2024年6月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えておりますが、記載した項目は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、全てのリスクが網羅されているわけではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績等に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

(1) 法的規制について

①「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)等による規制について

当社グループは、「医薬品医療機器等法」上の医薬品等を販売するにあたり、各都道府県の許可・登録・指定・免許及び届出を必要としております。また、食品、たばこ、酒類等の販売については、食品衛生法等それぞれ関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としております。今後当該法令等の改正により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

医薬品の販売については、2009年6月に「薬事法の一部を改正する法律」が施行され、一般用医薬品をリスクの程度に応じて第1類から第3類までの3つのグループに分類し、このうちリスクの程度が低い第2類及び第3類については、新設された「登録販売者」の資格を有する者でも販売が可能とされました。

また、2014年6月施行の薬事法改正では、一般用医薬品の分類が、要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品に変更され、要指導医薬品を除く第1類から第3類までの医薬品については、インターネットでの販売が事実上可能となりました。当該法令の改正等により他業種からの新規参入による競争の激化が予想され、その動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

②出店に関する規制について

2000年6月に「大規模小売店舗立地法」が施行されました。これは、売場面積が1,000㎡超の新規出店及び既存店舗の増床については、騒音、交通渋滞、ゴミ処理問題等、出店地近隣住民の生活を守る立場から、都道府県又は政令指定都市が一定の審査をし、規制するものであります。

当社グループは、今後の出店政策として300坪のR店を出店していく予定でありますが、1,000㎡未満の店舗の出店に際しても地元自治体等との交渉の動向によっては、出店近隣住民及び地元小売業者との調整を図ることが必要となる可能性があります。従いまして、上述の法的規制等により、計画どおりの出店ができない場合には、今後の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③その他法規制

当社グループではその他、不当景品類及び不当表示防止法・農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)・容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)・エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)等の関連法規等の法的規制の適用を受けております。当社グループとしましては、法令遵守を徹底しておりますが、万一法令に違反する事由が発生した場合は、事業活動が制限されるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資格者の確保について

2009年6月に施行されました「薬事法の一部を改正する法律」において、医薬品を販売する際にはそのリスク区分に応じて薬剤師もしくは登録販売者の配置が義務づけられております。登録販売者資格の取得(都道府県試験)については、社外講師を招いての自社教育制度や、インターネット通信教育を導入して社内育成に努めておりますが、薬剤師等の確保や登録販売者の試験合格者数が予定どおりとならない場合、当社グループの出店計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 情報セキュリティについて

当社グループは、お客様や取引先の機密情報や個人情報及び当社グループ内の機密情報や役員、従業員等の個人情報を保有しております。これらの情報の取扱いについては、情報管理者により情報の利用・保管等に関する社内ルールを設け、その管理については万全を期しておりますが、万一個人情報の漏洩が発生した場合、社会的信用失墜や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 出店政策について

当社グループは2024年6月20日現在433店舗を運営しております。今後の出店政策としましては、主力フォーマットとして300坪のR店を出店していく予定であります。当社グループが新規出店する場合には、常に個別店舗の採算を重視しており、当社グループの出店条件に合致する物件が確保できない場合等には、出店計画が達成されない場合があるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) ドミナント出店政策について

当社グループは2024年6月20日現在、愛知県136店舗、岐阜県134店舗、福井県82店舗、石川県61店舗、滋賀県20店舗の433店舗を展開し、一定のドミナントエリアを形成しております。

当社グループがドミナントエリアを形成し、その地域に出店する戦略を採用しておりますのは、店舗間の距離を近づけることでその地域のお客様の認知度が高まり、広告宣伝費や物流コスト等を低く抑えることができるためであります。

しかし一方で、一定のドミナントエリアが形成されるまでは、その有利さはありません。したがって、当社グループが出店を集中させていく商勢圏において、出店場所を十分に確保できない場合やドミナントエリアの形成までに時間を要する場合には、店舗展開が分散化することにより広告宣伝費や物流コストが嵩み、収益を圧迫することになるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ドミナントエリア形成の副作用といたしまして、出店した店舗間の距離が近すぎる場合には自社競合が発生し、双方の店舗におきまして売上高や利益の減少等が考えられ、それによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 借入金依存度について

