リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業環境等に関するリスク
① インターネット広告市場について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社の事業が属するインターネット広告市場は、D2C(ネット通販)市場印深く連動しており、2022年において前年比114.3%の3兆912億円となり、広告市場全体の伸びを上回る成長が続きました。(出典:株式会社電通の「2022年日本の広告費」)
このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況感に応じて調整される可能性があります。こうした状況を踏まえ、当社はその時々においてスピード感をもってサービス提供を進行し、経済状況及びインターネット広告市況に応じたサービス提供、広告運用を柔軟に選択することができるよう努めておりますが、環境整備や新たな法的規制の導入等何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。継続して技術革新及び情報技術の動向を捉えつつ、自社サービスの充実を図ってまいりますが、当社の技術革新への対応が遅れ、競合他社がより優れたサービスを提供した場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。
③ 競合環境が激化するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:
中)
当社の事業領域は規制業種ではなく、また、デジタル広告領域については参入障壁も低いことから、広告関連領域においては参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。当社は、これまで1,200回以上のA/Bテストの結果により培った独自のノウハウを活用したサービスを提供し、また、新規顧客獲得のための戦略的な施策を展開することで、継続的な事業成長に努めております。引き続き、A/Bテストを継続して実施し、消費者の購買傾向を反映したノウハウを蓄積、活用することで競争優位性を維持してまいります。
しかしながら、既存の競合企業の競争力の向上や他社の参入を含む競争環境の変化に伴って、当社及び当社のサービス等に対する評価や信頼性を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制等の適用について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社では販売先の広告、インターネット広告枠について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。
当社に関連する広告規制等としては、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」等があります。
一次的には販売先の責任となるものの、売れるD2Cつくーるのサービス範囲内で作成した制作物に関しては一定の責任が及ぶと考えております。
当社では、これらの法令等に抵触しないよう制作物に関するチェックリストを整備し運用しております。また、広告配信後はサンプルチェックを実施し、不適切な広告配信がなされていないことを確認しております。関連法令等の改正情報や動向については、役職員による情報収集、業界団体による通知、管轄省庁による発表、専門家との連携により情報収集を実施し、リスク・コンプライアンス委員会等の会議体にて周知徹底することで管理体制を構築しておりますが、何らかの事情で関連法令の改正情報や動向に関して適時の対応ができず、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、当社の信用が低下し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新型コロナウイルス感染症について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:
小)
世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種の進展や医療体制の強化によって感染拡大の終息に向けて着実な進展が見られていますが、完全な終息時期は依然として不透明な状況にあります。
当社は、従来の対面式ではなくWebによるセミナー開催等を通じた営業面での対策を講じることで、コロナ禍においても効果的な営業活動を展開しております。また、コロナ禍における外出自粛等により店舗販売から通信販売、特に、インターネットによる通信販売にシフトする企業も増加傾向にあることから、受注機会は拡大しております。
当社は、新規クライアント獲得に注力し、影響を低減又は回避できるよう努めております。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済の停滞が長期に亘る場合には、クライアントによる広告予算の大幅な削減等、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不適切な広告配信について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社は、クライアントに提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要
な課題であると認識しております。
当社が制作した広告物や当社のツールを利用して制作した広告物については、具体的に、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「健康増進法」並びに「著作権法」等の各種法令により一定の制約が掛けられており、広告を実施する事業者としては、これらの法令に抵触することがないよう、広告内容の適法性の確保を図る必要があります。
また、他社制作の広告物を含め、当社が実施する広告出稿に関しては不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、制作物に関するチェックリストを用いた確認及び内部監査人による社内審査体制の確認を実施することで健全性及び網羅性を担保し、該当する広告取引を行わないよう努めております。
しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容等に関するリスク
① 「成果報酬」型によるサービスを展開するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻
度):常時、影響度:大)
当社は、成果報酬型広告によるマーケティング支援サービスを提供しています。これは、当社の行うD2C(ネット通販)支援により、クライアントの得るマーケティングの成果に基づいて当社が請求を行う契約形態であり、クライアントとの契約段階においては、成果単価が確定していますが、マーケティングの成果が確定しない限り当社の売上高は確定いたしません。
このため、当社は、クライアントに対するマーケティングの成果を出すために、リスクを抑えた成果報酬型広告の提供を行っております。しかしながら、これらのノウハウの蓄積やリスクコントロールが機能しなかった場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社のサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。システムサーバーに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、アクセスが集中した際のサーバー負荷を分散するなどシステム障害を未然に防ぐ体制を整えております。しかしながら、ソフトウェアの不備、コンピューターウィルスの侵入、物理的な破壊行為及び自然災害等当社の想定していない事象の発生により、当社が管理するシステムに障害が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報等の取り扱いについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、事業を実施するうえで、クライアント等の個人情報を少なからず入手しており、当社の個人情報の取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社においては、個人情報管理に関する規程を制定するとともに、個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確にしたうえで、関連ルールの存在を全社に周知し、役職員の意識向上を図っております。また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が認証するプライバシーマークを取得しております。
しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社に対する損害賠償の請求や信用力の失墜により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 特定事業への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。現在は事業領域の拡大を推進しております。しかしながら、事業環境の変化等により、当該事業が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定の販売先への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当事業年度における売上高について、上位10社の全体に占める割合は56.6%であり、特定のクライアントに対する依存度が高い傾向にあります。
当社は特定のクライアントに依存しない体制、事業基盤の盤石化を図るため、積極的に「売れるD2Cつくーる」の新規クライアント獲得による売上拡大に注力しております。
しかし、今後も特定のクライアントに対して依存度が高い状況が続き、業績不振やメディア出稿の停止等何らかの急激な変化等の事情により、取引額の減少若しくは取引の継続が困難な事態に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は売上高全体の20%超を占めているクライアントを、高依存の状況であると判断しておりますが当事業年度は20%を占める取引先はございません。
⑥ 知的財産権の管理について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は、「売れるネット広告社」、「確認画面でアップセル」等の社名及びサービス名について商標登録を行っており、今後も知的財産権の保全に取り組む予定であります。
しかしながら、当社の知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用が発生するなど、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携し、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域において第三者が保有する知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、速やかに情報開示し、誠意をもって協議したうえで建設的な解決を目指すこととしております。しかしながら、場合によっては損害賠償請求、使用差止請求や当社の社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 外注先の確保について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、制作案件・システム開発業務において、企画立案は自社内にて行うものの、実作業の多くは各分野における専門会社等に外注しております。
これまで当社は、十分なスキルとノウハウを共有し、当社のクライアントニーズに対する品質を維持できる外注先を安定して確保できており、各外注先と良好な関係を構築しております。また、業界団体への加入やセミナー等の活動を通じてインターネット広告業界のネットワークの構築を進めており、外注先の確保に関するリスクヘッジを維持しております。
しかしながら、外注先の何らかの事情により当社との取引が継続できなくなった場合、もしくはクライアントが要求する品質の維持ができなくなった場合において、当社が迅速かつ十分に対応できない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 調達資金の使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
東京証券取引所グロース市場への上場に伴う、公募増資による調達資金については、将来の成長や事業拡大に寄与すると考えられる既存サービスの更なる機能拡充を目的とした開発費、優秀な人材の確保に伴う人件費に充当する計画としております。
しかしながら、当社が所属する業界の環境変化やこれに伴う事業計画の見直し等により、投資による効果が期待できなくなる可能性や資金使途の変更が生ずる可能性があります。この場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、市場環境の変化が激しく、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
⑨ 新規事業、業務提携や買収等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:
中)
当社は、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 解約リスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社が提供するクラウドサービスの契約期間は1年間となっており、その後、自動更新となり解約を希望する場合は事前の申し出が必要となっております。代金については月額利用料を受領しております。
当社は、売れるD2Cつくーるの利用契約が継続されるよう、契約締結後、充実したカスタマーサポートの提供、営業活動を通じたクライアントのニーズの継続的な把握及び当該ニーズを反映するための機能の改善及び拡充開発に取り組んでおります。しかしながら、何らかの要因により多数のクライアントから解約の申し出がなされた場合、事故等により多数のクライアントに対してサービス提供が不可能となった場合、将来計上される売上が無くなる可能性があります。このような状況となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ ソーシャル・メディア等を通じた情報発信・営業活動に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期
(又は頻度):常時、影響度:小)
当社ではソーシャル・メディア等を活用した広告宣伝によりセミナーへの集客活動等を実施しております。今後より積極的な広告宣伝活動により当社の認知度を向上させ、セミナーへの集客数の確保に努めてまいります。ソーシャル・メディア等を活用した情報発信に関しては、役職員への定期的な研修の実施及び適切なアカウント管理、社内規程等の整備をし周知徹底することで管理体制を構築しております。仮に何らかの理由でアカウントが凍結された場合でも他の集客活動等を実施していることから影響は軽微なものと考えております。しかしながら、役職員による不適切な内容の投稿、炎上リスク、ソーシャル・メディア等上での不適切な交流・共演等が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制に関するリスク
