人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,117名(単体) 43,870名(連結)
-
平均年齢42.8歳(単体)
-
平均勤続年数16.8年(単体)
-
平均年収13,902,022円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数 (人) |
国内損害保険事業 |
19,919 |
国内生命保険事業 |
2,186 |
海外保険事業 |
19,222 |
金融・その他事業 |
2,543 |
合計 |
43,870 |
(注) 従業員数は、就業人員数です。
(2)提出会社の状況
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|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数 (人) |
平均年齢 (歳) |
平均勤続年数 (年) |
平均年間給与 (円) |
1,117 |
42.8 |
16.8 |
13,902,022 |
(注) 1.従業員数は、就業人員数です。
2.当社従業員はその大部分が子会社からの出向者であり、平均勤続年数は、出向者の各子会社における勤続年数を通算しています。
3.平均年間給与には、賞与および基準外賃金が含まれています。
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2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数 (人) |
国内損害保険事業 |
1,001 |
海外保険事業 |
105 |
金融・その他事業 |
11 |
合計 |
1,117 |
(注) 従業員数は、就業人員数です。
(3)労働組合の状況
東京海上ホールディングス労働組合 232名
(4)管理職に占める女性の割合、男性の育児休業取得率および男女の賃金の差異
①管理職に占める女性の割合
|
2023年4月1日現在 |
会社名 |
管理職に占める女性の割合 (%) |
東京海上ホールディングス株式会社 |
8.5 |
東京海上日動火災保険株式会社 |
11.2 |
日新火災海上保険株式会社 |
15.8 |
イーデザイン損害保険株式会社 |
20.7 |
東京海上ミレア少額短期保険株式会社 |
25.0 |
東京海上日動あんしん生命保険株式会社 |
11.0 |
東京海上アセットマネジメント株式会社 |
9.3 |
東京海上日動キャリアサービス株式会社 |
54.3 |
東京海上日動ファシリティーズ株式会社 |
5.0 |
東京海上日動ベターライフサービス株式会社 |
46.0 |
(注)女性活躍推進法に基づき、「女性の管理職数÷管理職数」により算出しています(管理職に役員は含みません)。なお、出向者は出向元の従業員として集計しています((4)において同様です)。
②男性の育児休業取得率(2023年度)
会社名 |
男性の育児休業取得率 (%) |
東京海上ホールディングス株式会社 |
0.0 |
東京海上日動火災保険株式会社 |
92.0 |
日新火災海上保険株式会社 |
94.7 |
イーデザイン損害保険株式会社 |
100.0 |
東京海上ミレア少額短期保険株式会社 |
100.0 |
東京海上日動あんしん生命保険株式会社 |
97.8 |
東京海上アセットマネジメント株式会社 |
83.3 |
東京海上日動キャリアサービス株式会社 |
0.0 |
東京海上日動ファシリティーズ株式会社 |
45.5 |
東京海上日動ベターライフサービス株式会社 |
100.0 |
(注)育児・介護休業法に基づき、「当事業年度に男性労働者のうち育児休業等をした数(育児を目的とした休暇がある場合はその数値を含む)÷当事業年度に男性労働者のうち配偶者が出産した数」により算出しています。
③男女の賃金の差異(2023年度)
a)東京海上ホールディングス株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
73.0 |
81.0 |
62.2 |
(注)上表の差異は専門性、キャリアおよび成果に応じた賃金設定によるものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。なお、人事制度上、従事する業務の違いおよび勤務地限定の有無等による社員区分はありません。
b)東京海上日動火災保険株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
52.7 |
50.3 |
65.0 |
(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「グローバル」および勤務地を限定する「エリア」があり、勤務地限定の有無により相対的に「グローバル」の賃金水準が高くなっています。「グローバル」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。
勤続年数 |
社員区分 |
|
グローバル |
エリア |
|
1~10年 |
