2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,702名(単体) 193,513名(連結)
  • 平均年齢
    39.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.6年(単体)
  • 平均年収
    9,057,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

43,299

〔3,799〕

海外

145,178

〔7,019〕

その他

5,036

〔591〕

合計

193,513

〔11,409〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2 前連結会計年度末に比べ年間平均臨時従業員数が3,848名増加しています。主な理由は、海外セグメントにおける前連結会計年度下期に実施した海外事業統合(NTT Ltd.の連結)によるものです(臨時従業員数は年間平均人員数を記載しており、海外事業統合により増加した人員数は前連結会計年度は下期のみが対象ですが、当連結会計年度は通期が対象となることにより差分が生じるためです)。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,702

〔145〕

39.9

14.6

9,057

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

〔77〕

海外

〔-〕

その他

1,702

〔68〕

合計

1,702

〔145〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は第1四半期は持株会社体制移行前の㈱エヌ・ティ・ティ・データの、第2四半期以降は㈱NTTデータグループの平均人員を〔 〕内に外数で記載しています。

2 前事業年度末に比べ従業員数が11,012名、年間平均臨時従業員数が188名減少しています。主な理由は、2023年7月1日付で、当社が営む国内事業を㈱NTTデータ国内事業準備会社(現、㈱NTTデータ)に承継させたことによるものです。なお、当事業年度末時点での臨時従業員数は56名です。

3 平均年間給与は、基準内給与に加え時間外手当等基準外給与及び賞与を含んでいます。

4 60歳定年制を採用しています。

5 平均勤続年数の算定にあたり、日本電信電話㈱、東日本電信電話㈱、西日本電信電話㈱及びエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱等から転籍した従業員については、同社における勤続年数を加算しています。

6 提出会社における従業員数の男女数は、男性1,292名、女性410名です。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいては、労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の格差

名称

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)(注3)

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

㈱NTTデータグループ

14.9

%

126.3

%

81.8

%

80.7

%

148.0

%

 

(連結子会社)

㈱NTTデータ

9.9

%

103.5

%

72.2

%

71.1

%

75.9

%

㈱NTT DATA, Inc.

19.6

%

66.7

%

81.4

%

79.8

%

0.0

%

㈱NTTデータ・フィナンシャルテクノロジー

4.1

%

71.9

%

73.5

%

73.5

%

65.9

%

㈱NTTデータ・アイ

6.1

%

57.7

%

75.7

%

76.7

%

59.9

%

エヌ・ティ・ティ・データ先端技術㈱

6.6

%

28.6

%

80.2

%

82.2

%

59.9

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ北海道

4.3

%

20.0

%

79.2

%

78.0

%

55.7

%

㈱NTTデータ信越

0.0

%

-

 

66.3

%

84.7

%

90.9

%

㈱NTTデータ東海

2.7

%

50.0

%

76.0

%

73.4

%

0.0

%

㈱NTTデータ北陸

14.3

%

-

 

-

 

-

 

-

 

㈱NTTデータ関西

7.4

%

36.6

%

77.5

%

76.3

%

123.4

%

㈱NTTデータ中国

2.9

%

85.7

%

78.1

%

79.2

%

79.1

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ四国

4.0

%

100.0

%

-

 

-

 

-

 

㈱エヌ・ティ・ティ・データ九州

4.3

%

10.0

%

76.6

%

73.9

%

0.0

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所

21.5

%

42.1

%

68.5

%

72.3

%

19.1

%

㈱NTTデータSMS

4.6

%

76.5

%

74.2

%

74.4

%

72.4

%

エヌ・ティ・ティ・データ・カスタマサービス㈱

4.7

%

66.7

%

79.9

%

76.4

%

60.7

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート

6.3

%

100.0

%

79.4

%

81.5

%

37.6

%

エヌ・ティ・ティ・データ・マネジメント・サービス㈱

22.4

%

100.0

%

60.3

%

59.3

%

64.6

%

エヌ・ティ・ティ・データ・フォース㈱

11.6

%

54.5

%

75.2

%

75.5

%

47.0

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・フロンティア

8.4

%

133.3

%

75.5

%

75.5

%

58.8

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・ユニバーシティ

31.0

%

0.0

%

-

 

-

 

-

 

㈱NTTデータ・スマートソーシング

17.7

%

36.4

%

63.1

%

69.8

%

83.0

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・ウェーブ

6.4

%

90.9

%

72.6

%

71.5

%

46.9

%

㈱NTTデータ・インフォメーションテクノロジー

11.5

%

100.0

%

80.8

%

81.3

%

59.1

%

エヌ・ティ・ティ・データ・ソフィア㈱

35.3

%

114.3

%

90.1

%

88.5

%

67.4

%

㈱クニエ

7.3

%

26.5

%

62.5

%

65.3

%

20.1

%

㈱NTTデータ・ビジネス・システムズ

6.3

%

75.0

%

75.8

%

75.4

%

75.5

%

NTTデータカスタマサービステクノロジ㈱

0.0

%

62.5

%

101.6

%

97.6

%

0.0

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ

6.3

%

85.7

%

74.3

%

75.0

%

94.7

%

㈱NTTデータ・ニューソン

8.2

%

41.7

%

84.3

%

83.9

%

90.6

%

 

 

名称

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)(注3)

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

㈱エヌ・ティ・ティ・データ・エンジニアリングシステムズ

5.3

%

100.0

%

75.9

%

74.3

%

92.5

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データNCB

4.8

%

-

 

-

 

-

 

-

 

NTTデータルウィーブ㈱

9.4

%

100.0

%

73.9

%

77.6

%

38.7

%

㈱エヌ・ティ・ティ・データCCS

4.8

%

87.5

%

70.3

%

69.3

%

78.1

%

㈱NTTデータMSE

3.1

%

66.7

%

74.4

%

72.9

%

77.0

%

㈱JSOL

11.4

%

72.4

%

74.5

%

74.6

%

58.4

%

㈱エックスネット

4.3

%

-

 

-

 

-

 

-

 

㈱NTTデータNJK

6.7

%

85.7

%

82.8

%

83.1

%

50.7

%

㈱NTTデータグローバル・サービス

22.9

%

100.0

%

-

 

-

 

-

 

㈱NTTデータ・エマーズ

4.4

%

0.0

%

74.4

%

78.6

%

44.5

%

㈱NTTデータ・ビーンサービス

20.0

%

-

 

54.8

%

82.7

%

89.7

%

㈱NTTデータ数理システム

28.0

%

100.0

%

-

 

-

 

-

 

日本電子計算㈱

13.1

%

112.5

%

55.8

%

69.0

%

30.7

%

JIPテクノサイエンス㈱

8.5

%

0.0

%

-

 

-

 

-

 

ジェイエスフィット㈱

4.4

%

-

 

80.3

%

81.5

%

64.3

%

㈱NTTデータ・グローバルソリューションズ

9.6

%

25.0

%

76.4

%

77.4

%

38.7

%

㈱DACS

6.3

%

100.0

%

68.3

%

71.5

%

67.8

%

㈱NTTデータSBC

9.0

%

60.0

%

77.9

%

80.7

%

0.0

%

㈱NTTデータMHIシステムズ

7.9

%

90.0

%

80.6

%

80.6

%

76.8

%

ネットイヤーグループ㈱

28.6

%

50.0

%

75.9

%

78.7

%

11.5

%

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

   3. 正規雇用労働者においては、給与等の処遇に関する労働条件は同一であり、男女のいずれかであることを理由に不利益が生ずることはありません。ただし、当社、㈱NTTデータ及び㈱NTT DATA, Inc.の人員構成の特性上、女性社員の平均年齢は男性と比較して低く、若年層の比率が高くなるため、平均給与に差が生じています。また非正規雇用労働者においては、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や職務内容等が異なるため、平均給与に差が生じています。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ経営

