事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 52,767 | 100.0 | 7,514 | 100.0 | 14.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、「超高齢社会への進展」や「女性の社会進出」といった社会構造の変化を契機として、2006年以降、持続的に強い求人需要が見込まれる介護・看護・保育領域を中心とした医療福祉分野の人材事業を積極的に拡大してまいりました。当社グループは、効率的な登録求職者の獲得やその蓄積されたデータベース、採用意欲の高い法人顧客(施設)の獲得、事業を経て蓄積された業界知見、卓越した営業戦略と組織、モチベーションの高い若手人材等を強みとして急成長を遂げており、2018年12月期末対比で2023年12月期までの5年間における連結売上収益の年平均成長率は21%(※)、2023年12月期においても連結売上収益の成長率は前年度比19%となっており、2023年12月期の連結営業利益率(IFRSベース)は14%となっています。また、足元では、ダイレクト・リクルーティング型採用支援サービス(以下「DR型採用支援サービス」という。)、介護施設へのICT人材派遣サービス、同ICT商材の販売等をはじめとした新サービスの導入を通じて新たな市場への展開も進めています。当社グループは、①人材ソリューション、②ICTソリューション、③データ活用等の複合的なサービスの提供を通じて、「医療福祉を中心とするエッセンシャル産業が抱える課題の解決に挑み、誰もが幸せに暮らせる未来を創造する。」というパーパス(存在意義)の実現を目指しています。
また、当社グループは、創業以来人材事業で培った経験・ノウハウ・強みを活かし、医療福祉関連業種に加え、非医療福祉分野においても建設人材紹介、建設人材派遣サービスを提供しています。
当社グループは、当社及び子会社4社(株式会社トライトキャリア、株式会社トライトエンジニアリング、株式会社HAB&Co.及び株式会社bright vie)の計5社で構成されています。当社は持株会社として当社グループの経営管理及び同業務に付帯又は関連する業務等を行っており、株式会社トライトキャリア、株式会社HAB&Co.及び株式会社bright vieにおいては医療福祉業界向けに人材紹介・人材派遣サービス、介護施設向けICTサービス等を提供する医療福祉事業を、株式会社トライトエンジニアリングにおいては建設業界向けに人材紹介・人材派遣サービスを提供する非医療福祉事業を展開しています。
なお、2021年12月には当社(JSPC2株式会社)との合併により、旧トライトの法人格が消滅していますが、当該合併前の当社(JSPC2株式会社)は事業活動を行っていなかったため、吸収合併後も実質的な企業グループは旧トライトを筆頭とする企業群です。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの計数に基づいて判断します。
※ 2018年12月期の旧トライトの連結売上収益(プロフォーマベース)と2023年12月期の当社の連結売上収益(国際会計基準)を比較して算出した参考値であります。2018年12月期の旧トライトの連結売上収益(プロフォーマベース)は、2018年12月期の旧トライトの各子会社の管理会計ベースの月次数値を12月締めに調整したプロフォーマベースの連結売上収益であり、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて算出されたものではなく、また、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人による監査を受けていません。そのため、当社グループの実際の経営成績を正確に示していない可能性があります。
当社グループは以下の都道府県で事業活動を行っています。
(2023年12月31日現在)
会社 |
拠点所在地 |
株式会社トライト |
東京都、大阪府 |
株式会社トライトキャリア |
北海道、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県 |
株式会社トライトエンジニアリング |
北海道、岩手県、宮城県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県 |
株式会社HAB&Co. |
大分県 |
株式会社bright vie |
愛知県 |
各事業の概要としては、下記のとおりです。なお、当社グループの報告セグメントは、人材サービス業の単一セグメントです。
(1)医療福祉事業
医療福祉事業では、主に介護業界、看護業界、保育業界において人材サービスを提供しており、有資格者を主なターゲットとした人材紹介・人材採用支援・人材派遣サービスを提供しています。医療福祉事業の売上収益は2023年12月期において当社連結売上収益の約70%を占めています(※)。
※ 当社グループの報告セグメントは、人材サービス業の単一セグメントであり、医療福祉事業の売上収益は監査法人による監査を受けていません。
① 人材紹介サービス
人材紹介サービスは、職業安定法に基づく「有料職業紹介事業」の許可を受け運営しています。求人及び求職の申込を受けた紹介事業者である当社グループが、求人企業・求職者の雇用関係成立のための斡旋を行うサービスとなります。
人材紹介サービスにおいては、当社グループが運営する各種サービスサイト(例:介護ワーカー等)にご登録いただいた求職者(2023年12月末現在登録者数約200万人)に対して、当社グループのキャリアアドバイザーを中心とする営業社員(2023年12月期の年平均営業社員数:約1,700名)が転職のサポートを実施しています(以下、「CA型人材紹介サービス」という。)。当社グループの営業社員は契約施設(介護施設、医療施設、保育施設等、2023年12月末現在約8万件)への定期的なアプローチにより最新の求人情報を把握し、また全国に保有する拠点を活かして、原則として求職者と直接の面談を実施(オンライン面談の場合もあり)することで、最適なマッチングを実現しています。
