2024年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,418 100.0 155 100.0 11.0

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げ、人の創造性と生産性を最大化させる配置(労働市場におけるマッチングだけでなく、組織内における人員配置も含む概念)による新産業創出をとおして、新産業領域(注)1の人と組織の可能性が引き出され活気づく社会を目指しております。このようなミッションの下、少子高齢化・人口減少する日本社会において不可欠なイノベーションの源泉たる人材創出を中心とした新産業領域における人材創出事業として、「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供しております。本プラットフォームにおいては、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS(注)2分野において事業を展開しており、主に年功序列や終身雇用を中心とした伝統的な雇用慣行による歪みや求職者のブランド選好の強さによる歪み、画一的な人事制度が支配する伝統的な企業文化による歪み、新産業領域における情報の非対称性と認知の歪みの解消により、成長分野への人材移動及び労働市場の健全な流動化を推進しております。

 キャリアサービス分野においては、学生向けサービスとして、新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」及びコンサル就活サービス「FactLogic」、学生向け長期インターン(注)3紹介サービス「Intern Street」の3つのサービスを展開しており、社会人向けサービスとしてベンチャー・スタートアップ求人特化型エージェント「Goodfind Career」及び社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」を展開しております。メディア・SaaS分野においては、新産業領域に必要な情報インフラをつくる若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」及び入社後の組織課題にアプローチするSaaS型HRサービス「TeamUp」、動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」を展開しております。

 なお、本書提出日現在、当社グループは当社及び連結子会社1社(チームアップ株式会社)並びに持分法適用関連会社2社によって構成されております。「Goodfind」、「FactLogic」、「Intern Street」、「Goodfind Career」、「G3」、「FastGrow」及び「メタノビ」は当社が、「TeamUp」はチームアップ株式会社が運営しております。また、報告セグメントは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであります。

 

(注)1.「新産業領域」とは、スタートアップ・ベンチャー企業における新規事業やイノベーションへの取り組みのみならず、大企業におけるビジネスモデル革新やイノベーション探索等のトランスフォーメーション及び中堅・中小企業における事業承継型の経営革新を含む領域として当社で定義しております。

2.「SaaS」とは、「Software as a Service」の略称で、インターネットを経由してソフトウエアを利用するサービスのことを言います。

3.「長期インターン」とは、正規雇用者に相当する実務を、学生が有給のパートタイムで経験することを言います。

 

(1)キャリアサービス分野

① 学生向けサービス

a.新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」

 厳選就活メディア「Goodfind」を運営し、ベンチャー・スタートアップ企業を中心とした新産業領域の企業の新卒採用と挑戦意欲・成長志向の高い学生の就職活動を支援するプラットフォームを提供しております。

 学生に対しては、ロジカルシンキングやグループディスカッション等のスキルアップセミナーや、厳選企業を集めたイベントやセミナー等の開催、厳選企業のインターンシップや説明会、選考会等の各種就活情報の提供、「Goodfind College」を通じた学習コンテンツの提供を行い、成長機会やキャリア構築に関する情報の提供を行っております。また、インキュベーションパートナー(「Goodfind」に登録された学生に対して個別面談を行い、学生のキャリア構築を支援する学生担当を言います。)による個別面談により、学生一人ひとりの成長を支援しております。本サービスは2006年6月から運営をスタートし、2024年卒業学生の総会員数は13,257人(2024年3月31日現在)となっております。

 また、当該会員のうち、当社が注力する学校(以下「注力校」と言います。)の会員数は8,779人(総会員数の66.2%)となっております。直近5卒業年の総会員数、注力校会員数及びその割合は以下のとおりであります。

 

2020年卒

2021年卒

2022年卒

2023年卒

2024年卒

総会員数(人)

17,606

18,105

19,864

14,953

13,257

注力校会員数(人)

11,852

12,251

13,275

10,133

8,779

注力校会員割合(%)

67.3

67.7

66.8

67.8

66.2

 なお、2024年4月30日現在における2025年卒業予定学生の総会員数は15,698人、注力校会員数は10,900人(総会員数の69.4%)となっております。

 「Goodfind」は学生であれば会員資格を有し、学校名による選別は行っておりませんが、顧客企業における過去の採用実績や学生動向等を考慮して注力校を定義し、注力校の会員数及びその割合をモニタリングしております。本書提出日現在における注力校は、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、一橋大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、上智大学、東京理科大学、青山学院大学、立教大学、明治大学、法政大学、中央大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学、関西大学、国際基督教大学、横浜国立大学、国際教養大学、立命館アジア太平洋大学と定義しております。

