2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,002名(単体) 2,623名(連結)
  • 平均年齢
    46.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.6年(単体)
  • 平均年収
    5,402,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

スーパーマーケット事業

2,002

[10,067]

ドラッグストア事業

510

[1,804]

小売支援事業

111

[212]

合計

2,623

[12,083]

 

(注) 従業員数は、期末の就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、パートタイマーの雇用者数は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

(2024年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,002

[10,067]

46.5

21.6

5,402

 

(注) 1.当社はスーパーマーケット事業に属しており、上記従業員は全てスーパーマーケット事業に属しております。

2.従業員数は、期末の就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、パートタイマーの雇用者数は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は、UAゼンセンいなげや労働組合及びUAゼンセンウェルパーク労働組合と称し、いなげや本社内に両組合本部が、また各事業所別に支部が置かれ、2024年3月31日現在における組合員数は9,768人で上部団体のUAゼンセン流通部門に加盟しております。

労使関係は円滑に推移し、特記すべき事項はございません。

 

(4)管理職に占める女性従業員の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・有期労働者

2.8

81.3

47.8

70.5

73.1

男女賃金差の要因
・女性に比べ男性の勤続年数が長い
・管理職における女性社員の割合が低い
・若年層に女性社員が多い

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱ウェルパーク

15.8

72.7

65.2

92.3

136.4

男女賃金差の要因
・女性に比べ男性の勤続年数が長い

㈱いなげやウィング(注3)

0.0

 

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 3.常用雇用する労働者が101人以上300人以下の事業会社であるため、「管理職に占める女性労働者の割合」のみの記載となっております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(サステナビリティの取り組みについて)

当社グループは、企業の社会的責任を果たすべく、グループビジョンである「“地域のお役立ち業”として社会に貢献する」の実現に向けて、様々な社会課題に取り組んでいます。2020年7月より当社代表取締役社長を委員長とする「SDGs推進委員会」を立ち上げ、「SDGs」の達成に向けてスタートし、取締役などの推進委員によってSDGs課題の設定・政策の実行に取り組んでおります。また、当社グループの店舗等従業員に向けて課題等の周知・理解を目的に、社内報による社内浸透にも努めてまいりました。2021年6月には専任部署となる「サステナビリティ推進室」を新設、2022年3月には「サステナビリティ方針」を策定し、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。また、2022年10月には「SDGs推進委員会」から「サステナビリティ推進委員会」に改名し、サステナビリティ経営の推進体制を構築してまいりました。

 

 

〔いなげやグループ サステナビリティ方針〕

「いなげやグループは、1900年の創業から続くお客様からのご愛顧を誇りとし、社是・経営理念・グループビジョンに基づき、持続可能(サステナブル)な経営の促進を図ります。お客様満足と従業員満足を追求しながら、この先も地域のお役に立つ永続的な企業として、より健全で持続的な社会の実現に貢献します。」

 

〔6つのマテリアリティ(重要課題)と6つの約束〕

これまでのESG/SDGsに相当する取り組みをもとに、社内外の経営層や社外ステークホルダーからの意見聴取などを通じて「当社グループが取り組むべき重要課題」を多目的に検討し、20項目の課題候補を抽出。当社グループ全従業員を対象としたアンケートを行い、社会性と経済性を両立した持続的に成長していくための6つの重要課題(マテリアリティ)を特定しております。

 

マテリアリティ

(重要課題)