人材紹介のサービス図解 |
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② DR型採用支援サービス
DR型採用支援サービスは、求人企業の人事・採用担当が、自社に合う人材を、当社が提供するプラットフォーム経由で自ら探し出し、直接コンタクトを行って採用することを支援するサービスです。求人企業にとっては、CA型人材紹介サービスを利用する場合に比べて採用工数はかかりますが、採用手数料等のコストを低水準に抑えた採用が可能となります。また、自身のペースで転職活動を希望する求職者層へのアプローチが可能となることから、今後更なる需要の拡大が見込まれています。DR型採用支援サービスの拡大は、CA型人材紹介サービスに加え、当社グループの更なる成長に貢献すると考えています。
DR型採用支援のサービス図解 |
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③ 人材派遣サービス
人材派遣サービスは、労働者派遣法に基づく「労働者派遣事業」の許可を受け運営しています。派遣元である当社グループの雇用する派遣労働者が、派遣先の指揮命令のもと派遣先において労働に従事するサービスとなります。当社グループは、当社グループが運営する各種サービスサイト(例:「介護ワーカー×派遣」等)に登録している求職者を雇用し、クライアントニーズに合った即戦力となるスタッフを介護業界、看護業界、保育業界、医療福祉関連IT企業向けに派遣しています。人材派遣サービスにおいても、派遣労働者が業務内容等の確認のため派遣先を訪問する際に、キャリアアドバイザーが同席して、業務や労働条件について誤解が生じないよう、サポートしています。
人材派遣のサービス図解 |
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参考①:当社グループの医療福祉事業におけるサービスサイト及びサービス内容一覧 |
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・TRYTワーカー |
総合人材紹介サービスサイト |
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・介護ワーカー |
介護職に特化した人材紹介サービス |
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・看護師ワーカー |
看護師、保健師、助産師に特化した人材紹介サービス |
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・メディカル技師ワーカーxMT |
臨床検査技師に特化した人材紹介サービス |
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・メディカル技師ワーカーxME |
臨床工学技士に特化した人材紹介サービス |
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・メディカル技師ワーカーxRT |
診療放射線技師に特化した人材紹介サービス |
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・保育士ワーカー |
保育士、幼稚園教諭に特化した人材紹介サービス |
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・ドクターズワーカー |
医師に特化した人材紹介サービス |
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・PTOTSTワーカー |
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)に特化した人材紹介サービス |
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・薬剤師ワーカー |
薬剤師に特化した人材紹介サービス |
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・デンタルワーカー |
歯科医師、歯科衛生士に特化した人材紹介サービス |
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・栄養士ワーカー |
栄養士、管理栄養士に特化した人材紹介サービス |
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・保育のお仕事 |
保育士、幼稚園教諭に特化した人材紹介サービス |
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・保育のお仕事ダイレクト |
保育士、栄養士向けDR型採用支援サービス |
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・栄養士のお仕事 |
栄養士、管理栄養士に特化した人材紹介サービス |
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・ケアキャリアナビ |
医療福祉業界に特化した求人広告サービス |
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・ケア求人ナビ |
介護、福祉に特化した求人広告サービス |
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参考②:当社グループの医療福祉事業における人材派遣サービスサイト名称及びサービス内容一覧 |
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・介護ワーカー×派遣 |
介護職に特化した人材派遣サービス |
