人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数7,200名(単体) 38,183名(連結)
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平均年齢45.2歳(単体)
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平均勤続年数20.0年(単体)
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平均年収8,324,494円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 「従業員数」は就業人員数(出向人員等を除く)であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載している。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1.当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしていない。
2.「従業員数」は就業人員数であり、出向人員等は含まない。
3.「平均年間給与(税込み)」は、基準外賃金を含む。
4.59歳到達年度までに「再雇用や転籍により65歳まで就労する」又は「60歳の定年まで就労する」のいずれかの就労形態を選択する。
ただし、転籍を選択する特別管理職に限り、先行して57歳到達年度に転籍を行う。
5.労働組合の状況について特記するような事項はない。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
3.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照。
4.当社の女性社員比率は12.1%、男女別の社員平均年齢は男性が45.3歳、女性が44.6歳である。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
4.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照
5.パート・有期従業員が男性のみのため、「*」としている。
6.育児休業等取得率の数値は正規雇用のみ
③ 東京電力ホールディングス株式会社及び基幹事業会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
3.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照
4.基幹事業会社は東京電力フュエル&パワー㈱、東京電力パワーグリッド㈱、東京電力エナジーパートナー㈱及び東京電力リニューアブルパワー㈱の4社である。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。
本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。
(1) カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
① ガバナンス・リスク管理
当社グループは、気候変動のリスク及び機会を含むESG対応を重要な経営課題と認識し、当社の取締役会は責任者(ESG担当役員)を選任している。責任者は四半期ごとに業務執行状況を当社の取締役会に報告しており、当社の取締役会は、戦略、行動計画及び業績目標の進捗等を確認するなど気候変動のリスク及び機会について監督している。
また、当社の社長を委員長とするESG委員会にて定期的にESG課題について審議しており、みらい経営委員会やリスク管理委員会と連携している。重要なテーマについては、当社の取締役会等で活発な議論を行っている。
[東京電力ホールディングス株式会社の体制]
② 戦略
当社グループは、ビジョン達成に向けた価値創造を実現するための戦略として、2022年4月にカーボンニュートラルに関する事業方針を公表した。
2019年に日本のエネルギー企業として初めてTCFD提言に賛同して以降、再生可能エネルギー発電事業会社を分社化するなど先行的な取り組みを進めており、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けて事業構造を変革し、社会とともに持続可能な成長を実現していく。
今後は、現在の大規模電源・大量送電から、自家発電・自家消費といった地産地消型の社会に移行していくと想定されるが、当社グループの強みである「電力を中心としたエネルギーに関する幅広く、また深い技術や知見」は、どのようなシナリオとなっても必要不可欠である。
このような状況を踏まえ、当社グループは、ベースロード電源として水力・原子力・地熱を活用していくとともに、洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーの開発に取り組んでいく。また、「貯めて使う」地産地消型システムを推進するため、これまでの電気(kWh)の販売事業から、お客さまに密着した設備サービス事業にビジネスモデルの軸を大胆にシフトし、お客さま設備から生み出されるエネルギー資源を集めて、需給調整・環境価値取引等のニーズに応えられるようアグリゲーション事業を展開する。
これらの新たな事業は社会・コミュニティ等の「まち」単位で、面的に拡大していく。ビジネスモデルの変革にあたっては、設備サービス・アグリゲーション事業の全国展開を最重点分野とし、アライアンスを進めながら現在の事業体制の組み換えも含めたグループ再編も視野に入れた事業構造変革を検討していく。
[ビジネスモデルの変革]
③ 指標及び目標
