事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
業務&ソリューション | 45,144 | 38.1 | 5,331 | 42.6 | 11.8 |
テクノロジー&ソリューション | 42,287 | 35.6 | 4,193 | 33.5 | 9.9 |
プラットフォーム&サービス | 31,206 | 26.3 | 2,978 | 23.8 | 9.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の企業集団は、当社(株式会社DTS)、連結子会社17社および非連結子会社2社で構成され、情報サービス業を主な事業内容とし、顧客の属する業界や地域、提供するソリューションやサービスの性質などを踏まえ「業務&ソリューション」「テクノロジー&ソリューション」「プラットフォーム&サービス」の報告セグメントに分類し、事業活動を展開しています。
事業内容と各グループ会社の関係は、次のとおりです。
〔業務&ソリューション〕
強みである「PM力」「業界知見」に「デジタル技術」をアドオンすることで、新たな付加価値を生み出し、以下のサービスを提供します。
・ システム導入のためのコンサルティング
・ システムの設計、開発、運用、保守など(基盤およびネットワークなどの設計・構築を含む)
・ 業界特化型のソリューション創出など
〔テクノロジー&ソリューション〕
顧客の多種多様なニーズに最新技術で対応するため、デジタル技術・ソリューションに特化し、業界・地域横断で以下のサービスを提供します。
・ システム導入のためのコンサルティング
・ システムの設計、開発、運用、保守など(基盤およびネットワークなどの設計・構築、組込みを含む)
・ ソリューション(自社・他社)の導入、運用、保守など
〔プラットフォーム&サービス〕
顧客が安心して利用出来るIT環境をサポートするため、業界・地域横断で以下のサービスを提供します。
・ 先端IT機器の導入やITプラットフォームの構築
・ クラウド系サービスや仮想化システムなども含めたトータルな情報システムの運用設計、保守
・ 常駐または遠隔によるシステムの運用、監視サービス
・ ITインフラを中心としたシステムの運用診断や最適化サービス
・ サブスクリプション、リカーリング等利用料型ビジネスなど
事業の系統図は次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの、先行きについては世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、このところ足踏みもみられます。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下において当社グループは、2030年に向けた経営ビジョン「Vision2030」を策定しています。
IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスやそれらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指します。
その実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組んでいます。
当期の売上高は、1,157億27百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は14期連続増益、10期連続過去最高の125億8百万円(前年同期比7.0%増)、ならびにEBITDAは135億87百万円(前年同期比9.3%増)となり、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成しました。
■「提案価値の向上」「SI×デジタルのコンビネーション」
「フォーカスビジネス」(注1)を、当社グループの成長領域として取り組みを強化しており、中期経営計画では、2025年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率40%を目標として推進しています。当連結会計年度のフォーカスビジネス売上高比率は48.0%となり順調に推移しています。
2023年5月、安心計画株式会社の全株式を取得しました。当社開発の3次元CAD(3DCAD)による住空間提案システムである「Walk in home」の開発ノウハウと、安心計画株式会社の「Walk in home」における長年の販売で積み上げた営業ノウハウ、営業基盤、運用保守ノウハウを組み合わせることで、ハウジングソリューションビジネスにおける提案価値の高度化に取り組んでいきます。
(注1) フォーカスビジネス
デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域。
■「ESGへの取り組み強化」
当社社員の財産形成の一助とすることに加えて、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、当社社員が株主との一層の価値共有を進めるため、新設した社員向け譲渡制限付株式交付制度に基づき、2023年8月に株式を交付しました。
また、社員一人ひとりが社会貢献への意識を高め、行動していく事が重要と考え、積極的に社会貢献活動を推進しています。
当社グループは、ワインを核とした新たなまちづくりを目指す一般社団法人とみおかワインドメーヌのブドウ園において、東日本大震災復興支援ボランティア活動を実施しています。当期においては、グループ社員約50名が参加し、醸造用ぶどうの苗木を保護するカバーの整備や除草作業などの支援を行いました。
2023年6月、IT分野における教育・研修サービス等を提供する株式会社MIRUCA(ミルカ)で当社グループ初となる女性の代表取締役社長が就任しました。
2023年8月、2023年度(2023年8月31日から2024年8月29日)の「JPX 日経インデックス400」(注1)の構成銘柄に2年連続で選定されました。
さらに、健康経営の取り組みでは、その成果が認められ、経済産業省と東京証券取引所によって「健康経営銘柄2024」に選定されました。あわせて、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を3年連続で受けました。また、「健康優良企業・金の認定」を4年連続で更新することができました。
また、コーポレート・ガバナンスに関するESGへの取り組みでは、役員報酬の指標についての開示など、ガバナンス体制の強化を図りました。