人口問題や気候変動、災害リスクの高まり等、社会を取り巻く環境の変化に加えて、IT・デジタルの普及によって企業活動から消費・生活スタイルまで社会トレンドも変化しています。生成AIの活用が機会を生む一方で、AI倫理やAIガバナンス、人権へのよりいっそうの配慮が求められます。

このように企業が対応しなければならない社会課題やニーズは複雑化・多様化する中で、当社グループは、この大きな変化の局面をさらなる成長の機会と捉え、長期的な視点を持ったサステナビリティ経営を推進していきます。

 

① ガバナンス

当社グループにおいて、サステナビリティの重要な課題は、取締役会で議論、戦略を示し、方針を決定したうえでモニタリングを実施しています。当社グループが持続的に成長できるよう、代表取締役社長のリーダーシップのもと経営戦略の主管組織である事業戦略室及び関係主管組織とサステナビリティ経営推進部を中心に議論を行い、方針や目標、施策等を企画策定・実行するとともに、中期経営計画(2022~2025年度)で定めた各種計画の進捗についてモニタリングしています。

これまで、グリーンイノベーション推進委員会を通じて、お客様と社会の脱炭素にむけた解決策の提供と自社の温室効果ガス排出量削減を推進してきましたが、2024年4月からは、より広い視点でサステナビリティ経営を推進するために、グリーンイノベーション推進委員会をサステナビリティ経営推進委員会へと進化させました。サステナビリティ経営推進委員会は、代表取締役副社長執行役員(提出日時点)であるコーポレート総括担当役員を委員長とし、株式会社NTTデータグループ、株式会社NTTデータ、株式会社NTT DATA, Inc.の代表者を構成員としています。取締役会の監督ならびに代表取締役社長のリーダーシップのもと、サステナビリティ経営推進にかかる提言、戦略の策定及びモニタリング等を実施しています。また、サステナビリティ経営に関する各種課題について実務的な議論を行うために、テーマ別に6つの小委員会(テーマ別ワーキンググループ)を設置しています。協議した内容は原則年2回、取締役会にて審議または報告していきます。

 

※ガバナンスの詳細は、「統合レポート」「サステナビリティレポート」「コーポレートガバナンス報告書」をご参照ください。

・「統合レポート2023」 : https://www.nttdata.com/global/ja/investors/library/ar/

・「NTTデータグループ サステナビリティレポート2023 Data book」

 : https://www.nttdata.com/global/ja/about-us/sustainability/report/

・「コーポレートガバナンス報告書」 : https://www.nttdata.com/global/ja/investors/library/ga/

 

■サステナビリティ経営推進体制

 


 

② 戦略

当社グループは、創立以来、「情報技術で新しい『しくみ』や『価値』を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、お客様や社会へのサービス提供に邁進することで事業を拡大してきました。中期経営計画では、「Realizing a Sustainable Future」というスローガンのもと、未来に向けた価値をつくり、さまざまな人々をテクノロジーでつなぐことで、お客様とともにサステナブルな社会の実現を目指しています。社会環境及び事業環境が大きく変化し続ける現在の局面をさらなる成長の機会と捉え、より長期的な視点を持ったサステナビリティ経営を推進するために、環境、経済、社会の3つの軸を定め、9つのマテリアリティ(重要課題)を設定し、取り組みを進めています。

環境「Regenerating Ecosystems 未来に向けた地球環境の保全」

経済「Clients' Growth サステナブルな社会を支える企業の成長」

社会「Inclusive Society 誰もが健康で幸福に暮らせる社会の実現」

 

■中期経営計画で目指す姿


 

■サステナビリティ経営


 

■9つのマテリアリティと決定プロセス

  「Regenerating Ecosystems」「Clients' Growth」「Inclusive Society」の3つの軸のもと、それぞれ3つのマテリアリティを決定し、SDGsへの貢献にも取り組んでいます。

 

・環境:Regenerating Ecosystems(未来に向けた地球環境の保全)

- Carbon Neutrality:社会やお客様の脱炭素に向けたイノベーションを創出し、気候変動問題の解決に貢献する

- Circular Economy:ごみを減らし、製品やサービスの価値が循環し続ける社会を実現する

- Nature Conservation:自然資本の保全・回復によって、健全な地球環境を創出し、人々の豊かな生活に貢献する

 

・経済:Clients' Growth(サステナブルな社会を支える企業の成長)

- Smart X Co-innovation:スマートでイノベーティブな社会の実現に向けて、さまざまな企業との共創により新しい価値を創出する

- Trusted Value Chain:セキュリティやデータプライバシーを守り、安心安全でレジリエントな企業活動を実現する

- Future of Work:パフォーマンスとEXを高める新しい働き方を提供し、社会全体の働き方改革を推進する

 

・社会:Inclusive Society(誰もが健康で幸福に暮らせる社会の実現)

- Human Rights & DEI:多様な人々が互いの人権を尊重し、活き活きと活躍する公平な社会の実現に取り組む

- Digital Accessibility:基本的ニーズへ誰もが等しくアクセスできるサービスを実現し、人々のQOL向上を実現する

- Community Engagement:地域社会の発展に向けた課題やニーズを理解し、暮らしを豊かにするサービスを提供する

 


 

 

<マテリアリティ決定プロセス>

当社グループでは、国際社会の動向やステークホルダーからの期待等、サステナビリティを取り巻く外部環境の変化を踏まえ、グローバルなガイドラインであるGRI(注)で提示されたマテリアリティ決定プロセスに則り、マテリアリティの定期的な見直しを行っています。現在のマテリアリティは、2022年に公表した現中期経営計画において、「Realizing a Sustainable Future」というスローガンのもと、3つの軸を定め、各軸3つずつ、サステナビリティ経営を推進するために取り組むべき重要な課題として策定しました。

これらのマテリアリティはグローバルな基準機関等の課題を抽出して評価・検証を行うとともに、当社グループにおける重要性評価においても、事業部門や海外グループ会社等を含めた全社で社会(ステークホルダー)からの期待とリスク、その影響の大きさについて幅広く検討し、グローバルNGOや外部有識者の意見等も踏まえ、取締役会において9つのマテリアリティを決定しました。

(注)GRI(Global Reporting Initiative):企業や非営利団体に対し、非財務情報開示のためのガイドラインを提供するグローバルな非営利団体のことです。

 


 

③ リスク管理

当社グループは、変化し続ける事業環境を捉え、当社グループにとっての機会とリスクを把握し、サステナブルな社会の実現に向けて柔軟に変化・適応することで、持続的な成長を目指しています。

全社的な視点での当社グループのリスクマネジメントについては、リスクマネジメントを統括・推進する役員及びリスクマネジメント部門を設置し、グループで連携したリスクマネジメント体制を整備しています。

当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」、気候変動に関するリスク管理の詳細については「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動」、人的資本に関するリスク管理の詳細については「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本」をご参照ください。

 

