2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

ビル 住宅 アセットサービス その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ビル 156,278 41.2 38,483 47.7 24.6
住宅 134,524 35.5 27,155 33.6 20.2
アセットサービス 65,592 17.3 12,907 16.0 19.7
その他 22,886 6.0 2,204 2.7 9.6

事業内容

3【事業の内容】

 

 当社及び当社の関係会社66社(うち、連結子会社32社、持分法適用関連会社22社)が営んでいる主な事業の内容、当該事業に係る主要な会社名及び位置付けは以下の通りであり、各事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のセグメント情報の区分と同一であります。

 

(1)ビル事業

 当社は、オフィスビル、商業施設、物流施設等の開発・販売・賃貸・運営等を行っております。

 連結子会社である東京建物リゾート㈱、名駅2丁目開発特定目的会社及び㈲東京プライムステージを営業者とする匿名組合ほか3社並びに持分法適用関連会社である霞が関開発特定目的会社は、オフィスビル等の賃貸・運営を行っております。

 連結子会社である東京不動産管理㈱、新宿センタービル管理㈱、東京ビルサービス㈱及び西新サービス㈱は、建物管理等を行っております。

 連結子会社であるエキスパートオフィス㈱は、サービスオフィス・コワーキングスペースの運営を行っております。

 連結子会社である㈱プライムプレイスは、商業施設の管理・運営を行っております。

 

(2)住宅事業

 当社は、マンション等の開発・分譲・販売・賃貸等を行っております。

 連結子会社である㈱東京建物アメニティサポートは、マンション管理等を行っております。

 当社及び連結子会社であるかちどきGROWTH TOWN㈱は、マンションの賃貸・運営を行っております。

 連結子会社である㈱イー・ステート・オンラインほか2社は、マンション分譲等におけるWEBプロモーションに関連するサービス等を行っております。

 

(3)アセットサービス事業

 連結子会社である東京建物不動産販売㈱は、不動産の売買・仲介・コンサルティングを行っております。

 連結子会社である日本パーキング㈱は、駐車場の開発・運営等を行っております。

 

(4)その他事業

(クオリティライフ事業)

 連結子会社である東京建物リゾート㈱は、ホテル、リゾート施設、スーパー銭湯及びゴルフ場の運営を行っております。

 当社及び連結子会社である㈱河口湖カントリークラブは、ゴルフ場の運営を行っております。

(資産運用事業)

 連結子会社である東京建物不動産投資顧問㈱は、不動産投資に関するコンサルティング及び不動産ファンドの組成・運用を行っております。

 連結子会社である㈱東京リアルティ・インベストメント・マネジメントは、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づく資産運用会社として投資法人の資産運用を行っております。
(海外事業)

 当社及び連結子会社であるTokyo Tatemono Asia Pte. Ltd. 、Tokyo Tatemono US Ltd.は、連結子会社2社・

持分法適用関連会社16社を通じて、中国、東南アジア及び米国において不動産の開発等を行っております。
 連結子会社である東京建物(上海)房地産咨詢有限公司は、中国において不動産コンサルティングを行っております。

(その他)

 当社は、不動産の鑑定評価を行っております。

 上記の事項を事業系統図によって示すと次の通りであります。

(事 業 系 統 図)

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度のわが国経済は、コロナ禍の収束に伴い経済社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善と各種政策効果等が相まって、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、世界経済の下振れリスク、為替変動の影響等が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。
 当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、空室率は比較的高い水準で推移したものの、オフィスへの出社回帰の動きが広がり、年度後半には一部エリアで空室率が低下に転じました。分譲住宅市場については、新築マンションの供給戸数の減少や分譲価格の上昇が続くなか、低金利の継続や共働き世帯の増加等を背景として、引き続き好調に推移しました。不動産投資市場については、海外投資家の投資需要が、海外における不動産市況悪化や国内の金利の先高観等の影響もあって減退したものの、国内の投資家は依然として投資意欲が旺盛だったことから、総じて堅調に推移しました。

