2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    628名(単体) 634名(連結)
  • 平均年齢
    38.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.0年(単体)
  • 平均年収
    5,224,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2024年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

カード事業

合計

従業員数(人)

628

6

634

(157)

(1)

(158)

 

(注) 1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員192人を含んでおりません。

2 従業員数には執行役員を含んでおりません。

3 臨時従業員数は、(  )内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 従業員数は、就業人員を記載しております。

 

(2) 当行の従業員数

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

628

38歳11カ月

16年1カ月

5,224

(157)

 

(注) 1 従業員数は、出向職員15人並びに嘱託及び臨時従業員187人を含んでおりません。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 従業員数は、執行役員13人(うち取締役兼務者4人)を含んでおりません。

4 臨時従業員数は、(  )内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

5 従業員数は、就業人員を記載しております。

6 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

7 当行の従業員組合は、鳥取銀行従業員組合と称し、組合員数は465人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①当行

当事業年度

管理職に占める女性

労働者の割合

(注1、注3)

男性労働者の育児

休業取得率

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

6.0%

106.7%

53.7%

61.3%

65.4%

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.管理職とは「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者を範囲としています。

4.労働者の男女の賃金の差異について、男女間において平均年齢や職位の人員分布に差があることから賃金差異が生じているものです。賃金体系は、職位・職務等が同等であれば性別を問わず同水準の体系となっております。

 

②連結子会社

 連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組み】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

当行グループでは、経営の基本理念である「地域社会への貢献と健全経営」に基づき、地域社会の持続可能な発展と課題解決に資するサステナビリティの取組みを実践しております。

2022年4月にサステナビリティ委員会を設置し、脱炭素社会に向けた取組みやSDGs・ESGを含むサステナビリティの諸課題に組織的に対応していくための議論を行っております。なお、2024年4月に「鳥取銀行SDGs宣言」を発展的に見直した「鳥取銀行グループサステナビリティ基本方針」を制定し、グループ全体でサステナビリティを推進する体制を構築しております。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当行グループでは、脱炭素社会に向けた取組みやSDGs・ESGを含むサステナビリティの諸課題に組織的に対応していくため、2022年4月にサステナビリティ委員会を設置しました。 同委員会は半期に一回の頻度で開催され、代表取締役頭取を委員長とし、本部担当役員や本部各部長から構成されており、サステナビリティへの取組みに関する重要事項を審議することで、持続可能な地域社会の実現に向けたサステナビリティ経営を推進しております。なお、2024年4月に同委員会のオブザーバーに監査部担当役員、監査役に加えて関係会社を追加いたしました。サステナビリティ委員会にて議論、審議した事項は必要に応じて経営会議、取締役会に付議され、委員会の開催と同頻度で取締役会に報告される体制としております。

 


 

≪サステナビリティ委員会における主な審議内容(2023年4月~2024年3月≫

開催時期

テーマ

2023年6月

・人的資本に関する各種方針および指標と目標設定について

・TCFD開示項目:炭素関連資産の報告(2022年度)

2023年9月

・2022年度CO2排出量について

・2022年度ESGデータについて

2023年12月

・サステナビリティ基本方針の策定について

・TCFD開示に関する取組みの進捗状況について

2024年3月

・サステナビリティ基本方針の戦略について

・TCFD開示案について

・気候変動関連リスク管理規定の制定について

 

 

 

②戦略

サステナビリティ経営の実現に向けて、サステナビリティ委員会にて議論を重ね、2024年4月に「鳥取銀行SDGs宣言」を発展的に見直した「鳥取銀行グループサステナビリティ基本方針」を制定しました。

当行グループは、本方針のもと、地域社会の持続可能な発展と課題解決に資するサステナビリティの取組みを実践してまいります。

 

◆サステナビリティ基本方針

鳥取銀行グループは、経営の基本理念である「地域社会への貢献と健全経営」にもとづき、持続的な企業価値の向上に努めるとともに、サステナビリティに関する諸課題の解決に積極的に取組み、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。