 顧客企業に対しては、3つのサービスモデル(成功報酬型人材紹介サービス/人材紹介一体型コンサルティングサービス/メディアサービス)を顧客企業の採用課題やニーズに合わせてカスタマイズして提供することで、顧客企業の採用成功を支援しております。

サービスモデル

内容

成功報酬型人材紹介サービス

 インキュベーションパートナー(「Goodfind」に登録された学生に対して個別面談を行い、学生のキャリア構築を支援する学生担当を言います。)による個別面談や、セミナー・イベント等への参加情報を通じて蓄積された学生のデータベースから、顧客企業の求人要件に合う学生を個別に紹介するサービスであります。

 本サービスの料金体系は、初期費用に加えて、入社人数に応じた成功報酬が発生いたします。

人材紹介一体型コンサルティングサービス

 リクルーティングパートナー(顧客企業の採用成功のため、採用に関する進捗状況や選考状況に応じたアドバイスや、インキュベーションパートナーとの連携を行う企業担当を言います。)が、顧客企業の採用目標人数の達成に向けたコンサルティングを年間で提供するサービスです。採用像や求人要件へのアドバイス、学生に対する訴求ポイントの言語化、有望候補者の継続的なフォロー、定例ミーティングによるサポート等を提供します。

 本サービスの料金体系は、顧客企業の採用目標人数に応じた年間基本料金を契約で定め、入社人数が当該採用目標人数以内の場合は年間基本料金のみとなり、超えた場合は入社人数に応じて成功報酬が発生いたします。

メディアサービス

 「Goodfind」へのメディア掲載、セミナーやイベントの企画・運営、顧客企業が実施する説明会や選考会への送客、採用ブランディング等の採用活動に必要となる各種支援を行うサービスであります。

 本サービスの料金体系は、顧客企業のニーズに合わせた様々なサービスに応じた料金体系となります。

 

 

b.新卒学生向けコンサル就活サービス「FactLogic」

 外資・日系コンサルティングファームに特化した就活対策及び選抜型コミュニティの形成等を行う就活サービスを提供しております。主に選抜型コミュニティの企画及び運営により学生に対して学びの機会を提供し、顧客企業に対しては、メディア掲載及び説明会・選考会の集客により挑戦意欲・成長志向の高い学生との出会いを提供しております。

 

c.学生向け長期インターン紹介サービス「Intern Street」

 スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した、長期インターン人材の紹介サービスを提供しております。学生に対しては、正規雇用者に相当する実務を、有給のパートタイムで経験することができる求人案件の紹介や、セミナーやイベントを通じて企業との出会いを提供しております。顧客企業に対しては、スタートアップ・ベンチャー企業において実務経験を積むことへの意欲が高い学生を紹介しております。

 

② 社会人向けサービス

a.ベンチャー・スタートアップ求人特化型エージェント「Goodfind Career」

 「Goodfind Career」は、中途採用市場において社会人(求職者)と求人企業とのマッチングを行うサービスを提供しております。社会人(求職者)に対して、新規性の高いビジネスモデルや先端テクノロジーの活用等の影響でやや理解しにくい新産業領域のビジネスについて理解・精通したキャリアアドバイザーから、メディアだけでは伝えられない、求人企業の魅力を訴求することで、新産業領域への興味・関心を喚起し、挑戦意欲の高い社会人(求職者)と求人企業のマッチング支援を行っております。

 

b.社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」

 「G3」は、キャリア戦略の構築からオファー獲得まで、社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービスです。社会人3年目までの若手人材の積極的なスタートアップ・ベンチャー企業・プロフェッショナルファーム等を厳選したリストの掲載や、キャリアに関するセミナー・イベントの開催等、「G3」のメディア・イベントをきっかけに、新たなマッチング創出やキャリア支援を行っております。

 

(2)メディア・SaaS分野

① 若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」

 「FastGrow」は、新産業領域の情報を整理し、若手イノベーション人材に向けて発信していくメディアであります。新産業領域への挑戦を推進し、スタートアップ・ベンチャー企業を含む新産業領域の企業の採用広報やブランディング、サービス認知を支援するサービスを提供しております。

