リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の皆様の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 自然災害、人災等によるリスク
国内外を問わず、地震、暴風雨、洪水その他の自然災害及び事故、火災、戦争、暴動、テロその他の人災等が発生した場合に備え、当社グループでは、商業施設、ホテル、空港等をはじめとした当社グループが所有もしくは運営する施設において、当該事象発生時のBCP対応に取り組んでおります。しかし、当該事象の緊急度合によっては事業中断をせざるを得ない場合があります。また、パンデミックや台風等の自然災害発生時の対応について社会的関心が高まるなか、万一、当社グループが取り得る適切な対応に不備があった場合、安全管理リスクやレピュテーションリスク等が顕在化し、当社グループの事業推進、業績に影響が及ぶおそれがあります。
(2) 不動産市況悪化のリスク
国内外の要因により景気が悪化し、それに合わせて不動産市況が悪化する場合には、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。その場合には、特に東京の賃貸オフィス市場の空室率及び分譲マンション市場の販売状況及び、複合開発計画や再開発計画等については開発期間が長期にわたり大規模な投資を伴う傾向にあるため、進捗状況に注意を要するものと思われます。
(3) 建物の安全管理及び品質管理、工程管理に関するリスク
当社グループでは、運営施設及び工事中物件について、各種安全管理及び品質管理、工程管理を徹底し取り進めておりますが、万一、当該取り組みや対応に不備があった場合、人身事故の発生や、商業施設やホテル、高齢者向施設、空港等における火災や食中毒等の発生、住宅等をはじめとした顧客からの信用喪失等に繋がり、当社グループの業績等に影響が及ぶおそれがあります。
(4) 資材価格の高騰リスク
国内外の要因により原材料並びに原油価格の高騰に伴い資材価格が上昇した場合には、不動産開発事業において必ずしも増加コスト分を販売価格や賃料に反映することが出来ず、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。
(5) 為替レート変動のリスク
当社グループの業務は為替レートの変動の影響を受けます。円が上昇した場合、外貨建て取引の円貨換算額は目減りすることになります。さらに、当社グループの資産及び負債の一部の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(6) 金利上昇のリスク
日本銀行は物価安定の目標のもと、短期政策金利を極めて低位に設定し、金融政策を経済・物価・金融情勢に応じて適切に運営する方針を示しております。金融政策の変更や、国債増発に伴う需給バランスの悪化等による金利の上昇等により、当社グループの業績や財政状態に影響が及ぶおそれがあります。
(7) 個人情報等の漏洩を含むサイバー攻撃等情報セキュリティリスク
当社グループでは国内外を問わず、各事業において個人情報をはじめとする多くの機密情報を取り扱っております。これらの機密情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ、関連する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めておりますが、サイバー攻撃・ウイルス感染等による情報セキュリティインシデント発生等、万一、機密情報が外部へ漏洩した場合やシステムリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶおそれがあります。
(8) 株価下落のリスク
当社グループは上場及び非上場の株式を保有しております。全般的かつ大幅な株価下落が生じる場合には、保有有価証券に減損又は評価差損が発生し、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。
(9) 人事労務管理リスク
当社グループでは適正な労務管理に向けた取り組みの推進やハラスメント撲滅に向けた取り組みの推進、ダイバーシティ推進に努めておりますが、万一、各種規制順守や適切な対応に不備があった場合、当社グループの業務遂行等に悪影響が及ぶおそれがあります。また、「長期経営計画2030」における事業戦略として、特にアジア圏を中心に海外事業の更なる拡大を見据えており、各海外現地法人では現地採用社員の割合は増加する想定であり、従前以上に現地法人社員のマネジメントが重要であると考えております。
(10) サステナビリティ経営上の重要課題の認識とリスク
当社グループでは、当社グループを取り巻く環境の変化に関して、経営上の重要課題であるマテリアリティ及び、それに伴う機会とリスクを特定しております。これらのリスクが顕在化した場合には、中長期的に当社グループの業績に影響が及ぶおそれがあります。
マテリアリティ |
主な機会 |
主なリスク |
環境 |
環境負荷が小さく、自然災害に強い 不動産開発・運営ニーズの増加 |
環境規制の厳格化による開発機会の減少 |
グローバリティ |
外国人利用に対応した 施設開発・運営ニーズの増加 |
サプライチェーンマネジメントをはじめとした カントリーリスク、コンプライアンスリスクの増加 |
コミュニティ |
テロや犯罪に対するセキュリティが強い 不動産開発・運営ニーズの増加 |
建物老朽化・空き家増加による治安悪化 |
ダイバーシティ |
多様な生活スタイルや就業・消費スタイル等 に対応した施設・サービス需要の増加 |
テレワーク等多様な働き方拡大に伴う オフィスニーズの変化 |
少子高齢化 |
高齢者向け不動産の開発・運営ニーズの増加 |
労働人口の減少によるオフィスニーズの変化 世帯数減少による新築分譲ニーズの変化 |
ストック活用 |
大都市における再開発・リノベーション及び 既存ストック利用ニーズの増加 |
新築分譲ニーズ変化 |
デジタル革新 |
スマートコミュニティ、ハウス、オフィスへ の活用の可能性 |
リアルな不動産施設に対するニーズの低下 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、丸の内再構築をはじめとする今後の事業展開に伴う資金需要にも配慮しつつ、業績の水準及び不動産市況等の事業環境等を総合的に勘案した適切な利益還元に努めていくことを利益配分の基本方針としております。当期以降の配当につきましては、連結配当性向30%程度を目処としながら、2030年で原則60円以上配当することを計画し、「長期経営計画2030」の対象となる2030年までは毎期3円増配の累進配当を原則として、決定して参りたいと考えております。
当期につきましては、中間配当金を20円、期末配当金を20円としておりましたが、2023年度連結決算において親会社株主に帰属する当期純利益は168,432百万円となりましたので、期末配当金については20円といたします(1株当たり年間配当金は40円)。
また、2024年度につきましては、今後の見通し及び上記配当方針を総合的に勘案した結果、中間配当金を21円、期末配当金を22円とし、1株当たり年間配当金を43円とする予定ですが、実際の配当対象株式数に応じて1株当たり配当金を決定して参りたいと考えております。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月9日 |
25,464 |
20 |
取締役会決議 |
||
2024年6月27日 |
25,324 |
20 |
定時株主総会決議 |
内部留保資金につきましては、上記利益配分の考え方に記載のとおり丸の内再構築をはじめとする今後の資金需要に充当いたします。
なお、当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。