約束

成長戦略

①事業競争力の創造

「成長し続けます」

新たな競争力を創造し続け、地域のお客様に安心・安全で質の高い商品とサービスを提供し、お客様満足を追求します。

②地域社会との共栄

「地域のお役に立ちます」

地域のお役立ち業として、事業活動を通じて地域の困りごとの解消に寄与することで、地域社会とともに発展します。

③パートナーシップの推進

「力を合わせます」

グループの総合力を強化するとともに、お取引先様との連携を促進することで、力を合わせて課題解決に取組みます。

ESG戦略

④グループの成長と共に未来に繋がる人財の育成

「人を大切にします」

一人ひとりの個性や価値観を尊重し、お互いの力を最大限に活かせるように、多様な人財が活躍できる環境を整え、従業員満足を追求します。

⑤持続的な環境負荷の軽減

「地球の環境を守ります」

これからも人々が安心して暮らせるように、事業活動を通じた気候変動への対応や資源の効率的な利用に取り組み、地球環境保全に努めます。

⑥強固なガバナンス体制の構築

「安心・安全を確立します」

法令や社会規範を遵守し、公正かつ透明性の高い事業活動をおこなうとともに、リスク管理強化に向けたガバナンス体制を構築します。

 

 

 

(1)ガバナンス

当社グループのサステナビリティ推進におけるガバナンス体制は、地域のお役に立つ永続的な企業として、より健全で持続的な社会の実現に貢献することを目指し、特定したマテリアリティの解決に向けて取り組みを推進することを目的として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、全社内取締役、全執行役員、労働組合でメンバーが構成され、いなげやグループコンプライアンス委員会をはじめとする各委員会と連携し、グループ各社・グループ全従業員とも連携を強化することで、グループ全体でサステナビリティの推進を図っています。同委員会には具体的な施策の検討・推進を担う下部組織として3つの分科会(環境分科会、食品ロス削減分科会、健康経営分科会)を設け、課題の解決ならびにリスクの未然防止に取り組んでおります。傘下の3分科会の活動状況は、毎月開催する同委員会において進捗報告を行い改善を図るとともに、年2回取締役会でも進捗報告を行い指導を受けております。

 


 

(2)戦略

当社グループは、社会課題の解決と企業価値向上を両立することで持続的な成長に向けて、サステナビリティの推進に積極的に取り組んでいます。事業活動と関係する社会課題や要請が多様化や変化をする中、現在において特に重点的に取り組むべき課題に集中して適切に対応するため、当社グループの事業領域における「6つのマテリアリティ(重要課題)」を特定し、課題解決に向けて取り組みを進めております。

 

<6つのマテリアリティ(重要課題)>

①事業競争力の創造

②地域社会との共栄

③パートナーシップの推進

④グループの成長と共に未来に繋がる人財の育成

⑤持続的な環境負担の軽減

⑥強固なガバナンス体制の構築

これらにより、事業活動を通じての社会課題の解決だけでなく、重点課題を起点として機会創出となる新たなビジネスモデルの創出にも取り組んでおります。

当社グループでは、2006年7月に環境方針を策定し「環境活動宣言」を行い、これまでの環境活動に積極的に取り組んでまいりました。しかし、気候変動による異常気象や資源の枯渇などが急激に進んでおり、当社グループの事業活動が地球環境に与える影響を鑑み、環境負荷軽減への取り組みは喫緊の課題であると考えています。重点課題の一つとして、「⑤持続的な環境負荷の軽減」を定め、事業活動を通じた気候変動への対応や資源の効率的な利用に取り組むことで地域環境保全に努めることを企業としてコミットしております。

 

当社グループにおける、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内整備環境に関する方針は、以下のとおりであります。

 

(人財育成・人的資本について)

当社グループは、グループ全従業員を会社の財産と位置付け尊重していることから「人材」を「人財」としています。当社グループの理念・願いを大切にし、未来を創造し続ける人財を育成する教育機関として、2021年3月に「すこやけく創造塾」を設立いたしました。「すこやけく創造塾」は、当社グループの規範であるいなげやグループフィロソフィーに基づいて考働(注)できる人財を育成し、当社グループビジョンである「地域のお役立ち業」として、今後10年・20年・100年と持続を越えて永続的に発展し続ける、未来ある企業へ向けた人財教育機関としての役割を果たすことを目的としています。

(注)考働とは、自ら考え働くことで会社の発展と自己の成長に結びつけていくことを意味します。

 

(人財育成方針)