 

② 1on1(注)4の仕組みをつくるSaaS型HRサービス「TeamUp」

 「TeamUp」は、1on1の仕組みで人が成長する組織をつくることを支援するSaaS型HRサービスであります。1on1ミーティングの設定から面談記録の蓄積・共有を通じて、現場と経営・人事の連携による人材育成のフォローアップを可能にします。「TeamUp」の利用により、適切な異動やキャリア支援が促進され、組織内における才能の最適配置を実現する環境づくりの支援を行っております。

 

③ 動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」

 「メタノビ」は、バイアスやモノの見方にフォーカスした独自の動画コンテンツにより、経験学習モデルを活用した継続的な学習機会の提供を行うプラットフォームであります。不確実性の高い環境において、表層的なスキル・行動に加えて、潜在的な思考や考え方、モノの見方、すなわちメタ認知(注)5が重要であると認識しながらも、多くの組織はその学習を個人の自助努力に委ねざるを得ない状況にあると考えております。このような人材育成の課題に対して、「動画×経験学習」というアプローチにより個と組織の可能性を引き出す「メタノビ」を提供し、組織の成長を支援しております。

 

(注)4.「1on1」とは、社員の成長を促進することを目的として、上司と部下が定期的に行う1対1の面談のことを言います。1on1では、部下個人が中心となって仕事を通じて得た体験や課題、悩み等を上司と共有し、上司はその内容についての対話やフィードバックを通じて部下をサポートするものであります。

5.「メタ認知」とは、自分の認知活動を客観的に捉える、つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断する等)を認知することを言います。

 

[サービス一覧]

分野

サービス名

サービス内容

キャリアサービス分野

新卒学生向け

厳選就活プラットフォーム

「Goodfind」

新産業領域の企業を厳選し、新卒学生に対してセミナーやイベント等のコンテンツを提供。企業に対しては、挑戦意欲・成長志向の高い人材の紹介を行います。

新卒学生向け

コンサル就活サービス

「FactLogic」

外資・日系コンサルティングファームに特化した就活対策及び選抜型コミュニティの形成を行う就活サービスです。

学生向け長期インターン

紹介サービス

「Intern Street」

スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した、長期インターン人材の紹介サービスです。

社会人向けベンチャー・スタートアップ求人特化型

エージェント

「Goodfind Career」

スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した転職エージェントです。

社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」

キャリア戦略の構築からオファー獲得まで、社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービスです。

メディア・SaaS分野

若手イノベーション人材向けビジネスメディア

「FastGrow」

新産業領域の情報を整理し、発信していくメディアです。新産業領域への挑戦を推進し、スタートアップ・ベンチャー企業の採用広報やブランディング、サービス認知を支援するビジネスメディアです。

1on1の仕組みをつくるSaaS型HRサービス

「TeamUp」

1on1ミーティング及び360度フィードバックシステム「TeamUp(チームアップ)」を提供。人材育成や組織活性化を通じた人と組織の成長支援を行います。

動画×経験学習

プラットフォーム

「メタノビ」

バイアスやモノの見方にフォーカスした独自の動画コンテンツにより、経験学習モデルを活用した継続的な学習機会の提供を行うプラットフォームです。

 

 

[事業系統図]

(注)1.会員登録は無料となりますが、一部有料で提供するコンテンツがあります。

2.SaaS型HRサービス「TeamUp」は当社子会社チームアップ株式会社で運営しております。なお、その他サービスについては、当社で運営しております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は1,968,072千円となり、前連結会計年度末に比べ69,569千円増加いたしました。これは、流動資産が40,416千円、固定資産が29,153千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、自己株式買付資金としての預け金が増加したことにより、預け金を含むその他流動資産が41,655千円増加したことによるものであります。固定資産の増加は主に、「メタノビ」開発費用に係るソフトウエアの減損等により無形固定資産が18,307千円減少した一方で、UT創業者の会投資事業有限責任組合及びCSP1号投資事業有限責任組合への出資により、投資有価証券46,107千円が増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は529,131千円となり、前連結会計年度末に比べ3,251千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が15,477千円、未払消費税等が12,723千円減少した一方で、主に新卒採用に係る人材紹介手数料の増加により前受金が17,721千円増加したこと、及び当期末に開催した大型イベントに係る未払債務を計上したことなどにより、未払金が17,445千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、1,438,941千円となり、前連結会計年度末に比べ66,318千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)91,438千円を計上した一方で、利益剰余金の配当(純資産の減少)20,991千円を行ったことによる、利益剰余金の増加70,447千円によるものであります。また、財政状態や株価動向を鑑みて、総合的な株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、2024年1月12日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の公開買付けによって、2024年1月15日から当連結会計年度末までに自己株式8,979千円の取得(純資産の減少)を実行いたしました。

