人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数234名(単体) 52,309名(連結)
-
平均年齢37.6歳(単体)
-
平均勤続年数8.6年(単体)
-
平均年収7,387,114円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
デリバリー事業 |
42,202 |
(31,549) |
ロジスティクス事業 |
7,437 |
(7,368) |
不動産事業 |
95 |
(2) |
その他 |
2,066 |
(1,983) |
全社(共通) |
509 |
(192) |
合計 |
52,309 |
(41,094) |
(注)1.従業員数は就業人員数であり、パートナー社員等は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.全社(共通)には、当社及びSGシステム株式会社のシェアードサービス事業に従事する従業員数等を記載しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
234 |
(3) |
37.6 |
8.6 |
7,387,114 |
(注)1.従業員数は就業人員数であり、パートナー社員等は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均勤続年数の算定に当たっては、連結子会社からの転籍者については当該会社の勤続年数を通算しております。
3.平均年間給与には、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社の従業員は全て全社(共通)に属しております。
(3)労働組合の状況
当社グループでは、連結子会社の株式会社ワールドサプライにおいて労働組合が組織されております。当社グループの他の従業員により組織された労働組合はありません。なお、労使関係については円満な関係にあり、労使関係において特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社グループでは、多様な人材が活躍できる働きやすく、働きがいのある職場環境を目指しています。
従業員一人一人がライフスタイルやライフステージに合わせ、仕事と私生活の両立が実現できる制度の拡充やサポートを推進しています。
① 提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注)1. |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、3 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
||
35.7 |
0.0 |
79.3 |
71.4 |
155.6 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.労働者の男女の賃金の差異について、次のとおり補足いたします。
・人事、賃金制度上において性別による差異はございません。
・「正規雇用労働者」については、課長職以上の管理職に女性が少ないこと等が挙げられますが、女性労働者の管理職への登用を推進しております。なお、役職により男女の賃金差異は発生しておりません。
・「パート・有期労働者」には、オフィシャルスポーツの選手が含まれており、他労働者の賃金制度とは異なる報酬体系のため賃金の差異が生じております。
② 連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1、3 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
佐川急便㈱ |
9.6 |
44.6 |
55.4 |
76.8 |
71.9 |
佐川ヒューモニー㈱ |
21.0 |
100.0 |
64.0 |
75.7 |
39.0 |
SGムービング㈱ |
12.8 |
100.0 |
66.7 |
73.7 |
38.9 |
㈱ワールドサプライ |
13.0 |
66.7 |
58.9 |
81.0 |
74.1 |
佐川グローバルロジスティクス㈱ |
14.8 |
42.1 |
45.9 |
83.1 |
65.7 |
SGHグローバル・ジャパン㈱ |
15.2 |
75.0 |
77.0 |
78.6 |
65.1 |
SGリアルティ㈱ |
15.6 |
100.0 |
75.7 |
75.2 |
49.7 |
SGアセットマックス㈱ |
0.0 |