 このような事業環境のもと、当社グループは、2030年頃を見据えた長期ビジョンで掲げる“「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立”に向けて、2020~2024年度を対象期間とするグループ中期経営計画に基づき、5つの重点戦略を推進するとともに「ESG経営の高度化」に注力してまいりました。重点戦略の一つである「大規模再開発の推進」については、八重洲、京橋、渋谷の各エリアの再開発事業において重要な許認可手続等が着実に進捗いたしました。また、「分譲マンション事業の更なる強化」については、当社独自のノウハウと「Brillia」ブランドを活かし、東京23区内最大級の大型団地の一括建替事業「Brillia City 石神井公園 ATLAS」(東京都練馬区)など、社会と顧客ニーズの変化を的確に捉えた良質な住まいの提供に取り組むとともに、新たな再開発・建替案件等の多様な事業機会の創出に注力いたしました。

 「ESG経営の高度化」については、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速するため、当社グループの温室効果ガス排出削減の中長期目標を、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑える水準に引き上げるとともに、人権尊重と環境保全等に配慮した調達をサプライチェーン全体で実現することを目的とする「サステナブル調達基準」について、サプライヤーによる理解・実践を促進するため、新たにガイドラインを策定、開示いたしました。当社グループは、自然との共生を目指した取り組みを継続的に進めており、竣工以来10年にわたり都心での自然環境の再生に取り組んできた「大手町の森」を擁する「大手町タワー」(東京都千代田区)は、環境省により、生物多様性の保全が図られている区域として「自然共生サイト」(注)に認定されました。また、当事業年度に一部開園した東京都初のPark-PFI事業「都立明治公園」(東京都新宿区)では、民間事業者の代表として、都民の皆様とともに時間をかけて育てる杜づくりをコンセプトとする樹林地など、豊かな自然環境とにぎわい機能が融合した、「東京」という都市の“レガシー”となる公園づくりを進めております。当社グループのESG経営に対する外部評価は年々高まっており、当事業年度はESG投資の主要指数である「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に選定され、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用する国内株式を対象とした全てのESG指数の構成銘柄となりました。

 このほか、「事業ポートフォリオの最適化」の取り組みとして、保育施設関連事業と人材派遣事業をそれぞれ担う2つの子会社の全株式を譲渡するとともに、ファンド事業の強化のため、㈱東京リアルティ・インベストメント・マネジメントを完全子会社化するなど、長期ビジョンの実現とグループ中期経営計画の達成に向けて、様々な取り組みを推進してまいりました。

(注)2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標(30by30目標)の達成に向けた主要施策として、2023年度から環境省が実施するもの

 

 当連結会計年度におきましては、ビル賃貸及び駐車場事業が堅調に推移するとともに、ビル事業、住宅事業及びアセットサービス事業における投資家向け物件売却による売上が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は3,759億4千6百万円(前期3,499億4千万円、前期比7.4%増)、営業利益は705億8百万円(前期644億7千8百万円、前期比9.4%増)となりました。また、海外事業において持分法による投資利益が増加したこと等により、事業利益は744億2千8百万円(前期663億4百万円、前期比12.3%増)、経常利益は694億7千1百万円(前期635億3千1百万円、前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は450億8千4百万円(前期430億6千2百万円、前期比4.7%増)となりました。

 なお、当社グループは営業利益に持分法による投資損益を加えた「事業利益」を利益指標として設定しております。

 各セグメントの業績は以下の通りであります。

 

イ.ビル事業

 大規模再開発プロジェクトについては、「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)」(東京都中央区)においてA地区の権利変換計画が認可され、「渋谷二丁目西地区第一種市街地再開発事業」(東京都渋谷区)においては市街地再開発組合の設立が認可されるなど、重要な許認可手続等が着実に進捗いたしました。また、投資家向け売却用物件については、物流施設「T-LOGI 一宮」(愛知県一宮市)など4物件を竣工させたほか、中規模オフィスビル「T-PLUS」シリーズ、ホテル、商業施設等、多様なアセットの開発を積極的に推進いたしました。
 当連結会計年度におきましては、投資家向け物件売却として「T-LOGI習志野Ⅱ」(千葉県習志野市)、「T-LOGI本庄児玉」(埼玉県児玉郡)等を収益に計上した一方、ビル賃貸における費用が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は1,552億5千6百万円(前期1,451億5千5百万円、前期比7.0%増)、営業利益は384億8千3百万円(前期409億1千万円、前期比5.9%減)、事業利益は401億5千3百万円(前期412億4百万円、前期比2.5%減)となりました。

 

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

数量等

営業収益

(百万円)

数量等

営業収益

(百万円)

ビル賃貸

建物賃貸面積

947,514㎡

76,735

建物賃貸面積

1,040,870㎡

78,275

(うち転貸面積

81,095㎡)

