リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、「リスク管理委員会」を設置しています。リスク管理委員会を中心として、リスクを認識・評価した上で、優先順位を付けて対策を立案・実行し、その改善状況をモニタリングする仕組みを確立しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)人財の確保及び育成について
当社グループでは、展開する事業の特性上、経営資源の中で「人財」が最も重要な経営資源と位置付けており、優れた人財の採用及び育成を経営の最重要課題と認識しております。当社グループは、新規採用、中途採用を積極的に行うことにより優秀な人財の確保に努めるとともに、教育・研修制度の充実や非正規社員も活躍できる人材育成制度の再編等を推進しております。しかし、必要な人財を継続的に確保するための競争は厳しく、人財を適時確保できない場合、あるいは人財の育成が計画どおりに進捗しない場合には事業展開、業績および成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)安全・品質管理について
当社グループは、リスクマネジメントの一環として、「安全・健康」及び「品質」の確保を重要な経営課題として取組み、SQ推進本部(S:Safety[安全] Q:Quality[品質])を中心として開催する「安全健康会議」「全社品質会議」及び各事業所又は各事業本部以下の組織で開催する「安全衛生委員会」「品質委員会」での活動を通して、損失の未然防止及び発生時の管理について対応します。品質管理には万全を期しておりますが、万が一、重大な安全・品質に係る問題が発生した場合は、多額のコストが発生し、当社グループに対する評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格競争について
当社グループの展開する各事業に共通して価格の高騰が進んでおり、提供するサービス・製品・商品の高付加価値化、販売価格への転嫁や原価低減といった対応が重要課題となってきております。今後一層の価格の高騰が予想される中で、当社といたしましては、コスト対応力強化や品質・生産性の向上のための施策を展開していく方針ですが、価格高騰が過度に進む場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制について
当社グループは、主力である物流サービス事業では倉庫業法、貨物自動車利用運送業法など物流に関する各種事業法、自動車サービス事業では道路運送車両法や保険業法、人材サービス事業では労働者派遣法など、さまざまな法令の規制を受けております。当社グループは、法令遵守・企業倫理の徹底は企業活動を行う上での根幹であると認識し、コンプライアンス研修を定期的に開催し、グループ内での法令遵守の周知徹底を図っております。しかし、社会情勢の変化に応じてこれらの法制度の改正、強化などが想定され、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められる場合があります。
(5)特定取引先への依存について
当社グループは、トヨタ自動車株式会社に対する売上高が全体の23.0%、トヨタ自動車グループに対する売上高を含めますと、全体の売上高の35.3%(2024年3月期、提出会社ベース)となっております。当社といたしましては、各事業の拡大及び各事業の有するノウハウを結合した新しい業態の開発を積極的に推進し、国内外に展開していくなど一層努力をしていく方針です。しかし、トヨタ自動車株式会社の発注政策により、当社グループの財政状態及び業績に影響を受ける可能性があります。
(6)海外進出について
当社では、米国に1社と中国2社の子会社を、米国、ブラジル、タイ及びメキシコに大手商社との合弁会社7社を展開しております。これら海外への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、不測な政治又は治安混乱、雇用環境の変化、テロ・戦争等といったリスクが内在されており、これらは今後の事業に影響を与える可能性があります。
(7)災害等による影響
当社グループの日本国内における主力事業所は愛知県に集中していることから、特に南海トラフ巨大地震等の大規模地震の発生による被害が懸念されるため、BCP(事業継続計画)の策定、建物・設備等の耐震対策等を行うとともに、安否確認訓練、避難訓練や衛星携帯電話を用いた通信訓練等のBCPに関する訓練を実施しております。しかし、南海トラフ巨大地震等の大規模地震が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報管理について
当社グループは、事業活動を通じて取引先の個人情報や営業上の機密情報を取り扱うため、情報の取り扱い等に関する規程の整備、従業員への教育、またシステムを含めた情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスへの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)固定資産の減損について
当社グループでは、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうか四半期毎に減損テストを実施しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動に関するリスク 当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するべく、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、当社グループ各部門の事業活動を通じた環境課題への対応を統制・推進しております。 気候変動の緩和に向け、環境性能が高い設備への切替の推進や運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等による「省エネ」に注力し、脱炭素の取り組みを推進しております。 しかしながら、想定を超える規制や事業環境の急激な変化等により、建築コストや事業運営コストが高まること等により、当社グループの経営成績および財政状況が影響を受ける可能性があります。
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配当政策
3【配当政策】
当社グループの利益配分につきましては、これまでの財務基盤の強化や継続的な安定配当の姿勢から、更に重点分野への積極的投資や還元の向上と共に、財務基盤の維持に努めることにより、連結配当性向40%を目標としております。
こうした基本方針に基づき今後も収益力の向上、資本コストを意識し企業価値の向上を図りながら、業績に応じた利益配分に努めてまいります。また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当につきましては株主総会であります。
なお、内部留保金につきましては、経営環境の変化等に耐えうる財務体質の維持と事業拡大等、積極的な投資等に活用したいと考えております。
当期の期末配当につきましては、1株当たり5円増配し、1株当たり30円(中間配当と合わせた年間配当55円)を実施することを決定しました。
この結果、当事業年度の配当性向は、38.2%になりました。
なお、当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めております。当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月26日 |
555 |
25 |
取締役会決議 |
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2024年6月20日 |
648 |
30 |
定時株主総会決議 |