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・保育士ワーカー×派遣 |
保育士に特化した人材派遣サービス |
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・保育のお仕事 |
保育士、幼稚園教諭に特化した人材派遣サービス |
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・栄養士のお仕事 |
栄養士、管理栄養士に特化した人材派遣サービス |
④ ICT
当社は2023年6月、介護・医療データ活用プラットフォームサービス及び介護事業特化型コミュニケーションツールを提供する株式会社bright vieを子会社化しました。同社は、介護や医療における機器データの取得や連携、分析から活用までをサポートするデータ連携プラットフォーム「ケアデータコネクト」及び介護事業に特化したポータルシステム「ケアズ・コネクト」を提供しています。「ケアデータコネクト」の活用により、国内の主要なヘルスケアメーカーが提供している見守りセンサーやバイタル機器等を通じて、バイタル、睡眠状況、排せつ、ナースコール、温湿度等のデータを一元管理することが可能となり、介護職の方々の見守り作業負荷軽減に繋がります。また、「ケアズ・コネクト」は、勤怠管理を中心としたバックオフィスシステムを有するとともに、介護職の方々の定着に必要な要素や、心理的安全性を高める様々な仕組みも融合しています。同社が有するこれらの医療福祉領域でのICTサービスと、当社が人材紹介及び採用支援事業で培ってきた強固な営業体制、豊富な登録求職者データベース、豊富な契約施設とのネットワークを融合させることで、医療福祉業界が直面する労働力不足や生産性の改善といった社会課題の解決に貢献できると考えています。
⑤ データ活用
当社は、2023年1月、入居者・患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上とそれに伴う介護従事者のQOL・満足度の向上を目的として、国立大学法人九州工業大学(以下「九工大」という。)と介護従事者の定着率改善に向けて共同研究を開始しました。労働環境の解決策や改善手法を導き出し、介護従事者の働きやすさの向上と離職率低減への貢献を目指しています。少子高齢化が進行する中、介護業界における労働力不足は深刻な社会課題であり、全産業と比較しても定着率の改善が期待されている領域です。介護従事者の現場での就労体験とその影響因子候補を抽出、分析、検証し、介護業界全体の労働体験を定量化します。加えて、どのような時に生産性が向上するのか、何にやりがいを感じるのか、といった従事者の傾向を分類し、定着率改善に向けたタイプ別のソリューション開発を目指します。九工大が有するセンサーを活用した行動認識技術や介護領域での業務分析力と、当社グループが蓄積してきた医療介護福祉従事者のニーズ等の豊富な情報量と知見を組み合わせることで、本研究を迅速に進めていきます。
また、上述の株式会社bright vieが提供するサービスを通じて得られる介護関連のオペレーションデータや介護施設の入居者の身体データを活用した新規事業の事業化に向けた検討も進めています。
(2)非医療福祉事業
非医療福祉事業としては、現在建設業界向け人材サービス業を行っています。建設業界向け人材サービス業では、主にゼネコンや大手工務店を派遣先とした人材派遣サービスを提供しています。具体的には、建築士、建築施工管理技士、土木施工管理技士等の有資格者を主な対象として派遣を実施しています。なお、各サービスの準拠法令及び許認可、サービス図解等は医療福祉業界向けサービスと同様となります。
① 人材紹介サービス
当社グループが運営するサービスサイト「施工管理ジョブ」に登録している求職者に対して、当社グループのキャリアアドバイザーが全面的に転職のサポートを実施しています。
② 人材派遣サービス
人材派遣サービスは、労働者派遣法に基づく「労働者派遣事業」の許可を受け、運営しています。派遣元である当社グループの雇用する派遣労働者が、派遣先の指揮命令のもと派遣先において労働に従事するサービスとなります。当社グループは、当社グループが運営する各種サービスサイト「施工管理ジョブ」に登録している求職者を雇用し、クライアントニーズに合った即戦力となるスタッフを建設業界向けに派遣しています。
参考③:当社グループの非医療福祉事業における人材サービスサイト名称及びサービス内容一覧 |
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・施工管理ジョブ |
建設業界に特化した求人サイト |
[事業系統図]
以上で述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりです。
(3)当社グループが提供するサービスの特長
当社グループが提供する人材紹介サービス及び人材派遣サービスの特長は以下のとおりです(※)。
※ 以下では、当社グループが提供するサービスの特長について、経営者の認識を含めて記載しています。
① 高い求職者獲得能力により蓄積された豊富な登録求職者データベース及び契約施設との強固な関係性
当社グループは医療福祉分野における人材紹介・人材派遣サービスのリーディングカンパニーとして、豊富な登録求職者データベース及び契約施設との強固な関係性を有しています。人材紹介サービスにおいては、2023年12月末現在の登録求職者数は約200万人、契約施設(介護施設、医療施設、保育施設等)は約8万件となっています。また、当社グループは、登録求職者及び契約施設の獲得と地域密着型のサービスを目的として、日本全国に営業拠点を有しており、2023年12月末時点で28都道府県に営業拠点を有しています。
特に登録求職者数については、コロナ禍においても広告宣伝費を積極的に投下し拡大してきました。当社グループは、求職者確保を支える積極的なデジタルマーケティング施策を実行可能とする強固な財務基盤を有しています。
② 高い営業生産性の実現