環境への取り組みにおいては、環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体CDPによる2023年の気候変動レポートにおいて、リーダーシップレベルに位置する「A-」の評価を獲得しました。
以上のような取り組みが評価され、米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社(以下、MSCI)が世界の企業を対象にESGへの取り組みや情報開示の観点で格付けする「MSCI ESGレーティング」において、「A」評価を獲得しました。
(注1) JPX 日経インデックス400
資本の効率的活用に加えてコーポレート・ガバナンス強化の取り組みなど、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される株価指数。
■「自社経営基盤の改革」
Vision2030および中期経営計画の2年目をスタートするにあたり、各セグメントの成長戦略を着実に実施していくため、セグメントを軸とした事業運営体制に移行しました。具体的には、ミッション明確化・アジリティ向上・機動的な資源配分・グループ間連携強化などの観点から、各セグメント所属組織を統括する組織、および中長期的な計画策定、実行管理を担う推進部を設置しました。
また、システム基盤関連ビジネスのさらなる強化・拡大および経営資源の有効活用・事業運営の効率化を目的に、当社の完全子会社であるデジタルテクノロジー株式会社およびアイ・ネット・リリー・コーポレーション株式会社は2024年4月1日に合併しました。
さらに、国内のシステム開発体制の強化、お客様のデジタル領域での対応力強化、および新規顧客の拡大を図るため、株式会社アヴァンザおよび株式会社東北システムズ・サポートの全株式を取得し子会社化しました。
■「株主還元」
成長投資の機会、資本の状況などを総合的に勘案し、資本効率の向上ならびに株主への一層の利益還元を図るため、2023年5月から10月に約16億円の自己株式取得、およびその消却を2023年11月に実施しました。さらに、2024年2月から3月に約10億円の自己株式の取得、およびその消却を2024年3月に実施しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,157億27百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により248億76百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、123億67百万円(前年同期比36.0%増)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、125億8百万円(前年同期比7.0%増)、経常利益は、128億31百万円(前年同期比7.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の増加などにより、72億93百万円(前年同期比8.8%減)となりました。
<売上高の内訳>
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
業務&ソリューションセグメント
銀行業や官公庁のシステム開発などが順調に推移し、売上高は436億63百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、「クラウドアーキテクチャーベースでのAP開発力強化」、「アジャイル/ローコード開発への対応力強化」および「業界特化ソリューション・サービス拡大・さらなる創出」などに努めています。
金融庁および経済産業省の「クレジットカード業におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」に準拠したマネー・ローンダリング対策システム「AMLion(アムリオン)」をクレジットカード業界向けに提供を開始しました。「AMLion(アムリオン)」は国際基準に準拠したマネー・ローンダリング対策システムで、業界特化ソリューション・サービスとして、これまで証券会社などに提供してきました。
また、これまでの銀行システムの開発経験や金融犯罪対策領域における業務実績を活用して開発した「振り込め詐欺救済法対応ソリューション」の提供を開始しました。
さらに、デジタル不正検知を強化したサイバーセキュリティ・ソリューションを提供する戦略的パートナーシップをMastercardと締結しました。その戦略的パートナーシップに基づき、2023年12月、ウェブサイトやSNSなどを持つ企業のサイバーセキュリティリスク評価ソリューション「RiskRecon(リスクリコン)」の提供を開始しました。
今後も金融犯罪対策業務の高度化・効率化に貢献していきます。
また、株式会社DTS WESTでは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)様のLGWAN(エルジーワン)(注1)環境でのAIチャットボットサービスの提供業務に、AIを活用したFAQソリューション「kotosora(コトソラ)」(注2)が採用されました。
(注1) LGWAN
Local Government Wide Area Network(総合行政ネットワーク)の略称。地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内 LAN)を相互に接続し高度なセキュリティを維持した行政専用の通信ネットワーク。
(注2) kotosora
自然言語処理を行うAI(人工知能)を活用し、よくある質問(FAQ)の回答をチャットでの会話形式で提供する、WEB ブラウザ上で動作するサービス。
テクノロジー&ソリューションセグメント
生産管理システムなどのパッケージソリューションや新規連結などにより好調に推移し、売上高は422億14百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、クラウドビジネス技術の強化およびビジネスモデルの変革、パッケージ販売拡大に向けた機能強化、ERPビジネス拡大強化、およびエッジAIとサイバーセキュリティ技術の確立などに努めています。
アプリケーション開発を中心とした既存SIのビジネスモデルから進化させ、新規ソリューション・サービスの創出による事業領域の拡大を目指して、「ServiceNow®(サービスナウ)」を注力分野の1つに位置づけています。人材育成プログラムを整備し、短期間で市場が求めるデジタル人材や高付加価値人材を育成していきます。
2023年11月、住宅建設事業のさまざまな業務システムを一元的に管理し効率化できる住宅建設業界向け基幹システムの「HOUSING CORE(ハウジング コア)」では、施工管理モバイルアプリと業者サポート機能の拡張などを実施した「HOUSING CORE Ver.3」の販売を開始しました。