当社グループはカーボンニュートラルの実現に向けて、「2030年度に販売電力由来のCO2排出量を基準年度比で50%削減(※)」、さらには「2050年におけるエネルギー供給由来のCO2排出実質ゼロ」という目標を掲げ取り組んでいく。
(※)Scope1、2、3の販売電力由来。Scope1、2は2019年度比、Scope3は2013年度比。
2022年度の販売電力由来のCO2排出量の実績は6,510万t-CO2であった。
[カーボンニュートラルロードマップ]
なお、2022年度の当社及び基幹事業会社を対象とした温室効果ガス排出量はScope1が20万t-CO2、Scope2(※)が490万t-CO2であった。
(※)電力購入先ごとの排出係数に基づき算定する基準(マーケット基準)にて算出している。
(2) 人的資本
当社及び基幹事業会社は、資源価格の高騰や気候変動による災害の激甚化など、事業を取り巻く環境が大きく変化する中、経営理念やグループ経営計画の達成に向け、グループの使命である電力の安定供給の不断の実行とカーボンニュートラルの実現のための事業構造変革と経営基盤の強化に総力をあげて挑戦している。この挑戦への原動力であり、持続的な成長の源である「人」をかけがえのない財産と捉え、人的資本への投資を積極的に進めている。
① ガバナンス・リスク管理
当社及び基幹事業会社は、人財リソースの確保への対応を重要な経営課題と認識しており、取締役会は、執行役の中から人財戦略の責任者(CHRO)を選任し、毎月の業務執行状況の報告を受けるなどして、人財戦略、行動計画及び業績目標の進捗等をモニタリング・監督している。また当社の執行役会並びに執行役を中心とした経営会議等では、全社的な課題の抽出や対応方針について審議している。
② 戦略
当社及び基幹事業会社は、経営戦略と連動した人財戦略として、人と組織のありたい姿を示したHR-Visionを掲げ、5つの優先領域を設定し、各重点施策に取り組んでいる。電気事業を支える人財を安定的に確保するとともに、事業構造変革と経営基盤の強化に向けて、DXや事業創造など重要経営課題に必要な人財の確保や配置が急務となっている。そのため、必要な人財を中長期的に計画し、採用、育成、配置するリソースマネジメントを強化することで、「両利きの経営」をさらに加速していく。また、ダイバーシティ&インクルージョンの実現、仕事と働き方の変革、エンゲージメント向上等基盤強化に向けた取り組みを通じて、社員一人ひとりの意欲や能力、組織のパフォーマンスの最大化を目指す。
また、CHROをはじめ、各事業主体のCOOや企画担当役員をメンバーとしたHR委員会を設け、HRに関する全社大の重要経営課題について議論を行っている。その中では、事業戦略と人財戦略との整合を図るとともに、HRや各主体が課題解決に向けて責任を持って取り組むサイクルを構築している。
[人財戦略について]
※ 上記は当社及び基幹事業会社を対象としている。
<優先領域1:リソースマネジメント>
電気事業を支える人財の確保に向けて、採用手法の多様化により、新卒社員、即戦力社員を計画的に採用するとともに、若年層のリテンションやミドル層、シニア層がより意欲・パフォーマンス高く活躍し続けられる魅力ある仕組みを整備している。一方で、重要経営課題に必要な人財を優先配置するとともに、既存スキームの効率化やビジネスモデルの変革創造、事業領域の拡大等、中長期にわたり事業戦略上重要なスキル領域(DX、事業創造、海外事業、法務)を特定し、その担い手となる人財を質・量ともに計画的に確保していく。
<優先領域2:「両利きの経営」を加速する人事戦略>
「既存事業の選択・深化」と「新規事業の拡大」といった「両利きの経営」を加速するために、経営リーダー、電力プロフェッショナル、事業創造人財、DX人財、グローバル人財等、既存・新規の事業運営を支える人財を定義し、研修・配置を通じた育成プログラムの強化や、社員の能力・経験等の人財情報をデータベースとして一元管理し、仕事と適財とをマッチングする適所適財の取り組み(タレントマネジメント基盤の整備)を進めている。あわせて、自己啓発や人財公募等の挑戦・選択機会を提供することで、社員の自律的な成長やパフォーマンス向上につながる環境づくりを進めている。
特に、経営リーダーの育成に向けては、ビジネスを牽引できる経営リーダーを安定・継続的に輩出できるよう、候補人財の選抜や育成を目的とした戦略的人財育成委員会を設置し、選抜、育成、モニタリング等の育成サイクルに経営層が直接関わり、指名委員会と連携した後継者育成の仕組みを構築している。
<優先領域3:ダイバーシティ&インクルージョン>
人と組織がともに成長するためには、多様な人が集い、お互いの違いを尊重し、受け入れるとともに、多様な視点を活かし、行動することが必要となる。こうした行動が創造性の高い、レジリエントな組織を生み出す。D&Iの理解を深めるため、育児や介護と仕事の両立、障がい、LGBT等のセミナーを開催するとともに、ガイドラインやハンドブックを発行している。また、当事者のみならず、上司や同僚等を対象とした施策も強化し、インクルーシブな職場づくりを推進していく。
<優先領域4:TEPCO Work Innovation>
ワークライフバランス実現と幸福度向上を目的に、社員一人ひとりが快適に働くことができる環境づくりを進めている。働き方の選択肢の多様化や労働時間マネジメントの適正化などの働き方改革とカイゼン・DXを用いた業務改革に一体的に取り組むことで、人と組織が最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目指している。また、1on1ミーティング等のきめ細かな対話や、マネジメント教育の充実、対話機会の創出を進めることにより、社員の成長や組織の活力向上を促進している。
<優先領域5:基盤強化>