当社グループ従業員に求める人財像「常に謙虚さを忘れず感謝の心をもって考働できる人財“立派な社会人”“立派な市民”“立派な国民”」をビジョンとし、以下の方針を定めています。

 

1. 社是・経営理念の浸透(人間力)へ向けて

社是・経営理念を正しく理解し、「人として」正しく考働できる従業員教育を実施し、健全な社会に貢献できる人財を育成する

2. 永続・発展、そして未来ある企業(組織力)へ向けて

社是・経営理念を正しく理解し、「人の為に」正しく考働できる従業員教育を実施し、会社の発展に貢献できる人財を育成する

3. いなげやの求める人財像(現場力)へ向けて

階層別役割・責任を正しく理解し、「リーダーとして」正しく考働できる従業員教育を実施し、良き経営風土を伝承できる、未来ある人財を育成する

 

(ダイバーシティの推進)

当社グループは、2010年に障がい者雇用の促進と障がい者の自立支援を目的に特例子会社「いなげやウィング」を設立いたしました。以降、健常者と障がい者が分け隔てなく共に働ける職場環境づくりを推進し続け、当該年度においても法定障害者雇用率2.3%に対し、3.7%を達成しております。

また、女性活躍推進の一環としてすべての女性従業員がその能力を十分発揮し、活き活きと働き続けることのできる企業になることを目的に、他社水準を超えた育児短時間勤務制度導入や法定を上回る介護休職制度の導入など、育児や介護と仕事の両立が図りやすい労働環境の整備にも努めてまいりました。その結果、全国平均8割台で推移している女性育児休業取得率に対し、当社は過去3年間100%の取得率を維持しております。

 

 

(健康経営の推進)

当社グループは「健康」こそが従業員やその家族にとって大切なものであり、会社にとっても貴重な財産であるという考えの下、2021年4月に健康経営宣言を行い、積極的に健康経営に取り組むことを明確化いたしました。

取り組みといたしましては、全店舗へ血圧計の配布、社員を対象とした研修の実施、部署を横断したプロジェクトチームの発足、社内報での啓蒙活動などを実施し、これらの活動を通じて2024年3月、当社は「健康経営優良法人2024」に認定されました。今後も食と健康に関する様々な事業活動を通じて「健康経営」を推進し、従業員のみならず、地域のお客様の健康づくりにも貢献してまいります。

 

(3)リスク管理

サステナビリティ推進において、マテリアリティに関連するリスクと機会を把握して様々な事業活動を行っています。具体的には、気候変動により資源価格の変動や自然災害の発生リスクが高まる一方で、省エネ機器導入や太陽光発電パネル設置など環境負荷軽減による効率的な店舗運営への機会が創出されています。また、少子高齢化によりお客様数の減少や就労人口の減少などのリスクが高まる一方で、移動スーパー事業やネットスーパー事業などの販売チャネルの創出やセルフレジ導入などによる省人化が加速しております。サステナビリティを推進することで、今後もグループ内に潜在するリスクと機会を抽出し、質と量の充実を図れるよう検討を進めてまいります。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、「上記(2)戦略」において記載した、人材の多様性を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方法について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

課題

2025年までの
目標値

実績
(当連結会計年度)

取り組み

女性管理職の育成

女性管理職人数 68

女性管理職人数 58

・管理職候補の要件取得状況と対象者の個別育成プランの確認
・労働環境改善に向けた課題の抽出とフォロー体制づくり
・管理職の労働環境改善策の実行

女性正社員比率の向上

女性正社員割合21.4%

女性正社員割合20.6%

・新卒採用時の女性社員割合4割以上を目指す
・非正規社員の正社員登用制度の見直し、改善

男性従業員に向けた育児休業取得の推進

男性社員の育児休暇取得者 20

男性社員の育児休暇取得者 21

・社内外の制度の周知及び社内報での取得事例の紹介
・休業時の代替要員含めた店舗のフォロー体制について労使協議の実施及びその協議策の実行