<人権リスクへの対応>

当社グループは人権対応に関するリスクを「特に重要なリスク」の1つとして設定しており、NTTグループの一員として、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の考え方を取り入れた「NTTグループ人権方針」(2021年11月制定)に沿って、グループ一体で組織的な運営をしています。

人権の尊重を全社で推進する体制として、サステナビリティ経営推進委員会の小委員会にて国内外の実務担当レベルで議論するとともに、議論内容は代表取締役副社長執行役員(提出日時点)が委員長をつとめる人権啓発推進委員会、内部統制委員会及び取締役会に報告しています。

「NTTグループ人権方針」に従い、人権デューデリジェンスプロセスを経て、人権課題の特定、防止、軽減、是正をグローバル規模で進め、人権意識の向上につとめており、具体的な人権デューデリジェンスのプロセスは以下の通りです。

 

1. [調査対象スクリーニング]国内外の主要グループ会社及び海外の高リスク拠点を有するグループ会社を選定

2. [セルフチェックリストの実施・分析]Self-Assessment Questionnaire(以下、SAQ)による調査結果と通報件数を分析

3. [人権リスクマップの作成]影響深刻度と発生可能性を軸とした人権課題をマッピング

4. [高リスク項目の低減策の検討・具体化]高リスクと判定されたリスクに関する具体的な低減策を策定

5. [直接対話]策定した具体的なリスク低減策をもとに各グループ会社と議論

6. [開示]人権デューデリジェンスの取り組み結果を自社のサステナビリティレポート等で公表

 

2023年度は、国内外の主要グループ会社及び高リスク国拠点の海外グループ会社のリスク評価と脆弱性評価で構成されたSAQの回答をもとに人権リスクマップを作成し、注意すべきリスクとして「労働安全衛生・適切な労働環境」「ハラスメント」「アクセシビリティ」が抽出されました。2024年度は、人権課題が発生した組織との対話を通じて詳細な状況を把握するとともに、グループ会社内の優良事例の展開や体制整備等を通じてリスク低減策を継続的に進めていきます。

また、BSR(注)、国連グローバル・コンパクト等の外部団体への加入を通じて積極的にダイアログを実施するなど、人権デューデリジェンスの改善や人権ビジネスに関する議論の充実を図っています。

 

当社グループにおける人権デューデリジェンスに関する詳細については、「NTTデータグループ サステナビリティレポート 2023 Data Book」の「Human Rights & DEI」をご参照ください。

https://www.nttdata.com/global/ja/about-us/sustainability/report/

 

当社グループの事業等における人権リスクの詳細については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク(7)人権対応に関するリスク」をご参照ください。

 

(注)BSR(Business for Social Responsibility)とは、気候変動、エクイティ、インクルージョン、人権問題、生態系、持続可能なサプライチェーン等の分野に関する専門知識を持つグローバルなネットワークを有するサステナビリティの専門コンサルタントのことです。

 

 

④ 指標及び目標

当社グループは、マテリアリティに紐づく指標及び目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを進めてきました。2024年度は、16指標(目標達成年度が2025年度の2指標を含む)と4つのモニタリング指標※1を設定しています。

3つの軸

マテリアリティ

2024年度指標名

範囲

2024年度目標

2023年度実績

Environment

 

Regenerating

Ecosystems

Carbon Neutrality

温室効果ガス排出量(Scope1・2)

対前年削減

第三者検証後に公開※2

Circular Economy

廃棄物リサイクル率

一般・産業廃棄物99%以上

建設廃棄物87%

第三者検証後に公開※2

廃棄物処理(PCB)に関する法令違反件数

0件

2024年度新指標

Nature Conservation

自然保護地区に設置した事業用設備の数及び全体に占める割合

※1

2024年度新指標

水リスク地域に設置した事業用設備の数及び全体に占める割合

※1

2024年度新指標

Economy

 

Clients'

Growth

Smart X

Co-innovation

スマートでイノベーティブな社会の実現に向け、各事業領域にてマテリアリティに関連する

オファリングの創出及びビジネスへの展開を推進

Trusted Value Chain

重大なセキュリティインシデント発生数※3

0件

0件

重大システム故障件数

  0件※4

2件

反競争的・贈収賄違反件数

0件

0件

改善要請が必要なサプライヤとの直接対話率

100%

100%

Future of Work

社員エンゲージメント率※5

73%

71%

リモートワーク率

※1

63.2%

離職率

※1

3.0%

Society

 

Inclusive

Society

Human Rights &DEI

女性の新任管理者任用率

30%

22.8%

女性管理職比率

15%

2025年度末まで

10.8%

女性経営幹部数※6

15名以上

2025年度末まで

14名

経験者採用率

30%

45.6%

男性育休取得率

100%

105.7%

確認された人権に関する違反

0件

1件

Digital Accessibility

サステナビリティ実践につながるワークショップ、または社外支援活動等への社員参加率

80%

88.2%

Community Engagement

 

<範囲項目の凡例> 

① (株)NTTデータグループ、(株)NTTデータ、(株)NTT DATA, Inc.(国内)

② ①に加え、国内グループ会社

③ ②に加え、海外グループ会社 

 

※1 目標設定は行わないが、水準を注視するために実績をモニタリングする指標

※2 第三者検証後に確定した実績値を統合レポート及びサステナビリティレポートにて公開する

※3 本指標は2024年度に定義を見直すとともに、正式な指標名は「※サイバー攻撃起因、内部不正、過失問わず対外的に広く認知された事案数」を含む

※4 目標値は0件と設定し、許容限界を近年の実績値より2件とする

※5 社員エンゲージメント率 「当社で働くことを誇りに思う」で肯定的評価をつけた社員の割合((株)NTTデータグループ、(株)NTTデータ、(株)NTT DATA, Inc.の合算)

※6 役員・組織長等

 

 

(2)気候変動

文中の将来年度及び過年度の財務影響、対策費・投資額に関する事項は、当社グループが中期経営計画に基づく想定のもと、提出日時点で判断、推計したものです。

[当社グループにおける取り組み・体制等]

・当社グループにおける気候変動への取り組み

当社グループは、Net-Zeroに向けたグローバル社会からの要請のさらなる高まりに対応し、2020年度に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)やBusiness Ambition for 1.5℃に賛同しています。また、当社グループの移行計画であるNTT DATA NET-ZERO Vision 2040にて、2035年には温室効果ガスに関する自社オペレーションでの直接排出量と間接排出量(Scope1・2)を実質ゼロ、2040年にサプライチェーンを含めた排出量(Scope1~3)の実質ゼロを目指しています。2023年度にはSBTイニシアティブよりNet-Zero目標の認定を取得しました。

これまで、自社のサプライチェーンを通じた脱炭素の推進に加え、グリーンコンサルティングサービスや温室効果ガス排出量可視化プラットフォームの提供を通して、お客様の脱炭素実現の支援を本格化させてきました。

グローバルでお客様や社会のNet-Zeroに向けてグリーンイノベーションで貢献すべく、2022年3月に国際環境NGOであるCDPよりゴールドパートナー認定(気候変動コンサルティング&ソフトウェアパートナー)を受けており、2022年4月にはCDP Supply Chainプログラム Premiumメンバーとなりました。また、2023年9月にはサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に向け、CDPとの戦略的パートナーシップを強化し、CDPとともに社会全体のNet-Zeroに向けた活動を推進しています。2023年度のCDP気候変動調査においては、気候変動に対するガバナンス、戦略や先進的な取り組みへの透明性の高い情報開示が評価され、最高評価のAリスト企業に2年連続で認定されました。