当社グループは、徹底的なKPI管理と標準化された営業プロセス、成果主義の企業文化とインセンティブ設計を有機的に結合することで高い営業生産性を実現しています。当社グループの営業社員1人当たりの売上高(※)は、2023年12月期において約17百万円となっています。当社グループは、営業社員1人当たり売上高(※)を増加させるための施策として、ITシステムの導入を通じた営業プロセスの自動化、高パフォーマンスの営業社員の定着率向上を推進しています。
※ 医療機関向け事業に限定した数値です。医療福祉紹介売上高÷医療福祉紹介事業における年平均営業社員数で算出しています。なお、営業社員にはキャリアアドバイザーの他、管理職、営業企画に係る人員が含まれています。
③ 医療福祉の現場に精通した豊富な人材、スピーディーなマッチングの提供
当社グループの営業社員は、契約施設のニーズを正確に把握するために必須となる医療福祉業界の知識を有しています。また、スピーディーにマッチングさせることを意識しており、登録求職者が当社グループの営業社員より初回の連絡を受け取ってから内定通知を受けるまでの平均日数は、2023年12月期において約18日となっています。
④ 求職者への綿密なサポートによる求職者・契約施設の双方が満足する高精度なサービスの提供
当社グループでは、お客様サポートセンターの設置により、求職者に対する入職前及び入職後の徹底したサポートを行っています。その結果、求職者・契約施設の双方が満足する高精度なサービスを提供することが可能になり、当社グループを利用して転職した求職者の高い定着率を実現しています。
2022年7月1日から2023年6月30日までの期間において当社グループのCA型人材紹介サービスを利用して転職された方の採用後6ヶ月時点での定着率(※)は約80%となっています。
※ 定着率=1-離職率(離職率=就職後6ヶ月以内に離職した当社グループの人材紹介サービス利用者数/当社グループの人材紹介サービス利用者数)
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、当社グループは、「人材サービス業」の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、79,947百万円(前連結会計年度末比5,309百万円増)となりました。主な要因は、現金及び現金同等物が3,176百万円、営業債権が676百万円、有形固定資産が558百万円、のれんが597百万円、その他の金融資産が368百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、54,019百万円(前連結会計年度末比408百万円増)となりました。主な要因は、未払金が251百万円、リース負債が550百万円、未払法人所得税が981百万円、その他の流動負債が800百万円それぞれ増加し、短期借入金が800百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が1,572百万円それぞれ減少したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は、25,927百万円(前連結会計年度末比4,901百万円増)となりました。要因は、当期利益の計上により利益剰余金が4,901百万円増加したことによるものです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度においては、多くの業界で新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況を脱し、経済活動が活発化したことで、日本全体で人手不足が深刻化しています。特に当社グループが事業対象としている医療福祉・建設業界につきましては、その必要性の高さから人材不足が慢性化しているため、当連結会計年度の有効求人倍率も引き続き全産業平均対比で高い水準で推移しました。
このような事業環境の中、当社グループでは企業の社会的責務を果たすべく、既存サービスの強化に加えて、新たな注力分野の開拓、グループ内での連携強化等により、人材に関する顧客企業の課題解決をサポートし、顧客満足度の向上や他社との差別化に取り組んできました。特に当連結会計年度においては、6月に子会社化した株式会社bright vieを通じた医療福祉業界のICT化促進や、10月の医療福祉従事者向けリスキリング事業の新拠点開設等により、医療福祉業界が直面する労働力不足や生産性の改善といった社会課題の解決に多角的に貢献できる体制構築に励みました。
上記の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益52,767百万円(前年同期比19.4%増)、営業利益7,514百万円(前年同期比26.1%増)、税引前利益7,050百万円(前年同期比26.8%増)、当期利益4,901百万円(前年同期比35.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,901百万円(前年同期比35.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度の調整後EBITDAは9,385百万円(前年同期比15.0%増)、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は5,427百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
主要な事業ごとの業績は下記のとおりです。
医療福祉事業
当連結会計年度においては、慢性的な人手不足に起因する事業者からの旺盛な需要に応えることで、売上収益は36,478百万円(前年同期比17.5%増)となりました。
非医療福祉事業
当連結会計年度においては、高い有効求人倍率を背景とした建設事業者からの旺盛な需要に応えることで、売上収益は16,288百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