- |
55.9 |
59.4 |
- |
佐川アドバンス㈱ |
27.1 |
50.0 |
66.8 |
69.4 |
71.6 |
SGモータース㈱ |
10.9 |
66.7 |
79.5 |
80.4 |
73.2 |
SGシステム㈱ |
13.3 |
65.0 |
61.9 |
75.5 |
61.2 |
SGフィルダー㈱ |
11.8 |
34.4 |
81.5 |
82.4 |
91.0 |
㈱ヌーヴェルゴルフ倶楽部 |
33.3 |
0.0 |
81.6 |
70.3 |
140.7 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.労働者の男女の賃金の差異について、次のとおり補足いたします。
・人事、賃金制度上において性別による差異はございません。
・「正規雇用労働者」については、課長職以上の管理職に女性が少ないこと等が挙げられますが、当社グループでは、女性労働者の管理職への登用を推進しております。なお、役職により男女の賃金差異は発生しておりません。
・株式会社ヌーヴェルゴルフ倶楽部については、キャディ職を中心に女性が非常に多い会社であり、極端に偏った男女比率のため、賃金の差異が生じております。
③ 国内グループ会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1 |
|||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
11.1 |
45.4 |
53.3 |
77.4 |
78.8 |
(注)3 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.上記指標は、当社及び②に記載の各子会社を含めております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げ、多様なパートナーと共に、環境問題に代表される社会課題の解決に取り組み、総合物流ソリューションの提供を通じて、社会とお客さまのお役に立てる価値創造に挑んでおります。
① ガバナンス
イ.組織体制
当社グループは、サステナビリティに関わるグループ全体の管理体系の構築と、持続的改善活動の推進を目的としたサステナビリティ委員会を設置しております。本委員会は、代表取締役会長を委員長、常勤取締役を委員とし、原則年4回開催しています。サステナビリティ委員会の下部組織には7つの専門部会を設置し、具体的な課題の設定と取組みを行っています。このサステナビリティ委員会での議論の結果は、取締役会での脱炭素施策の予算承認など具体的な施策の意思決定に反映されております。
各会議体の概要については、「4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。
ロ.スキルマトリックス
取締役および監査役が備えるスキルは以下のとおりです。サステナビリティ関連のスキルについて、松本秀一(代表取締役社長)および鷺坂長美(社外取締役)は、環境省での実務経験があります。また、笹森公彰(取締役)はCSR推進部門における実務経験があります。
|
氏名 |
独立 社外 |
企業経営 |
事業戦略 |
財務/会計 |
法務/ リスクマネジメント |
サステナビリティ |
IT/ デジタル |
グローバル |
取締役 |
栗和田 榮一 |
|
○ |
○ |
|
|
○ |
|
|
松本 秀一 |
|
○ |
○ |
|
○ |
○ |
|
○ |
|
本村 正秀 |
|
○ |
○ |
|
|
○ |
○ |
○ |
|
川中子 勝浩 |
|
○ |
○ |
○ |
|
|
○ |
○ |
|
笹森 公彰 |
|
○ |
○ |
|
○ |
○ |
○ |
|
|
髙岡 美佳 |
○ |
○ |
|
○ |
|
○ |
|
|
|
鷺坂 長美 |
○ |
|
|
|
○ |
○ |
|
|
|
秋山 真人 |
○ |
○ |
○ |
|
|
|
|
○ |
|
監査役 |
田島 聡志 |
○ |
○ |
|
○ |
|
|
|
○ |
新本 朋斉 |
|
○ |
|
○ |
○ |
|
|
○ |
|
岡村 憲一郎 |
○ |
○ |
|
○ |
|
|
|
○ |
|
大島 義孝 |
○ |
○ |
|
|
○ |
|
|
|
ハ.サステナビリティに関する会議体の審議状況
開催日 |
会議体名称 |
審議内容 |
2024年1月26日 |
取締役会 |
・GHG排出量の該当年度の実績報告 ・次年度の削減目標及び再生可能エネルギー導入 計画等 |
開催日 |
会議体名称 |