人と組織の活力、生産性を高める上では、社員のエンゲージメントを向上させることが極めて重要と考え、社員一人ひとりの「働きがい」、「成長実感」、「ワークライフバランス」をエンゲージメント指標として設定し、全社員対象の社員意識調査で測定している。調査の結果は、経営会議や企業倫理委員会等に報告すると同時に、社外有識者からもご意見をいただき、全社的な施策の検討・実施につなげている。また、速やかに各組織にフィードバックし、自らの強みや弱みを踏まえ、エンゲージメント向上につながる施策を自律的に展開している。
さらには、社員意識調査の結果を活用して、活力ある働き方を実践している現場第一線職場へ訪問・ヒアリングを行い、取り組みを社内広報で紹介するなど、好事例の社内展開にも取り組んでいる。
また、東京電力グループは2021年8月、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権尊重の取り組みに対する姿勢を明確に示した「東京電力グループ人権方針」を策定、公表している。これまでの人権への取り組みの強化に加え、国際基準に沿った人権尊重の取り組みを進め、人権への負の影響の防止と軽減に努めている。2021年度より人権デュー・ディリジェンスを開始し、2022年度から人権影響調査の範囲を順次拡大しており、2023年度は人権研修の強化、連結子会社に対するサポートを重点的に実施した。具体的には連結子会社の自律的な推進に対する支援を目的に「ガイドライン」を策定している。
救済メカニズムについては、社員向けの相談窓口に加え、あらゆるステークホルダーがアクセス可能な通報窓口を2021年10月に開設し、東京電力グループの事業活動が人権への負の影響を引き起こした、またはそれに関与したことが明らかになった際は、適切な手続き・対話を通じて救済・是正に取り組んでいる。
③ 指標及び目標
当社及び基幹事業会社は、人財戦略の総合KPIとして、「社員幸福度」と「人的資本ROI」を設定している。
また、「社員幸福度」、「人的資本ROI」の向上に向けて、HR-Visionや5つの優先領域への取り組みにおける主要なKPIを設定し、成果や進捗を評価しているほか、依願退職率や長時間労働者数等のリスクに関するKPIを設定し、指標のモニタリングを行っている。
今後も企業価値向上に寄与する効果的・効率的な人的資本への投資の実行に向けて、人的資本の可視化、KPIのモニタリングや刷新を進める。
[指標について]
[当社及び基幹事業会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異]
<管理職に占める女性労働者の割合>
2023年度末の管理職に占める女性労働者の割合は6.0%(2022年度末5.9%、2021年度末5.8%、2020年度末5.5%)であり、女性の採用・育成強化等により、次世代女性リーダーの拡大を進めている。
比率は上昇傾向にあるも、当初目標である2025年度末管理職に占める女性労働者の割合10%の目標に対する実績の乖離は大きい。
目標の達成に向けては、後進の育成のみならず職場でのジェンダーバイアスや障壁について、経営層と女性管理職がオープンに議論する場を設けている。
<男性労働者の育児休業等取得率>
2023年度の男性労働者の育児休業等取得率は87%である。セミナー開催やメッセージ配信により性別役割分業意識を払拭し、性別等の属性に関わらず誰もが活躍できる職場環境を整えるとともに、男女ともに家庭と仕事の両立を実現できる働き方の変革に取り組んでいる。
<労働者の男女の賃金の差異>
2023年度の労働者の男女の賃金の差異は82.5%である。当社及び基幹事業会社では、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないが、主に以下の要因により女性より男性の賃金が高くなっていると考えている。
イ.女性の出産・育児期のキャリアの断絶
性別役割分業意識による出産・育児期のキャリア断絶により、一時的に仕事をペースダウンする女性が多く、結果として賃金が高い傾向にある管理職層の比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。
ロ.若年層女性従業員の増加
女性活躍推進の観点から女性の採用を強化しており、結果として賃金の低い傾向にある若年層の比率が男性に比べ女性の方が高くなっている。
ハ.扶養手当など諸手当の支給有無の差
女性よりも男性の方が家族を扶養している割合が高い等、諸手当が支給されている比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。
<今後の取り組み>
イ.キャリア継続への支援
2023年4月より、育児休業を取得した社員の復職支援施策として、関東近郊35か所の企業主導型保育所の利用を可能とする制度を導入している。
また、育児休業の取得等により不足しがちな経験を補完するため、キャリア実現の意識を高めるキャリア形成支援を行うとともに、リーダー育成等の様々な研修を提供している。
加えて、リモートワーク制度やフレックスタイム制度の活用により、通勤時間の削減や柔軟な勤務が可能となり、社員の働き方の選択肢が拡大している。引き続きTEPCO Work Innovationを推進し、場所や時間に囚われず働き、キャリアを継続できる環境を整えていく。
ロ.若年層女性従業員の確実な育成
当社及び基幹事業会社では、長期的な視点で人財を育成している。若年層に対しては、階層別研修をはじめ、自律的な学びの機会を付与し、個人が持つ能力を発揮できるよう成長を後押ししている。
その他詳細は、当社のホームページ及び「TEPCO統合報告書2023」を参照。
(https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/annual_report/index-j.html)