2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    107名(単体) 1,646名(連結)
  • 平均年齢
    47.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.7年(単体)
  • 平均年収
    14,456,262円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

地上波・BS放送事業

1,136

(486)

アニメ・配信事業

310

(100)

ショッピング・その他事業

93

(100)

全社(共通)

107

(24)

合計

1,646

(710)

 

(注) 1 従業員数は、就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 全社(共通)として記載している従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

107

(24)

47.1

19.73

14,456,262

 

 

セグメントの名称

 

従業員数(名)

地上波・BS放送事業

(―)

アニメ・配信事業

(―)

ショッピング・その他事業

(―)

全社(共通)

107

(24)

合計

107

(24)

 

(注) 1 従業員数は、㈱テレビ東京、㈱BSテレビ東京及び㈱テレビ東京コミュニケーションズとの兼務者を含む就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4 全社(共通)として記載している従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには、テレビ東京労働組合(組合員232名)とテクノマックス労働組合(組合員115名)が組織されており、いずれも日本民間放送労働組合連合会に所属しております(員数は2024年3月31日現在)。なお、労使関係につきましては特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合

テレビ東京グループの中核企業である㈱テレビ東京の2024年4月の女性管理職比率は21.1%でした。2017年度末の11.2%から順調に比率を上げており、2025年度末には20%台半ばにすることを目指します。

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

(5) 男性労働者の育児休業取得率

  ㈱テレビ東京の2023年度男性社員の育児休業取得率は42.9%で、前年度(41.2%)を上回りました。また、平均育児休業取得日数は118日でした。産後パパ育休を利用するなど短期間でも取得しようとする姿勢も見受けられました。

(注)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

(6) 労働者の男女の賃金格差

  ㈱テレビ東京で働く従業員の男女の賃金格差は、男性の平均賃金を100とした場合、女性の平均賃金は、2023年度で正社員82.7、パート・有期雇用社員55.9でした。全女性従業員でみると73.2でした。入社時の賃金に男女差はありませんが、管理職など高賃金の従業員で男性比率が高い(男:女=4:1)ことが全体の格差につながっています。現在の管理職は、入社時の人数に大きな男女差があり、女性の中途退職も多かった世代ですが、2018年度から2024年度入社の正社員は男女ほぼ同数となっています。今後、女性管理職比率も上昇させる方針で、格差も現在より縮小していくと考えています。有期雇用社員は、専門的知識を有する賃金の高い男性嘱託社員が一定数在籍するため、男女差が大きくなっています。アルバイトに限定すると男女の賃金差異は女性が104で、男性より高くなっています。

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

私たちは、放送の公共的使命を自覚し、責任あるメディアとして文化の創造に貢献することを目指します。企業価値の最大化に向けて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築いた上で、気候変動への対応にも努めながら長期安定的に発展していくことをめざします。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

<サステナビリティにおける当社の重要課題>

① 責任あるメディアとして文化の創造・地域の発展に貢献する

② 中立・公正なコンテンツを作り、豊かな生活と民主主義を守り育てる

③ 多様性に富んだ持続可能な社会を創造する

 

(1) サステナビリティに関するガバナンス、リスク管理

① ガバナンス

当社は、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓蒙活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組むために、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。「サステナビリティ委員会」はグループ全体のサステナビリティ全般の方針や目標・計画などを立案、実行します。取締役会は「サステナビリティ委員会」から活動状況や重要事項について報告を受け、気候関連課題への対応方針および実行計画等についても審議・監督を行います。

 

② リスク管理

当社グループのリスク管理体制は、「リスク管理・コンプライアンス委員会」が中心となり、「リスク管理規程」に基づき、気候変動リスクを含めたグループ内のリスク情報を一元的に集約し、対応が必要と認められたリスクについては適切な予防対策を講じています。特定したリスク・機会はサステナビリティ委員会を中心に議論し、重要度の高いものについては「リスク管理・コンプライアンス委員会」へ報告されるほか、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会へ報告されます。

 

(2) サステナビリティに関する戦略、指標及び目標

当社グループは、気候変動に関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、複数のシナリオに基づく分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。

シナリオ分析においては、2015年締結の「パリ協定」で設定された「2℃以下」シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、低炭素社会への移行によって影響が顕在化する1.5℃シナリオと、気候変動に伴う物理面での影響が出る4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。

当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同しており、シナリオ分析の結果については、TCFDが提言するフレームワーク(①ガバナンス ②リスク管理 ③戦略 ④指標と目標)を活用した情報開示を行っています。

当社グループは2021年度からCO2を排出しない再生可能エネルギーの導入を推進しています。消費電力の削減や再生可能エネルギーの導入、自社のCO2排出を相殺できる「J-クレジット」等の活用を組み合わせて、2023年度にグループ全体のCO2排出量の実質ゼロを達成しました(対象はScope1とScope2)。当初は「2024年度末までのCO2排出ゼロ」目標に掲げていましたが、1年前倒しで実現しました。

 

(3)人的資本・多様性に関する戦略、指標および目標

① 人材の多様性確保、人材育成の方針

 テレビ東京グループは「まだ見ぬおもしろい」を常に追求し新たなコンテンツを生み出してきました。失敗を恐れず挑戦できる社風を大切にして、これまでのヒット企画の多くは失敗の中から生まれたものです。驚きや感動に溢れたコンテンツを視聴者の皆様にお届けし、放送だけでなく配信やEC・イベント展開、そして次の成長の柱と捉えているIPビジネスの開発・拡大など国内外へとビジネスを広げていくその創造力、開発力は、人材の力によるものです。2023年秋に横浜・赤レンガ倉庫で開催した開局60周年イベントには14万人ものテレ東ファンにお越しいただき大盛況でした。今後も世界中の人たちに喜んで頂けるモノづくりを目指し、社員一人一人のスキル向上や潜在能力を引き上げるため、テレビ東京グループ全体で2026年度までの3年間に35億円の人的投資を拡充します。「社員のリスキリング」「業績向上分の社員への還元」「キャリア採用の推進」「健康の増進」などを強化する方針です。その結果、社員がスキルアップし、高いモチベーションをもって活躍することで、魅力あるコンテンツの創造、ビジネスの拡大、そして会社の成長につながると考えています。

