人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数590名(単体) 638名(連結)
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平均年齢41.7歳(単体)
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平均勤続年数16.1年(単体)
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平均年収6,167,094円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員(社員及び契約社員)であります。
2 他社からの出向者3名を含んでおります。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 他社からの出向者3名を含んでおります。
4 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は、結成されておりませんが、共済会システムにより労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループにおける、サステナビリティに関する考え方及び取組については、以下に記載のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性が有ります。
経営方針とサステナビリティに対する考え方
当社は1965年に設立して以来、企業活動を通して空港分野において環境貢献に寄与する経営を推進してまいりました。当社グループの経営方針については、前述の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
本経営方針及び中期経営計画の中には、当社のサステナビリティに関する考え方及び取組も含まれており、本経営方針及び本中期経営計画のもと、中期経営計画期間中にコロナ前(2019年度)の売上・利益水準へ早期に回復させ、その後はさらなる成長を目指して売上規模200億円を目標に掲げ、企業価値向上に向けて経営を推進するとともに、環境・社会・ガバナンスを重視したESG経営を推進してまいります。
また、当社は自主独立の経営体制で持続的な成長を実現するために、新市場区分におけるスタンダード上場維持基準の適合を目指しており、基準である「流通株式比率25%以上」達成に向けて、専門家を交えてあらゆる手段を鋭意検討しております。
サステナビリティについての取組
国内外のサステナビリティ開示で広く利用されている「気候関連財務情報開示タスクフォース( TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)に基づき、本経営方針及び本中期経営計画における当社のサステナビリティに関する考え方及び取組に付言しつつ整理の上、開示いたします。当社としては、以下のガバナンス((1)参照)及びリスク管理((3)参照)の取組は、当社のサステナビリティに関する戦略((2)参照)及び指標((4)参照)の実現に資するものであると考えております。
(1)ガバナンス
当社の経営状況と課題
マーケットからは、いわゆる安定株主が株主総会における特別決議可決のために必要な水準を占めることのない公開性が求められており、この公開性の要請に応え、当社がマーケットからの投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた会社であることをお示しすることは重要であると認識しています。
◆ スタンダード市場への上場維持基準への適合と上場企業としてのガバナンス具備
当社株式について、過去の設立から現在に至るまでの経緯により、上位3位までの事業法人による当社株式保有が7割以上を占め、出来高が些少となっており、それに起因して純投資目的の投資家の参加率が低い状況であることを課題として認識しております。政策的な保有を目的とされている当該事業法人に対しては、当社株式保有比率低減に向けてのご協力をお願いするほか、各種施策を機動的に検討・実施してまいりましたが、2024年3月31日現在において流通株式比率23.83%と、現時点では上場維持基準である『流通株式比率25%以上』の条件は未達成の状況であります。当社は将来に向けた持続的成長に向けて速やかに流通株式比率の改善をしていきたいと考えております。
