2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    260名(単体) 41,225名(連結)
  • 平均年齢
    45.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    2.3年(単体)
  • 平均年収
    7,140,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

航空事業

16,851

[168]

航空関連事業

19,261

[1,656]

旅行事業

1,396

[61]

商社事業

1,258

[691]

報告セグメント計

38,766

[2,576]

その他

2,199

[213]

全社(共通)

260

[-]

 合計

41,225

[2,789]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しています。

2.従業員数には、当社及びその連結子会社から連結子会社外への出向社員を除きます。

3.従業員数には、連結子会社外から当社及びその連結子会社への出向社員を含みます。

4.全社(共通)には、当社の従業員で特定のセグメントに属さない全社管理部門の従業員を記載しています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

(2024年3月31日現在)

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

一般従業員

260

45.3

2.33

7,140

(注)1.従業員数は就業人員です。

2.従業員数には、他社から当社への出向社員を含みます。

3.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

4.当社の従業員は全員、特定のセグメントに属さない全社管理部門の従業員です。

5.平均勤続年数は2.33年となっていますが、その理由は、当社の従業員は主として連結子会社である全日本空輸㈱からの出向社員で構成されているためです。

 

(3) 労働組合の状況

2024年3月31日現在、当社に労働組合はありません。

一部の子会社には労働組合が組織されています。

なお、労使関係について、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

 ANAホールディングスの原籍雇用社員は少数のため、記載はありません。

②連結子会社

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)(注3)

補足説明

全労働者

うち正規雇用労働者

うち

パート・

有期労働者

ANAグループ合計(注4)

20.6

95.9

54.9

55.1

41.0

 

全日本空輸

20.2

93.7

42.8

41.8

35.4

(注5)

ANAウイングス

21.8

88.9

37.4

37.3

45.6

(注5)

エアージャパン

100.0

0.0

43.5

84.0

21.9

Peach Aviation

31.0

87.8

33.5

31.8

32.7

(注5)

ANAエアポートサービス

16.0

94.3

86.9

84.7

108.1

ANA大阪空港

27.4

100.0

83.2

79.2

85.9

ANA関西空港

29.3

100.0

74.4

73.8

94.4

ANA成田エアポートサービス

24.2

100.0

77.7

77.0

94.6

ANA福岡空港

39.8

100.0

86.2

85.9

73.3

ANA中部空港

24.6

100.0

72.3

71.8

93.6

ANA新千歳空港

27.0

100.0

88.1

79.8

75.1

ANA沖縄空港

20.0

104.2

90.6

90.8

80.2

ANAベースメンテナンステクニクス

1.0

95.2

66.5

69.3

55.4

ANAエアロサプライシステム

13.3

80.0

93.0

88.6

86.7

ANAラインメンテナンステクニクス

0.0

100.0

82.0

83.6

73.8

ANA Cargo

18.9

85.7

83.2

83.5

70.9

OCS

13.9

100.0

80.1

78.1

90.3

ANAシステムズ

17.7

108.3

80.8

80.0

82.9

ANAケータリングサービス

6.8

115.0

60.4

79.6

79.9

ANAテレマート

89.4

100.0

95.7

94.9

135.3

ANA X

29.2

100.0

83.0

83.0

67.1

ANAあきんど

18.3

100.0

72.9

72.9

全日空商事

18.4

87.5

76.7

73.1

70.2

ANAフーズ

12.5

133.3

64.4

79.9

81.2

ANA FESTA

72.7

100.5

96.6

106.2

ANAビジネスソリューション

32.6

100.0

79.3

81.5

88.7

ANAスカイビルサービス

14.9

100.0

69.7

76.7

63.5

 

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3.労働者の男女の賃金の差異については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示しています。

4.ANAグループ合計の対象会社は、連結子会社欄に記載のある27社です。

5.全日本空輸およびANAウイングス、Peach Aviationについては、男性の平均年齢が女性に比べて高いことや、相対的に賃金が高水準である運航乗務職の男性割合が高いこと等が要因で、全体的に男女の賃金の差異が大きくなっています。