① 特定の人物に対する依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社の代表取締役社長CEOである加藤公一レオは、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏はインターネット広告業界に関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築等に際して重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、適切な権限委譲を進めることで、同氏に過度に依存しない経営体制を整備しておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の採用・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社は急激な事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成が重要な課題と認識しており、内部での人材育成と抜擢及び外部からの人材招聘に努めております。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ十分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。係る事態が生じた場合、当社の競争力に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 組織の規模について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、小規模な組織であり、現在はクライアントのニーズに適時かつ柔軟に対応が可能な規模であります。今後も、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充を図る予定ですが、整備・拡充が順調に進まなかった場合には、当社の業務に支障が生じ、業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 与信管理について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、取引開始の事前に与信調査を行うとともに、取引開始後も継続的に与信調査を行っております。新
規顧客の増加に伴い、売上債権の滞留が発生する可能性がございますが、与信管理ツールで与信限度額を設定
し、定期的なモニタリングを実施することにより管理体制を構築しております。
また、債権回収については対応フローを整備し必要に応じて専門家と連携し対応いたします。しかしなが
ら、通常予測しえない何らかの事情により、クライアントの信用力が急激に悪化し、債権回収の不調等による
経済的損失が発生した場合、当社の財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。
(4)その他
① 大株主について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
本書提出日現在、当社の支配株主(第2位の大株主)である株式会社レオアセットマネジメントは加藤公一レオ氏の資産管理会社であります。当社の支配株主(第3位の大株主)である加藤一恵氏は加藤公一レオ氏の配偶者であります。株式会社レオアセットマネジメント、加藤一恵氏の直接所有分と加藤公一レオ氏個人の直接所有分を合算すると当社株式の100%を保有していることとなります。
本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、加藤公一レオ氏は安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社としても同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当事業年度末において開示すべき損害賠償を請求されている事実及び訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、システムダウンによりサービスが停止した場合や、知的財産権の侵害等の予期せぬトラブルが発生した場合等、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される場合があります。また、損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、財政状態及び業績並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
③ レピュテーションリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、法令遵守、サービス品質の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めておりますが、風評に関する情報が流れる可能性があります。当社に関する風評被害は定期的にモニタリングすることで確認を実施しております。必ずしも事実に基づいたものとは限りませんが、当社を取り巻く環境、競合他社及び競業他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先の評価に悪影響を与え、それにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は万一に備え、クラウドサーバーの分散化を実施しており、定期的にシステムのバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は株主の皆様に対する安定的な利益還元は重要な経営課題であると認識しております。配当については、今後の業績動向を考慮しながら、将来の事業や収益の拡大に必要な資金需要や財政状態を総合的に勘案し、適切に実施していく方針であります。しかしながら、当社を取り巻く経営環境の悪化や当社が展開する事業の状況によって配当金額の減少や配当を実施しない可能性があります。
⑥ 当社株式の流動性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、取引所の定める流通株式比率は新規上場時において約25%にとどまる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金としての公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新株予約権の行使による希薄化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響
度:小)
当社は、会社の利益と役員及び従業員個々の利益を一体とし、職務に精励する動機付けを行うため、また、社外のリソースを有効に活用し当社事業の円滑な遂行を図る目的で、当社の役員、従業員及び社外協力者等に対し新株予約権を付与しております。本書提出日現在における当社の発行済株式総数は3,000,000株でありますが、これに対して、新株予約権の対象である株式数の合計は325,700株であります。当該新株予約権が行使された場合は、当社の株式価値は希薄化することとなり、株価へ影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主への利益還元を第一とし、内部留保を考慮したうえで、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。しかしながら、本書提出日現在において当社は事業の成長過程にあり、より一層の事業拡大を目指し、配当の原資となる利益の最大化を図ることが、株主に対する利益還元につながると考えております。
そのため、当事業年度においては内部留保の充実を進め、企業体質の強化及び事業の成長投資に比重を置くことが重要であると判断し、当事業年度の配当は見送ることといたしました。内部留保金につきましては、財務体質の強化、開発費及び事業規模拡大に伴う優秀な人材の採用強化・育成を図るための資金として、有効に活用していく方針であります。
今後におきましては、業績や配当性向、将来的な成長戦略等を総合的に勘案し配当を実施していく予定であります が、現時点において配当実施時期は未定であります。
将来的に剰余金の配当を行う場合は、年1回の期末配当を基本としており、その他年1回中間配当を行うことができる旨及び上記のほかに基準日を設けて剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めております。
配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。