また、当社は、独立した上場企業としてのガバナンス体制を具備することが重要であることを認識しており、ガバナンス体制のさらなる向上に向け、東京証券取引所により2021年6月に公表された「改訂コーポレートガバナンス・コード」について、現在までの2年間で、19項目あったExplainのうち10項目をComplyするに至りました。今後は、現時点で遵守できていない項目について、遵守に向けた取り組みを継続してまいります。
基本的な考え方
① 上場維持基準達成に向けた取組の検討体制は、外部専門家およびリーガルアドバイザーとしての弁護士を含めたプロジェクトを社内に立ち上げ、上場維持基準適合に向けた対策を講じております。大株主から派遣されている「特別利害関係取締役」は参加しておりません。
大株主との強固な関係を維持しつつも、少数株主の利益を適切に保護するガバナンス体制の構築を実現し、独立した上場企業として企業価値・株主価値の向上に努めています。
② 上場企業として備えるべきガバナンスの維持・向上に対する考え方につきましては、経営の透明性、健全性に重きを置き、ガバナンスの強化を図り、スタンダード市場のコンセプトに準じて、上場企業としての基本的なガバナンス水準を具備できるよう、適切なガバナンスの仕組みを整え、透明性・公正性を高めると共にリスクマネジメントを強化することで経営基盤の強化を図り、また、企業経営において公正な判断・運営がなされるよう、監視・統制する仕組みの整備、浸透、運用の強化を図っております。
なお、上場企業として備えるべきガバナンスを具備するための具体的な取組は次のとおりです。
具体的な取組
① コーポレートガバナンスへ積極的な取組を行い基本的なガバナンス水準を備える
コーポレートガバナンス・コードの全原則への準拠における過去2年間の実績としては、19項目あったExplainのうち10項目をComplyしましたが、当社は現在、遵守できていない項目についても、本中期経営計画期間の残り2年間で全項目の達成を目指しています。
2022年9月に独立社外取締役が過半数を占め、かつ、委員長を務める、任意の指名・報酬委員会を設置しており、コーポレートガバナンス・コードへの対応を進めておりますが、原則4-2、補充原則4-2-1(中長期的業績と連動する報酬の割合、現金報酬と自社株報酬の割合の適切な設定)につきましては、当該指名・報酬委員会において、当社と独立した立場にある第三者機関のご助言をいただきながら、取締役会でも適宜報告・協議を行いつつ、経営目標達成に向けて、経営陣へ適切なインセンティブ付けを行えるよう、検討を重ねております。
加えて、2024年6月末現在、実施できていない原則のうち、補充原則4-3-1、4-3-3、4-8-3それぞれに関しても、当該指名・報酬委員会にて具体的な検討を既に開始しております。
現時点で実施できていないコーポレートガバナンス・コードの原則につきましては、後述の「第4.提出会社の状況、4.コーポレートガバナンスの状況等」に記載のとおりです。
② 情報開示を充実させ透明性・公正性を高めると共にリスクマネジメントを強化する。
純投資目的の個人株主及び機関投資家の皆さまが、幅広く関心を持っていただけるよう、認知度向上・株価・出来高の向上に向けてIR活動およびPR活動を推進し、投資家向けの情報発信の充実を図っています。
決算情報に加えて、より具体的に当社の経営方針や事業戦略等の説明を加え、投資家の皆さまとのエンゲージメント強化に取組み、資本・株式市場における評価を上げるよう努めています。
◆ 2022年5月26日にAGPグループ中期経営計画(2022-2025年度)を公表
◆ 機関投資家向け説明会を四半期ごとの年間4回開催
◆ 個人投資家向け説明会を四半期ごとの年間4回開催
◆ 株主還元方針の開示「持続的な成長により、1株当たり当期純利益(EPS)を増大させることをもって株主価値向上を図るとともに、株主の皆さまへの還元をこれまで以上に充実させるために、配当および自己株式取得に積極的に取組み、本中期経営計画期間である4年間の総還元性向100%以上を目指します」
◆ 東京証券取引所が2023年12月26日に開示した「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」に則って、情報開示の充実に努めてまいります。