さらに、ソフトウェアの温室効果ガス排出量の削減を目指すGreen Software Foundationに、Steering Member(運営メンバー)として加盟し、ソフトウェア開発におけるグリーン化のグローバルスタンダードの策定や啓発活動に取り組んでいます。2024年3月に、Green Software FoundationとLinux Foundationが提供している“環境に配慮したシステム開発についての学習教材(Green Software for Practitioners)”を日本語に翻訳し、国内IT業界のグリーン化に貢献しました。上記に加え、経済産業省の支援事業に参画し、国内初のソフトウェア製品に関する温室効果ガス排出量算定のルールを策定しました。これにより、サプライチェーン全体の排出削減に向け、ソフトウェア業界の脱炭素を推進しています。企業活動や事業が環境負荷に与える影響に対して責任を持つのはもちろんのこと、環境問題が当社グループの企業経営及び当社の提供する社会インフラを支える各種システムに与える影響を把握し、対策を講じることが重要だと認識しています。2040年Net-Zeroの実現に向けて、グリーンイノベーションを通じ、当社グループのサプライチェーンの温室効果ガス排出量削減のみならず、お客様や社会のグリーン化へ貢献します。

 

① ガバナンス(気候変動マネジメント体制)

当社グループの気候変動に関する取り組みを推進するため、2021年10月にグリーンイノベーション推進室を専任組織として新設し、グリーンイノベーション推進委員会を立ち上げました。2024年4月からは、より広い視点でサステナビリティ経営を推進するためサステナビリティ経営推進委員会へと進化させて運営しています。

サステナビリティ経営推進委員会では、委員長である代表取締役副社長執行役員(提出日時点)が、気候変動に関する取り組みの最高責任を負っています。また気候変動アクションの活発な海外グループ会社からも委員を選定し、グローバル規模の推進体制を構築しています。サステナビリティ経営推進部がその事務局を務め、気候変動に関する取り組みについてはグリーンイノベーション推進室が推進しています。2024年4月時点では、サステナビリティ経営推進委員会の下に6つの小委員会を設置し、温室効果ガス削減、サステナビリティビジネス推進、サプライチェーンマネジメント、サステナビリティ情報開示の小委員会において、気候変動に関する当社グループの取り組みを行っています。小委員会では、執行役員等がリーダーとして全社横断で関係者を含めた取り組みを推進しています。

取締役会はサステナビリティ経営推進委員会で協議した内容の報告を受け、重要な経営・事業戦略として議論、方針の決定に加え、気候変動問題への実行計画等について監督を行っています。当社はサステナビリティに関して高い専門性を有した社外取締役を選任しており、気候変動対応に対しても、客観的かつ専門性を持って監督を実施しています。また、2022年度からは役員や社員の報酬と連動した気候変動関連のKPIを設定し、目標達成に対する経営層や社員の関与の深化を図っています。

2021年度から、内部統制委員会での全社リスクマネジメントにおいても、「気候変動」を重要リスクとして位置づけています。さらに、気候関連リスク・機会については、TCFDのフレームワークに沿った分析・評価を実施し、より長期の気候関連リスク・機会においての対策検討を進めています。

気候変動ガバナンス体制図は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ経営 ①ガバナンス ■サステナビリティ経営推進体制」をご参照ください。

 

② 戦略(気候関連リスク及び機会に関する戦略)

当社グループは、以下<気候変動シナリオ分析の概要>記載のとおり気候変動シナリオの分析を行い、気候変動に関するリスクと機会による影響を把握しています。その結果を中期経営計画(2022年度~2025年度)に取り込むことにより、サステナブルな社会の実現に向け、企業・業界の枠を超えた革新的なサービスの提供をいっそう推し進める戦略を遂行しています。

また、当社グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握して対応するため、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置くとともに、各部門とグループ会社にCRO・リスクマネジメント推進責任者を配置しています。内部統制委員会において、リスク低減に関する施策を討議するとともに、有効性に関する評価等を行い、その結果を取締役会に報告しています。

最高責任者の代表取締役副社長執行役員(提出日時点)がサステナビリティ経営推進委員長として四半期に一度、また、環境保全推進委員長として、半期に一度、各々の会議体を通じ、全社リスクマネジメントの中で気候変動及び環境全般に関するリスク管理を行っています。リスクの内容と顕在化した際の影響、及びリスクへの対応策に関しては「③リスク管理 表1(気候関連のリスク)」をご参照ください。

 

<気候変動シナリオ分析の概要>

当社グループでは、気候変動に関する事業影響を把握し、気候関連リスク・機会に対する当社戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しています。具体的には、国際エネルギー機関(IEA)による世界エネルギー展望(WEO)に示されるシナリオや、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるシナリオ等を参照し、当社グループ全体を対象として、1.5℃シナリオと4℃シナリオを中心に分析を行っています。

1.5℃シナリオでは、カーボンプライシングが導入されるなどの気候変動対策が強化される一方、気候変動の物理的な影響は2022年3月末レベルにとどまり、それ以上の深刻な影響は発生しないと仮定しています。4℃シナリオでは、気候対策は2022年3月末レベルである一方、異常気象の激甚化等の気候変動の物理的な影響が生じると仮定しています。

分析の結果、当社グループでは、1.5℃シナリオによる持続可能な社会において、社会の移行に伴うリスクと機会の両方が影響すると考えています。それ以外のシナリオによる社会では、リスクの影響が大きくなる可能性が高いことが明らかとなりました。また、各シナリオによるリスク・機会は、それぞれの影響度・発生可能性等を考慮し、事業戦略へ反映しています。1.5℃シナリオの分析の結果、グローバルでデータセンターやオフィスに再生可能エネルギー導入を推進することが、ESG投資家や金融機関からの評判低下リスクや長期的なカーボンプライシングによるコスト増加リスクの両方を低減することにつながると評価し、2035年度までに温室効果ガスに関する直接排出量と間接排出量(Scope1・2)を実質ゼロにすることを計画しています。また、2023年度には、シナリオ分析の結果も考慮し、Net-Zeroの目標年度を2050年度から2040年度に10年前倒し、NTT DATA NET-ZERO Vision 2040を策定しました。

2022年度及び2023年度には、上記に加えて、気候変動シナリオ分析のスコープ・時間軸の具体化によるグループ連結でのレジリエンス強化を図ることを目的とした当社グループ横断のシナリオ分析検討会を実施しました。事業部門、コーポレート部門、海外グループ会社等から選抜メンバーが参画し、外部動向調査・知見に基づく各種基礎データ等をインプットとした検討結果を得ることができました。

※気候変動シナリオの詳細は、サステナビリティレポートをご参照ください。

NTTデータグループ サステナビリティレポート2023 Databook

 : https://www.nttdata.com/global/ja/about-us/sustainability/report/

 

③ リスク管理

[リスクの内容と顕在化した際の影響] 及び [リスクへの対応策]

・リスクと機会

当社グループは、シナリオ分析に基づき、気候関連リスク・機会による事業への影響を評価し、その結果を気候変動戦略として事業戦略に反映することで、気候関連リスクへの対応を進め、また気候関連の機会実現を図っています。