 

 

◆重要課題(マテリアリティ)の設定

「サステナビリティ基本方針」に基づき、地域社会や当行を取り巻くさまざまな課題の中から、当行グループが特に取組むべき重要課題を特定し、銀行の方針、戦略を決定しました。

重要課題

リスク

機会

銀行の方針

戦略

環境への配慮

・気候変動・環境保全の対応不足による社会的信頼の低下

・気候変動・環境保全に関連したファイナンスへの関心の高まり

地域社会の環境負荷低減や環境保全活動に取組むとともに、お客さまの環境に配慮した取組みを支援します。

・環境方針の遵守

・TCFD開示  

・生物多様性対応

・CO2排出量削減

・脱炭素経営の支援

地域社会の持続的発展

・少子高齢化、中山間地の衰退等による経済の低迷

・加速するデジタル化への対応不足による顧客離れ

・地域課題解決に資するソリューションの提供

・DX推進による新たな顧客の確保

・金融経済教育、ボランティア等による社会貢献

金融仲介機能を発揮するとともに、お客さまや地域の課題解決に向けた取組みを通じて、地域の持続的な発展に貢献します。

・ソリューション力の強化(創業支援・ビジマ・M&A・経営改善支援等)

・DXの推進

・多様なステークホルダーとの連携・協働

・金融教経済育の実施

・地域行事やボランティア活動への参加

多様な人財の活躍推進

・価値観の多様性への対応不足による従業員のモチべーションの低下や若年層の早期退職

・価値観の多様性への対応による働きがいの向上や新たな人財の確保

すべての役職員が個性や能力を十分に発揮し、働きがいを感じ、活躍できる、多様性と創造性を尊重した職場づくりに取組みます。

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

・プロフェッショナル人財の育成

・自律と挑戦によるキャリア形成を支援

・副業・兼業の推進

・エンゲージメントの向上

・人権方針の遵守

ガバナンスの強化

・リスクの多様化・複雑化への対応不足による社会的信頼の低下

・顧客本位の業務運営による信頼確保

・情報開示による企業価値の向上

コンプライアンスの遵守やリスク管理体制の強化を図り、健全経営の実践に努めるとともに、積極的に情報を開示し、信頼される企業を目指します。

・リスク管理体制の高度化

・コンプライアンス態勢の強化

・情報開示の充実

・お客さま本位の業務運営方針の遵守

・投融資方針の遵守

・トップライン増強と生産性向上に向けた取組み

 

 

③リスク管理

当行グループは、サステナビリティに関連するリスク、機会をサステナビリティ委員会にて審議し、重要な事項は経営会議、取締役会に報告、付議する体制としております。また、経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスクについては、統合的リスク管理として「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」に分類し、評価しております。それぞれのリスクについての詳細は、「3 事業等のリスク」を参照ください。

なお、気候変動に関するリスク管理は、「(2)気候変動に関する取組み ③リスク管理」を参照ください。

 

◆投融資方針の制定

当行では、地域経済・社会の持続可能性の向上を実現するため、環境・社会にポジティブな影響を与える事業者を積極的に支援する一方、特定事業等への投融資は慎重に判断し、環境・社会へのネガティブな影響の低減・回避に努めることを目的に、2022年8月に「地域社会・環境に配慮した投融資方針」を策定しました。

1.基本方針

当行は、経営の基本理念である「地域社会への貢献と健全経営」にもとづき、地域社会の持続可能な発展と課題解決に資する投融資を積極的に行い支援します。また、地域社会や環境に対して負の影響を与えるおそれがある投融資については、十分に注意しながら取組み可否を検討し、その影響を低減・回避することに努めます。