(うち転貸面積

67,227㎡)

不動産売上

2件

29,812

8件

38,643

管理受託等

38,607

38,337

営業収益計

145,155

155,256

営業利益

40,910

38,483

事業利益

41,204

40,153

 

ロ.住宅事業

 分譲マンションについては、住宅・商業・工場・病院等を配した多彩な都市機能を維持・更新する街づくりである市街地再開発事業「SHIROKANE The SKY」(東京都港区)や東京23区最大級の大型団地の一括建替事業「Brillia City 石神井公園 ATLAS」(東京都練馬区)を収益に計上するとともに、関西初のマンション敷地売却制度活用事例である「みのおサンプラザ1号館敷地売却事業」(大阪府箕面市)など、多様な事業手法で新たなプロジェクトの開発を推進いたしました。また、投資家向け売却用物件については、賃貸マンション「Brillia ist」の開発を積極的に推進し、「Brillia ist 蔵前 Residence」(東京都台東区)など2物件を竣工させました。

 当連結会計年度におきましては、分譲マンションとして上記の収益計上物件のほか「Brillia 練馬春日町」(東京都練馬区)等を、投資家向け物件売却として「Blan Canvas 六甲道」(神戸市灘区)等を収益に計上いたしました。この結果、営業収益は1,341億4千万円(前期1,313億9千万円、前期比2.1%増)、営業利益は271億5千5百万円(前期233億4百万円、前期比16.5%増)、事業利益は271億4千9百万円(前期233億4百万円、前期比16.5%増)となりました。

 

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

数量等

営業収益

(百万円)

数量等

営業収益

(百万円)

住宅分譲

 

1,435戸

85,958

 

1,058戸

84,029

不動産売上

17,500

20,664

住宅賃貸

建物賃貸面積

125,085㎡

5,309

建物賃貸面積

117,973㎡

5,948

マンション管理受託

管理戸数

98,006戸

13,743

管理戸数

99,083戸

14,321

その他

8,879

9,176

営業収益計

131,390

134,140

営業利益

23,304

27,155

事業利益

23,304

27,149

 

 

ハ.アセットサービス事業

 東京建物不動産販売㈱が展開する仲介事業については、法人のお客様との関係強化や投資家との取引拡大等により、更なる収益力の向上を図りました。また、同社によるアセットソリューション事業については、仲介事業との連携や既存の取引先への営業強化等により、販売用不動産の取得・売却が順調に進捗したほか、新たな取り組みとして、不動産小口化商品の組成・販売を行いました。日本パーキング㈱が展開する駐車場事業については、更なる収益向上のため新規施設の獲得に努めるとともに、顧客サービス向上に向けて駐車場システムの高機能化等に取り組みました。

 当連結会計年度におきましては、駐車場事業において既存施設の稼働率の回復及び新規開業による車室数の増加が進むとともに、アセットソリューション事業において投資家向け物件売却による売上が前年度比で大幅に増加いたしました。この結果、営業収益は638億円(前期502億4千万円、前期比27.0%増)、営業利益及び事業利益は129億7百万円(前期73億9千9百万円、前期比74.4%増)となりました。

 

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

数量等

営業収益

(百万円)

数量等

営業収益

(百万円)

仲介

1,086件

4,626

1,097件

5,499

アセットソリューション(注)

19,084

29,999

賃貸管理等

4,554

4,567

駐車場運営

車室数

80,057室

21,975

車室数

82,542室

23,734

営業収益計

50,240

63,800

営業利益

7,399

12,907

事業利益

7,399

12,907

(注)取得した不動産の付加価値を向上させて再販する買取再販業務を主に行っております。

 

ニ.その他事業

 クオリティライフ事業については、東京建物リゾート㈱が展開する愛犬同伴型リゾートホテル「レジーナリゾート」及びゴルフ場において、引き続き、通年で高い稼働率を維持するとともに、コロナ禍による影響が長期化していた温浴施設においても、来館者数、売上ともに回復いたしました。また、事業ポートフォリオの最適化に向けた取り組みとして、保育施設関連事業と人材派遣事業をそれぞれ担う2つの子会社の全株式を譲渡いたしました。海外事業については、タイにおいて中規模オフィスビルの開発事業「スクンヴィット25プロジェクト」(バンコク都)に参画し、米国のワシントンD.C.近郊においては賃貸住宅の開発事業「ハーンドンプロジェクト」(バージニア州)に参画いたしました。
 当連結会計年度におきましては、クオリティライフ事業において2つの子会社の全株式を譲渡した影響等により収益が前年度比で減少した一方、海外事業において持分法による投資利益が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は227億4千8百万円(前期231億5千4百万円、前期比1.8%減)、営業利益は22億4百万円(前期25億1千8百万円、前期比12.5%減)、事業利益は44億6千万円(前期40億5千万円、前期比10.1%増)となりました。