また、外皮計算(注1)の自動生成などの設計機能の強化と見積りの精度向上を実現した「Walk in home 2023(ウォークインホーム)」の販売を開始しました。
さらに、当社グループ会社の安心計画株式会社は、住宅購入を検討する方が事前に間取りの動線の良し悪しをゲーム感覚で確認できるアプリ「My Room tour(マイルームツアー)」の提供を開始しました。
また、ビジネス・インテリジェンスソリューション「Geminiot(ジェミニオ)」および製造業データ活用ソリューション「Pasteriot.mi(パステリオ エムアイ)」に搭載したAIの自動分析機能において、IBM i(注2)への対応を開始しました。IBM iのデータから自動で業務上の問題を検出・フィードバックすることで、業務の「自律的なカイゼン」を実現します。
さらに、SAPジャパン株式会社の人材マネジメントソリューション分野でSAP AWARD OF EXCELLENCE 2024のSAP® Human Experience Managementアワードを受賞しました。様々なお客様要望に対し、数多くの導入案件で培ったノウハウを生かしたシステム導入において高い評価を受けています。
(注1) 外皮計算
建物の外壁、窓、床、屋根、天井など、室内と室外を分け隔てる部分から逃げる熱量を計算して、より断熱度が高く、室内環境が安定に保った家を作るために行う計算。
(注2) IBM i
企業の基幹システムに多く採用されているプラットフォーム用のオペレーティング・システム。
プラットフォーム&サービスセグメント
運用、基盤構築案件は拡大したものの、前年同期のハードウエア販売が一時的に増加した反動により、売上高は298億49百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM/ReSMplusを中心とした運用サービスメニューの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、およびネットワークインテグレーションビジネスの推進などに努めます。
2023年4月、オンライン上で完結できる本人確認の仕組み(電子本人確認、electronic Know Your Customer:eKYC(注1))と当社の業務代行(BPO)サービスを組み合わせた「DTS eKYC サービス」の提供を開始しました。
また、企業におけるITサービス管理の効率化と高度化を支援するため、当社の豊富なシステム運用のノウハウを活用し、Atlassian Pty Ltdの提供するJira Service Managementを軸としたAtlassian製品の導入コンサルティングと活用支援サービスの提供を開始しました。
2023年10月、Google Cloudを専門としたシステムインテグレーターであるクラウドエース株式会社様にJira Service ManagementをはじめとしたAtlassian製品を導入し、同社のITサービスマネジメントシステムを整備しました。
(注1) eKYC
口座開設やサービス利用開始時に必要な本人確認をオンラインで完結するサービス。AI(顔認証等)を活用することで、書類のやり取り等の手間を省き、短時間での本人確認を実現し、本人確認に要する工程をオンライン化する事で、企業側も事務処理の簡略化を実現するもの。
財政状態としては、総資産は848億82百万円となりました。現金及び預金が46億92百万円減少しましたが、のれんが42億62百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が13億11百万円、投資有価証券が12億80百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用が4億23百万円、建物及び構築物(純額)が4億2百万円、投資その他の資産のその他に含まれる敷金及び保証金が3億49百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が42億5百万円増加しました。
負債は214億79百万円となりました。賞与引当金が6億91百万円、未払金が6億82百万円、流動負債のその他に含まれる預り金が4億39百万円、未払法人税等が3億51百万円、固定負債のその他に含まれる長期未払金が3億1百万円、同じく固定負債のその他に含まれる長期借入金が2億99百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が31億80百万円増加しました。
純資産は634億2百万円となりました。剰余金の配当50億円、自己株式の取得26億円を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益が72億93百万円、その他有価証券評価差額金が6億37百万円、退職給付に係る調整累計額が2億28百万円、非支配株主持分が1億75百万円、為替換算調整勘定が1億58百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が10億25百万円増加しました。なお、自己株式の消却により、自己株式が15億33百万円、利益剰余金が14億74百万円それぞれ減少しています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である433億64百万円に比べ58億6百万円減少し、375億57百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは104億10百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が27億67百万円増加しました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増減額が減少したことにより26億48百万円の収入が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△85億16百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が75億85百万円増加しました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が49億49百万円増加したこと、定期預金の預入による支出が10億67百万円増加したこと、有価証券の償還による収入が5億円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△78億17百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が12億78百万円減少しました。主な要因は、自己株式の取得による支出が24億1百万円減少した一方で、配当金の支払額が10億21百万円増加したことなどによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、従来「業務&ソリューション」事業に区分していたDTS America CorporationおよびDTS SOFTWARE VIETNAM CO.,LTD.について、「テクノロジー&ソリューション」事業へ報告セグメントの区分を変更し、以下、対前年同期増減率については、変更後の区分方法に基づき作成した前年同期の数値を用いています。