  男女賃金差異縮小のため、従業員の育児や介護等と仕事との両立、一人一人の多様な働き方を支援する制度の整備と職場の意識醸成を進め、選択肢を増やすことで、社員が長く働ける環境づくりを推進して参ります。

 

<参考>全日本空輸 男女・職種別 人員構成比(全体に占める割合)・平均年齢

(2024年3月時点 日本雇用社員 休職者・出向派出社員等を含む)

 

     ※ 人員構成比および平均年齢は小数点第一位を四捨五入しています。

 

<参考>全日本空輸㈱ 職種別 男女賃金差異・平均年齢・人員構成比

(2024年3月時点 日本雇用社員 休職者・出向派出社員等を含む)

 

6.対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2024年4月1日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年4月1日から2024年3月31日です。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

 当社グループは、航空事業を中核として「ヒトとモノの移動」で社会に貢献し、将来にわたり社会から必要とされる企業として価値を生み出し続けていくために、グループの垣根を越えたグローバルかつ長期的な視点で「環境」「社会」「ガバナンス」に配慮したサステナビリティ経営を推進しています。

 航空事業をはじめとするグループが営む事業活動を通じて、経済的価値を生み出すことに加え、社会課題の解決に寄与し、社会から必要とされる価値を同時に生み出すことにより、持続的な企業価値向上を目指していきます。そのために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)は、「環境」「人(人財・DEI・人権)」「地域創生」であると考えています。

 

① ガバナンス

 サステナビリティに関する様々な課題への対応については、ANAホールディングス代表取締役社長を総括、ESG経営推進の最高責任者であるチーフESGプロモーションオフィサー:CEPO(グループリスク&コンプライアンス担当役員)を議長とし、当社およびグループ会社の取締役・執行役員、ならびに当社常勤監査役を委員とする「グループESG経営推進会議」にて、重要方針や施策について議論すると共に、目標に対する進捗のモニタリング等を年2回以上(2023年度実績で年4回)行っています。また、経営戦略に関わる重要な課題は、「グループ経営戦略会議」にて議論、審議し、「取締役会」に上程しています。取締役会は、サステナビリティに関する課題への対応を含むグループ全体の経営方針や目標を定めつつ、グループ各社の経営および業務執行を監督する役割を担っています。詳細は4-4「コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。

 

 ANAグループでは、社外有識者の皆様との定期的な対話から、最新の社会要請や関心の変容等をタイムリーに把握すると共に、事業や社会におけるインパクトを評価し、経営戦略に取り入れた上で取り組みに反映しています。

 

 グループ各社にESG経営推進の責任者およびグループESG経営推進会議のメンバーとしてESGプロモーションオフィサー(EPO)、組織のESG経営推進の牽引役としてグループ各社・各部署にESGプロモーションリーダー(EPL)を配置し、取締役会、グループ経営戦略会議、グループESG経営推進会議で議論・決議・報告された事項は、EPOならびにEPLとの密接な連携のもとにグループ全体で共有、実践されます。EPLに対しても、年2回のEPL会議を通じて、包括的に情報を共有すると共にグループ各社・各部署における取り組みの促進につなげています。

 

 また、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、ESG経営の推進状況を客観的かつ多面的に把握する目的で「CO2排出量」や「ESG外部評価」等の評価指標を設定し、役員報酬にも反映させています。

 

 

② リスク管理

リスクマネジメント体制

 当社グループにおけるリスクマネジメントに関する基本事項を規定した「ANAグループ・トータルリスクマネジメント規程」に基づき、グループESG経営推進会議にて施策の進捗のモニタリングを行っています。

 グループ各社においては、ESGプロモーションオフィサー(EPO)をESG経営推進の責任者、ESGプロモーションリーダー(EPL)をESG経営推進の牽引役として、リスクマネジメント体制を構築しています。サステナビリティに関するリスクについても、トータルリスクマネジメントの仕組みの中で取り扱っています。

 

トータルリスクマネジメントの仕組み

 グループ各社において、リスクの極小化を目的としてリスクマネジメントサイクル(リスクの洗い出し→分析→評価→対策の検討・実施→モニタリング)の仕組みを構築しています。