また、当社としての企業継続性、事業継続性リスク等について十分に認識・分析し、当該リスクに対応するためのリスクマネジメントを強化してまいりました。
③ 経営の公正な判断・運営がなされるよう、監視・統制する仕組みを整備し運用の強化を図る。
当社は、株式会社東京証券取引所の独立性に関する判断基準を基に、当社経営陣から独立した立場で社外役員としての職務を遂行できる独立性が確保できる、幅広い見識、経験に基づき、当社の経営に対して客観的かつ適切な意見を述べることができる方を招聘し、現在、独立社外取締役2名体制としてガバナンス強化を図っております。当社の独立社外取締役には、特に以下の役割・責務を果たしていただいております。
(ⅰ)経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図る、との観点からの助言を行うこと
(ⅱ)経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと
(ⅲ)会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること
(ⅳ)経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること
また、当社は独立社外取締役が取締役会の過半数に達していないため、経営陣幹部・取締役の指名(後継者計画を含む)・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として、独立社外取締役2名と代表取締役1名を構成員とした、取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬委員会を設置しております。
④ 指名・報酬委員会
指名・報酬委員会では、当社のガバナンス体制はどうあるべきかという視座に立って、株主総会に諮る取締役・監査役候補の選任議案の他、取締役の報酬の在り方等について審議を行っております。
当事業年度におきましては、主に次の活動を行っております。
・ 当社の最高経営責任者(CEO)に求める人物像・プロファイルの明確化を目的として5つのコアバリューを「CEO選任における重要項目*」として定義し、取締役会へ答申
・ 取締役候補・監査役候補の選任プロセスを明確化し取締役会へ答申
・ 取締役候補・監査役候補に求める人物像を「CEO選任における重要項目」から定め、また、有すべき専門性・経験・見識を明確化し取締役会へ答申
・ 取締役スキルマトリクスに加え監査役スキルマトリクスを策定し取締役会へ答申
・ 当社が備えるべきガバナンス体制を検討し、代表取締役の交代を含む第60期取締役体制の原案を取締役会 へ答申(第59回定時株主総会へ付議)
・ 当社の取締役報酬について、業績と連動する報酬体系とすべく、短期業績と連動する現金報酬割合と中長期的業績と連動する自社株報酬割合の適切な設定を検討し、取締役会へ答申
*「CEO選任における重要項目」とは
指名・報酬委員会において、当社の最高経営責任者・社長・CEOのあるべき人物像について協議を重ねた結果、CGSガイドラインの概念も組み込みつつ、最高経営責任者・社長・CEOに求める「5つのバリュー」を『CEO選任における重要項目』として定義しました。
この『CEO選任における重要項目』の定義は、最高経営責任者・社長・CEO候補者の評価の際の目安とするのみならず、会社としてのコアバリューのイメージ、つまり、最高経営責任者・社長・CEOのみ当てはまるのではなく、取締役、監査役をはじめ、組織全体、あるいは、全従業員に至るすべての関係者が共感することができ、同じ価値観として共有することを目的としています。
今後は、当社の支配株主等を鑑み、「関連当事者取引管理規則」の制定や、利益相反する重要な取引等についての検討・審議を行う、独立社外取締役を含む独立性を有する者で構成された「特別委員会」の設置を検討するなどして、透明性と健全性を併せ持ったガバナンス体制の構築を進めてまいります。
(2)戦略
◆経営戦略
経営方針のもと、中期経営計画期間中に成し遂げることを3つの「ミッションステートメント」として宣言しております。
詳細は、前述の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(3)中長期的な会社の経営戦略に記載のとおりです。
◆事業戦略
