は、国際的な食材市況や為替相場(円安)の影響を受けます。
また、国内外でのBSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫等の発生に伴う需給の逼迫などにより、仕入価格の高騰や安定調達の障害を招くことがあります。
野菜類は、季節ごとに国内各地から仕入業者を通じて調達しておりますが、冷夏や台風などの天候不順により、仕入価格の高騰や安定調達の障害を招くことがあります。
これらのリスクを回避するため産地の分散や複数購買等に努めておりますが、そのような事態が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 食材の安定供給と品質・衛生・安全性管理に関するリスク
当社グループは、自社工場において、ハンバーグ類、ステーキ類及びソース類を製造し、各店舗へ配送を行っております。また、大手スーパーやドラッグストアなどの小売店へ自社工場にて製造するハンバーグ類を外販しております。
品質・衛生・安全性管理は経営上の最重要課題として位置づけており、食品衛生法に準じた「ジョイフル品質管理基準」を設け、自社工場、配送センター及び店舗において厳格に食材を管理するとともに、社内の専門部署においてその妥当性を確認しております。
また、調達先から供給を受けている原材料、商品等に対しても厳格な食材管理を行っております。
しかし万一、「自然災害や品質・衛生管理上の問題」等の発生により自社工場、配送及び営業体制が稼動困難な状況に陥った場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材に関するリスク
当社グループの永続的・安定的な営業には、お客様に満足していただける商品とサービスの継続的な提供が不可欠であり、そのためにはこれを支える「人材の確保と育成」が重要な課題であると考えております。
具体的には、「通年採用の実施」や「人事制度の改定」、そして「従業員の能力開発」などに注力しております。
しかしながら、今後、国内景気の動向や少子高齢化の進行に伴う国内人口の変化などにより、「人材の確保や育成」が計画通りに進まない場合や、労働関連法令の改正等により人件費負担が増加する場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) システム障害に関するリスク
当社グループのコンピューターシステムは、物流業務(食材受発注、食材配送)、店舗マネジメント業務(レイバースケジュール、プロダクトスケジュール)、売上管理業務、勤怠管理業務、経理業務等でそれぞれ構築・運用されております。
また、専門部署を配置して信頼のおける外部委託業者と連携しながら、保守管理を行っております。
万一、事故・災害等による停電、機器の破損及びネットワークの断線等不測の事態により、これらシステムに障害が発生した場合には、様々な業務に支障をきたすことになり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 契約に関するリスク
① フランチャイズ契約に関するリスク
当社は、フランチャイジーとの間でフランチャイズ契約(2024年6月30日現在 契約先101事業者 店舗数141店舗)を締結しておりますが、今後フランチャイジーとのトラブル等によりフランチャイズ契約が解約される事態が生じた場合には、ロイヤリティ収入等が減少し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 店舗物件等に係る敷金・保証金及び建設協力金回収に関するリスク
当社グループは、店舗用物件等の賃貸借契約の締結に際して賃貸人に敷金・保証金及び建設協力金を差し入れており、2024年6月30日現在の残高は2,895百万円、総資産に占める割合は9.5%となっております。敷金・保証金は契約期間満了等により賃貸借契約を解約する際に返還される契約となっており、また、建設協力金は、賃借料の支払いと相殺することにより契約期間満了時までに全額回収する契約となっております。
しかし、敷金・保証金及び建設協力金については、預託先の経済的破綻等によりその一部又は全部が回収不能となる場合や、賃貸借契約に定められた期間満了前に中途解約をした場合には返還されないことがあります。このような事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 賃借物件の契約に関するリスク
当社グループは、店舗として土地建物を賃借しておりますが、当該所有者の事情で契約の事前解約により、また、契約が更新できなくなることにより、業績が良好な店舗であっても余儀なく閉店することがあります。
(8) 法規制並びに会計・税制制度の変更に関するリスク
当社グループは、従業員数の約92%がパートタイム労働者で構成されており、最低賃金並びに社会保険・労働保険の加入基準等の労働関連法令の改正が適用された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、食品を扱う企業として、「食品衛生法」「食品リサイクル法」「各種トレーサビリティ法」等の規制を受けており、これらの法令が昨今の食の安全性・信頼性に対する世論の監視の強まりを踏まえて強化された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
その他に、消費税等の増税による消費マインドの冷え込みなどにより売上が低迷する場合や、新たな会計基準・税制の適用が行われた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自然災害等に関するリスク
当社グループは、大分県大分市に本社を置き、九州地区を中心に出店を進めてきたため、フランチャイズ店舗を含めた全店舗数656店舗(2024年6月30日現在)のうち約半数にあたる329店舗は九州地区にあります。
また、九州地区には、3つある自社工場のうち2工場(福岡・熊本)と、2つの配送拠点(福岡・熊本)があるため、九州地区を中心に地震や台風等の自然災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
あわせて、自社工場に火災が発生し、その主要部分が消失した場合には、生産供給体制が滞る結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、店舗用資産等として有形固定資産及び無形固定資産を有しており、当連結会計年度末の総資産に占める割合は半分以上となっております。当社グループの店舗用資産等について実質的価値の下落や事業計画の見直し等により個店別収益が著しく低下し、有形固定資産及び無形固定資産の多額の減損処理が今後必要となった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 感染症の流行に関するリスク
当社グループは、日本全国に店舗展開しておりますが、新型インフルエンザや新型コロナ等のウイルスが全国的に流行し、感染者が拡大及び長期化した場合は、店舗・工場等の営業及び稼動を縮小又は停止する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、お客様の外出自粛等による外食需要の減少に伴い、当社グループの主力事業であるイートインを主とする「ファミリーレストランジョイフル」業態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(12) 個人情報の取扱いに関するリスク
当社グループでは、顧客、取引先及び従業員等の個人情報を取り扱っております。当社グループは、個人情報の漏洩を重要なリスクとして認識し、社内規程・ガイドブックを整備し社内に周知しております。万一、顧客情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 人々のライフワークの変化に関するリスク
企業の働き方改革や、感染症対策に伴うテレワーク等の浸透による、オフィス立地等でのイートイン需要の減少、また、デリバリー需要が高まった場合、デリバリーサービスが普及していない郊外立地店舗の需要減少など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけております。配当政策につきましては、財務体質の強化と将来の事業展開に備えるために内部留保の充実を図るとともに、安定した配当を継続して実施する方針であります。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当は、株主総会によるほか、取締役会の決議によって決めることができる旨を定款に定めております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり10円(うち中間配当金5円)としております。
内部留保資金につきましては、新規出店や店舗の改装に際しての設備投資資金等に充当し、経営基盤のより一層の強化に有効に活用してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
なお、次期の配当につきましては、1株当たり10円(中間配当5円、期末配当5円)を予定しております。
具体的な内容は次の(参考情報)をご参照ください。
(参考情報)