 グループ各社で、毎年事業ごとにリスクアセスメントを実施することにより洗い出された重要なリスクについては、レビューすると共に、グループ全体で取り組むべきと判断されたサステナビリティに関するリスクを含む課題については、グループ総務部等が中心となって対策を講じ、その進捗をグループESG経営推進会議で報告しています。また、グループ全体の方針や戦略に反映させる必要があるものは、取締役会に対して上程しています。

 

(2)重要課題1 環境

 当社グループでは「ANAグループ環境方針」を掲げ環境負荷低減に取り組んでいます。

 具体的には、「2050年長期環境目標」を設定し、2050年度までのカーボンニュートラル(実質CO2排出量ゼロ)を宣言するとともに、その道筋として「2030年中期環境目標」を設定しています。

 2050年カーボンニュートラルを実現していくために設定したトランジション戦略に基づいて、SAFの活用を中核とする4つの戦略的アプローチ(運航上の改善・航空機等の技術革新、SAFの活用等航空燃料の低炭素化、排出権取引制度の活用、ネガティブエミッション技術の活用)を組み合わせ、経済合理性との両立も追求しながら環

境負荷の低減に向けた取り組みを続けています。

 

・TCFD提言およびTNFD提言に沿った情報開示

 当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures〈以下TCFD〉)提言に沿った情報開示に2019年度に賛同を表明したのに続き、2023年度には自然関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Nature-related Financial Disclosures〈以下TNFD〉)提言に沿った情報開示に賛同を表明して、それぞれのフレームワークに即した開示の充実に努めています。

1)ガバナンス

上記サステナビリティのガバナンス体制参照

 

これまで取締役会に上程・報告された気候変動と生物多様性に関する事案(例)

・中長期目標の策定、年度実績

・TCFD提言に沿った情報開示

・TNFD提言に沿った情報開示

・2050年カーボンニュートラル実現に向けたトランジション戦略の策定

・中期経営戦略への気候変動への対応の組み込み

・気候変動問題への取り組みに関する進捗

 

 

2)リスク管理

 取締役会で決定された基本方針に則って定められた「ANAグループ・トータルリスクマネジメント規程」に基づき、「グループESG経営推進会議」にて基本方針の立案・発議、進捗のモニタリングを行っています。

※ リスクマネジメント体制については、上記サステナビリティに関するリスクマネジメントの体制図参照

 

 

3)戦略

 気候変動が当社グループ航空事業に与えるリスクと機会を特定し、収入および費用へのインパクト評価および対応策の検討を目的として、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)および国際エネルギー機関(IEA)による4℃と1.5℃のシナリオに基づき、シナリオ分析※を実施しました。

※ 詳細はウェブサイト(https://www.ana.co.jp/group/csr/environment/goal/pdf/img_10_2305.pdf)参照

 当社グループは、生物多様性の保全を重要な経営課題として「ANAグループ生物多様性方針」を制定しています。生物多様性と自然について、当社が事業活動を通して与えている影響と事業活動が依存している関係を分析し、自然関連のリスクと機会の適切な評価・管理に努めています。TNFD提言に沿った情報開示を行う準備を進めています。

 

4)指標と目標

CO2排出にかかわる「ANAグループ中長期環境目標」

 

2030年度目標

2050年度目標

2019年度

CO2排出量

CO2排出量の削減

航空機

実質10%以上削減(2019年度比)

消費燃料の10%以上をSAFに置き換え

実質ゼロ

1,233万トン

航空機以外

33%以上削減(2019年度比)

実質ゼロ

10.5万トン

 

(3)重要課題2 人(人財・DEI・人権)

 当社グループの価値創造の源泉は、航空に関する高い専門性やお客様に笑顔と喜びを届けようとする想いを持つ社員の「人の力」と、互いに連携・協力して成果を生み出す「チームワーク(組織の力)」であると考えています。