88.1% |
95.6% |
11~20年 |
88.4% |
98.3% |
21~30年 |
93.2% |
109.1% |
2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
c)日新火災海上保険株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
63.4 |
62.4 |
62.6 |
(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「全国型」および「アジャスター社員」、勤務地を一定範囲に限定する「広域型」ならびに勤務地を限定する「地域型」があり、勤務地限定の有無により相対的に「全国型」の賃金水準が高くなっています。「全国型」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。なお、「アジャスター社員」は女性の在籍がないため下表に記載していません。
勤続年数 |
社員区分 |
||
全国型 |
広域型 |
地域型 |
|
1~10年 |
88.6% |
98.4% |
98.2% |
11~20年 |
89.2% |
57.0% |
85.0% |
21~30年 |
82.4% |
95.8% |
93.7% |
2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
d)イーデザイン損害保険株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
73.4 |
72.8 |
82.0 |
(注)賃金水準の高い管理職に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。
e)東京海上日動あんしん生命保険株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
52.4 |
51.8 |
44.0 |
(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「グローバル」および勤務地を限定する「エリア」があり、勤務地限定の有無により相対的に「グローバル」の賃金水準が高くなっています。「グローバル」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。
勤続年数 |
社員区分 |
|
グローバル |
エリア |
|
1~10年 |
87.3% |
85.1% |
11~20年 |
91.0% |
113.8% |
21~30年 |
98.7% |
- |
2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
3.「エリア」の勤続年数21~30年は、男性の在籍がないため「-」としています。
f)東京海上アセットマネジメント株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
57.2 |
56.9 |
45.0 |
(注)1.正規雇用労働者は、資産運用を担う社員および定型業務を中心に担う社員に大別されますが、資産運用を担う社員の賃金水準が相対的に高くなっています。資産運用を担う社員に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。
2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
g)東京海上日動キャリアサービス株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
88.0 |
59.5 |
95.7 |
(注)正規雇用労働者における賃金の差異は、労働時間数が少ないなどにより賃金水準が相対的に低く女性比率が高い派遣社員(無期雇用)の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
h)東京海上日動ファシリティーズ株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
66.5 |
64.8 |
100.6 |
(注)正規雇用労働者の社員区分には、転居転勤のある「総合職」および転居転勤の無い「エリア総合職」があり、勤務地限定の有無により相対的に「総合職」の賃金水準が高くなっています。「総合職」に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。
i)東京海上日動ベターライフサービス株式会社
男性の賃金に対する女性の賃金の割合 (%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
非正規雇用労働者 |
60.9 |
88.4 |
95.5 |
(注)全労働者における賃金の差異は、労働時間数が少ないなどにより賃金水準が相対的に低く女性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティ共通