 また㈱テレビ東京を中心に2024年4月から事業・業務を徹底的に見直す「棚卸しプロジェクト」を開始、システムのDX化や独自の生成AIの利活用と併せて、業務の改廃で生産効率の向上を目指し、成長領域への人員集中につなげます。人材の多様性を確保することも成長の重要なカギと考えています。従業員、管理職、役員などにおける女性比率を高め、海外展開等をより進めるため外国籍社員の積極的に採用、これまでにない斬新な発想を生み出し、各種事業の成長・発展につなげてまいります。㈱テレビ東京では2025年度新卒採用から高等専門学校からの応募可能とし、技術系の新卒学生へ門戸を拡げました。

    また高度な専門性を持ち特定分野において貢献する職位として「フェロー」を2024年度から新設、プロフェッショナル職にも役員と同等の待遇を用意し優秀なクリエイターなどが長期的に活躍可能となる環境を整備しました。
 なお、当社の女性役員比率は10.7%、㈱テレビ東京の女性役員比率は22.6%となっております。(2024年6月20日時点)
 ※女性役員比率は社内における指導的な役割を担う者として、取締役、監査役、執行役員、フェロー等を対象として算出しております。

 

② 社内環境整備の方針

人材育成、多様性の推進に向けて社内の環境整備に取り組みます。

㈱テレビ東京では、2024年4月に人事部の「研修チーム」を「人財開発チーム」に改称し、更なる研修制度の充実を図っています。昨年度に教育体系を見直し、研修メニューの拡充を図り社員に対して学びを積極的に推進しており、テレビ東京グループ全体では従来の各層別研修に加えて、マネージメント力を養う研修、各事業分野に必要なスキルを身に着ける研修などメニューの充実を図り、社員のキャリア形成を支援しています。人権の尊重やダイバーシティ・インクルージョンなどの多様性や生成AIなどのテーマで開催、社員の意識向上を促しています。また、㈱テレビ東京では2024年からは高度な専門知識や技能の習得を目標とした研修・学習費用の全額補助を開始、全社で研修以外の自己研鑽を目的とした学習にも取り組める環境を整えています。さらに、会社や職務に対する社員の意識を把握するため「エンゲージメント調査」を継続的に実施しています。調査結果をもとに職場環境等を改善し、社員が安心して活躍できる職場づくりにつなげます

社員がやりがいを感じ活躍できる環境を整えるために、在宅勤務やサテライトオフィスを恒常的に利用できる環境を整えています。フレックスタイム制も導入し、自身のライフスタイルに合わせた勤務時間の設定が可能なほか、2022年度には週休3日制度をトライアルで導入するなど、社員に対してワーク・ライフバランスを重視した新しい働き方を提案しています。

育児と仕事の両立支援としては、2歳半まで取得できる育児休業制度、小学校3年生まで利用できる時短制度を導入しているほか、看護休暇、不妊治療休暇なども整えています。

2023年度には「パートナーシップ制度」を導入しました。「同性パートナー」について法律上婚姻関係にある配偶者と同等の社内制度や福利厚生制度を利用できるようになりました。

 

③ 指標及び目標

テレビ東京グループの中核企業である㈱テレビ東京の女性社員比率は、2024年4月時点で30.0%、最近の新卒採用における男女比はおおむね同数となっています。女性管理職比率も年々上昇しており、2024年4月時点では21.1%で、2025年度には20%台半ばに引き上げることを目指しています。㈱テレビ東京には2024年4月現在、外国籍の社員が11名在籍しています。アニメなどの海外展開では英語圏だけでなく中国、韓国など事業展開に沿った外国籍社員の採用が重要となってきており、業務の拡大方針に沿って外国籍社員の採用に積極的に取り組んで参ります。キャリア人材の採用にも力を入れており、2023年度は過去最高の28名(テレビ東京グループ全体では57名)のキャリア採用を行いました。これにより採用者のうちキャリア採用の比率は53.8%と新卒を上回りました。従来の制作現場で活躍するクリエイティブ人材だけでなく、マーケティング、デジタル、投資などのスキルを持つ不足人材を即戦力として採用し、活躍してもらうことで、組織の活性化と社員全体のスキル向上を目指しています。また2023年秋にはこれまで企業認知が低かった理系学生に向けた採用イベント「FU×TECHコンテスト」を初開催し、テックカンパニーとしての認知と高度人材を獲得、採用の新たな試みをしました。

また社員がいきいきと活躍するために心身の健康管理にも注力しています。㈱テレビ東京では年2回、健康診断を実施しています。労働安全衛生法では、企業に対して常時雇用する全従業員に年1回の健康診断を義務化していますが、2023年度の受診率は2年連続で100%でした。また、人間ドック、脳ドックの一部費用について会社の補助制度を設けています。ストレスチェックの受検率は、2023年度は83.1%で、心の健康を保つために、心療医など専門家によるカウンセリングを受けられる体制も整えています。2023年にはがん対策推進企業アクションに参加、2024年度からマンモグラフィー検査を定期健康診断に導入し社員のがん予防を支援しています。

今後も健康診断受診率100%を維持するとともに、社員の心と体の健康を保つ努力をすることで、社員のエンゲージメント、モチベーションアップにつなげていく方針です。