 主力の航空事業において、安全性・定時性・快適性などで高い品質・サービスを提供し競争優位を確立するには、高度の専門性を備えた様々な職種の従業員が、個々のスキルとチームワークを発揮することが極めて重要です。ANAでは、高品質なサービス提供やグローバルカスタマーのニーズを踏まえた継続的なサービス改善が高く評価され、英国のSKYTRAX社から11年連続で「5スター」のエアラインに認定されました。

 今後も人的資本への投資をより一層強化しながら、「人の力」と「チームワーク(組織の力)」の最大化を図ることを通じて、持続的な企業価値向上を目指します。

 また、「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」の推進では、持続的成長を担う人づくりと、お客様の多様性への対応の両面から、グループ全体で取り組みを進めています。

 当社グループの事業を進める上では様々なステークホルダーの「人権」に影響を及ぼす可能性があります。グループ従業員の人権はもとより、サプライチェーン上における人権尊重へも適切に対応していきます。

 

 

① 人財

1)ANAグループの人的資本経営における人財戦略の位置づけ

 人財はANAグループの最大の資本です。従業員一人ひとりの価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上(社会的価値・経済的価値)につなげることを目的に、人財への投資を起点に、さらなるエンゲージメント向上を図りながら生産性を向上させていきます。人財戦略の各種取組みを強化することで、価値創造サイクルの確実な循環を目指します。

 

「ANAグループの価値創造サイクル」

 

 

2)人財戦略の全体像

 人財戦略の最終目標は、持続的な企業価値の向上(社会的・経済的価値)と、社員とその家族、当社グループに関わる人たちの豊かな人生の実現です。社員一人ひとりが圧倒的当事者意識を持ち、自ら行動を起こし、高い目標を達成していきます。

 経営戦略を実現するための人・組織に関わる現在の課題は下記の3つとなります。

 

 (ⅰ)事業規模の拡大に向けた、オペレーションを支える人財不足

 (ⅱ)非航空事業で収益の柱を確立するための人財不足

 (ⅲ)変化に機敏に対応する変革力(レジリエンスの強化)

 人財戦略の重要テーマとして、「人の力」と「チームワーク(組織の力)」の相乗効果を発揮するためのベースとなる、①チームスピリットを高める取り組みを推進するとともに、上記(ⅰ)~(ⅲ)の課題の改善を図るために、②社員の人間力×専門性を高める、③変化に強い組織をつくる、④働きやすい環境をつくるための対応策を実行します 。

 

 

3)エンゲージメント関連指標及び目標(ANAグループ社員意識調査「ANA’s Way Survey」)

 当社グループでは、「人財・組織のありたい姿」の達成度を測るため「社員意識調査」を毎年実施しています。この調査は「ANA’s Way」に掲げる「安全」、「お客様視点」、「社会への責任」、「チームスピリット」、「努力と挑戦」の5項目や「エンゲージメント」に関わる設問を含む68問で構成されています。2023年度はグループ従業員35,280名が回答(回答率95.9%)し、全設問の平均スコアは3.95(5点満点)と高い水準を維持しました。「私はANAグループで働いていることを誇りに思っている」のスコアが4.05となるなど、従業員が会社に対して高い愛着心を持ちながら働いていることも当社グループの経営基盤となっています。

 

 

2022年度実績

 

2023年度実績

 

2025年度目標

(KPI)

(a)全体指標

 

 

 

 

 

 

全設問平均スコア

 

3.96

 

3.95

 

4.03

(b)エンゲージメント関連指標

 

 

 

 

 

 

「私はANAグループで働いて

いることを誇りに思っている」

 

4.05

 

4.05

 

4.09

「私は今の仕事にやりがい

・達成感を感じている」

 

3.75

 

3.80

 

3.88

「私は、ANAグループの将来について期待を持っている」

 

3.82

 

3.87

 

3.91

 

 

4)人財戦略における重点施策と主な指標

 

② DEI(多様性、公正性、受容・共生)

 大きく変化するグローバル環境において、当社グループが持続的な成長と価値創造を実現し、よりよい社会と豊かな生活に貢献していくため、「多様化推進」(ジェンダー・障がいの有無・外国籍従業員・キャリア人財・世代など)と「エクイティ・インクルージョン浸透」を進めています。その進捗状況を可視化し、指標に基づいた課題抽出と対応策を実施していきます。