審議内容 |
2023年5月25日 |
第1回サステナビリティ委員会 |
・専門部会の刷新と増設に関する報告 ・GHG排出量及び増減要因に関する検討 ・中長期のGHG排出削減目標に関する検討 ・人的資本経営戦略に関する検討 |
2023年8月24日 |
第2回サステナビリティ委員会 |
|
2023年10月26日 |
第3回サステナビリティ委員会 |
|
2024年2月15日 |
第4回サステナビリティ委員会 |
ニ.マテリアリティ
長期ビジョンに向けた一歩として、2022年に策定した中期経営計画「SGH Story 2024」では基本方針を「持続可能な成長を実現する次世代の競争優位性創出」とし、「総合物流ソリューション(GOAL)の高度化」「競争優位創出につながる経営資源の拡充」「ガバナンスの更なる高度化」に取り組んでいます。これらの重点戦略を、ESGを含む経営上の重要課題「マテリアリティ」として再定義し、サステナビリティと経営計画の統合を推進しております。
<特定プロセス>
1. 内外環境分析を通して、当社グループにおける中長期的な事業機会とリスクを整理
2. 1に鑑みてグループ経営課題を洗い出し、優先順位の高い重要項目を抽出
「グループ経営戦略会議」や「グループ予算委員会」でのディスカッションを通して、中期経営計画の重点戦略10項目を設定
3. 「サステナビリティ委員会」の下部組織「マテリアリティ専門部会」にて、マテリアリティの再設定につ
いて議論
2で設定した中計重点戦略10項目を2022年3月にマテリアリティとして再定義、2024年度も引き続き運用中
<マテリアリティとKPI>
大項目 |
小項目 |
主な取組み |
KPI |
総合物流ソリューション(GOAL)の高度化 |
①脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進 |
自社及びお客さま(荷主)のGHG排出量削減 |
スコープ1+2排出量削減率(2013年度対比) ※2024年度目標:15%削減 |
電力使用量に占める再エネ率 ※2030年度目標:40% |
|||
環境対応車比率(EV、HV、CNG、クリーンディーゼル合計) ※2030年度目標:98% |
|||
社会・環境課題解決に向けた新規サービス・事業の検討 |
新規サービス・事業の創出と拡大に向けた取り組み推進 |
||
②TMS・3PLネットワークの拡充と周辺ソリューションの高度化 |
TMS案件数の拡大 既存顧客のTMS利用率上昇 |
TMS営業収益 ※2023年度目標:1,280億円 |
|
③国際・海外向けサービスの強化 |
既存顧客シェア拡大 新規レーン、インダストリ拡大 |
EXPOLANKA営業収益 ※2023年度目標:1,370億円 |
|
④宅配便のサービス向上と効率化による収益性向上 |
新サービス開発、宅配便周辺サービスの強化 新領域への拡販 |
取扱個数 ※2023年度目標:14.0億個 |
|
適正運賃収受の取組み |
平均単価 ※2023年度目標:648円 |
||
宅配便の生産性向上 |
デリバリー事業営業利益率 ※2023年度目標:7.8% (社内外リソース強靭化に向けたコスト先行により、営業利益率は前年から減少見込み。取組みにより、期末に向けて改善予定) |
||
競争優位につながる 経営資源の拡充 |
⑤アライアンスを含めた国内外輸配送ネットワークの強化 |
・国内 パートナー企業(協力会社)との関係強化及びサポート体制の拡充 |
SAGAWAパートナープログラムの拡充 適正取引促進会の実施 |
・海外 営業戦略に紐づいたアライアンス先の拡充 |
アライアンス先の拡充 |
||
⑥人的資本への投資及びエンゲージメントの向上 |
経営人材、ソリューション提案ができる人材の育成 多様な働き方の実現、柔軟な人材登用 |
経営人材、ソリューション人材育成に向けた研修等の実施 働き方改革施策の推進 |
|
従業員エンゲージメント指標の定期モニタリング モニタリング結果を通した取組みの計画、推進 |
「社員エンゲージメント」に関する質問への肯定的な人の割合 「社員を活かす環境」に関する質問への肯定的な人の割合 |
||
競争優位につながる 経営資源の拡充 |
⑦DXへの投資による競争優位の創出 |
3つの側面(サービスの強化、業務の効率化、デジタル基盤の進化)からの施策推進 DX企画立案を担う人材の育成 |
DX戦略によるサービス/施策の推進 DX企画人材育成活動の推進 |
⑧オープンイノベーションなどによる新たな価値の創造 |
アクセラレータープログラム開催と、新規事業創出に向けた体制強化 |
新規事業/サービス創出に向けた活動の推進 |