※ 調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、IFRSにより規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用と考える財務指標です。調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、一時的に発生する特定の費用・収益及び当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、有用性が減少する可能性があります。
※ 調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査の対象とはなっていません。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,176百万円増加し、5,476百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、7,380百万円(前年同期は3,647百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前利益7,050百万円、減価償却費及び償却費1,345百万円、営業債務及びその他の債務の増加額839百万円、その他による収入141百万円、補償金の受取額216百万円があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加額622百万円、利息の支払額834百万円、法人所得税の支払額1,235百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、981百万円(前年同期は1,550百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出119百万円、無形資産の取得による支出444百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出577百万円があった一方で、その他による収入160百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は、3,222百万円(前年同期は1,378百万円の支出)となりました。主な要因は、短期借入金の純減額800百万円、長期借入金の返済による支出1,498百万円、リース負債の返済による支出908百万円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは人材サービスを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、生産実績に関する記載を省略しています。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しています。
c.販売実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年 1月 1日 至 2023年12月31日) |
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
人材サービス業 |
52,767 |
19.4 |
合計 |
52,767 |
19.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
② 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は52,767百万円(前年同期比8,572百万円増)となりました。内容は医療福祉事業36,478百万円、非医療福祉事業16,288百万円です。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は17,797百万円(前年同期比3,614百万円増)となりました。主な内容は派遣売上原価です。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は27,582百万円(前年同期比3,244百万円増)となりました。主な内容は人件費13,260百万円、広告宣伝費8,641百万円です。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は7,514百万円(前年同期比1,554百万円増)となりました。主な要因は上記のとおりです。
③ 財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの主な資金需要は、広告宣伝費、人件費及びM&A費用です。これらの資金需要に対しては、原則として、営業活動により得られたキャッシュ・フローから支出しますが、必要な流動性を確保するため、株式会社きらぼし銀行及び野村キャピタル・インベストメント株式会社との間で金銭消費貸借契約を締結しています。詳細は、「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社グループは、目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標として、売上収益、EBITDA(※1)及び営業利益を重視しており、併せて当期利益及び基本的1株当たり当期利益にも留意しています。また、財務健全性の観点より、純有利子負債(※2)÷EBITDAを重要な経営指標と考えています。
なお、上場以前では上場準備等に係る一過性の費用が発生していたため、当該費用の影響を除いた調整後EBITDA及び調整後営業利益を経営指標として重視しておりました。
2019年12月期以降のEBITDA、営業利益、調整後EBITDA及び調整後営業利益の推移は以下のとおりです。
※1 EBITDA=当期利益+法人税+金融費用-金融収益+償却費(使用権資産、顧客関連資産、その他資産を含む)+固定資産減損・除却損
2 純有利子負債=借入金+リース負債-現金及び現金同等物
3 調整後EBITDA=EBITDA+M&A関連費用+リファイナンス関連費用(金融費用以外)+IPO関連費用