 

 

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

営業収益

(百万円)

営業収益

(百万円)

クオリティライフ事業

18,541

18,582

その他

4,612

4,166

営業収益計

23,154

22,748

営業利益

2,518

2,204

事業利益

4,050

4,460

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は1兆9,053億9百万円となり、前連結会計年度末比で1,851億7千5百万円の増加となりました。これは、販売用不動産(仕掛販売用、開発用不動産含む)、現金及び預金、有形固定資産及び投資有価証券の増加があったこと等によるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は1兆3,972億7千4百万円となり、前連結会計年度末比で1,339億7千7百万円の増加となりました。これは、有利子負債の増加があったこと等によるものであります。なお、有利子負債残高(リース債務除く。)は1兆890億6百万円となり、前連結会計年度末比で992億7百万円の増加となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は5,080億3千5百万円となり、前連結会計年度末比で511億9千7百万円の増加となりました。これは、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加があったこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により205億8千8百万円増加、投資活動により540億6千9百万円減少、財務活動により779億8百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比で448億6千4百万円増加し、1,273億3百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、205億8千8百万円(前期比239億2千1百万円増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益及び減価償却費による資金の増加があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、540億6千9百万円(前期比328億6千4百万円減少)となりました。これは主に、固定資産の取得及び貸付けによる資金の減少があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、779億8百万円(前期比594億8千7百万円増加)となりました。これは主に、長期借入れによる資金の増加があったことによるものであります。
 

④ 生産、受注及び販売の実績

 生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2020年度に策定したグループ中期経営計画(2020~2024年度)において、最終年度である2024年度の利益目標として、連結事業利益750億円を掲げております。また、D/Eレシオ2.4倍程度、有利子負債/EBITDA倍率12倍程度を目標達成に向けた財務指針として設定しております。

 なお、当連結会計年度における達成状況は次の通りであります。

 

 

2023年12月期 実績

連結事業利益

744億円

D/Eレシオ

2.2倍

有利子負債/EBITDA倍率

10.9倍

 

② 経営成績の分析

 当連結会計年度における当社グループの連結業績については、ビル賃貸及び駐車場事業が堅調に推移するとともに、ビル事業、住宅事業及びアセットサービス事業における投資家向け物件売却による売上が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は3,759億4千6百万円(前期3,499億4千万円、前期比7.4%増)、営業利益は705億8百万円(前期644億7千8百万円、前期比9.4%増)となりました。また、海外事業において持分法による投資利益が増加したこと等により、事業利益は744億2千8百万円(前期663億4百万円、前期比12.3%増)、経常利益は694億7千1百万円(前期635億3千1百万円、前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は450億8千4百万円(前期430億6千2百万円、前期比4.7%増)となりました。

 各セグメントの業績概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要は主に不動産の取得・開発資金であり、これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行等により資金調達を行っております。また、当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。

 なお、資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に、財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、事業内容に応じた事業本部を置き、各事業本部は、取り扱う事業について包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 したがって、当社は事業本部を基礎とした事業別セグメントから構成されており、「ビル事業」、「住宅事業」、「アセットサービス事業」の3つを報告セグメントとしております。

 「ビル事業」は、オフィスビル・商業施設・物流施設等の開発・販売・賃貸・運営・管理等を行っております。「住宅事業」は、マンション等の開発・分譲・販売・賃貸・管理等を行っております。「アセットサービス事業」は、不動産の売買・仲介・コンサルティング及び駐車場の開発・運営等を行っております。

 

2.報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と同一であります。セグメント間の内部営業収益又は振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報

 

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業(注)1

合計

調整額(注)2

連結財務諸表計上額

(注)3

 

ビル事業

住宅事業

アセットサービス事業

営業収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

145,155

131,390

50,240

326,786

23,154

349,940

349,940

セグメント間の内部営業収益又は振替高

1,606

330

558

2,495

256

2,752

2,752

146,761

131,721

50,799

329,282

23,410

352,693

2,752

349,940

セグメント利益(事業利益)