高い技術力で環境社会に貢献できる企業を目指すとともに、選択と集中により得られる経営資源を十分に活用し、事業基盤のシフトを推し進め、地方・海外空港への展開や当社技術を活かせる空港外産業への事業展開を図り、新しい商品・サービスの開発へチャレンジしながら持続的な成長へ繋げる事を志向しております。
<事業戦略と具体的な取組>
当社は、GPU利用促進による地球温暖化防止への取り組みを継続して推し進めております。
また、これまで国内主要空港にて培ってきた、GPU設備をはじめとする電気インフラに係わる知見と技術 が、最大限活かせる好機と捉え、当社の強みである「電気」を主軸とした、「環境」×「電気」×「DX」領域での事業多角化を行い、新たな収益の柱となるビジネス創出を目指しており、各種ソリューション開発を推し進めております。加えて、既存事業との関連性を基に、新たな技術価値によるサービス構築が急務であるとの課題を認識しており、既存事業で培った技術と親和性の高い「物流保守サービスの拡大」への取組みを進めてまいります。
a)エコ・エアポートの実現を通じてGPU利用を促進することにより地球温暖化防止
・ 空港で駐機中の航空機に対して当社GPU設備の利用を推し進め、2025年度末までにCO2排出量削減33.5万トン以上を目指す。当事業年度末現在、CO2排出量削減は27.8万トン(目標対比82.9%)となっております。
・ 当社GPU設備が配備されていない地方空港等には、各空港のニーズに合わせたGPU設備・機材の提供をはじめとした空港分野における環境貢献に寄与するサービスの拡充を目指す。当事業年度におきましては、バッテリー駆動式GPU(登録商標Be power.GPU)を製品化し、市場に投入いたしました。
・ カーボンニュートラル、環境負荷の低減の実現に向けて、環境貢献機材の開発を推進し、外部電源式省スペース型固定空調装置の開発、移動式GPUに対するバイオディーゼル燃料の導入試験等を継続して実施しており、今後も新技術導入による次世代製品の開発を進めます。
b)当社技術を活かせる新たな領域への事業展開等
・ 環境×電気×DX(空港内車両のEV化を促進し、EMS/FMS*へ展開)
空港分野におけるカーボンニュートラルへの取組みを推進し、企業理念のもと環境貢献に資する新たな成長ビジネスの創出を目指しています。
その中で、空港内に配置されているディーゼル車両を順次EVに置き換えていくことが施策の大きな柱となっており、EVの配備には空港内に適切な充電施設を整備することが不可欠となります。
当社は創業以来、国内主要空港にてGPU設備をはじめとして電気インフラに係わる知見と技術を最大限活かせる好機と捉え、これまで取組んできた「環境」と「電気」に加え、「DX」を掛け合わせた「空港におけるEMS(エネルギーの最適化)の開発」を行い、空港が抱えている問題の解決に向けて貢献したいと考えており、最終的には空港全体のエネルギーマネジメントを実現する構想により新たな価値を生み出し、当社成長領域の柱としていきたいと考えています。
*EMS/FMS;Energy Management System/Fleet Management Systemの略称
・ 物流保守サービスの拡大
当社は、ボラティリティが高い航空業界に対応した財務の安全性確保という観点からも、これまで空港内で培ってきた技術と経験を駆使し、空港外へ事業領域の拡大を進めておりますが、新規顧客開拓に加えて、エンドユーザーとの直接契約を獲得すること、M&A(事業/企業買収、事業シナジーのある純投資)の検討を進めてまいります。
既に当社はこの成長分野への参画は出来ておりますが、今後はより積極的に資本を投下しつつ、更なるシェア獲得に向けて邁進し当社の新たな収益の柱となるよう目指しています。
◆人材戦略
空港業界も少子高齢化による労働人口減少により、人材獲得競争が激化しています。最適な人材を必要な人数採用、適切な配置を行い、研修など時間とコストをかけて従業員へ十分に投資し、従業員の帰属意識の醸成に繋がるよう各種施策を打ち出しています。
当社においては、労働力人口減少の課題に対してコロナ前より重く捉えており、外国人や女性技術者の採用、定年退職者の再雇用を進めてまいりましたが、BtoB事業が主体であり知名度が低く、働く環境も不規則なシフト勤務などの課題があるため、人材確保は厳しい状況が続いています。当社にとって、「人材は価値創出の原動力であり最大の資本である」という考えのもと、企業成長に不可欠な事業戦略と多様な人材が活躍できる人材戦略を定めて実行しています。