東京海上グループは、「お客様や社会のいざをお守りする」というパーパスを起点に、時代ごとの社会課題を自ら探し出し、保険本業を通じてその課題解決に貢献することで成長してきました。東京海上グループの事業活動は社会課題解決そのものであるため、使命感を持って事業活動に取り組むことで、安心・安全に生活し、かつ果敢に挑戦できるサステナブルな社会の実現に貢献できると考えています。
①ガバナンス
グループ全体でサステナビリティ戦略を推進するため、グループCEOおよびサステナビリティの取組みを総括するチーフオフィサー(以下「CSUO」といいます)を含むチーフオフィサー、海外の経営陣等で構成されるサステナビリティ委員会を設置し、取組内容や方針等をグローバルベースで審議しています。サステナビリティ委員会は原則として年4回開催し、サステナビリティ課題への対応方針等に関する審議および各施策の進捗状況のモニタリングを行っています。CSUOは、サステナビリティ戦略の推進および浸透を総括し、取締役会に方針を諮るとともに進捗状況を報告する役割を担っています。
また、取締役会は定期的にその報告を受けサステナビリティに関する取組みについて論議し、執行を適切に監督しています。2023年度は、以下のとおり取締役会で、サステナビリティ活動に関する審議および報告を行いました。
実施月 |
審議事項 |
2023年5月 |
グループサステナビリティに関する2022年度取組みの振返りおよび2023年度年次計画 |
2023年10月 2023年11月 |
グループサステナビリティ 2023年度年次計画の進捗報告 |
2024年3月 |
グループサステナビリティ 2023年度年次計画の下期進捗報告 |
上記の体制により、グループ社員にサステナビリティ戦略を浸透させ、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。
また、取締役の業績連動報酬にサステナビリティ戦略に係る非財務指標を取り入れています。
○サステナビリティ推進体制図
②戦略
東京海上グループは、「次の世代に明るい未来を引き継ぐことは私たちの責務である」との強い想いから、「お客様」、「社会」、「社員」および「株主・投資家」に加え、「未来世代」をステークホルダーに位置付けています。
東京海上グループは、パーパスを起点に取り組むべき8つの重点領域を設定しています。事業活動により社会課題を解決しながらサステナブルな社会づくりに貢献し、その結果として社会的価値と経済的価値を同時に高めていきます。
東京海上グループの8つの重点領域
重点領域 |
取組み |
a.気候変動対策の推進 |
・2050年カーボン・ニュートラルの実現(含む保険引受・投融資先) ・保険引受・投融資先企業とのエンゲージメントやグリーントランスフォーメーション(以下「GX」といいます)関連の保険・ソリューションの提供を通じたトランジションへの貢献 |
b.災害レジリエンスの向上 |
・自然災害対応の高度化 (大規模災害時に速やかに保険金をお支払いする「商品・サービスの開発と提供」、「業務プロセスの効率化」) ・事前・事後領域(現状把握、対策実行、避難・退避、復旧・再建)における災害リスクマネジメントサービスの提供 |
c.健やかで心豊かな生活の支援 |
・新たなヘルスケア商品・サービス(予防・未病)の開発・提供、寿命の延長により増加する資産形成・貯蓄ニーズへの対応 ・中小企業支援を通じた社会・地域課題解決 |
d.人と多様性の尊重 |
・人的資本のさらなる強化・経営戦略の実現に資する人事戦略の実行 ・多様性の確保と多様性が活きるカルチャーの醸成・浸透 ・保険引受・投融資先、バリューチェーン、自社オペレーションにおける人権デューデリジェンスの推進 |
e.イノベーティブなソリューションの提供 |
・デジタル、データを活用した、GX、災害レジリエンス、ウェルビーイング等の社会課題を解決するソリューションの提供 |
f.自然の豊かさを守る |
・2030年ネイチャーポジティブ(自然資本や生物多様性の損失を止め、回復させること)への貢献 ・マングローブ植林やアマモ場の保全・再生活動、海を守る活動等による地球温暖化防止および生物多様性・湿地の保全 |
g.未来世代の育成支援 |
・各種教育プログラム等の提供を通じた未来を担う人材の育成支援 ・未来世代の意見を活かした経営の高度化 |
h.誠実かつ透明性の高いガバナンス |
・全てのバリューチェーンにおける業務品質の向上、内部統制の強化 ・海外を含む全てのグループ会社におけるリスクベース経営(ERM)の強化 ・適時適切かつ透明性の高い情報開示 |
③リスク管理
東京海上グループを取り巻くリスクは、グローバルな事業進展や経営環境の変化等を受けて一層多様化・複雑化してきています。また、不透明感が強く、変化の激しい昨今の政治・経済・社会情勢においては、新たなリスクの発現を常に注視し適切に対応していかなければなりません。そのため、東京海上グループは、リスクの軽減、回避等を目的とした従来型のリスク管理に留まらず、定性・定量の両面での網羅的なリスク把握に取り組んでいます。環境・社会に関しては、環境基本方針、人権基本方針および人事に関する基本方針に基づいて、当該リスクが発生する可能性の高いセクターを特定し、負の影響を与えるリスクを適切に把握、管理できるよう努めています。