2.積極的に支援する事業

以下に例示するような事業に対して、積極的に支援を行います。

1.地方創生、まちづくり、地域社会や地域経済の持続的な発展に資する取組み及びその事業

2.気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業

3.水資源や森林資源などの保全に資する事業

4.SDGs・ESGの趣旨に沿った経営を志向する事業

5.少子高齢化に対応する教育、医療や福祉に資する事業

6.農林水産業や観光産業をはじめとした地域産業の振興に資する事業

7.防災や減災に資する取組み及びその事業

3.地域社会や環境に与える影響が大きい業種・セクターへの対応

地域社会や環境に対して負の影響をもたらす可能性の高い特に以下に対しては、原則、事業への投融資を行いません。

ただし、例外的に取組みを検討していく場合は、国のエネルギー政策のほか環境社会配慮ガイドラインや公的輸出信用アレンジメントをはじめ国際的なガイドラインや認証取得状況などを参考に、地域社会や環境への影響など個別案件ごとの背景や特性を十分に検討のうえ、慎重に対応いたします。

1.新設の石炭火力発電事業

2.クラスター爆弾製造関連事業など非人道的事業

3.人権侵害や強制労働が懸念されるパーム油農園開発事業など

4.原生林や生態系の破壊など環境への甚大な影響が懸念される森林伐採事業など

 

 

④指標及び目標

重要課題

指標

目標

環境への配慮

CO2排出量削減

2030年度:2013年度比で60%削減

2050年度:ネットゼロ

(注1)

サステナブルファイナンスの取組み

2021年度~2030年度の10年間で2,000億円

(注1)

脱炭素アドバイザー取得

推進

目標は設定していませんが、脱炭素経営支援のため、積極的に取得します。

地域社会の

持続的発展

金融経済教育受講者数

2021年度~2030年度で累計5千人

(実績:2023年度までで累計約1,400人)

ボランティア活動の参加

人数の増加

目標は設定していませんが、地域社会へ貢献できるよう積極的に参加します。

多様な人財の

活躍推進

キャリアスキル認定者

(累計)

2026年度末で150名

(注2)

一人当たりの人財開発投資額(研修費+人財開発関連手当+教育関連システム経費)

2026年度:400千円

(注2)

一人当たりの研修参加回数

2026年度:年間8回

(注2)

女性管理・監督職比率

2026年度末で27%

(注2)

男性育児休業一人当たり

取得日数

2026年度:14日以上

(注2)

障がい者雇用率

2026年度末で3.00%

(注2)

ガバナンスの

強化

危機管理・リスク管理の高度化により強固なリスク管理体制を目指します。

 

(注)1 詳細は(2)気候変動に関する取組み④指標及び目標を参照ください。

   2 詳細は(3)人的資本に関する取組み②指標及び目標を参照ください。

 

 

(2)気候変動に関する取組み

気候変動への対応が経営戦略のうえで取組むべき重要な課題であると認識し、2022年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明いたしました。併せて、地域社会の一員としての社会的責任を認識し、環境保全の取組みを推進するため、「環境方針」を策定し、地域社会の環境負荷低減や環境保全活動に取組むとともに、お客さまの環境に配慮した取組みを支援することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

今後、TCFD提言および環境方針に沿って気候変動への対応を強化するほか、情報開示の充実に努めてまいります。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティに関するガバナンスの中で実践しておりますので、詳細は、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

②戦略

当行では、気候変動関連のリスク及び機会を短期(~5年)、中期(5年~10年)、長期(10年~20年)の時間軸にて1.5℃と4.0℃の2つのシナリオを用いて定性的、定量的に分析しています。気候変動リスクについては、脱炭素社会への移行における規制強化に伴う「移行リスク」と、気候変動による自然災害がもたらす水害等の発生を対象とした「物理的リスク」が、当行及び当行の投融資先のお客さまへもたらす影響を認識しています。

 