気候関連リスク・機会に関しては短期・中期・長期の時間軸を考慮し、財務的影響への影響度を高・中高・中・低の4段階、発生可能性をほぼ確実・非常に高い・高い・低いの4段階で評価しています。気候関連リスク・機会の評価は「表1(気候関連のリスク)」及び「表2(気候関連機会)」のとおりです。

 ※各評価項目の詳細は「表1(気候関連のリスク)」及び「表2(気候関連機会)」の注記をご参照ください

 ※2022年10月のNTT Ltd.事業統合を受けて、2023年度より対象範囲を拡大しました。そのため、「表1(気候関連のリスク)」及び「表2(気候関連機会)」の内容にNTT Ltd.連結拡大の影響を含みます

 

表1(気候関連のリスク)

項目

カテゴリ

|

期間

1

影響度※2

発生可能性

リスクの内容と顕在化
した際の影響

財務上の影響
(推計込み)※3

リスクへの対応策

対策費
投資額

 (推計込み)

※3

リスク1

「気候変動」評価が低いことによる評判低下リスク

移行リスク

・ 評判

短期

ほぼ確実

気候変動への対応が遅れることで、ESG投資家や金融機関からの評価が下がります。ESG投資家や金融機関からの評価が下がり、期末時点の株価時価総額が1%下落した場合の株価影響額として試算しています。(2022年度~2025年度において事象が1度発生すると仮定)

▲340億円

当社グループのサプライチェーンを通じた脱炭素や、お客様・社会のグリーン化の対応加速に向けた専任組織としてグリーンイノベーション推進室を設置し、グリーンイノベーションに関する活動を推進しています。グリーンイノベーション推進室による活動費・イノベーション投資額(2022年度〜2025年度累計)を計上しています。

50億円

※4

リスク2

異常気象による世界的な災害リスク増加

物理的リスク

・ 急性

短期

ほぼ確実

IPCC第6次報告書の地域毎リスクが高い場所にも拠点があり、ハザードマップ等からさまざまな対策を講じて、事業継続性を確保しています。仮に、台風等により、主要なデータセンターの通信等が5日間ダウンした場合の売上影響額を試算しています。(2022年度~2025年度において事象が1度発生すると仮定)

▲240億円

当社グループではデータセンター・オフィス・通信等のBCPを最大限高めています。事業継続性のためのデータセンター、リモートアクセス・メンテナンス環境等の増強・更改費用(2022年度〜2025年度累計)を計上しています。

190億円

※4

リスク3

カーボンプライシングによるコスト増加

移行リスク

・ 規制

長期

ほぼ確実

グローバル社会で2050年までのNet-Zero対応が社会的コンセンサスとなり、企業へも法令等による対応要請が高まることを想定しています。2022年度〜2040年度までの残存排出量に対し、国際エネルギー機関IEAネットゼロシナリオのカーボンプライスに基づいて課税されると仮定し、2022年度~2025年度の費用を推計しています。

▲230億円

※4

当社グループでは省エネによる炭素排出削減、再エネ導入による自社サプライチェーンの脱炭素化を推進しています。

省エネ対応・再エネ導入等への投資額(2022年度〜2025年度累計)を計上しています。

190億円

※4

 

 

 

表2 (気候関連機会)

項目

カテゴリ

|

期間※1

影響度

※2

発生可能性

機会の内容と影響

財務上の影響

(推計込み)※5

機会実現の対応策

投資額
(推計込み)※3

機会1

サステナビリティ関連オファリング創出ニーズ増加

製品

・ サ

|

ビス

短期

非常に高い

お客様の脱炭素の取り組みが加速し、各種産業におけるサステナビリティ関連ビジネスの拡大及び、技術革新によるデジタル技術適用の機会増加を想定しています。2022年度~2025年度のサステナビリティ関連の新規オファリング創出による売上累計額を推計しています。

+2,000億円

※4

社会全体や各企業における気候変動の適応と緩和等に貢献する技術開発やサステナビリティ関連オファリングの創出に向けた2022年度~2025年度までの投資額を計上しています。

510億円

※4

機会2

サステナブルな社会実現のためのコンサルティングサービス増加

製品

・ サ

|

ビス

短期

中高

非常に高い

各種産業におけるサステナビリティ関連ビジネスの拡大に伴い、コンサルティングサービスの機会増加を想定しています。

当社グループのコンサルティング売上高のうち、サステナビリティ関連のビジネスが占める割合から、2022年度~2025年度の売上累計額を推計しています。

+400億円

※4

サステナビリティ関連のコンサルティング人財創出・育成投資や関連する環境整備等コンサルティング強化施策に関連する2022年度~2025年度までの投資額を計上しています。

40億円

※4

機会3

レジリエントなクラウドへのニーズ増加

製品

・ サ

|

ビス

短期

非常に高い

台風や局地的豪雨等の異常気象の増加に加え、脱炭素化要請の高まりから共同利用・機器集約による省エネや再生可能エネルギー導入等が進み、レジリエントかつ脱炭素に貢献するクラウドへの移行ニーズが増加すると想定しています。当社グループ全体のクラウド関連の、2021年度売上高からの増分を財務影響額と仮定して推計しています。

+2,100億円

※6

クラウド関連の技術開発やグローバルデリバリセンター強化等の2022年度~2025年度までの累計のクラウド関連投資額を計上しています。

250億円

※4

 

 

※1 期間の定義は以下のとおりです。

評価内容

期間

備考

短期

〜2025年度まで

2022年度に2025年度までの短期目標・削減計画を策定済

中期

~2030年度まで

2030年までの中期目標を策定済(SBT認定)

長期

~2040年度まで

NTT DATA Net-Zero Vision 2040として長期目標を策定済(SBT認定)

 

 

※2 影響度の定義は以下のとおりです。

評価内容

影響金額

売上高1,000億円以上、営業利益100億円以上、または株価影響100億円以上

中高

売上高100億円以上~1,000億円未満、営業利益10億円以上〜100億円未満、または株価影響10億円以上~100億円未満

売上高10億円以上~100億円未満、営業利益1億円以上〜10億円未満、または株価影響1億円以上~10億円未満

売上高10億円未満、営業利益1億円未満、または株価影響1億円未満

 

 

※3 記載金額は10億円未満を四捨五入

※4 中期経営計画期間(2022年度~2025年度)の累計額

※5 記載金額は100億円未満を四捨五入

※6 2025年度時点での対2021年度からの売上増分

 

 

・資本配備

中期経営計画期間(2022年度~2025年度)における気候関連の対策費・投資額累計の予定は、「表1(気候関連のリスク)」及び「表2(気候関連機会)」の「対策費・投資額」のとおりです。(以下再掲)

項目

対策費・投資額

リスク1

「気候変動」評価が低いことによる評判低下リスク

50億円

リスク2

異常気象による世界的な災害リスク増加

190億円

リスク3

カーボンプライシングによるコスト増加

190億円

機会1

サステナビリティ関連オファリング創出ニーズ増加

510億円

機会2

サステナブルな社会実現のためのコンサルティングサービス増加

40億円

機会3

レジリエントなクラウドへのニーズ増加

250億円

気候関連対策費・投資予定総額

約1,230億円

 

 

 

④ 指標及び目標(気候関連リスク・機会の管理指標と目標)