④指標と目標
東京海上グループは、サステナビリティに関する中長期目標(非財務指標)を課題ごとに掲げ、実効性のあるPDCAサイクルを回し続けることで各種取組みを着実に進めています。
(2)気候変動対策と自然資本・生物多様性の保全
気候変動は、グローバルな課題であるとともに、異常気象や自然災害の増加をもたらすものであり、損害保険業界に直接的な影響を及ぼします。そのため、東京海上グループは、気候変動対策を、本業である保険事業はもとより、機関投資家、そしてグローバルカンパニーとして真正面から取り組むべき最重要課題に位置付けています。
また、地球の環境を守るためには、気候変動対策だけでなく、自然資本や生物多様性の損失を止め、回復させるネイチャーポジティブの取組みが不可欠です。気候変動によって、植物の生育ができない環境となり、自然が失われるという影響が出ています。自然が失われることによって、吸収・固定される温室効果ガスが減少し、地球の温暖化が進行するという影響も出ています。このように気候変動と自然資本・生物多様性は相互に影響を与えるものであり、同時に取り組むべき課題と認識しています。
東京海上グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下「TCFD」といいます)および自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下「TNFD」といいます)の提言を支持しており、そこで推奨されている「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」(TNFDにおいては「リスクとインパクトの管理」)および「指標と目標」の4つの柱に沿った情報開示を行っています。なお、両提言に沿った気候関連情報開示および自然関連情報開示の詳細については、東京海上グループのTCFDレポートおよびTNFDレポートに記載のとおりです。
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」に記載のとおりです。
②戦略
戦略にはその前提となるリスク認識が重要です。東京海上グループは、気候変動リスクおよび自然関連リスクが高まることを想定し、事業への影響を特定・評価しています。気候変動リスクおよび自然関連リスクには、気候変動および自然の損失に伴う自然災害の頻度の高まりや規模の拡大等によって生じる物理的リスクに加え、脱炭素社会や自然共生社会への移行が投融資先の企業価値や東京海上グループの保有資産価値に影響を及ぼすこと等によって生じる移行リスクがあります。
また、気候変動の緩和および気候変動への適応ならびに自然との共生に向けた対応から生まれるビジネス機会を認識し、保険商品・サービスの開発・提供を通じて、脱炭素社会および自然共生社会への移行に取り組んでいきます。
物理的リスク、移行リスクおよび機会について、TCFD提言およびTNFD提言の分類ごとの事象例および東京海上グループの事業活動における具体例は以下のとおりです。
事象例 |
東京海上グループの事業活動における リスク・機会の例 |
時間軸 |
||
物理的リスク |
急性 |
・台風や洪水等の頻度の高まりや規模の拡大の可能性 ・土壌の保水力低下や沿岸浸食による損害の発生・拡大 |
・保険収益の減少(保険金支払への影響等) ・拠点ビル等が被災することによる事業継続への影響 |
短期~ |
慢性 |
・気温の上昇 ・干ばつや熱波等、その他気象の変化 ・海面の上昇 ・節足動物媒介感染症への影響 |
中期・長期 |
||
移行リスク |
政策および法規制 |
・炭素価格の上昇 ・環境関連の規制・基準の強化 ・気候・自然関連の訴訟の増加 |
・炭素価格上昇による投融資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落 ・賠償責任保険に係る支払保険金の増加 |
中期・長期 |
技術 |
・脱炭素社会・自然共生社会への移行に向けた技術革新 |
・脱炭素社会・自然共生社会への移行が十分ではない投融資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落 ・技術革新やお客様ニーズの変化を捕捉できないことによる収益の低下 |
中期・長期 |
|
市場 |
・商品・サービスの需要と供給の変化 |
短期~ |
||
評判 |
・脱炭素社会・自然共生社会への移行の取組みに対するお客様や社会の認識の変化 |
・東京海上グループの取組みが不適切とみなされることに伴うレピュテーションの毀損 |
短期~ |
|
機会 |
資源の効率性、エ ネルギー源、製品・サービス、市場、レジリエンス |
・エネルギー源の変化やレジリエンス向上に向けた製品・サービス需要や社会の認識の変化 |
・再生可能エネルギーや自然関連事業に関する保険ニーズの飛躍的増大 ・脱炭素社会・自然共生社会への移行に伴う企業の資金需要の増加による投融資機会の増大 ・災害レジリエンス向上に向けた防災・減災ニーズの増加 |
短期~ |