人材戦略では、会社の目標を達成するために、その事業活動において必要となる要員数、求める人物像を定め、「①必要となる人材確保に向けた方針」、「②人材の有効活用」、「③人材配置・能力開発/育成」、「④人材の活性化(適正な人件費水準の維持)」、「⑤労働環境の整備」における5つの戦略を定めて実行しております。
また、当社では、多様性の確保・容認に向けたダイバーシティ経営を推進しておりますので、その取組みについても付記いたします
<人材戦略の具体的な取組>
① 人材確保
・成長事業の創出に必要となる人材の確保を目的として、幹部候補社員の採用強化
② 人材の有効活用
・適正人員の可視化
・業務効率化(BPR) 推進により労働生産性の向上
・女性、シニア、外国人社員、非正規雇用社員の活躍を促す、ダイバーシティ化の推進
③ 人材配置、能力開発・育成
・従業員受入れ時の育成・能力開発の充実として、外国籍、日本国籍の新入従業員に対して、公平な教育機会、教育内容を提供して、能力開発を推進
・人的資本投資として、自己啓発を促進する資格取得支援・研修制度の拡充
・オペレーション階層である若年層従業員については、ジョブローテーション、マルチスキル化を推進し、技術力の向上と業務波動への対応力強化
④ 人材の活性化・適正な人件費水準の維持
・透明性・公平性のある評価・報酬システムの安定運用
・適正な水準の労働分配率を維持
・従業員の生活水準の維持確保、成長事業に資する人材確保に向けた採用力強化の観点から、本年6月より、1人当たり平均で+3.6%の賃金水準の引き上げ
⑤ 労働環境の整備
・従業員の経営参画の意識向上に資するとともに、退職後の資産形成の一助となる制度として、従業員向け株式給付信託(J-ESOP)を導入
・業務効率化や従業員が安心して仕事に従事できる環境整備を目的としたシフト勤務の見直し
・継続的に、オンライン会議やテレワークを活用
<ダイバーシティ経営の推進に向けた具体的な取組>
「企業成長に資するダイバーシティ経営」を目指し、多様性のある人材が長期にわたって企業の価値創造に貢献できるよう、経営幹部から従業員まで全員が「ダイバーシティ経営」における理解を深められる環境を構築しています。
・毎年継続して「ダイバーシティインデックス*1」に参加することによりダイバーシティ経営を可視化
*1 ダイバーシティインデックス:株式会社イー・ウーマンが運営するダイバーシティ経営を可視化、数値化し、組織の取組の進度を明確にし、課題を解決するために開発された指標。
・社内にダイバーシティ推進プロジェクトチームを設置し、ダイバーシティマインドの醸成を目指して推進
・全社的にダイバーシティ&インクルージョンの研修を推進
・日本人社員のグローバル化を推進
・外国籍社員の労働環境を整備
・国籍問わず同一教育環境の整備
・女性労働者に対する職業生活に関する機会として、育児休業復帰後の多様な働き方の提供
・育児・介護休業制度導入や時短勤務など職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
(3)リスク管理
◆リスク管理体制
当社グループは、直接的または間接的に当社グループの経営あるいは事業運営に支障をきたす可能性のあるリスクに対し、迅速かつ的確に対応を図るために定めたリスク管理規則に則り、毎年定期的にリスクマネジメント一覧表を取りまとめ、経営会議に報告するなどして、全社的なリスクの評価、管理、対策立案を実行しております。
顕在化したリスクがあった場合には、顕在化したリスクの内容に沿って予め決められた施策で対応を図ることとしており、必要に応じて取締役会へ情報を共有し監督およびモニタリングを実施するとともに、リスク評価・分析を行い、全社におけるリスク管理の強化を図っています。
<リスク管理体制図>
◆リスク要因の特定
当社グループは、経営方針に基づく経営戦略の阻害要因となり得るリスクについて、環境分析のもとリスク要因を特定しており、「企業経営の継続に関するリスク」と「事業運営の継続に対するリスク」を認識しています。
<主なリスク要因と対応>
① 企業運営の継続に関するリスク
スタンダード市場における上場維持は、当社がマーケットからの投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた会社であることを示すために重要であると認識しておりますが、当社はスタンダード市場の上場維持基準である「流通株式比率の25%以上」を充たしておりません。