この結果、自己資本比率は73.1%(前連結会計年度末は72.3%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、急速な円安の進行や物価上昇の影響を受けつつも、政府による新型コロナウイルス感染症の水際対策の撤廃などにより経済活動の正常化が進み、インバウンド需要が回復したこと、サービス関連を中心とした個人消費が増加したことなどにより景気は緩やかに回復いたしました。一方で、世界各地での紛争リスクや、金融政策の引き締め、制約的な金融環境、貿易や投資の低迷などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 人材関連ビジネス市場においては、オンライン化の進展により働く場所を問わない就業スタイルの浸透が進んだことや、オンラインでの採用活動が定着したこと等により、これまで時間的制約や地理的制約等から就業機会を失っていた求職者にとっては、新たな就業機会を獲得する契機となり、求人企業にとっても、より多くの人材獲得機会を得ることができるようになりました。また、コロナ禍で停滞した経済活動を正常化しようとする社会背景に伴って、人材関連サービスの需要は増加していくものと考えております。

 当社グループの事業領域であるスタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新産業領域における人的資本を取り巻く環境では、政府が掲げる「新しい資本主義」において、スタートアップの育成及び人への投資の抜本的強化が重点戦略の中に位置づけられており、スタートアップの育成が日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会課題を解決する鍵であるとして、2022年11月に「スタートアップ育成5カ年計画」が発表されました。政府はその中の3本柱のひとつとして、「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」を掲げており、人的資本の重要性が高まっております。さらに、2022年3月に提言された経団連の「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」においても、5年後までに起業数10倍、成功レベル10倍(ユニコーン企業数約100社・デカコーン企業数2社以上)が成長目標に据えられ、そのために起こすべき7つの変化の一つが「人材の流動化、優秀人材をスタートアップエコシステムへ」とされております。このように、少子高齢化・人口減少による経済停滞という社会課題を解決するための重点投資領域として、「人」と「スタートアップ・ベンチャー企業」が位置づけられ、今後さらに取り組みが強化されていく中で、当社グループの事業機会もより拡大していくものと考えております。

 このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げ、新産業領域における人材の最適配置を中心として、人の持つ可能性に着目した「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供してまいりました。

 また、2022年11月16日の取締役会において、代表取締役及び取締役の異動による新経営体制への移行を決定し、2023年3月1日から新経営体制へ移行いたしました。本サクセッション(経営継承)により、第二創業期として「継続的な高収益・高成長を目指すための改革」を掲げ、重要指標とした一人当たり営業利益の向上を目指し、「組織・人材・カルチャー」「事業マネジメントシステム」を重要テーマとした取り組みを進めております。

 当連結会計年度においては、売上高は前年同期比3.6%の減少となりました。これは、キャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったこと及びメディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったことによるものです。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進んだことにより求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加したものの、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%減少となりました。また、メディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。販売費及び一般管理費については、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行った結果、前年同期比1.2%の減少となりました。

 この結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高1,418,396千円(前連結会計年度比3.6%減)、営業利益155,396千円(同25.5%減)、経常利益151,648千円(同27.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益91,438千円(同34.5%減)となりました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,650,036千円となり、前連結会計年度末に比べ6,726千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は115,716千円(前年同期は63,106千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上139,187千円、法人税等の支払額64,746千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は55,439千円(前年同期は82,862千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は67,003千円(前年同期は14,672千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出20,020千円、自己株式取得のための預け金が40,924千円増加したこと及び自己株式の取得による支出8,979千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

事業部門

当連結会計年度

(自 2023年3月1日

至 2024年2月29日)

金額(千円)

前期比(%)

 