当社グループは、出店による設備資金及び差入保証金等を主として金融機関からの借入金により調達しております。総資産に対する借入金の比率は26.8%(2024年6月20日現在)となっており、今後の金利動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の出店計画の進展に伴って有利子負債が増加する可能性があります。

 

(7) 固定資産の減損処理について

当社グループが所有している店舗等で収益性が低下した場合、減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要となる場合があります。これにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 敷金・保証金等について

当社グループは、店舗賃借にあたり、賃貸人へ敷金・保証金等を差し入れております。当該敷金・保証金等は期間満了等による契約解消時に契約に従い返還されることになっておりますが、賃貸人の経済的破綻等によりその一部又は全額が回収できなくなる可能性があります。また、当社グループの事情により中途解約した場合には契約内容に従って違約金の支払が必要となる場合があります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) ポイントカード制度について

当社グループはポイントカード制度を導入しております。お買い物の際に、レギュラーカードについては200円(税抜)、累計5,000ポイントでランクアップしたゴールドカードについては180円(税抜)で1ポイントを換算蓄積し、500ポイント達成の際に500円分の商品券として振替えてご使用いただける制度であります。

当社グループは、将来のポイントの使用に備えるため、期末時点での未使用ポイント残高に応じた金額を契約負債として計上しておりますが、今後ポイント制度の変更に加え、未使用ポイント残高や使用実績割合等が変動した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 商品の安全性について

①PB(プライベート・ブランド)商品について

当社グループは、PB(プライベート・ブランド)の医薬品、化粧品、雑貨、食品等の開発を行っております。開発にあたっては、お客様に安心して使用・飲食していただくため、品質の管理はもちろんのこと、商品の外装・パッケージ表示の表現や、各種関係法規・安全性・表示の適正性等の観点から、細心の注意を払って販売管理をしております。

しかしながら、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客様からの信用失墜、ブランドイメージの低下、損害賠償等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②食品の衛生管理について

当社グループは、医薬品、化粧品、雑貨の販売に加え、日配食品、生鮮食品の製造及び販売をしております。お客様に安全・安心な商品を提供するため、鮮度管理、温度管理等に関するマニュアルの整備と適正な運用に努めております。しかしながら、万一食中毒や社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 商品・原材料等の調達と価格の変動について

当社グループは、安定的な仕入、価格交渉力の維持増強等のため、特定の地域や取引先等に大きく依存しないよう、その分散化を図っております。しかしながら、仕入先の業界に関しても統廃合が進んでおり、分散化にも限界があるため、仕入ルートの一部が中断した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、商品によっては、原油や原材料等の価格が変動した場合、仕入価格が変動する可能性があります。これら仕入価格の変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 自然災害及びシステム障害等に関するリスクについて

当社グループでは防災管理規程・災害対策マニュアル等を整備し、日ごろより対策を講じておりますが、店舗施設等の周辺地域において大地震や台風、その他の災害等が発生し、同施設等に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、更に人的被害があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業活動においてネットワークや情報システムの役割が更に大きくなる中、停電、ソフトウエア・ハードウエアの欠陥、コンピュータウイルスやネットワークへの不正侵入等によりシステム障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要施策のひとつとして位置づけており、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針として、業績を勘案しつつ利益還元に取り組むとともに、財務体質の強化と自己資本利益率の向上に努めております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、1株当たり13円の期末配当を実施し、中間配当の12円50銭と合わせて1株当たり25円50銭の配当を実施いたしました。

当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、「取締役会の決議により毎年12月20日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

また、内部留保資金につきましては、主に店舗の新設及び既存店舗の活性化等の設備投資資金として、今後の事業拡大のために有効投資してまいりたいと考えております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年1月22日

取締役会決議

189

12.50

2024年9月12日

定時株主総会決議

197

13.00

 

(注) 当社は、2024年6月21日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。上記「1株当たり配当額」は、当該株式分割前の金額を記載しております。