気候関連のリスク管理及び機会実現の戦略のために、海外グループ会社を含む当社グループで定めている指標と目標はそれぞれ以下のとおりです。

指標カテゴリー

指標・目標・実績等

温室効果ガス排出量

(指標)Scope1~3の各排出量

(目標)温室効果ガス排出量の目標は以下のとおりです。

長期:2040年までにNet-Zero(Scope1~3)

2035年までにScope1,2の実質ゼロ ※SBT認定

中期:2030年までに2021年度比で次の削減を行う。

 Scope1・2 68%減(SBT1.5℃レベル), Scope3 42%減 ※SBT認定

(実績)2023年度の温室効果ガス排出量実績に関しては、サステナビリティレポートに掲載予定です。過去の実績に関しても、同様に掲載しています。

 

NTTデータグループ サステナビリティレポート Data book
https://www.nttdata.com/global/ja/about-us/sustainability/report/

移行リスク

リスク・機会の財務上の影響(想定)及び対策費・投資額

物理的リスク

機会

資本配備

内部炭素価格

内部炭素価格(2024年度):6,500円/トンCO2
※NTTグループ統一価格(毎年更新予定)

報酬

下記の①②の報酬連動を実施

①監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)に関し、温室効果ガス排出量削減の計画達成状況を評価の一部に取り入れた役員報酬連動

②従業員に関し、サステナビリティ関連オファリングの推進状況、社会貢献活動状況を評価の一部に取り入れた従業員賞与連動

 

 

 

(3)人的資本

① ガバナンス

当社グループにおいては、人財は当社グループの競争力の源泉であり、最も重要な経営資源と捉え、社員一人ひとりにやりがいを与える人事制度を整備することを基本方針としています。当社グループは2023年7月の持株会社体制への移行に際し、当社グループの事業戦略に則した機動的な人事を実現する組織体制を整備し、事業成長を支える人的資本の確保に努めています。

具体的には、持株会社である株式会社NTTデータグループにおいて、人事制度の整備、経営幹部の選任や育成、事業を支える人的資本の状況把握を通し、各事業会社のサポートを行っています。また、組織文化の醸成として、Values Week(注)による価値観の浸透等を実施しています。各事業会社においては、各事業会社の事業ポートフォリオに応じた人事機能(採用・育成・配置・評価)の提供を行い、事業戦略に則した機動的な人事を実現しています。

(注)毎年、創立記念日(5月23日)の週をValues Weekとし、当社グループ社員が職場の同僚たちとValuesについて語り合うワークショップを全世界で開催しています。

 

② 戦略

[人財戦略―全ての戦略を支える「人財・組織力の最大化」]

技術の進化が著しいITサービス業界において、顧客ニーズや技術のトレンドを掴み、イノベーションを生み出し続けるためには、多様かつ優秀な人財が不可欠です。また、お客様のニーズに応えるには長期にわたる強固な顧客基盤から得たお客様業務ノウハウやアプリケーションノウハウを保持する人財の確保が重要となります。

Group Vision「Trusted Global Innovator(お客様から長期的に信頼されるパートナー)」にも示すとおり、当社グループは長期的な視点で、働く一人ひとりの多様性を尊重することによって、グローバルに通用する創造力を培い、刺激し、さらに成長させていきます。

そのような考えから、2022年度~2025年度の中期経営計画においても、「人財・組織力の最大化」をサステナブルな社会を実現するための土台と位置付け、最優先で取り組むべきテーマとしています。

Foresight起点のビジネス構想力(コンサル人財)、先進技術活用力(テクノロジー人財)の向上により、顧客提供価値を高めるとともに、グループシナジーの発揮を目指します。

 

■中期経営計画(2022~2025年度)戦略の全体像


 

 

[人財育成方針・DEI推進方針・社内環境整備方針(Best Place to Workの実現)]

当社グループは、高度な専門性と変化への対応力を有するプロフェッショナル人財やグローバルで活躍できる人財の育成に注力しており、社員の多様な専門性・志向に応じた育成体系及び幅広いコンテンツの整備に加え、コミュニティ学習を通じた共創や学びあうカルチャーの醸成を推進しています(Advanced Training)。

また、性別・国籍・性的指向・障がい・スキル・職歴等によらず多様な人財が活躍できるカルチャーを実現します。高い専門性に応じた多様なキャリアパスを実現する制度を整備しています(Promote Diversity Equity & Inclusion)。

業務プロセスと目的に応じて働く場所や時間を柔軟に設定できる環境を整備することで、一人ひとりが活躍しやすい企業へと変革していきます(Future Workplace)。

これらを通じて、各戦略の実行を支える人財・組織力を最大化し、Best Place to Workを実現することで将来にわたっての企業価値を高めていきます。

 

■中期経営計画(2022~2025年度)戦略5「人財・組織力の最大化」の全体像


 

1.「Advanced Training」

当社グループは、高度な専門性と変化への対応力を有するプロフェッショナル人財やグローバルで活躍できる人財の育成に注力しています。

 

(高度な専門性と変化への対応力を有するプロフェッショナル人財の育成)

・社員が高度な専門性と変化対応力を有するプロフェッショナル人財となることを目的に、当社における目指すべき人財像や成長の道筋を示し、その専門性とレベルを認定する制度として日本国内を中心に「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」を2003年以降、約20年にわたり運用しています。「プロフェッショナルCDP」は、若手社員から役員までの一人ひとりの自律的な成長を支援するもので、「プロがプロを育てる」という思想にもとづき、所属組織のタテの関係性のみでなく、組織を越えた専門性のカテゴリーによるヨコ、ナナメで指導しあう仕組みとして機能しています。また、海外でも米国子会社が行っている「NLCI(NTT DATA Learning Certification Institute)」等の取り組みにより、専門性の認定を行っています。2023年度にはこれらの取り組みを通じて国内外で22,600人が新規認定され、延べ128,900人超が当社グループで認定されています。

・プロフェッショナルCDPは、事業環境、テクノロジーの変化に応じて進化を続けています。2019年度には「ビジネスディベロッパ」、「データサイエンティスト」、2020年度にはITスペシャリストの専門分野に「クラウド」を追加、2021年度にはデジタルビジネスを牽引する人財として「デジタルビジネスマネージャ」、エンドユーザー視点で新たな価値を提案する「サービスデザイナ」、プロジェクトマネージャの新たな区分として「アジャイル」を追加、2022年度には「ITサービスマネージャ」に顧客価値向上の観点を追加しています。

 

 

■プロフェッショナルCDPの人財タイプ


 

 

(グローバルマーケットで活躍できる人財の育成)

・海外事業の急速な拡大に伴い、市場や競争環境の変化に応じて柔軟に活躍することのできるグローバル人財を育成するために、主として「グローバルに活躍できる人財の育成」と「日本国内で採用した人財のグローバル化」を軸とした取り組みを実施しています。

グローバルに活躍できる人財の育成として、全世界のグループ会社合同で、次世代を担う経営層を育成するためのGlobal Leadership Program(GLP)を2009年から実施しています。GLPでは、グローバル/ローカル両面の戦略に対する課題を検討し、その両面からOne NTT DATAを実現するためには何が必要か、何をすべきかを自分ごととして考えることを目的としており、このようなグローバルのプログラムから輩出された卒業生は930人となりました(2023年度のGLP新規修了者は33名)。

