リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に掲載しています。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努めてまいります。
(1) 法規制に関するリスク
当社グループでは、業務管理及び社員教育を徹底し、コンプライアンス意識の維持、向上に努めておりますが、以下の関係法令に違反して罰則の適用を受け、営業停止等の行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 警備業法等
セキュリティ事業の実施にあたっては、警備業法及び関係法令の規制を受けております。また、同法へ適確に対応すべく引き続き社員の資格取得を推進しております。
なお、当社の他、子会社である関西シーエスピー㈱、新安全警備保障㈱、エスシーエスピー㈱、長野県パトロール㈱、長野県交通警備㈱、㈱特別警備保障、CSP東北㈱、㈱CSPクリエイティブサービス、東亜警備保障㈱、関連会社である㈱トーノーセキュリティが同様に警備業法及び関係法令の規制を受けております。
② その他の法律等
機械警備業務及び工事・機器販売の業務においては、契約先の施設に警報機器を設置しており、この設置工事に関して建設業法等の規制を受けております。
また運輸警備業務においては、契約先の要請に応じ、現金輸送車を利用して現金等を輸送しているため、貨物自動車運送事業法等の規制を受けております。
(2) 情報管理及びプライバシー保護に関するリスク
当社グループは、セキュリティ事業の各サービスの実施にあたって、業務運営上の必要から契約先の機密情報その他の情報を知り得る立場にあります。
当社グループは、従来から徹底した管理体制と社員教育により、契約先の情報が外部に漏洩しないよう情報の管理及びプライバシー保護に努めております。当社はさらに、これらの情報管理体制をより強化して契約先との信頼関係を一層強固なものとするため、2003年5月に全社を挙げてISMS(情報セキュリティ・マネジメントシステム、2007年1月よりISO/IEC27001に移行)認証を取得いたしました。
また、2005年4月から施行された個人情報保護法への対応については、当社内で「個人情報及び個人番号の保護に関する基本方針」(2015年11月1日改定)を定め、一連の個人情報保護に関する社内ルールを整備して、ISMSをベースにした情報管理を徹底させております。
それらに加え、2020年1月には「CSPグループ情報セキュリティ基本方針」を制定し、情報セキュリティ事故の未然防止に努め、情報管理体制をより強化して契約先との信頼関係を一層強固なものとするため、グループを挙げて取り組んでおります。
しかしながら、契約先の情報が外部に漏洩した場合には当社グループの信用が損なわれることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争に関するリスク
市場規模に比べて警備業者は大小とりまぜて10,524社(警察庁公表「令和4年における警備業の概況」より)と多数にのぼっており、同業者間の価格競争が年々激しくなっております。当社グループは、これらの同業他社と競合状態にあり、今後の価格競争の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材確保に関するリスク
良質な警備サービスを継続して提供するためには、常に優秀な人材を確保し、不断の教育、研修を通じてその知識、技能の維持、向上を図ることが欠かせません。当社グループでは年間を通じて採用業務を展開するとともに、専用の施設と専属のスタッフを配置して社員教育に取り組んでおりますが、少子化の時代を迎え、質・量の両面で必要な人員を確保できなくなった場合、事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、引き続き人材の確保に注力するとともに、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進することで、女性の活躍の場を拡大し、すべての社員が働きやすい職場環境の構築を目指してまいります。
(5) 技術の陳腐化に関するリスク
機械警備業務における最近の傾向として、IT技術の進展により、画像解析等を利用した機械警備など、新たなサービスが登場しています。
また、情報ネットワークの拡大に伴い、各種情報の漏洩、コンピュータ・ウィルスによるデータの破壊などの脅威から重要な情報資産を守るため、サイバーセキュリティの分野での需要も増大しております。
当社グループでは、当該技術分野の研究・開発により、既存の機器・装置の陳腐化や犯罪の高度化・凶悪化に対応しておりますが、急速な環境変化への対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 大規模災害等に関するリスク
当社グループでは災害発生時の対応について、普段より対応マニュアルの整備及び定期的な教育・訓練の実施等により、対策を講じております。また機械警備部門では、万一に備えて東京と長野に相互にバックアップ機能を持たせた全国ネットワーク(機械警備統合システムS21)を構築しております。
しかしながら、広範囲に亘って大規模な地震や火災などが発生した場合には、公共の通信インフラの機能停止、道路、鉄道などの交通インフラの遮断などにより、当社グループが提供する各種のセキュリティサービスの実行に支障をきたすおそれがあります。また、当社が契約先に設置している警報機器等(当社資産)が損傷した場合には、修理・交換等の対応を余儀なくされる可能性があります。
したがいまして、大規模な災害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(7) パンデミックによる感染拡大に関するリスク
当社は「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に基づき、「新型コロナウイルス感染症に対する対応要領」を作成し、予防に関する備品の整備、社員教育、各関係機関からの情報収集等の体制を整えるなど、感染予防及び危機管理体制の確立に努めております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症などの感染が広範囲に拡大し、警備を担当する社員の感染者が多数に至った場合には、お客さまへの感染を最大限防止するためにも、セキュリティサービスの実行を縮小及び停止せざるを得ない事態が発生する可能性があります。
したがって、危険度の高い感染症が大流行した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(8) 警備及び基幹システムに関するリスク
当社グループでは、機械警備サービスの信号処理、警備サービスに係る契約の管理、代金の請求及び債権の回収・管理等の業務処理について、警備及び基幹システムを使用して統合的に管理しております。また、業務効率化、取引形態の多様化や制度改正に対応するため、随時、システムの改修を実施しております。
システムの運用・改修については、システムの開発段階から納品までの品質管理の徹底を図っておりますが、災害の発生等によるシステム障害やシステムの改修に伴いプログラムの不具合が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)従業員による不適切事案に関するリスク
当社グループの従業員による不適切な事案が発生した場合には、各サービスの解約、縮小等につながるとともに多額の損害賠償請求を受けるなど、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
当社では、コンプライアンスに関する教育を定期的に実施することで、各従業員の意識の向上を図るとともに、グループ子会社においては、当社から取締役または監査役を派遣するなどして、厳正な指導、監督を行っております。
(10) 関連当事者との取引等に関するリスク
当社グループと大株主(議決権所有比率25.3%)である東日本旅客鉄道㈱及びそのグループ会社との間の当連結会計年度における売上実績は、19,190百万円となり、全売上高の28.2%を占めております。
当社は、1997年12月に東日本旅客鉄道㈱と「業務提携基本契約」を締結して以来、同社が管轄する各駅及び同社の本社ビル等の常駐・機械警備、同社及び同社グループの集配金業務(現金輸送等)などのセキュリティサービスの提供、並びに、新セキュリティシステムの共同開発等を行って、その提携関係を強化して参りました。また、今後もその提携関係は強化していく方針ですので、同社及び同社グループに対する売上比率は徐々に高まっていくものと思われます。
したがいまして、同社の業績が著しく悪化した場合、あるいは当社との提携関係に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、経営基盤のより一層の強化と今後の事業展開のために必要な内部留保を確保しつつ、株主の皆様に業績に応じた利益還元を図るため、安定した配当を継続的に行うことを利益配分に関する基本方針としております。また当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本とし、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の剰余金の期末配当につきましては、上記の基本方針に基づき、普通配当1株当たり金30円といたします。これにより、当期の年間配当は金60円になります。
なお、当事業年度の配当性向(単体)は17.8%であり、連結ベースでの配当性向は16.3%となります。
(注) 1 当社は中間配当を行う旨を定めております。
2 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。