◆リスク及び機会

リスク/機会

要因

事業への影響

時間軸

財務影響

移行リスク

市場リスク

市場の変化

脱炭素化に向けた産業の変化に伴う保有株式、債券の価値低下

中期~長期

レピュテーショナルリスク

顧客からの評価

気候変動関連に対する取組みや情報開示の対応不足に対するステークホルダーからの批判

短期~長期

信用リスク

炭素税の導入、規制の強化

脱炭素に関する規制や税制、取引先からの要請強化による融資先の費用負担増加及び業績悪化

中期~長期

物理的リスク

有形資産リスク

自然災害の激甚化・頻発化

風水災等の被災に伴う自行資産の毀損・修繕費用発生

短期~長期

有形資産リスク

自然災害の激甚化・頻発化

風水災等の被災に伴う自行の事業の中断

短期~長期

信用リスク

自然災害の激甚化・頻発化

風水災等の発生に伴う自行不動産担保の価値毀損

短期~長期

信用リスク

自然災害の激甚化・頻発化

風水災等に伴う融資先の直接的な損害やサプライチェーンの間接的な損害による事業の中断および復旧費用負担増加による業績悪化

短期~長期

信用リスク

平均気温の上昇

海面上昇による融資先の直接的な損害やサプライチェーンの間接的な損害による事業の中断および復旧費用負担増加による業績悪化

長期

機会

資源効率

省エネ需要の増加

省エネルギー化等による自行の事業コストの低減

短期~長期

製品及びサービス

再エネ需要の増加

再生可能エネルギー関連融資を含むサステナブルファイナンスの取組みによる収益増加

短期~長期

脱炭素支援の市場拡大

脱炭素支援に関するコンサルティング実施による収益増加

短期~長期

インフラ強化の需要増加

災害対策や事業継続目的のためのインフラ投資に基づく資金需要拡大による収益増加

短期~長期

レジリエンス

社会的評価の向上

気候変動対応強化と積極的な開示による企業価値・社会的価値の向上

中期~長期

 

 

 

◆リスク及び機会への当行の対応

取組み

取組内容

CO2排出量の算定・情報開示

当行グループのCO2排出量の削減に取組むとともに気候変動への当行の取組みを開示しています。

 ・CO2排出量を算定、削減目標の開示

  ・CO2排出量の削減策の実施

 ・気候変動に関する情報収集

脱炭素経営支援

お客さまの脱炭素経営を支援しています。

  ・CO2排出量の可視化

  ・省エネ診断、省エネ・再エネ設備の導入

  ・Jクレジットの仲介

 ・脱炭素経営に関連したセミナーの実施 など

サステナブルファイナンス

お客さまのサステナブル経営を資金面から支援しています。

 ・グリーンローン

 ・ソーシャルローン

 ・サステナビリティ・リンク・ローン

 

 

◆気候変動に関するシナリオ分析

・移行リスク 

移行リスクは、当行の融資ポートフォリオにおいて気候変動リスクの影響度が高い「電力」、「ガス」、「石油」セクターを対象にIEAが公表する1.5℃シナリオのもとで、炭素税の導入による個社の財務への影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。

・物理的リスク

物理的リスクは、当行の担保物件、与信先企業に与える水害被害を対象とし、担保毀損影響及び与信先企業の業務停止・停滞に伴う売上減少の影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。

 

移行リスク

物理的リスク

シナリオ

1.5℃シナリオ:IEA“NZE Scenario”

※IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)

4.0℃シナリオ:IPCC“RCP8.5”

※IPCC:Intergovermental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)

セクター

電力、ガス、石油セクター

鳥取県内の当行融資先(法人)

分析手法

IEAの”NZE Scenario”における炭素税データを基に投融資先の業績・財務状況について推計し、債務者区分の変化による与信コストの増加額を分析

洪水発生時の浸水規模に応じて担保毀損額および業務の停止・停滞に伴う売上減少額について推計し、与信コストの増加額を分析

分析期間

2050年まで

2050年まで

分析結果

13億円程度

9億円程度

 

 