(注)表中の時間軸における「短期」は3年未満、「中期」は3年以上10年未満、「長期」は10年以上の期間を指します。
東京海上グループは、物理的リスクおよび移行リスクに関するシナリオ分析を行い、気候変動が及ぼす保険金支払、投融資先の企業価値および東京海上グループの保有資産価値への影響を評価しています。そして、サステナビリティ戦略を、シナリオ分析の結果も踏まえ、充実させながら実践しています。損害保険事業は比較的短期の保険契約が多いことや東京海上グループの運用資産は流動性の高い金融資産が中心であることから、これらの影響に柔軟に対応し、レジリエンスを確保することが可能であると考えています。
東京海上グループは、保険商品・サービスによる再生可能エネルギーの普及支援、脱炭素化を目的とした取引先との建設的な対話(エンゲージメント)、保険引受・投融資方針の厳格化等を通じて、2050年カーボン・ニュートラルの実現に取り組んでいます。東京海上グループの移行に向けた計画は次のとおりです。
③リスク管理
東京海上グループは、リスクベース経営(ERM)に基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。気候変動リスク・自然関連リスクについてもERMの枠組みのなかで適切に管理しています(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです)。
④指標と目標
東京海上グループは、パリ協定を踏まえ、以下の指標と目標を設定しています。
・2050年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスの実質ゼロをめざす(含む保険引受・投融資先)。
・2030年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスを2015年度対比60%削減するとともに、東京海上グループの主要拠点において使用する電力を100%再生可能エネルギーとする。
・2030年までに、グループのなかで企業取引を多く扱う東京海上日動において、保険引受に伴う温室効果ガス排出量の約9割を占める大口顧客200社と対話し、160社以上との対話水準を「課題認識を踏まえた提案」のレベル以上とする。また、上記大口顧客200社のうち、温室効果ガス高排出セクターに属する60社に対しては、対話のなかで脱炭素計画の策定を求め、2030年までに脱炭素計画を有していない企業とは取引を行わない。
(3)災害レジリエンス
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」に記載のとおりです。
②戦略
東京海上グループにとって、災害に関する課題を解決することによる「災害レジリエンスの向上」は重要課題です。災害リスクをカバーする保険商品を提供し、人工衛星やAI等を活用した迅速な保険金支払体制を整備するなど、お客様のいざをお守りするサービスの開発・提供を強化しています。
また、有事における保険金の支払いに留まらず、事故を未然に防ぎ、万が一発生してもその負担を軽減し早期復旧等に繋げるための「事前・事後」のサービスを継続的に提供することを通じて、災害に負けない社会づくりに貢献していきます。そのために、業界の垣根を超えた防災コンソーシアムをリードし、各社が持つ技術やインフラを活用した防災・減災ソリューションを開発しています。2023年11月には防災・減災領域の新規事業に特化した子会社として、東京海上レジリエンスを設立し、防災・減災のバリューチェーン(現状把握、対策実行、避難・退避、復旧・再建)を一気通貫で価値提供するソリューション事業を立ち上げ、防災・減災サービスの提供を開始しています。
さらに、産学連携に基づく科学的知見を踏まえた気候変動および自然関連リスクの研究を行うとともに、セミナーの開催、子どもたちへの「ぼうさい授業」の継続的な実施等の防災教育・啓発活動を推進しています。
③リスク管理
東京海上グループは、ERMに基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。災害に関するリスクについても、ERMの枠組みのなかで自然災害が保険引受に及ぼす影響等を考慮しながら適切に取り組んでいます(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです)。
④指標と目標
東京海上グループの指標と目標は以下のとおりです。
・社会の災害レジリエンス向上に不可欠な火災保険制度を持続的に運営する。
・防災・減災につながる保険商品を開発し、提供するソリューションを増加させる。
・BCP(事業継続計画)策定支援の内容を充実させるとともに、支援の提供先を増加させる。
(4)人的資本
①ガバナンス
グループ全体へのガバナンスとして、内部統制基本方針に基づき人事に関する基本方針を定め、人事に関しての基本的な考え方、統括部署の設置、各種基準の策定等の態勢整備等を示すとともに、グループ会社における重要な人事制度改定等の事前承認事項および報告事項を定め、人事に関するガバナンス体制を構築しています。また、取締役会は関連議案の付議・報告を受けて人的資本に関する取組みについて論議し、業務執行を監督しています。