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引は、相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。なお、当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期の売上高は、1,157億27百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は14期連続増益、10期連続過去最高の125億8百万円(前年同期比7.0%増)、ならびにEBITDAは135億87百万円(前年同期比9.3%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.事業環境の変動について
当社グループの事業においては、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっており、今後も事業環境の変動を注視していきます。
ロ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、DX人材の育成に取り組むとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
ハ.海外事業について
当社グループにおいては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社グループではこれらのリスクを認識するとともに、担当部署を定めてリスク管理の強化を進めています。
ニ.ビジネスモデル、技術革新について
当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を策定しています。
これらの実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みを進めていきます。
ホ.М&Aの投資について
М&Aの投資の意思決定時は、投資対効果の評価や第三者によるDCF法やマルチプル法を使った価値算定結果を判断要素としています。
また、ファイナンシャルアドバイザーや公認会計士、弁護士等の外部有識者によるデューデリジェンスの実施を必須とし、発見された各リスクの検証、対応策等も勘案して経営会議において審議を行い、最終的に取締役会において決議・承認を実施しています。さらに、М&A実施後の統合プロセス(PMI)計画を作成し、М&A効果の最大化に向けた統合プロセスを早期から実施することにより、リスクの低減に努めています。
ヘ.法的規制について
当社グループでは、グループのコンプライアンス基本原則や行動規範等を制定するとともに、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス教育、啓蒙活動を実施し、法令遵守に取り組んでいます。
ト.訴訟等について
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。
チ.知的財産権等について
当社グループは事業活動において、第三者の特許・商標・著作権等の知的財産権を侵害することのないよう常に留意するとともに、研修等を通じて知的財産権に対する社員の意識向上に努め、必要となる技術やビジネスモデルについては、各種特許や商標を出願・登録しています。
リ.人材等について
当社グループにおいては、多様性を尊重し、その活躍を促進するための環境を整備するとともに、従業員エンゲージメントサーベイの定期的な実施とその分析・対応を推進していきます。
また、人材確保については、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用を実施するとともに、DX領域の新技術習得や専門資格支援など、人材の育成にも注力しています。
ヌ.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、独自の開発標準の浸透に努めています。また、受注金額が一定以上または必要と認めたプロジェクトの受注可否を審議することやプロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングすることを目的としたプロジェクト推進会議を設置することにより、プロジェクトの状況を把握することで不採算案件の抑止に取り組んでおり、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。
ル.セキュリティについて
当社においては、情報の取り扱いと管理についての社内規程を整備するとともに、セキュリティ上の脆弱性がないか社内ネットワークや主要システムの診断を行い、ゼロトラストを含む必要な対策強化についての検討・対応を行っています。
また、個人情報保護活動の一つとしてプライバシーマークを取得し、社員および協力会社社員に向け、情報の取り扱いについて意識向上のための啓発教育を実施しています。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得を受け、セキュリティ管理体制のさらなる強化を図るとともに、国内外グループ共通のコンプライアンスガイドを制定し、グループ各社の社内規程の整備や社員のセキュリティ情報の取り扱いに対する意識向上などに取り組んでいます。
ヲ.事業継続について
当社では、テレワークや時差勤務などの就労制度を活用し、社員の安心・安全を最優先としつつ、顧客の意向を汲み取りながら業務の継続に取り組んでいます。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