|
ガバナンスの更なる強化 |
⑨グローバル化に対応したガバナンスの構築 ⑩コンプライアンスの継続的な高度化 |
国際法務機能の強化、海外子会社のガバナンス強化 予防的な法務/コンプライアンス強化に向けた体制整備や教育推進 |
グローバル化に対応したガバナンス強化、コンプライアンス高度化に向けた取り組みの推進 |
※2023年度進捗状況は2024年8月発行予定の統合報告書において記載予定です。
<管理体制>
「グループ経営戦略会議」を活用して、当社所管部署および当社グループ各社とマテリアリティKPIの進捗状況を確認し、達成度に乖離が生じている際には、要因分析や対策の検討を行います。内外の環境変化等によるグループの方針や施策に変化が生じた場合又は生じる見込みとなった場合は、目標やKPIを再設定することも含めて検討します。また、「グループ予算委員会」では、マテリアリティKPIの進捗状況を踏まえた次年度の施策および予算の検討を行い、マテリアリティに対する取り組みを継続的に推進してまいります。
② リスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連リスクについて、グループのリスクマネジメント機関である「グループリスクマネジメント会議」において、他の事業リスクと同様に評価・管理しております。
これらのリスクは、当社グループのリスクマネジメント評価基準(1〜9段階評価)を基に、影響度「小」=2、「中」=5、「大」=8を基本として、各リスクをレーティングし、定期的にモニタリングを行なっています。本評価基準は、TCFDシナリオ分析のリスク判断基準としても使用しております。
当社グループのリスクマネジメント評価基準
※本基準は社内規程「リスクマネジメント手順書」にて2010年より運用しております。
影響度 |
評価の目安 |
||||
定性評価 |
定量評価 |
||||
人の安全・衛生 |
民事・刑事・行政上の処分 |
社会的批判 |
営業利益の 計画に対する 損失の割合 |
||
大 |
9 |
・人命に関わるレベル |
・全事業所での活動停止レベル ・営業所単位での活動停止レベル |
・新聞、テレビ等の主要マスメディアで全国的に報道されるレベル ・消費者団体等にボイコット(不買)運動されるレベル |
5%以上 |
8 |
|||||
7 |
・重傷レベル |
||||
中 |
6 |
・軽傷レベル |
・活動停止には至らないレベル(改善命令・罰金レベル) |
・一部メディア、地域で報道されるレベル ・苦情、問合せがコールセンターに多数寄せられるレベル |
1%以上 5%未満 |
5 |
・体調不良につながるレベル |
||||
4 |
|||||
小 |
3 |
・無傷レベル |
・注意指導レベル |
・報道の対象とならないレベル ・世間の人々は知らないレベル |
1%未満 |
2 |
|||||
1 |
2023年度は、マテリアリティのうち「アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」「グローバル化に対応したガバナンスの構築」のリスク側面を「気候変動への適応と緩和」と合わせてグループの戦略リスクに特定し、グループリスクマネジメント会議を通じてモニタリングを行いました。
2024年度も継続して上記戦略リスクのモニタリングとコントロールする方策・課題の検討を継続してまいります。
(2)人的資本
① 人材戦略
当社グループが長期ビジョンにおいて、宅配便事業の収益性維持、生産性向上による事業基盤強化、宅配便以外のTMS、3PL及び国際事業などを成長エンジンとする事業規模の拡大による、2030年度営業収益2兆2,000億円を目指す中、当社グループの人材戦略においては、経営戦略に連動した人的資本への投資及び、人材の価値を最大限に引き出すための活躍基盤の構築を通じた人的資本価値の最大化を目指してまいります。
人的資本への投資におきましては、事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材を「オペレーション人材」、TMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大などの成長エンジンを担う人材を「ソリューション人材」、当社グループ事業を支え経営基幹を担う人材を「グループ経営人材」と定義し、これら当社グループの競争優位性を担う固有の人材に投資してまいります。