グループの人事を総括するチーフオフィサーは、東京海上グループの人的資本経営に関する課題および施策を取締役会および経営会議に付議・報告することで人事戦略と経営戦略の連動性を高め、人事戦略に基づく施策の実行によって人的資本を強化し、経営戦略がめざす姿の実現を図ります。また、サステナビリティ委員会において人的資本に関する取組みを定期的に報告し、議論することで、多様な意見を反映しています。
②戦略
a)人的資本経営の取組方針
東京海上グループのパーパス(存在意義)はお客様や社会のいざをお守りすることです。当社の祖業である保険事業は「People’s Business」と呼ばれており、「人」が創り上げる信頼が全ての源泉です。当社は、「人」の力を最大化することがパーパスの実現に繋がると確信し、1879年の創業以来、お客様や社会のいざをお守りするための事業に取り組んできました。その想いは今も変わることなく、「人」を成長の原動力ととらえ、人的資本経営に真正面から取り組んでいます。
東京海上グループでは、この方針を「Tokio Marine Group - Our People」として定めています。
“Tokio Marine Group - Our People” ■東京海上グループにとって最も大切な資産は人材であり、‘Good Company’ビジョンを実現するための原動力です。 ■東京海上グループは、お客様や社会に安心と安全を提供するためにあらゆる事業領域において不可欠な人材を確保します。 ■東京海上グループは、情熱と意欲をもって挑戦する社員に対して、成長に資する役割や機会を与えます。 ■東京海上グループは、真のグローバルカンパニーを目指し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを尊重します。多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる環境をつくることを通じて、‘Good Company’への果てしない道を歩み続けます。 |
b)人事戦略
イ)経営戦略と人事戦略の連動
東京海上グループの人事戦略は、経営計画の達成確度を高めるための基盤として、「グループ一体経営を支える人材の計画的・継続的な輩出」および「グループ一体経営を支える企業文化のさらなる浸透」を基軸に取り組んでいます。
人事戦略において、「グループ一体経営を支える人材」および「グループ一体経営を支える企業文化」は、それぞれが独立して働くのではなく、パーパスをベースとして、相互に作用しながら相乗効果を生み出していくことをめざしています。
ロ)人事戦略の全体像と指標
東京海上グループの人事戦略の目的は、経営戦略のめざす姿の実現です。そのために、人材と企業文化における様々な人事施策の実践を通じて人的資本を最大化し、持続的な価値創造に繋げています。
人事戦略が経営戦略と連動しながら有効に機能し、持続的な価値創出に繫がっていることを測る指標として、一人当たり創出価値(注)を設定し、これを持続的に高めていくことをめざしています。
<一人当たり創出価値の推移>
(注)一人当たり創出価値=Normalizedベースの修正純利益÷連結従業員数。実力を示す指標として、各年度の利益実績から一過性の要素(平年を上回る自然災害関連の保険金やコロナ関連の保険金、為替の影響等)を補正した「Normalizedベースの修正純利益」を用いています。
また、人事戦略の8つのテーマに紐づく人事施策について定量的な目標を示すことで各施策がめざす姿と現状のギャップを明確にし、PDCAサイクルを回しながら改善を図っていきます。
(注)1.当社で中途採用したグループ経営に必要な専門性を有する人材の在籍人数です。
2.エンゲージメントの把握やパーパスの浸透度等を測るための独自サーベイ「カルチャー&バリューサーベイ(以下「CVS」といいます)のDE&I推進に関する項目のスコアを平均したものです(評価点は5点満点で算出)。
3.管理職以上には取締役、監査役および執行役員を含みます。なお、2024年度以降の女性管理職以上比率は、2024年4月の人事制度改定で新設した役職「ユニットリーダー」を含む数値とし、2024年4月1日時点では27.8%です。
4.CVSのパーパス浸透に関する項目のスコアを平均したものです。
5.CVSの働きがいに関する項目のスコアを平均したものです。
6.CVSの働きやすさに関する項目のスコアを平均したものです。
c)人材育成方針
経営のグローバル化の加速や、ソリューション事業等への事業領域拡大への取組み等、大きな事業環境変化のなかで持続的な成長を実現していくためには、強みであるグループ一体経営を支える人材をグローバルに育成していくことが不可欠です。こうした課題認識のもと、東京海上グループは「人」の力を強化するために主に次のような施策を推進しています。
イ)グループ経営人材の計画的・継続的な輩出およびグループ経営へのビルトイン