・日本国内で採用した人財に向けては、グローバルビジネスで活躍できる人財の育成を目的としたプログラムを各階層に展開しています。今年度からグローバルな実務経験を有する社員の育成によりフォーカスし、海外案件への若手社員の派遣を支援するBAA(Business Acceleration Assignments)プログラムや、経営幹部育成のプログラムに参加することで多様なチャンスを得られるNTT Universityへの参加を通じて、社員がグローバル対応力を強化できる多様な「場」を提供しています。世界50カ国・地域超に広がる社員の多様性と個性とを尊重し合える育成の場を実現することは、当社グループのダイナミズムそのものであり、より高みのあるビジネスに挑戦する原動力となっています。

・また、2022年8月に世界6か国に立ち上げたイノベーションセンターでは、先進技術に対する感度が高いイノベータ顧客と共創R&Dを行い、世界トップクラスの先進技術の活用ノウハウを有したグローバルチームを組成しており、世界各地域でのプロジェクトへの参加・ネットワーク形成を通じて日本国内で採用した人財の育成にもつながっています。2024年3月には世界10か国に拠点を拡大し、人数も当初100名から218名に増加し、グローバルマーケットへの対応力を強化しました。

 

■イノベーションセンターのコンセプト


 

2.「Promote Diversity Equity & Inclusion」

当社グループでは、多様な人財が活躍できるカルチャーを実現しています。また、高い専門性に応じた多様なキャリアパスを実現する制度の整備、自律的なキャリア構築の支援を進めています。

 

(多様な人財が活躍できるカルチャーの醸成)

・当社グループでは、グループビジョンである「Trusted Global Innovator」の3本柱のひとつとして、“働く一人ひとりの多様性を尊重することにより創造力を高めていくこと”を掲げ、全世界共通の「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン・ステートメント – “Bloom the Power of Diversity”」のもと、Diversity Equity & Inclusionを推進しています。性別・国籍・性的指向・障がい・スキル・職歴等を問わず多様な価値観を持つ社員がともに働き、時代の変化に対応した、当社ならではの価値を生み出すことを目指しています。

 

Bloom the Power of Diversityのコンセプト


 

 

・女性活躍について、2025年度末までに女性管理職比率15%とすることをNTTグループ全体の目標として2022年度に掲げています。株式会社NTTデータグループ、株式会社NTTデータ、株式会社NTT DATA, Inc.では、「一般事業主行動計画(2021年4月から2026年3月の5年間)」において、女性管理職比率10%(注1)を目指すものとして策定しており、継続的かつ積極的に取り組みを進めています。女性リーダー候補層を対象とした研修、育児休職中等の社員を対象としたキャリア形成支援セミナー、仕事と育児の両立事例セミナー等の取り組みを進めており、女性採用比率は2016年から継続して30%超、女性の育児休職からの復職率はほぼ100%等、各種女性比率の向上や、管理職を担う女性社員の増加等の成果をあげています。一般事業主行動計画の目標に定めた、女性経営幹部数(役員、組織長等)は2023年度には14名(注2)となりました。また、女性活躍及び社員の働き方変革の一環から、男性の育児休職取得の推進にも積極的に取り組んでいます。男性の育休取得率(育児休職及び育児目的休暇の取得率)(注3)は毎年増加し、2023年度末には105.7%となり、男性育児休職平均取得日数は86.9日となりました。

(注1)2023年度末実績は10.8%。2025年度末までに女性管理職比率15%を目指すものとして2024年度に見直し予定です。

(注2)2025年度末までに女性経営幹部(役員、組織長等)20人を目指すものとして2024年度に見直し予定です。

(注3)「一般事業主行動計画(2021年4月から2026年3月の5年間)」においては、2025年度末までに育児目的休暇を除く男性育児休職取得率30%を目指すものとして策定しており、2023年度実績は60.3%。育児休職だけでなく育児休暇も含めた柔軟な育児参画を推進していくため、2025年度末までに男性育休(育児休職及び育児目的休暇)取得率100%を目指すものとして2024年度に見直し予定です。 

 

 

■女性管理職数の推移


 

・また、採用にあたっては国内外で多くの経験者採用を実施しており、入社後の早期定着、社員のリテンションに積極的に取り組んでいます。特に流動性の高い海外市場においては、経験者採用者には都度各地におけるオンボーディングセッションの実施、Values(私たちが大切にする価値観) について社員同士が語り合うグローバル全体でのValues Weekワークショップや表彰等の取り組みを通じて、世界中の社員が等しく多様に交流できる機会を提供しています。

 

(多様なキャリアパスの提供)

・社員の有する多様なスキルのさらなる発揮にあたって職務に応じて社員をマッチングさせる仕組みを取り入れることが必要と考えています。このことから、Advanced Professional(ADP)制度を2018年12月に創設し、卓越した知見を持った旬のビジネスを牽引する即戦力人財を外部からも獲得できるようにしました。本制度は、内部登用も可能としており、現在までに4名が認定を受けています。加えて、2019年10月にはスペシャリストのキャリアパスを実現するTechnical Grade(TG)制度を創設しました。また、2020年7月には社員の多様な強みの発揮による価値創出を最大限に引き出すために、その職務が生み出す価値をベースとしたジョブ型雇用制度であるFlexible Grade制度(FG制度)を創設し、2022年7月より管理職全てに適用しました。

 

キャリアパス体系


 

(自律的なキャリア構築の支援)

・自律的なキャリア構築については、社員自らがキャリアビジョンを描き、実現に向けて「自律的に学び、成長したい」と考えることを原点として、社員の成長が会社の成長につながり、会社の成長が社員のさらなる成長機会提供へとつながる「成長の好循環」を通じて、お客様や社会への高い価値提供を実現することを掲げています。

従来、直属上司とのコミュニケーションの中で社員自身のキャリア像のすり合わせをおこなっていましたが、さらなる自律的キャリア構築を促す取り組みとして、2023年度から従来の取り組みに加え、より上位の上長と社員とのキャリア面談を導入し、社員が描く中長期的なキャリアビジョンを把握し、ありたい姿の実現に向けた行動の支援を実施しています。

また、2024年度から、社内のキャリア有識者に気軽な相談ができるキャリアメンタリングや、「今持つ専門性の進化」及び「新たな専門性の獲得」を通じて、成長した各自の総合力の発揮による多様な価値創出を目指すことを目的としたデュアルキャリアプログラム(社内兼業)等のキャリア形成支援を強化しています。

社員に挑戦機会を提供し、多様な働き方で多様な人財が活躍できる会社、会社の成長とともに社員一人ひとりが自分の目指す目標に向かって成長を感じられる会社、この会社で働きたい・働き続けたいと思ってもらえる魅力ある会社を実現していきます。

 

■自律的キャリア形成のプラットフォーム


 

3.「Future Workplace」

当社グループでは、業務プロセスと目的に応じて働く場所や時間を柔軟に設定できる環境を整備しています。会社が多様な人財が活躍できる環境を提供することで、社員は時間や付加価値を意識した働き方が可能となり、新たな発想や変化対応力が強化され、持続的な成長が実現できると考えています。

 

(リモートワーク)

2018年4月には、働く空間・時間のフレキシビリティを高めることを目指した従来のテレワーク制度の見直し(実施日数上限の撤廃や自宅以外の場所でのワーク実現)、2020年10月には、在宅勤務率の上昇に伴い増えてきた社員の諸経費負担への対応としてリモートワーク手当を創設しました。2022年11月からは、多様な働き方を支援するため新たなリアルとリモートのベストミックスによるハイブリッドワークに対応する制度を実施しています。ハイブリッドワークに対応する制度では、組織・プロジェクトの状況等に応じて各組織で働き方改革方針を議論し、業務目的に応じたリアルとリモートの服務制度、働き方の選択が可能となっています。(2023年度のリモートワーク率63.2%) 