キャリアサービス分野

1,129,676

98.0

 

学生向けサービス

1,004,125

94.4

社会人向けサービス

125,550

140.0

 

メディア・SaaS分野

288,719

90.7

 

合計

1,418,396

96.4

(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、1,418,396千円(前期比96.4%)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。

 

事業部門

前連結会計年度

(自 2022年3月1日

  至 2023年2月28日)

当連結会計年度

(自 2023年3月1日

  至 2024年2月29日)

金額(千円)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

キャリアサービス分野

1,153,201

96.3

1,129,676

98.0

 

学生向けサービス

1,063,490

101.6

1,004,125

94.4

 

社会人向けサービス

89,711

59.7

125,550

140.0

メディア・SaaS分野

318,388

143.8

288,719

90.7

合計

1,471,590

103.8

1,418,396

96.4

(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。

 

当連結会計年度における売上高が1,418,396千円(前期比96.4%)となった主な要因は、メディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったこと及びキャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったことによるものです。

「FastGrow」及び「TeamUp」で構成されるメディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進み、求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加した一方で、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%の減少となりました。なお、サービスモデルの詳細については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。

当社グループの主力事業である学生向けサービス「Goodfind」においては、人材紹介一体型コンサルティングサービスの売上高は前期比13.2%増加したものの、2023年卒業、2024年卒業学生会員の利用率低下に伴い顧客と学生のマッチングが伸び悩み、成功報酬型人材紹介サービスの売上高が人材紹介一体型コンサルティングサービスの増加を上回って減少した結果、前期比2.0%の減少となりました。

学生向けサービスにおけるサービスモデル別売上高は次のとおりであります。

 

(単位:千円、%)

サービスモデル

前連結会計年度

(自 2022年3月1日

 至 2023年2月28日)

当連結会計年度

(自 2023年3月1日

 至 2024年2月29日)

金額

構成比

前期比

金額

構成比

前期比

成功報酬型

人材紹介サービス

253,100

23.8

100.0

173,470

17.3

68.5

人材紹介一体型

コンサルティングサービス

327,099

30.8

109.2

370,291

36.9

113.2

メディアサービス

483,291

45.4

97.8

460,364

45.8

95.3

合計

1,063,490

100.0

101.6

1,004,125

100.0

94.4

(注)上記サービスモデル別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における売上原価は、63,974千円(前期比129.6%)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症により減少していたオフラインイベントの販売を再開したことなどにより、オフラインイベントに係る費用が増加したことによるものであります。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,199,025千円(前期比98.8%)となりました。これは主に、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行ったことによるものであります。

この結果、営業利益は155,396千円(前期比74.5%)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は、1,185千円(前連結会計年度は4,436千円 3,251千円の減少)となりました。これは主に、持分法による投資利益1,110千円を計上したことによるものであります。営業外費用は、4,933千円(前連結会計年度は3,113千円 1,820千円の増加)となりました。これは主に、投資事業組合運用損4,931千円を計上したことによるものであります。

この結果、経常利益は151,648千円(前期比72.2%)となりました。

 

(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別損失は、12,460千円(前連結会計年度は3,089千円 9,370千円の増加)となりました。これは、ソフトウエアの減損損失12,460千円を計上したことによるものであります。

法人税等合計は、47,748千円(前連結会計年度は67,270千円 19,521千円の減少)となりました。これは、課税所得が減少したこと及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は91,438千円(前期比65.5%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,650,036千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度は、売上高、営業利益及び営業利益率を客観的な指標として掲げております。なお、当連結会計年度の経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、2023年10月11日に公表した各経営指標の予想値を修正し、2024年1月12日に改めて公表しました。

当連結会計年度の業績予想の達成状況は次のとおりであります。

指標

業績予想

実績

予想比

売上高(百万円)

1,428

1,418

99.3%

営業利益(百万円)

140

155

110.6%

営業利益率

9.8%

11.0%

+1.1ポイント

 

2025年2月期においては、売上高1,450百万円(前期比2.2%増)、営業利益180百万円(前期比16.0%増)、営業利益率12.4%(前期比1.5ポイント増)を計画しております。なお、2024年4月12日に公表した「2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」における業績予想から変更はありません。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、記載を省略しております。

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分を外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

 本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分を外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

 本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 該当事項はありません。