計画的・継続的にグループ経営人材(グループの各分野を総括するチーフオフィサーおよび主要グループ会社の経営トップ)を輩出し、世界中に所在する専門性・知見をグループ経営にビルトインするためには、海外のグループ会社を含めたグループ経営人材候補の採用、育成・評価、登用・配置を相互に連関させながら一体的に実行する仕組みが必須と考えています。そのため、グローバルリーダーの輩出を目的に2023年4月に創設した育成プログラムTokio Marine Group Leadership Instituteを軸に、グループの各分野を総括するチーフオフィサー等で構成するTalent Management Meetingも活用しながら、グループ経営人材候補の特定、登用および評価ならびにグループ経営人材候補ごとに策定された計画(Career Development Program)に基づく、ストレッチ・アサインメントとグローバル研修等を組み合わせた育成サイクルを実行していきます。
ロ)高い専門性を持つ人材の育成
経営戦略のめざす姿の実現には、様々な分野における高い専門性が必要です。東京海上グループでは、グループ横断の取組みとして、アクチュアリー、ファイナンス等の高い専門性を有する人材の育成を目的にManagement Associate Programを実施しています。海外大学からの新卒社員および国内外のグループ会社の若手社員が、2年間で複数のグループ会社・部門・チームをローテーションし、専門性およびグローバルな視点の獲得をめざします。プログラム修了後、参加者は東京海上グループのグループ会社に配置されます。
ハ)自律的なキャリア構築支援
社員個人と会社双方が持続的に成長していくためには、日々の業務のなかで社員一人ひとりの想いと会社のパーパスがしっかりと繋がっていることが重要です。当社および当社子会社の東京海上日動では、「自分自身がこころから願う未来に向けた、譲れないこころざし」をMy Aspirationと呼び、社員個人と会社の双方の成長をめざして、My Aspirationと会社のパーパスの“つながり”を強めていく取組みである「LINK」を進めています。
また、東京海上日動では、チャレンジしたい職務に応募できる「JOBリクエスト」、所属組織の業務を担いながら、希望に基づきコーポレート部門等のプロジェクトに参画する「プロジェクトリクエスト」を通じて、多様な成長機会を提供するとともに、自律的なキャリア構築を支援しています。
ニ)リスキリングを通じた人材の環境対応力の向上
経営戦略に掲げるソリューション事業への進出やAIの活用等、さらなるDX推進を人的資本の面で支えていくためには、採用や配置だけでなく、社員一人ひとりのリスキリングを通じた環境対応力の向上(新たな専門性を有した人材の輩出)が必要です。東京海上日動では「Tokio Marine DX Academy」において、業務や役割に応じて4つの対象(DXリーダー、DXコア、DXドライバーおよび全社員)ごとに研修や育成プログラムを提供することで、全社のDX人材育成を推進しています。
ホ)成長に不可欠な「規律」を意識した人材育成
東京海上日動は、金融庁から保険料調整行為等による業務改善命令を受け、2024年2月に業務改善計画書を提出しました。これを受け、東京海上日動の中期経営計画「Re-New 2026~『本当に信頼されるお客様起点の会社』・『リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社』へ~」において、めざす会社として「本当に信頼されるお客様起点の会社」を掲げています。この実現のため、「LINK」の取組み等による会社のパーパスへの繋がりの強化や役員・社員間の対話の強化に加え、人材育成の目的である「個人と組織の成長」に不可欠なものとして「規律」を重点取組みとし、インテグリティや高い規範意識を持った人材の育成に取り組みます。これまで続けてきた日常業務における慣行を社員一人ひとりが見直していくための、社会情勢の情報および社内外の情報を収集および活用する姿勢の定着による多角的な視点とリスク感性の習得、コンプライアンス研修の拡充による法令遵守意識の向上を図っていきます。
d)環境整備方針
イ)パーパスの浸透
パーパスは当社創業時から不変のものであり、今後も変わることはありません。パーパスはグループ共通の羅針盤、拠り所となるものであり、4万人を超える世界中の社員が持てる力を最大限に発揮するためにはこの浸透が不可欠と考え、グループCEO自らがグループカルチャー総括(以下「CCO」といいます)として先頭に立ち、CCOオフィスという部門横断のバーチャル組織が浸透活動を推進しています。パーパスの実践・体現に向けて、グローバルベースでの認知や理解の促進に加え、2024年度はパーパスへの「共感」に関する各施策に注力しています。
ロ)DE&Iの推進
グループの成長を支える質の高い意思決定の実現には、積極的な人材の多様性確保に加え、多様な人材が持つ能力を最大限発揮できる環境が必要不可欠です。当社はDE&I推進を成長戦略の最重要課題と位置づけ、グループベースでの取組みを進めています。主な施策は次のとおりです。
●Equity(公正)の概念を含めた、DE&Iの取組みの加速
国際女性デーイベント、国際女性会議開催等の機会を活用し、人材の多様性向上および活躍推進に必要不可欠な意識を醸成しています。また、経営トップやマネージャークラスのアカウンタビリティ向上に向けた、DE&I関連の定量・定性目標の追加等の取組みも進めています。