今後の事業拡大に向け、人材投資、研究開発投資、設備投資およびM&Aに資金を活用していく方針です。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を策定しています。Vision2030の1st Stageとなる中期経営計画(2022年4月~2025年3月)では、事業および経営基盤の両面において重要課題を設定しています。中期経営計画2年目の実績は以下のとおりです。
<財務目標と実績>
(※1) 営業利益120億円以上(参考値)
<非財務目標と実績>
(※2) デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域
(※3) SDGsゴール(17項目)に適応するプロジェクトの売上高
⑥ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
業務&ソリューションセグメント
銀行業や官公庁のシステム開発などが順調に推移し、売上高は436億63百万円(前年同期比7.5%増、業績予想比4.0%増)となりました。
テクノロジー&ソリューションセグメント
生産管理システムなどのパッケージソリューションや新規連結などにより好調に推移し、売上高は422億14百万円(前年同期比22.7%増、業績予想比2.0%増)となりました。
プラットフォーム&サービスセグメント
運用、基盤構築案件は拡大したものの、前年同期のハードウエア販売が一時的に増加した反動により、売上高は298億49百万円(前年同期比4.0%減、業績予想比5.5%減)となりました。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
各セグメントの事業内容は以下のとおりです。
(1) 「業務&ソリューション」
強みである「PM力」「業界知見」に「デジタル技術」をアドオンすることで、新たな付加価値を生み出し、以下のサービスを提供します。
・システム導入のためのコンサルティング
・システムの設計、開発、運用、保守など(基盤およびネットワークなどの設計・構築を含む)
・業界特化型のソリューション創出など
(2) 「テクノロジー&ソリューション」
顧客の多種多様なニーズに最新技術で対応するため、デジタル技術・ソリューションに特化し、業界・地域横断で以下のサービスを提供します。
・システム導入のためのコンサルティング
・システムの設計、開発、運用、保守など(基盤およびネットワークなどの設計・構築、組込みを含む)
・ソリューション(自社・他社)の導入、運用、保守など
(3) 「プラットフォーム&サービス」
顧客が安心して利用出来るIT環境をサポートするため、業界・地域横断で以下のサービスを提供します。
・先端IT機器の導入やITプラットフォームの構築
・クラウド系サービスや仮想化システムなども含めたトータルな情報システムの運用設計、保守
・常駐または遠隔によるシステムの運用、監視サービス
・ITインフラを中心としたシステムの運用診断や最適化サービス
・サブスクリプション、リカーリング等利用料型ビジネスなど
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当連結会計年度より、従来「業務&ソリューション」に含まれていたDTS America CorporationおよびDTS SOFTWARE VIETNAM CO.,LTD.について、「テクノロジー&ソリューション」に含めています。なお、当該変更による影響は軽微です。
また、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しています。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会計処理の方法と同一です。報告セグメントの利益は営業利益ベースの数値であり、セグメント間の内部収益および振替高は独立第三者間取引と同様の一般的な取引価格に基づいています。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額に重要なものはありません。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 事業セグメントに資産を配分していません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額に重要なものはありません。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 事業セグメントに資産を配分していません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が、連結損益計算書の売上高の90%を超えているため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しています。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が、連結損益計算書の売上高の90%を超えているため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しています。
3 主要な顧客ごとの情報
単一の外部顧客への売上高が連結売上高の10%未満であるため、主要な顧客に関する情報の記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)「テクノロジー&ソリューション」に帰属するのれんについて減損損失1,007百万円を計上しています。
(のれんの金額の重要な変動)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
Partners Information Technology, Inc.を子会社化したことに伴い、「テクノロジー&ソリューション」セグメントにおいてのれんが発生しています。当該事象によるのれん増加額は、1,307百万円です。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
株式会社アヴァンザおよび株式会社東北システムズ・サポートを子会社化したことに伴い、「業務&ソリューション」セグメントにおいてのれんが発生しています。当該事象によるのれん増加額は、4,097百万円です。
また、安心計画株式会社を子会社化したことに伴い、「テクノロジー&ソリューション」セグメントにおいてのれんが発生しています。当該事象によるのれん増加額は、1,271百万円です。
一方、「テクノロジー&ソリューション」セグメントにおいて、のれんの減損損失を計上したことにより、のれんの金額に重要な変動が生じています。当該事象によるのれんの減少額は、1,007百万円です。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。