 

 

 

 

 

 

 

 

営業利益

40,910

23,304

7,399

71,615

2,518

74,133

9,655

64,478

持分法による投資損益

293

293

1,532

1,825

1,825

41,204

23,304

7,399

71,908

4,050

75,959

9,655

66,304

セグメント資産

1,142,724

269,870

85,999

1,498,594

99,806

1,598,401

121,733

1,720,134

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

13,651

1,514

2,363

17,528

1,042

18,571

225

18,796

持分法適用会社への投資額

1,525

1,525

41,126

42,652

42,652

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

23,307

1,357

1,519

26,184

635

26,819

74

26,893

(注)1.「その他事業」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、クオリティライフ事業、資産運用事業及び海外事業等を行っております。

2.(1)セグメント利益の調整額△9,655百万円には、セグメント間取引消去34百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△9,689百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2)セグメント資産の調整額121,733百万円には、全社資産205,259百万円、セグメント間消去△83,526百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の現金・預金、投資有価証券及びコーポレート部門に係る資産等であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に持分法による投資損益を加えた金額と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業(注)1

合計

調整額(注)2

連結財務諸表計上額

(注)3

 

ビル事業

住宅事業

アセットサービス事業

営業収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

155,256

134,140

63,800

353,198

22,748

375,946

375,946

セグメント間の内部営業収益又は振替高

1,021

383

1,791

3,197

138

3,335

3,335

156,278

134,524

65,592

356,395

22,886

379,282

3,335

375,946

セグメント利益(事業利益)

 

 

 

 

 

 

 

 

営業利益

38,483

27,155

12,907

78,546

2,204

80,750

10,242

70,508

持分法による投資損益

1,670

6

1,664

2,256

3,920

3,920

40,153

27,149

12,907

80,210

4,460

84,670

10,242

74,428

セグメント資産

1,210,526

298,805

87,764

1,597,096

126,056

1,723,152

182,156

1,905,309

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

14,933

1,805

2,508

19,248

996

20,244

213

20,457

持分法適用会社への投資額

1,653

1,653

26,266

27,920

27,920

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

40,710

884

1,307

42,902

2,522

45,425

86

45,512

(注)1.「その他事業」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、クオリティライフ事業、資産運用事業及び海外事業等を行っております。

2.(1)セグメント利益の調整額△10,242百万円には、セグメント間取引消去72百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△10,314百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2)セグメント資産の調整額182,156百万円には、全社資産272,891百万円、セグメント間消去△90,734百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の現金・預金、投資有価証券及びコーポレート部門に係る資産等であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に持分法による投資損益を加えた金額と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 製品及びサービスごとの情報は「セグメント情報 3.報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報」に同様の情報を記載しているため、記載を省略しております。

2.地域ごとの情報

(1)営業収益

 本邦の外部顧客への営業収益の金額が、連結損益計算書の営業収益の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への営業収益のうち、特定の顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の10%に満たないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 製品及びサービスごとの情報は「セグメント情報 3.報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報」に同様の情報を記載しているため、記載を省略しております。

2.地域ごとの情報

(1)営業収益

 本邦の外部顧客への営業収益の金額が、連結損益計算書の営業収益の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への営業収益のうち、特定の顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の10%に満たないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業

合計

調整額

連結財務諸表計上額

 

ビル事業(注)

住宅事業

アセットサービス事業

減損損失

1,772

320

2,093

141

2,234

2,234

   (注)建替関連損失として計上した1,772百万円を含んでおります。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業

合計

調整額

連結財務諸表計上額

 

ビル事業

住宅事業

アセットサービス事業

減損損失

157

157

157

157

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業

合計

調整額

連結財務諸表計上額

 

ビル事業

住宅事業

アセットサービス事業

当期償却額

221

62

33

317

317

317

当期末残高

1,511

205

1,716

1,716

1,716

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他事業

合計

調整額

連結財務諸表計上額

 

ビル事業

住宅事業

アセットサービス事業

当期償却額

177

51

229

229

229

当期末残高

1,333

153

1,486

1,486

1,486

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 ビル事業において870百万円の負ののれん発生益を計上しております。これは、霞が関7号館PFI㈱を連結した際、株式の取得原価が企業結合時における時価純資産を下回ったため、その差額を負ののれん発生益として認識したものであります。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 該当事項はありません。