●男女間賃金格差解消に向けた取組み
東京海上日動では、真にインクルーシブで自由闊達な組織風土のもと、多様な社員がエンゲージメント高く働くことで、全ての社員と会社双方が持続的に成長することをめざします。なかでも、ジェンダーギャップ解消を優先すべき課題と捉え、賃金格差の解消に向けた取組みを進めています。
<男女間賃金格差の主な要因>
東京海上日動において、男性と女性の間で賃金格差が生じている要因の分析を行った結果、コース区分および勤続年数の差異による影響が大きいことを確認しています。
・コース区分
転居を伴う転勤(以下「転居転勤」といいます)の有無で賃金差を設けており、転居転勤がある「グローバル」に男性が多く、転居転勤が原則無い「エリア」に女性が多いことから、男性の賃金水準が高い傾向がある。
・勤続年数
男性と女性を比較すると、男性の平均勤続年数が長く、これに伴い男性の賃金水準が高い傾向がある。
<コース区分> <勤続年数>
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<男女間賃金格差解消に向けた主な取組み>
・2024年度より新たな人事制度を導入し、コース区分を廃止して「総合職」へ一本化
・勤続年数、年齢、性別および採用区分(新卒・キャリア採用)等によらない、能力・意欲に応じた役割付与による成長支援
・同意を前提とした転居転勤の導入
・仕事と家庭の両立支援のさらなる推進
●インクルーシブなカルチャーの醸成
多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できるインクルーシブな文化を作ることを目的に、2020年に「プロジェクトMizu」をスタートしました。組織構造や役割の透明化、キャリア採用者向けオンボーディング施策の実施、多様なバックグラウンドを持つ社員間でコミュニケーションを取る際のコラボレーションスタンダードの策定等を通じて、多様性のあるメンバーが協業しやすい環境の整備を進めています。
ハ)エンゲージメントの向上(働きがいおよび働きやすさ)
社員一人ひとりが成長し持てる力を最大限発揮していくベースとなる高いエンゲージメントの実現には、働きがいを持って働ける職場風土と社員の健康の保持および増進が必要不可欠です。エンゲージメント向上の主な取組みは次のとおりです。
●東京海上グループにおける文化や価値観の浸透状況と課題の把握
社員の働きがいを向上させ、能力を最大限発揮できる環境を実現していくためには、各グループ会社への文化や価値観の浸透、エンゲージメントの状況および問題の端緒を継続して的確かつ網羅的に把握し改善に繋げていくことが必要です。そのために、グループを対象とした独自サーベイであるCVSの質問項目の見直しや対象会社の拡大等により、エンゲージメント向上のためのPDCAサイクルの高度化を図っていきます。
●エンゲージメント向上のための取組み
東京海上日動は、社員のエンゲージメント向上に取り組む専任チームである「エンゲージメントデザインチーム」を組成し、地域社会・お客様への貢献や自己成長・自己実現の実感等によりエンゲージメントを向上させる取組みを展開しています。これらの取組みに加え、リモートワークや勤務時間自由選択制度の活用および副業の解禁等の働きやすさを高める施策により、エンゲージメント向上を図っています。
当社は、役員報酬の業績連動部分について、会社目標に「サステナビリティ戦略に係る指標」および「社員エンゲージメント指標」を追加し、経営陣がエンゲージメントの向上にコミットする姿勢を明確にしています。
●社員が心身ともに健康で活き活きと働くためのグループ全体の環境整備
社員一人ひとりが持つ能力を最大限発揮できる環境の土台となるのは、社員の心身の健康の保持および増進です。そのために、当社は「東京海上グループ健康憲章」を定め、グループを挙げて健康経営を推進しています。2024年度からは、毎年6月を「Tokio Marine Wellness Month」と定め、グループが一体となって健康増進の取組みを実施していきます。
東京海上グループの人的資本経営、人事戦略の詳細およびグループにおける取組みの具体例については、人的資本レポート「Human Capital Report 2023」および「Human Capital Report 2024」(2024年6月末発行予定)に記載しています。
③リスク管理
形のない保険や関連するサービスを中核事業とする東京海上グループにおいては、「人」が創り上げる信頼が全ての源泉であり、「人」の力の最大化がパーパスの実現を通じた成長の原動力です。人材の流動性が高まるなか、人材マーケットにおける競争力低下は、人材採用の計画未達および社員の離職に繋がり、当社の経営戦略の遂行を困難にさせる大きなリスクです。人事戦略の実践を通じて、社員一人ひとりへ成長機会を提供し、活躍できる環境を整えることで、このようなリスクの低減に努めています。
④指標と目標
「②戦略 b)人事戦略 ロ)人事戦略の全体像と指標」に記載のとおりです。
なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。