まず、「オペレーション人材」につきましては、少子高齢化に伴い人材の採用・確保が難しくなる中、IT・先端技術の活用や人員配置の最適化の推進により、限られた人材で効率的なオペレーションが維持できるよう、物流現場の生産性向上に取り組んでまいります。加えて、当社グループの輸送インフラを支えるパートナー企業についても広義の人的資本と捉え、適正取引促進会などの取り組みを通じて、持続的かつ良好な関係を構築してまいります。
次に、「ソリューション人材」につきましては、総合物流ソリューションの高度化を支える「GOAL人材」、テクノロジーの活用を通じた顧客の課題解決や物流の自動化・省力化を支える「DX人材」、及び国際事業を推進する「グローバル人材」の層を更に厚くする必要があります。「GOAL人材」につきましては、10年間の取り組みを通じて蓄積した知見を基にしたOJT・Off-JTによる体系的な人材育成、総合物流課題に対応した事業会社間の人材交流、高度化する顧客の物流課題に対応した外部人材の登用などを継続的に取り組んでまいります。また、「DX人材」につきましては、全従業員向けのDXリテラシー教育を進めるとともに、DX研修を通じて高度なデジタル知見の習得と学習した技術やアイデアを元に企画創出できる人材を育成してまいります。「グローバル人材」につきましては、海外赴任研修短期派遣など各種研修に加えてグローバル教育の体系化に取り組んでおります。
併せて、当社グループの経営方針の策定やその舵取りに必要な「グループ経営人材」の育成・登用も重要課題と捉えております。部長職及び役員への登用に至る過程において、能力と意欲のある多様な人材を育成・登用すべく、「新規GM資格認定者向けセミナー」(GM:グループマネジャー※)「経営者育成プログラム」などの人事施策に取り組んでおります。
他方、これらの実現には、「多様な人材が活躍できる、働きやすく働きがいのある職場環境」が必要であり、多様な価値観を尊重し様々な視点から柔軟な意思決定を行い、競争優位性の高い企業グループへと発展するために、継続的にDE&I(Diversity, Equity and Inclusion)に取り組んでまいります。性別や年齢、障がいの有無、国籍に分け隔てなく、すべての多様な人材がいきいきと働ける職場環境を目指すため、女性活躍の推進をはじめ、年功序列や経験年数を重視する考え方から脱却する施策の一環として、優秀な人材については2階級上の役職への登用を図り、早期に挑戦と成長する機会を得られる「チャレンジ制度」の導入など必要な人事施策に取り組むとともに、従業員エンゲージメントが高く風通しの良い企業風土により、人材の価値を最大限に引き出し、組織と従業員の結びつきを強め、人材の成長や維持・定着を目指してまいります。
※グループマネジャー:グループ経営人材である部長級の従業員を指しております。
② 指標及び目標
上記①に記載のある人材戦略を実現するためには、従業員エンゲージメント、従業員を活かす環境、女性の活躍を含む多様性といった人的資本全体を取り巻く社内環境の改善・整備が必要となります。
2023年度に実施した従業員エンゲージメント調査では、従業員エンゲージメントが56.0%、従業員を活かす環境が54.0%(両指標とも肯定的回答率)という結果になりました。また、女性従業員比率は32.6%、女性管理職比率は11.1%というそれぞれの指標結果となりました。従業員エンゲージメントは57.0%、従業員を活かす環境は55.0%を2024年度の目標といたします。また、3ヶ年をかけて女性従業員比率は35%、女性管理職比率は12%を目指してまいります。
※これらの指標は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ③ 国内グループ会社」に記載の国内グループ会社を対象範囲としております。
(3)気候変動への対応
当社グループが掲げる長期ビジョンでは、営業収益の成長イメージとともに、2050年カーボンニュートラルに向けた中長期のGHG排出削減目標を掲げており、2030年にはCО2排出量46%削減(2013年度比)を目標としています。中期経営計画ではKPIに営業収益・営業利益と合わせてGHG排出削減目標を設定するとともに、重点戦略「脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進」を掲げ、事業を通じて気候変動課題に取り組んでいます。さらに、中長期にわたる気候変動関連リスク・機会について、今後の経営判断の一助とするべくTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿ったシナリオ分析を行い、結果をTCFDレポートにまとめ、当社ホームページ上にて公表しています。
※詳細はTCFDレポートをご参照ください。
<TCFDレポート2022>