◆炭素関連資産の状況

当行では、TCFD提言を踏まえた気候変動に及ぼす影響の高いセクターへの貸出金について、気候変動リスクを定量的に把握するため炭素関連資産をモニタリングしております。2022年度より2021年10月のTCFD提言の改定を踏まえ、炭素関連資産とする対象セクターを「エネルギー(水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)」、「運輸」、「素材・建築物」、「農業・食糧・林産物」の4セクターに拡大しました。2023年度の貸出金に占める割合は16.9%(2023年度末)となっています。なお、従来の炭素関連資産の定義に基づく炭素関連セクター向け貸出金の、当行の貸出金に占める割合は1.6%です。当行貸出金残高に占める4つのセクターの割合は以下の通りです。

炭素関連

セクター

エネルギー

運輸

素材・建築物

農業、食品、林産物

合計

割合

1.6%

1.6%

11.3%

2.4%

16.9%

 

 

③リスク管理

◆気候関連リスクの識別・評価

当行では、業務運営におけるリスク管理の基本指針である「リスク管理統括規定」を制定し、事業運営上において発生しうるあらゆるリスクの予防、発見、及び再発防止に係る管理体制を構築しております。特に気候変動に伴うリスクについては、短期的なリスクのみならず中・長期的なリスクの識別・評価を経営統括部サステナビリティ推進室が実施し、サステナビリティ委員会にて審議された後、特に重要であるリスクについては必要に応じて取締役会等に報告しています。

 

◆統合的なリスク管理

識別・評価された気候関連リスクに関しては、当行への影響度と蓋然性の観点から重要度を決定し、リスク軽減のためにサステナビリティ委員会にて予防策、対応方針を管理する体制としています。また、当行が定める「気候変動関連リスク管理規定」において、「物理的リスク」「移行リスク」を「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」のリスクカテゴリーに分類することで、統合的なリスク管理を実施しています。

 

④指標及び目標

◆サステナブルファイナンスの目標と実績

当行では、2021年から2030年までの10年間において累計で2,000億円のサステナブルファイナンスの実行計画を掲げております。2021年度において達成率は12.2%、2022年度では26.4%、2023年度においては39.5%と年平均13.1%の割合で拡大しております。

算定期間

2021年度から2030年度の10年間

累計実行目標

2,000億円

 

※サステナブルファイナンスの定義:脱炭素社会および持続的な地域社会の実現に貢献する融資、私募債など

環境

再エネ、省エネなど環境負荷低減に資する事業など

社会

医療、福祉・介護、教育関連、創業資金、事業承継資金など

 

 


 

◆温室効果ガス排出量の削減目標と実績

当行では、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づき温室効果ガス排出量の算定を実施しております。温室効果ガスの削減目標については、2013年度比で60%削減、2050年度にネットゼロを掲げております。 また、2022年度より新たにサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を把握するためにScope3排出量を算定いたしました。今後は投融資先ポートフォリオ排出量(ファイナンスド・エミッション)の算定を進めるとともに、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルへの取組みを強化していきます。

※2022年度より連結で開示しております。

指標

CO2排出量の削減

目標

2030年度に、2013年度比で60%削減

2050年度にネットゼロ※(Scope1,2)

 

※ネットゼロとは、CO2などを含む温室効果ガスが“実質ゼロ”という意味で、温室効果ガス排出量から吸収量を差し引いた合計がゼロになる状態をいいます。世界中の多くの政府や企業が採用している温室効果ガス算定基準である「GHGプロトコル」にもとづく分類(サプライチェーン排出量)では、以下のように定めています。

Scope1:事業者自らによる直接排出量で、ガソリン、重油、ガス等の燃料の使用によるCO2排出量

Scope2:事業者が他者から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出量

 


 

                                    (単位:t-CO2)

 

2013年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2030年度

Scope1

485

437

409

412

387

Scope2

2,795

1,782

1,482

1,474

1,490

Scope1+2

3,280

2,220

1,891

1,886

1,877

1,312

 

 

温室効果ガス排出量の実績(Scope3)                  (単位:t-CO2)

カテゴリー

2023年度

カテゴリー1:購入した製品サービス

579

カテゴリー2:資本財

1,569

カテゴリー3:Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー

280

カテゴリー4:輸送、配送(上流)