なお、東京証券取引所による上場維持基準に関する経過措置期間の取扱いにより、経過措置期間が2025年3月以降順次終了となっており、当該期限までに「流通株式比率25%以上」を充足させる必要があります。
本件につきましては、以下の取組を継続して進めてまいります。
・市場および株価への影響を最小化にしつつも、早期に流通株式比率を高める事ができる具体的手法を実行してまいります。
・過去の経緯から当社株式を多く保有されている株主がございますが、かかる株式につきましては、当該株主の方針を尊重する一方、当社の流通株式の状況をご理解いただいたうえで、当社株式の保有比率低減に向けて、固定株の縮小に向けた取組を、相互信頼関係のもと推進していくご協力をお願いしていく所存です。なお、当社は経過措置期間終了の2025年3月末までを目標に上場維持基準を充たす計画としています。
・本件のリスク対応に関しては、利害関係者を除いた構成員による資本政策プロジェクトチームを組織化して推進しています。
② 事業運営の継続に関するリスク
当社の主要な事業領域である航空・空港産業はボラティリティが高い事業領域です。新型感染症によるパンデミックや天変地異、地域間紛争などによるイベントリスクにより、各種設備関連の稼働状況低下による影響があります。また、IoTやAI等の技術革新による構造的な競争環境の変化により、当社がこれまで技術・技能を具備した人材で担ってきたエンジニアリング業務の一部(保守運用サービス業務)が代替されていくことを脅威として捉えています。そして少子高齢化や働き方改革に伴い人材確保が難しく複雑になってきていることを認識しております。
本件につきましては、以下の取組を継続して進めてまいります。
・動力供給事業領域においては、電力料金等原材料費の高騰に対して、2023年4月利用分より原材料費の変動に応じた価格転嫁を行い、改善を図っています。
・エンジニアリング事業領域においては、これまで培ってきた技術・ノウハウを持って空港外の領域へ事業展開を図っています。同時に空港内業務においては、人材不足対応として、技術員のマルチスキル化を進めながらBPRを実行し、業務の効率化や生産性向上を図り、コスト削減・利益の最大化を図っています。
・これらリスクの存在を認識したうえで、空港関連事業による収益依存体制からの脱却を図るとともに、技術革新等の外部環境変化に伴う組織のレジリエンス向上に向けた取組を進めています。
(4)指標及び目標
《環境社会実現に向けた目標》
これまでも当社はGPUの利用促進等企業活動を通じ、環境社会に貢献してまいりました。
今後も脱炭素、環境負荷低減の実現に向けて更なる貢献を果たし、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、CO2排出量削減目標を定めております。
これを受け国交省は「空港における脱炭素に向けた取組み」を推奨しております。現在、各空港運営会社が空港内の脱炭素、EV化および自動運転を検討している状態です。
私たちは、このNational Agendaであるカーボンニュートラルへの取組みを推進し、企業理念に準じて環境貢献に資する新たな成長ビジネスの創出を目指していきたいと考えています。
① 2025年度末までに2019年実績の33.5万トンを超えるCO2排出量削減を目指す。
② 2030年度末までにGPU利用100%目標に向け取組み、空港における更なるCO2排出量削減に貢献する。
《人的資本投資に関する目標》
当社は「人材は価値創出の原動力であり最大の資本」と考えており、今期から社内に採用プロジェクトチームを設置し外部からの多様性のある優秀な人材の確保に努めます。新卒採用のみならず中途採用、次世代リーダー候補者採用、外国人採用を男女問わず優秀な人材の確保に向けての取組を進めてまいります。
① 次世代リーダー候補者採用を本社社員の10%を目指す
② 外国人社員について、全社員の10%を目指す
③ 社員の能力開発に向けて、営業利益の10%程度を目安に社内教育、社外教育、資格取得講習等を行う
④ 資格取得の奨励と自己啓発により、技術職は一人当たり10資格以上の資格取得を推進
⑤ ダイバーシティ・インデックスの受講を含め、ダイバーシティ理解を醸成する研修およびワークショップを年4回開催
⑥ 経営陣向けの各種研修を四半期に1回実施