ジェンダー平等

 人事サポート制度の見直しや能力開発・意識醸成を進め、女性役員・女性管理職の比率を向上させ、意思決定の場における多様性を確保していきます。

[KPI]2020年代の可能な限り早い時期に当社グループの女性役員・女性管理職比率を30%以上とする。

(2024年4月 女性役員比率   当社グループ 10.4%、ANA 21.3%

       女性管理職比率 当社グループ 20.3%、ANA 20.2% )

LGBTQ+

 2022年度に「多様な性に関する基本ポリシー」を策定し、従業員がその性的指向や性自認に関わらず、いきいきと働くことが出来る環境整備と職場の理解促進に取り組んでいます。2023年度にはアライ※活動をスタートし、約380名の社員がアライメンバーとして意識醸成活動に取り組んでいます。

※アライ:性的マイノリティのおかれた環境に関心を持ち、自ら理解を深めて支援する人のこと

多様な働き方(両立支援)の推進

 従業員の育児や介護等と仕事との両立、一人一人の多様な働き方を支援する制度(短時間・短日数勤務、リモートワーク、事由を問わないサバティカル休暇など)の整備と職場の意識醸成を進めています。2023年度からはこれまで一部の会社で導入されていた3日間の育児休暇制度をグループ全体に展開し、男性の育児参画を促進することにより社員や家族の生活と充実した人生のサポートに取り組んでいます。

[KPI]「育児休暇制度(3日間)」対象男性社員の休暇取得率100%(2023年度 99.8%)

障がい者雇用の推進

 2015年に障がい者雇用に関わる行動規範「3万6千人のスタート」を策定し、グループ全体で障がい者雇用に関わる理解促進を図っています。

[KPI]2025年のグループ全体の障がい者雇用率2.80%(2024年4月 2.70%)

③ 人権尊重

 当社グループでは、「2023-2025年度ANAグループ中期経営戦略」において「サプライチェーン上の人権尊重の徹底」を中核的な取り組み項目とし、推進していくことを掲げています。

 空港ハンドリングにかかわる当社グループの協力会社では、多数の外国人が就労しています。これらの人たちの雇用環境に問題がないかどうかを正確に把握するため、定期的に労働状況調査や本人への直接インタビュー等を実施しています。

 また、国際線航空機を利用した違法な人身取引の防止を徹底することを目的に、全客室乗務員に対して人身取引防止に関わる教育を行っています。

 これらの人権尊重に関わるグループの最新の取り組みをまとめた「人権報告書2023」を発行しています。また、「国連ビジネスと人権フォーラム」等の様々な場でも、積極的にANAグループの人権尊重の取り組みを発信しています。

(4)重要課題3 地域創生

 地域創生は、地域の人口減少や少子高齢化、経済の縮小などの課題を克服し、将来にわたって地域が成長することを目指しており、航空運送事業を中核とする当社グループの持続的な成長を実現するために必要不可欠な取り組みです。

 当社グループでは地域創生事業を担うANAあきんど(株)が主管となり、グループ各社が持つソリューションや顧客基盤を活用した「観光振興」「産農振興」「ふるさと納税」領域を軸に、地域課題を解決しながら、ヒト・モノ・コトの新たな出会いや繋がりを創出し、地域のファンを増やすことにより交流人口や関係人口の拡大に繋げる取り組みを推進しています。

 これまでの航空事業や旅行事業で築いた地域との信頼関係をもとに、全国33支店での地域事業者や地方自治体との密な関係構築を通じて、「地域課題の発掘」~「グループ各社との連携」~「課題解決へのソリューション提供」に取り組んでいます。

 これらを推進すべく、「グループ地域創生会議」を設置し、地域の課題解決に向けた全国33支店とグループ各社間での連携体制のほか、2023年度からはグループ各社担当役員で構成する「グループ地域創生ステアリング会議」を新設し、グループ一体となった地域創生への取り組みを加速させる体制を整備しています。