535

カテゴリー5:事業から出る廃棄物

105

カテゴリー6:出張

107

カテゴリー7:雇用者の通勤

280

合   計

3,455

 

Scope3:事業者自ら排出している温室効果ガス(CO2等)であるScope1、2以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量

 

 

(3)人的資本に関する取組み

①戦略

組織、事業内容が異なる当行グループ全体での設定が困難なため、当行単体で戦略を設定しております。

当行では2023年度までの中期経営計画「共創Innovation」においては、「基盤戦略」として「人財強化」を位置づけ、続く2024年4月にスタートした新中期経営計画「for the FUTURE ~未来に向けて~」では「人的資本経営の実践」を重点テーマとして、以下の「人財育成方針」および「社内環境整備方針」に基づき、人的資本に関する継続的な取組みを進めております。

 

<人財育成方針>

当行は、すべての役職員が、地域社会の未来を「創り、守り、支える存在」になるために、以下記載の方針に基づき、経営陣指導のもと人財育成に取り組んでおります。

≪方針≫

1.お客さま・地域社会の発展のためのコンサルティング機能を提供できるスキルを持った人財を育成する

2.専門性を発揮できるプロフェッショナル人財の育成に取組む

3.部下の育成支援に係る管理・監督者のマネジメント力の強化をはかる

4.各々が強みや適性を活かし自律的にキャリア形成を行う体制を整備し、自律・挑戦による成長をサポートする

5.支店長および本部各部長が先頭に立ち、営業店・本部が一体となって組織全体で人財を育成する

 

<社内環境整備方針>

当行は、すべての役職員が、それぞれの個性や能力を十分に発揮し、やりがいを持って活躍できるよう、 行員一人ひとりの自律・挑戦による成長をサポートする、多様性と創造性を尊重した職場環境の整備を推進します。

 

また、上記の方針を達成するため以下の「方針テーマ」を定め、各種施策の推進に取組んでおります。

<方針テーマ>

◆自律人財の育成

「やりがい」ある制度の充実と成長をサポートする仕組みづくり

◆挑戦する風土の醸成

挑戦をすることで自己実現を目指せる環境づくり

◆ダイバーシティ&インクルージョンの推進

多様性を認め合い、個々の能力を発揮できる組織づくり

 

 

②指標及び目標

事業内容が異なる当行グループ全体での設定が困難なため、当行単体で指標及び目標を設定しております。

イ 2023年度における指標・目標と実績について

 ・当行では、上記「①戦略」における「人財育成方針」および「社内環境整備方針」に基づき、各方針テーマにおいて指標を定めています。

    2023年度における中期経営計画「共創Innovation」(2021年4月~2024年3月)に基づいた当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

方針テーマ

項目

指標・目標

(中計「共創Innovation」期間中)

2021年度

実績

2022年度

実績

2023年度

実績

目標

達成率

・自律人財

 の育成

 

・挑戦する

 風土の

 醸成

・プロフェッショナル

 人財増強

 (キャリアスキル

 認定制度)

・キャリアスキル
 認定者(累計)

110

70人

104

94.5%

・人財開発投資の充実

・一人当たり研修費

30,000

18,146円

22,675円

30,845

102.8%

・研修強化

・一人当たり研修
 参加回数

4

3.16回

3.29回

4.07

101.8%

・ダイバー

 シティ&

 インクル

 ージョン

 の推進

・女性リーダーの養成

・女性部店長人数

15

9人

13人

13

86.7%

・女性活躍推進

・女性管理・監督職
 比率

24

22.5%

23.6%

24.8

103.3%

・育児休業取得推進

・男性育児休業取得率

100

25.0%

26.7%

106.7

106.3%

 

(注)本目標は、中期経営計画「共創Innovation」期間中(2021年4月~2024年3月)の目標であり、期間最終年度である2023年度末の当行目標を記載しております。実績は各年度末時点の数値を記載しております。