 

(勤務時間及び休暇取得)

勤務時間に関しても柔軟な働き方を推進することを目的に導入したフレックスタイム制度及び裁量労働制により、よりいっそうの柔軟な働き方を実現しています。2020年10月にはコアタイムを撤廃したスーパーフレックス制度を導入し、利用者数は全社員の半数を超えています。

また、社員のワーク・ライフ・バランス推進のため、リフレ休暇、アニバーサリー休暇等を設けて、有給休暇の積極活用を奨励しています。(2023年度の有給休暇取得率は83.2%)

 


 

(従業員の行動を中心としたプラットフォーム)

・Employee Centric(従業員を中心に考える)をコンセプトに、利用者である従業員の行動を中心にとらえた設計で、業務・意思決定プロセスの高度化、組織間連携強化、ナレッジ共有の加速等を実現する仕組みであるEmployee Experience Platformを提供します。

 


 

③ リスク管理

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

・当社グループの成長と利益は、デジタル技術等の専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人財の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人財の確保・育成が想定どおりに進まない場合、事業計画の達成が困難になることや、システムやサービスの提供が困難になることがあります。これによって、お客様業務や一般利用者の生活に多大なる影響を及ぼすこととなり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはお客様へ最適なサービスを安定的に提供するために多くの外部パートナーの力を活用しており、協力会社の人財確保状況からも大きな影響を受ける可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

・当社グループにおける人財確保・人財育成

国内外問わず人財獲得競争が激化する中、各種取り組みを通じて、量及び質の確保に努めています。

国内の採用市場においては、新卒・経験者ともにさまざまなメディアを活用した母集団形成や、専門性の高さ等に応じた処遇を実現する制度(Advanced Professional制度、Technical Grade制度)での人財獲得、海外の採用市場においては、大学との連携強化やM&A等の手段も含めた即戦力人財の獲得を進めています。

当社の事業成長を支える人財の育成については、高度な専門性と変化への対応力を有するプロフェッショナル人財をP-CDPの枠組みを使い育成しています。また、グローバルマーケットで活躍できる人財の育成も進め、質を伴った量の拡大を進めていきます。詳細は「② 戦略 1.Advanced Training」をご参照ください。

また、社員の自己成長感、働き甲斐が重要と考えており、会社として報酬制度見直し、キャリア成長支援、柔軟な働き方の実現に取り組み、社員エンゲージメントの向上にも多角的に取り組むことで人財の定着、社員のリテンションにつなげています。

・協力会社における人財確保

国内においては、従来より協力会社とのパートナー制度を導入し、当社と協力会社との深いパートナーシップを構築することにより、当社のニーズにマッチした、安定的な人財確保に貢献いただいています。具体的には、協力会社をコアビジネスパートナー、ビジネスパートナー、アソシエイトパートナーとして認定し信頼関係を築くとともに、①社長を含む当社の経営幹部と協力会社の経営幹部が対話を行う会の開催による一体感醸成、②当社の方針や成長戦略の共有等を通じたコミュニケーションの深化、③当社のシステム開発標準の研修や新規技術分野のセミナーの開催等による技術情報提供、④生産性向上支援等、さまざまな共同施策を実施しています。

 また、技術の専門性や当社のビジネス領域の変化に対応し、新たなパートナー会社の追加や見直しをしています。

 さらに、DX領域の人財については主管する推進組織を中心に協力会社と強く連携し、スタートアップ企業の開拓、DX人財へのリスキルを含めた育成プログラム等の取り組みをするなどさらなる人財の安定的確保に努めています。

 

 

④ 指標及び目標

当社では、中期経営計画(2022~2025年度)戦略5「人財・組織力の最大化」の3つの方針である「Advanced Training」、「Promote Diversity Equity & Inclusion」、「Future Workplace」に基づき人的資本に関する指標及び目標を設定しています。なお、人的資本に関する指標の一部(女性管理職比率、男性育休取得率、経験者採用率、社員エンゲージメント率)は(1)サステナビリティ経営④指標及び目標の9つのマテリアリティに関する指標と連動しています。各々の取り組みの結果、社員エンゲージメント率等を向上させることを目指しています。なお、社員エンゲージメントサーベイ結果については経営層及び各職場のマネージャーが、自組織の結果を職場で共有し、組織の状況・課題の把握、対策の立案・実行によるPDCAを回しながら、社員エンゲージメントの維持・向上とよりよい職場づくりに取り組んでいます。

 

■人的資本に関する指標及び目標

人財戦略の3つの方針

取り組み

指標

実績

(2023年度)

目標

2023年度、2024年度*1

Advanced Training

プロフェッショナル人財の育成

プロフェッショナルCDP新規認定者数

1,690*2

(22,600名*3

1,500*2

・社員エンゲージメント率

73%以上*5

<FY23実績:71%>

 

・社員エンゲージメントサーベイ

人財戦略3項目の

向上率10%以上*6

(2025年度までに)

グローバルに活躍できる

人財の育成

グローバル経営人財育成プログラム(GLP)
新規修了者数

33*3

20*3

Promote Diversity Equity&Inclusion

多様な人財が

活躍できる

カルチャーの醸成

性別*5

女性管理職比率

10.8%*4

15%以上

(2025年度)

女性新卒採用比率

40.2%

30%超

男女育休取得率

(男性)

105.7%*4

(女性)

112.1%

100%

男女育休復職率

(男性)

100%

(女性)

99.5%

100%

障がい者

障がい者雇用率

2.3%

2.5%以上*7

経験者

経験者採用率

45.6%

30%

DEI理解

人権及びDEIに関する研修受講率

100%

100%

高い専門性に応じた

多様なキャリアパスの実現

一般社員のキャリア面談実施率

90.7%

75%

Future Workplace

働く時間と場所を柔軟に設定できる

環境の整備

リモートワーク環境適用率

100%

100%

有給休暇取得率

83.2%

87%

 

(注) 特に記載がない限り、(株)NTTデータグループ、(株)NTTデータ、(株)NTT DATA, Inc.の集計値

*1 2023年度に目標値を達成した指標もありますが、Best Place to workに向け維持していくことが重要な指標であるため、現中期経営計画においては2023年度と同様の目標値を設定しています。

*2 (株)NTTデータグループ、(株)NTTデータ、(株)NTT DATA, Inc.、国内グループ会社及び一部海外グループ会社の集計値当社グループ連結(国内、海外グループ会社含む)の集計値

*3  当社グループ連結(国内、海外グループ会社含む)の集計値

*4 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況 5 従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。

*5 社員エンゲージメント率について国内は毎年調査、海外は隔年調査(海外を含めた当社グループ連結の2023年度実績は82.8%)

*6 社員エンゲージメントサーベイの人財戦略3項目(成長の機会、多様性の受容、カルチャー・風土)に関する向上率の合計が2022年度実績から10%以上となることを目指しています。2022年度に現中期経営計画最終年度である2025年度までの3か年計画として目標設定しています。

*7  2024年4月の障がい者法定雇用率の引き上げに伴い、2023年度目標値2.3%から見直しています。