4 調整後営業利益=営業利益+M&A関連費用+リファイナンス関連費用(金融費用以外)+IPO関連費用
<調整後EBITDAの調整表>
(単位:百万円)
|
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
当期利益(IFRS) |
3,688 |
4,226 |
4,366 |
3,621 |
4,901 |
(調整額) +法人税 +金融費用 -金融収益 +償却費(使用権資産、顧客関連資産、その他資産を含む) +固定資産減損・除去損 |
1,661 132 △51 637
19 |
1,789 151 △462 748
81 |
2,188 193 △478 878
80 |
1,937 837 △436 1,394
35 |
2,148 764 △300 1,345
7 |
EBITDA |
6,088 |
6,534 |
7,228 |
7,389 |
8,867 |
+M&A関連費用 +リファイナンス関連費用(金融費用以外) +IPO関連費用 (注)1 |
- -
90 |
- -
201 |
△27 163
328 |
233 16
521 |
- -
518 |
調整後EBITDA(注)2 |
6,179 |
6,735 |
7,693 |
8,161 |
9,385 |
<調整後営業利益の調整表(注)4>
(単位:百万円)
|
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
営業利益 |
5,431 |
5,704 |
6,269 |
5,959 |
7,514 |
(調整額) +M&A関連費用 +リファイナンス関連費用(金融費用以外) +IPO関連費用 (注)1 |
- -
90
|
- -
201
|
△27 163
328
|
233 16
521
|
- -
518
|
調整後営業利益(注)2 |
5,522 |
5,906 |
6,734 |
6,731 |
8,032 |
(注)1.M&A関連費用はM&Aに係るアドバイザリー費用等です(なお、2021年12月期に関しては、ティスメ事業に係る譲渡益97百万円を含んでおり、その結果、2021年12月期のM&A関連費用の調整額は△27百万円となっています。)。リファイナンス関連費用(金融費用以外)はリファイナンスに係るアドバイザリー費用等(金融費用に該当するものを除く。)です。IPO関連費用は上場準備に係る人件費・業務委託費用・アドバイザリー費用、上場審査に係る費用、国内外オファリング費用等及び弁護士費用等の上場に関連する費用です。リファイナンス関連費用(金融費用)は、2021年12月に実施した組織再編及びリファイナンスに関連して一時的に発生したアレンジメント費用として連結損益計算書において金融費用に分類される費用です。これらの費用は一時的な費用であることから、経常的な収益を測る上で調整を行っています。
2.調整後EBITDA及び調整後営業利益は、IFRSにより規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用と考える財務指標です。調整後EBITDA及び調整後営業利益は、当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後EBITDA及び調整後営業利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、有用性が減少する可能性があります。
3.当社は、2021年12月1日に当社を存続会社として、旧トライトと吸収合併を行い、株式会社トライトに商号変更を行いました。そのため、2019年12月期及び2020年12月期については、吸収合併前の旧トライトを親会社とする連結経営指標等が、当社グループの状況をより反映すると考えられるため、旧トライトの経営指標等を記載しています。また、当社グループの経営成績の年間推移の比較を可能とするため、2021年12月期については、当社の2021年12月期の連結業績と旧トライトの2021年1月1日から同年11月30日までの連結業績を単純合算して算出した連結経営指標(すなわち、当社の2021年1月1日から2021年12月31日までの連結業績に、旧トライトの2021年1月1日から2021年11月30日までの連結業績を単純合算したもの)となっています。かかる数値については、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて算出されたものではなく、また、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けていません。そのため、当社グループの実際の経営成績及び財政状態を正確に示していない可能性があります。
4.2019年12月期から2023年12月期の平均調整後営業利益率は17.2%です。
セグメント情報
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
なお、当社グループの事業セグメントは、人材紹介、人材派遣であり、「人材サービス業」として集約して報告しております。人材サービス業における各事業セグメントは、契約形態の相違のみであり、類似した経済的特徴を共有しており、かつ、労働力確保が課題となっている法人顧客等に対してニーズに即した人材を提供する点で類似しております。
(2)報告セグメントに関する情報
当社グループは、人材サービス業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(3)製品及びサービスに関する情報
提供している製品及びサービス並びに収益の額については、注記「22.売上収益」に記載のとおりであります。
(4)地域別に関する情報
国内に所在している非流動資産及び国内の外部顧客売上高がすべてであるため、記載を省略しております。
(5)主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客からの売上収益は該当ありません。