(1)キャリアスキル認定者は、当行制度であるキャリアスキル認定制度におけるプロフェッショナル人財(スペシャリスト・エキスパート)を対象としております。

(2)一人当たり研修費は、総研修費を各年度の平均従業員数(嘱託及び臨時従業員を除く)で除して算出しております。

(3)一人当たり研修参加回数は、各年度の総研修参加人数を平均従業員数(嘱託及び臨時従業員を除く)で除して算出しております。

(4)女性部店長人数は、当行における女性リーダー(部店長、部長待遇出向者、エリア支店長、室長、所長等)を対象としております。

(5)女性管理・監督職比率における、管理職とは「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者を、監督職とは管理職の手前の「係長級より上位の役職(上席支店長代理・支店長代理等)」にある労働者を範囲としております。

(6)男性育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

ロ 新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」における指標・目標について

 ・当行では、2024年4月より新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)をスタートし、重点テーマとして「人的資本経営の実践」を位置づけ、各方針テーマにおいて指標を定めています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

方針テーマ

項目

指標・目標

(中計「for the FUTURE」期間中)

2021年度

実績

2022年度

実績

2023年度

実績

・自律人財

 の育成

 

・挑戦する

 風土の

 醸成

・プロフェッショナル

 人財増強

 (キャリアスキル

 認定制度)

・キャリアスキル
 認定者(累計)

150

70人

104

・人的資本投資の充実

・一人当たりの人財開
 発投資額(教育関連
 費)

400

千円

38千円

162千円

249

千円

・人財開発強化

・一人当たり研修
 参加回数

8

3.16回

3.29回

4.07

・ダイバー

 シティ&

 インクル

 ージョン

 の推進

・女性活躍推進

・女性管理・監督職
 比率

27

22.5%

23.6%

24.8

・多様な働き方推進

・男性育児休業
 一人当たり取得日数

14

日以上

7.0日

8.0日

8.1

・多様性ある職場環境

 の推進

・障がい者雇用率

3.00

2.71%

2.80%

2.67

 

(注)本目標は、中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」期間中(2024年4月~2027年3月)の目標であり、期間最終年度である2026年度末の当行目標を記載しております。実績は各年度末時点の数値を記載しております。

(1)キャリアスキル認定者は、当行制度であるキャリアスキル認定制度におけるプロフェッショナル人財(スペシャリスト・エキスパート)を対象としております。

(2)一人当たり人財開発投資額は、総研修費、人財開発関連手当(自己成長サポート手当、スキル手当等)、教育関連システム経費の合計金額を各年度の平均従業員数(嘱託及び臨時従業員を除く)で除して算出しております。

(3)一人当たり研修参加回数は、各年度の総研修参加人数を平均従業員数(嘱託及び臨時従業員を除く)で除して算出しております。

(4)女性管理・監督職比率における、管理職とは「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者を、監督職とは管理職の手前の「係長級より上位の役職(上席支店長代理・支店長代理等)」にある労働者を範囲としております。

(5)男性育児休業一人当たり取得日数は、厚生労働省が明示している『「育児休業平均取得日数」を公表する場合の公表・計算例』に基づいて算出したものであります。

(6)障がい者雇用率は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」第43条第1項の規定に基づく、障害者雇用率制度における雇用率設定基準にて算出したものであります。

 

1.プロフェッショナル人財増強(キャリアスキル認定制度)

当行では、行員一人ひとりが各々の強みや適性を活かしたキャリアを選択し、自律的にキャリア形成にチャレンジする風土をつくり、行員の各専門分野におけるスキル向上、プロフェッショナル化を目的に、2022年度より行内認定制度として「キャリアスキル認定制度」を導入し、プロフェッショナル人財の育成に取り組んでおります。

新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においても、この「キャリアスキル認定制度」における認定者の増加を図ることで、当行行員一人ひとりの積極的な自律と挑戦を促し、プロフェッショナル人財の増強を行ってまいります。

 