https://www.sg-hldgs.co.jp/csr/tcfd/pdf/tcfdreport2022.pdf
<TCFDレポート2023>
https://www.sg-hldgs.co.jp/csr/tcfd/pdf/tcfdreport2023.pdf
① ガバナンス
当社は、サステナビリティ委員会の下部組織として専門部会「TCFDワーキンググループ」を設置していましたが、改めて2024年度より3つの専門部会「再エネ戦略専門部会」「再エネ開発専門部会」「Scope3検討専門部会」にて脱炭素に向けた課題を解決すべく、戦略的に進めてまいります。サステナビリティ委員会で検討した結果は取締役会へ報告し、管理・監督を行う体制を整えています。
詳細は「(1)サステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
シナリオ分析では、1.5℃、4℃の2つのシナリオを使用し、定性分析・定量分析を行いました。定性分析では、事業と関連する社会経済の動向予測を参照し、気候変動により想定されるリスク・機会の洗い出しを実施いたしました。定量分析では、特定した気候変動関連リスク・機会のうち、影響度が大きくかつ定量化可能な項目について財務影響を試算いたしました。
当社グループは、貨物自動車を使用するデリバリー事業を中核とすることから、化石燃料由来のCО2排出量が多いため、1.5℃シナリオの移行リスクにおける「炭素税によるコスト増加」「車両の脱炭素化に伴うコスト増加」の影響度が大きいと評価し、重要リスクに位置付けています。それらの影響額を試算した結果、CО2排出削減による炭素税回避額は、気候変動対策に伴うコスト増加額を上回ることとなり、気候変動対策の推進が当社グループの事業においてプラスの影響を及ぼすことが判明いたしました。
これらの分析結果を踏まえ、当社グループでは気候変動の緩和策と適応策に取り組んでおります。
主な緩和策 |
・GHG排出量削減に向けた各種取組みの推進 ・ビジネスモデル、手法の変更を含む気候変動緩和策の検討 (例:モーダルシフト、バイオ燃料の導入) ・グループのGHG排出量モニタリング(スコープ1・2)の継続的な実施 スコープ3の精度向上に向けた算定開始 |
主な適応策 |
・BCM活動 (例:出水期に向けての注意喚起、事業継続訓練、安否確認訓練、グループ間連携強化) ・備蓄品の拡充 (例:定期的な棚卸、災害の状況を踏まえた必要品の拡充) ファンベストやネッククーラーの暑熱対策推進) |
③ リスク管理
気候関連リスクは、当社グループのリスクマネジメント機関である「グループリスクマネジメント会議」とも情報連携し、他の事業リスクと同様に評価・管理を実施しております。
詳細は「(1)サステナビリティ ②リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
■GHG排出削減目標 |
|
スコープ1・2 |
2030年度:CO2排出量46%減(2013年度比) |
2050年度:カーボンニュートラルを目指します |
|
スコープ3 |
サプライチェーン全体での排出削減に取り組みます |
■削減水準・前提条件 |
|
削減水準 |
・日本の排出削減目標に沿うものとする |
・カーボン・クレジット等の活用によるオフセット分も含める |
|
前提条件 |
・第6次エネルギー基本計画における2030年度の電源構成(※)の実現 |
(※非化石59%:再エネ36~38%、原子力20~22%、水素・アンモニア1%) |
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※社会情勢により国の削減水準や前提条件に変更があった場合、排出削減目標を再検討する可能性があります。 |
■GHG排出削減実績(2023年度 国内グループ会社) |
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スコープ1・2 |
基準年度(2013年度)比較削減率・量:19.9%(85,069t-CO2) |
2023年度排出量:343,192t-CO2 |
※上記数値は暫定値であります。
■移行計画(佐川急便株式会社) |
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2023年度実績 |
2030年度目標 |
EVを含む環境対応車導入率 |
76.7% |
98% |
電力使用量に占める再エネ率 |
47.2% |
40% |
※2023年度実績のうち「電力使用量に占める再エネ率」は暫定値であります。