2.人的資本投資の充実

当行では、2023年度までの前中期経営計画「共創Innovation」(2021年4月~2024年3月)においては「人財強化」を基盤戦略の一つとし、一人ひとりが自律的にキャリア形成を行える体制を整備し、自律・挑戦による成長をサポートするために、研修体制の充実、自己啓発環境の整備、人財開発に向けた手当の新設等の取り組みを積極的に進めてまいりました。

新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においても、すべての役職員が地域社会の未来を「創り、守り、支える存在」になるために、行員の自律的な学習を支援するラーニングマネジメントシステムの新規導入やタレントマネジメントシステムの利用拡充などのシステム投資に加え、研修体制の更なる充実強化を図るなど、自己啓発を含めた人財開発支援に向けた投資に積極的に取り組んでまいります。

 

3.人財育成強化

当行では、「地域社会の発展を力強くリードするコンサルティングバンク」を実現する行員を育成するため、2022年度より「人財育成プラン」を策定しております。分野別・スキルレベル別の「分野別コンサルティング育成プログラム」、階層ごとの必要な能力開発を行う「階層別キャリアサポートプログラム」を実施、またWeb研修システムを導入するなど研修体系を整備することで体系的、継続的に行員全体がスキルアップし、一人ひとりが自律的なキャリア形成を行えるよう取り組んでおります。引き続き、新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においても、「人財育成プラン」の充実を図ることで、各分野別、階層別の研修体系を強化するとともに、管理監督者の人財育成に向けたマネジメント力の強化にも取り組み、営業店・本部が一体となり組織全体で人財を育成してまいります。

 

4.女性活躍推進

当行では、イノベーションを生み出す多様な人財が活躍する組織を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を行っております。特に、従業員の約45%を占める女性の活躍推進は、当行の企業価値向上において大きな課題と捉え、前中期経営計画「共創Innovation」(2021年4月~2024年3月)において、人事制度の改定(「総合職」・「一般職」を「営業職」へ統合し「事務職」を新設)や、女性向けの各種研修制度の充実を図り、女性のキャリア形成支援に注力してまいりました。その結果、監督職(上席支店長代理、支店長代理等)における女性比率は着実に増加、女性管理・監督職比率の向上につながっております。

   (参考)女性管理職比率及び女性監督職比率の推移

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

女性管理職比率

5.7%

5.8%

6.0%

女性監督職比率

37.7%

39.1%

40.2%

 

新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においても、女性管理職比率向上に向けて「女性管理職養成プログラム」の導入を行い、また、管理職の土台となる監督職層の女性比率においては、男女比率同水準までの更なる向上を目指し「営業職女性行員パワーアッププラン」を実施するなど、女性のキャリアアップに向けた支援を積極的に進め、ジェンダー平等に向けた取り組みを行ってまいります。

 

5.多様な働き方推進

当行では、ダイバーシティ&インクルージョンの観点から、多様な働き方を推進すべく、男性の育児休業取得を支援しております。前中期経営計画「共創Innovation」(2021年4月~2024年3月)においては、「男性育児休業取得率」の100%取得を目標に推進し、2023年度において106.7%と、目標を達成することができました。しかし、女性に比べると、男性の育児休業における取得日数は非常に限られたものになっているという現状の課題を踏まえ、新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においては、「男性育児休業一人当たり取得日数」14日以上を目標に掲げ、制度休暇新設の検討を含めた取得しやすい環境づくりに取り組むことにより、更なる推進を図ってまいります。

 

6.多様性ある職場環境の推進

当行では、それぞれの個性や能力を十分に発揮し、やりがいを持って活躍できるよう、多様性と創造性を尊重した職場環境の整備に努めております。新中期経営計画 「for the FUTURE ~未来に向けて~」(2024年4月~2027年3月)においては、障がいがある方の職場環境整備の更なる推進を目指して、2024年度中に障がい者雇用グループを組織化し、障がい者が働きやすく、各々の能力を最大限に発揮できるような支援、環境作りに取り組んでまいります。